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ダークホース市川龍之介が初優勝、粘りの柔道で本命・古賀玄暉を破る・全国高等学校柔道選手権男子60kg級レポート

(2016年3月26日)

※ eJudoメルマガ版3月26日掲載記事より転載・編集しています。
ダークホース市川龍之介が初優勝、粘りの柔道で本命古賀玄暉を破る
全国高等学校柔道選手権男子60kg級レポート
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第1シードから順当に勝ち上がった古賀玄暉

決勝に進出したのは2連覇を狙う大本命・古賀玄暉(大成高)とダークホース・市川龍之介(習志野高)。

第1シードに配された古賀の勝ち上がりは、2回戦で砂川海(上宮高)に「指導2」優勢、3回戦は中内快(追手前高)に小外刈「一本」、準々決勝は溝渕勇也に「有効」優勢、準決勝は木村祐太(札幌山の手高)に「指導2」優勢というもの。全ての選手にターゲットにされる苦しい立場でしっかり勝ち上がって来たのはさすがだが、一本勝ちは3回戦の1試合のみ。いま一つエンジンが掛かり切らない印象の残る勝ち上がり。

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ダークホース・市川がノーシードから決勝進出

一方、ノーシードの市川は1回戦で出口嘉人(崇徳高)に「指導2」優勢、2回戦は岡本龍司(静岡学園高)に「指導1」優勢、3回戦横田将也(阿波高)に「指導2」優勢、準々決勝納庄兵芽(育英高)に「指導1」優勢としぶとく接戦を勝ち上がり続け、準決勝では2014年全国中学大会55kg級2位の村上一騎(柳ヶ浦高)に上四方固で一本勝ちを収めて調子は尻上がり。この決勝で、キャリア通じて初めての全国制覇に挑戦する。

決勝は古賀、市川ともに右組みの相四つ。市川が先んじて釣り手で奥襟を確保して横変形の形を狙うが、古賀も同じく釣り手で奥襟を持って対抗し、結果互いに正面から体一つずれた相四つ横変形の形で対峙することとなる。市川は右肩車、古賀は右大内刈と繰り出すが、上半身の間合いの近さに反して下半身の距離が遠いためいずれも決定的な技とはならない。1分が過ぎたところで組み手が噛み合わない両者に「取り組まない」咎による「指導1」が与えられる。

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決勝、試合を決めた市川の肩車「有効」

古賀はここで作戦変更、あくまで横変形を志向する市川に対して釣り手で片襟を差して崩しに掛かり、上下に煽りながらの右小内刈で膝を着かせることに成功。さらに片襟で揺さぶりながら右背負投を連発して相手を場外に追いやり、一つしっかり山場を作る。古賀の的確な判断で展開に差が付き始めた格好だが、主審は攻勢の判断を留保し「指導1」ずつのタイスコアのまま試合時間は残り30秒となる。

ここで、前段の攻防で優位を判断した古賀が釣り手で奥襟を確保し引き手を背中に回す強気の組み手を選択。市川は釣り手で背中を持って引き手で脇を掬うこちらも変則の横変形で対抗し、次いで釣り手を相手の左脇へと回すと一気に右肩車へと移行。古賀の左脇が開いたところに飛び込んだこの一撃は頭と両手の引きでのロックという肩車が決まる要素を過たず満たし、堪らず古賀はバランスを崩す。倒れながら体を捻って返しを試みるも市川の両手の牽引から逃れ切れず、「有効」が宣告される。残り時間はわずか26秒。

以後市川は間合いを取って明らかに逃げ切りを図る態勢。試合終了間際の古賀の右隅返も潰して残り1秒で「待て」、古賀の追撃は「指導3」までに留まり試合終了。最後まで粘り強くチャンスを待った市川が「有効」優勢で勝利を決め、見事大本命の古賀を下して初の全国タイトル獲得を成し遂げた。

軽量級の好選手を次々輩出する激戦地・千葉から1年生で代表権を勝ち取った市川は「地元で強い選手が競い合ってお互いを高め合う環境が出来ている。そこで頑張った結果です」とうれしそう。「全国制覇は信じられない」と感激に浸りながらも「まだ1年生なので、インターハイに優勝して、来年はここで連覇を達成したい」と今後について意欲的にコメントしていた。

敗れた古賀は減量苦ゆえか体が一段小さくなった印象で、初戦から明らかに精彩を欠いていた。技術と運動能力の高さはもちろんだが、体から溢れる、畳にこぼれんばかりのバイタリティこそがこの選手の最大の強み。もし体の成長と減量との掛け算でこの最大のストロングポイントが失われるとすればキャリア上の一大危機だ。今後いかなる方策をとるのか、注目して見守りたい。

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優勝した市川龍之介

【入賞者】

優勝:市川龍之介(千葉・習志野高)
準優勝:古賀玄暉(愛知・大成高)
第三位:木村祐太(北海道・札幌山の手高)、村上一騎(大分・柳ヶ浦高)
敢闘賞:溝渕勇也(京都・京都共栄学園高)、武岡毅(東京・足立学園高)、加藤輝(鹿児島・明桜館高)、納庄兵芽(兵庫・育英高)

市川龍之介選手のコメント
「決勝前先生に、相手は注目されている。注目されていないお前相手に相手は隙を見せるはず、チャンスはある、と声を掛けてもらい最後まで粘って自分の柔道が出来ました。肩車は得意技でしたが、決勝は(決める場面まで)仕掛けるチャンスがありませんでした。狙っていたというより、ようやく掛けられる状況が出来たので思い切り入ったというだけです。今までの最高成績は全中3位で、全国優勝はまだ信じられないです。明日になれば実感が湧くと思います(笑)。目標はインターハイも優勝すること、そしてこの大会の連覇です。」

【準々決勝】

古賀玄暉○優勢[有効]△溝渕勇也
木村祐太○GS優勢[有効](GS2:19)△武岡毅
村上一騎○反則(0:54)△加藤輝
市川龍之介○優勢[指導1]△納庄兵芽

【準決勝】

古賀玄暉○優勢[指導2]△木村祐太
市川龍之介○上四方固(0:51)△村上一騎

【決勝】

市川龍之介○優勢[有効・肩車]△古賀玄暉


(取材・文:古田英毅、原輝地)

※ eJudoメルマガ版3月26日掲載記事より転載・編集しています。

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