PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

木更津総合が好発進、四日市中央工は旭川竜谷との打ち合い制し埼玉栄への挑戦権得る・第38回全国高等学校柔道選手権男子団体戦レポート①1回戦

(2016年3月23日)

※ eJudoメルマガ版3月23日掲載記事より転載・編集しています。
木更津総合が好発進、四日市中央工は旭川竜谷との殴り合い制し埼玉栄への挑戦権得る
第38回全国高等学校柔道選手権男子団体戦レポート①1回戦
eJudo Photo
団体戦開始式。選手宣誓は国士舘高・磯村亮太。

高校柔道の春到来。「三冠」大会の開幕戦である全国高等学校柔道選手権大会は19日に聖地・日本武道館で開幕。最終日の20日には大会の花形である男子団体戦(五人制抜き試合)が行われた。

今大会の大本命に挙げられるのは前代三冠獲得の偉業を成し遂げたメンバーからエース飯田健太郎をはじめ、磯村亮太に河田闘志と大型レギュラー3枚が残った国士舘高。対抗馬としては今年も凹凸豊かに攻撃性高い人材をそろえた大成高(愛知)、全日本ジュニア81kg級王者藤原崇太郎を中心に小型の好選手を揃え歴代とはカラーの違うチームを作り上げた日体荏原高(東京)、前日の無差別を制したエース・蓜島剛を押し立てたこれも超攻撃型チーム埼玉栄高(埼玉)らの名前が挙げられる。

前評判の高いこの4チームは過たず主催者のピックアップを受け、「四つ角」シード校として各ブロックに振り分けられた。

シード校の登場は二回戦から。まずはこれら強豪への挑戦権が争われた第一回戦の様子を簡単に振り返ってみたい。

■ 一回戦
eJudo Photo
開星高の中堅河野壮登が東海大甲府高・西野孝祐を攻める

【Aブロック】

開星高(島根)○二人残し△東海大甲府高(山梨)
(先)山口和馬×引分×中村勝登(先)
(次)野口穂高×引分×早川智翔(次)
(中)河野壮登×引分×西野孝祐(中)
(副)松村颯祐○横四方固(1:53)△中村勝登(副)
(副)松村颯祐○内股(1:56)△中野颯也(大)
(大)金塚啓五

松村颯祐と河野壮登の大型二枚を擁し、シード校候補にも名前が挙がっていた中国地区の強豪・開星。その初戦の相手はいきなり難敵、近年骨の太いチームを作り続ける関東の雄・東海大甲府だ。引き分けに終わった先鋒戦、次鋒戦を経てまずは開星のダブルエースの「一の矢」として中堅河野が畳に上がる。

しかし河野は体重150キロの西野孝祐を相手に開始するなり押し込まれ、その突進を止められないまままっすぐ下がってしまいいきなり場外の「指導1」失陥。しかし以降は西野の技にほとんどまったく崩れることなく、背筋を揺るがさずに捌き続けて拮抗。落ち着きを取り戻した後半にはペースを掴み返して攻め込むに至るが、この大型選手を投げる確かな手立てもまたなしという印象で具体的なポイントの獲得には至らず。この試合は引き分けに終わる。

ここで開星は本丸と言うべき1年生エースの松村が登場。前日の個人戦無差別では準々決勝で優勝した蓜島剛とGS延長戦に縺れ込む熱戦を演じており、その力量は明らかだ。

畳に上がった松村は、手を前に出して試合展開の減速を図る81kg級の中村勝登を押し込みに押し込み捲る。中村は冴えた動きで「巴十字」という面白い攻撃に打って出たが、前段の押し込み行動が利き体勢悪し。結果的に松村はこの技をきっかけに横四方固を完成、1分53秒「一本」を得る。

最後に松村の前に立ちはだかったのは東海大甲府の大将、100kg級の中野颯也。ケンカ四つのこの試合、中野が先に右引き手で袖を掴む良い組み立てで両袖組み手に持ち込んで松村はなかなか自分の形を作れない。
しかし試合時間2分に迫ろうというところで、松村が背を抱いて接近戦に持ち込むことに成功。我慢出来なくなった中野が左小外掛に踏み込むと松村はそのまま右内股に捕まえて跳ね上げ「一本」。選手二人を残して開星の勝利が決まった。

ベールを脱いだ河野、松村の2名は紛うことなき強者。しかし超大型選手に対して具体的な手立てを見い出せなかった河野、2つの「一本」を奪ったとはいえいずれも力の発揮は相手が「来てくれた」場面のみで詰将棋の手立てを欠いた松村と、戦術的にはまだまだ練れていない印象。相手が「来る」前提の個人戦と異なり、凌いでくる相手を攻略することが強者の条件となる団体戦で、この大物感のみでどこまで勝ち抜けるのか。期待と不安がないまぜとなる第1回戦であった。

神港学園神港高(兵庫)○二人残し△鹿児島情報高(鹿児島)
(先)山本誠人△優勢[技有]○山本康介(先)
(次)岩野光貴○小内刈(0:45)△山本康介(先)
(次)岩野光貴○優勢[有効]△古川颯土(次)
(次)岩野光貴△内股(0:12)○青柳大虎(中)
(中)堀竜大△内股(1:35)○青柳大虎(中)
(副)佐藤貴成○優勢[有効]△青柳大虎(中)
(副)佐藤貴成○小外刈(1:27)△中武大智(副)
(副)佐藤貴成○優勢[技有]○田中秀伍(大)
(大)小林礼弥

次戦での国士舘への挑戦権を争う一番。2年連続インターハイ3位の神戸国際大附高を県予選で打倒して日本武道館に乗り込んで来た神港学園神港は、ダブルエースの佐藤貴成と小林礼弥を後衛に据えて盤石の構え。しかし鹿児島情報は中堅青柳大虎の2試合連続の「一本」で激しく抵抗、神戸国際は2勝3敗の1人差ビハインドで副将佐藤が登場することとなる。

戦局どちらに転んでもおかしくない荒れた試合であったが、しかし佐藤は青柳を「有効」優勢で退けるとそのまま一気に3人を抜き去り力づくでこの乱戦の蓋を閉じる。結果二人残しで神港学園神港が勝利、第1シード校・国士舘が待ち受ける2回戦へと駒を進めることとなった。

京都学園高(京都)と常盤高(群馬)の試合は大熱戦。先鋒戦の引き分けを受けた京都学園の次鋒井口大毅がいずれも早い時間の「一本」で3人抜き、しかしこの井口を常盤のエース加賀谷武弘があっという間の片手絞「一本」で抜き返し反撃の狼煙。加賀谷は続く試合も小外掛「一本」で勝利して2人抜きを果たすが、京都学園はここで登場した副将増田宙が踏ん張って引き分けを獲得。結果エースが抜いた人数がそのまま最終スコアに反映される形となり、京都学園が一人残しで2回戦進出の栄を得ることとなった。

[Aブロック一回戦結果]

神港学園神港高(兵庫)○二人残し△鹿児島情報高(鹿児島)
開星高(島根)○二人残し△東海大甲府高(山梨)
高松商高(香川)○一人残し△豊栄高(新潟)
京都学園高(京都)○一人残し△常盤高(群馬)
長崎日大高(長崎)○二人残し△大垣日大高(岐阜)

eJudo Photo
四日市中央工の先鋒山口陸人は3戦目も奮戦

eJudo Photo
旭川竜谷高の中堅大洞立樹が弓矢晃奨から内股「有効」

eJudo Photo
四日市中央工は副将柳川昂平の小外刈「一本」でここまで3人を抜いた大洞を止める

【Bブロック】

四日市中央工高(三重)○一人残し△旭川竜谷高(北海道)
(先)山口陸人○優勢[技有]△荒木昭伍(先)
(先)山口陸人○優勢[僅差]△山根玄(次)
(先)山口陸人△払腰(1:26)○大洞立樹(中)
(次)弓矢晃奨△優勢[有効]○大洞立樹(中)
(中)柳川幹太△合技(2:01)○大洞立樹(中)
(副)柳川昂平○小外刈(0:43)△大洞立樹(中)
(副)柳川昂平○優勢[有効]△佐々木惇希(副)
(副)柳川昂平△大外刈(2:32)○川上冬一(大)
(大)堤大志○合技(0:28)△川上冬一(大)

熱戦多きBブロック1回戦4試合中、もっとも揉めた一番。四日市中央工は先鋒山口陸人の2人抜きで順調に大会を滑り出すが、旭川竜谷は中堅大洞立樹が山口を抜き返すと一気の3人抜きを果たし1人差リードで四日市中央工の副将柳川昂平を引っ張り出すことに成功。しかしこの試合は柳川があっという間の小外刈「一本」で大洞を下しそのまま2人抜き。このまま試合が終わってもおかしくない勢いであったが、旭川竜谷の大将川上冬一は一発でこの状況を打開。柳川の膝を捕まえるなり高く刈り込む豪快な大外刈「一本」でまたもや抜き返し、大乱戦は大将同士の決戦にまでもつれ込むに至る。

しかし四日市中央工のエース堤大志に動揺はなし。落ち着き払った様子で畳に姿を現すと、組み手が完成するなり前技のフェイントを入れた小外掛。綺麗に前後に振られた川上吹っ飛びこれは「技有」、堤はそのまま袈裟固に抑え込んで合技「一本」を獲得。結果、四日市中央工が旭川竜谷を振り切り一人残しで勝利を決めることとなった。

最前衛に抜き役として山口、後衛に柳川と堤を並べることでブロックを築いた四日市中央工の手堅い布陣が功を奏した一番。それまでの競り合いが激しかった分、堤の一段違う大物ぶりが際立った試合でもあった。四日市中央工を次戦で待ち受けるは、シード校・埼玉栄。

eJudo Photo
鎮西高の次鋒北村博樹が木造高・板垣卯海から縦四方固「一本」

eJudo Photo
東海大仰星高の副将海江田充輝が東北高の大将鈴木康太から払腰「技有」

eJudo Photo
桐蔭学園高の中堅関根聖隆が星城高の副将・宇井鴻二郎から一本背負投「一本」

シード候補にも挙がっていた九州新人戦王者・鎮西高(熊本)は先鋒戦を落としたものの、副将格の次鋒北村博樹の1人抜き(1分け)、中堅星田大希の1人抜き(1敗)、副将境辰五郎の2人抜きと着実に加点。最終的には境の内股「一本」で試合を終え、大将のエース後藤龍真を温存したまま二人残しで勝利決定。

東海大仰星高(大阪)は大将深山将剛を畳に上げぬまま2勝0敗3引き分け、手堅く二人残しで東北高(宮城)を打倒。桐蔭学園高(神奈川)も先鋒湯本祥真、次鋒酒井清将、中堅関根聖隆がしっかり1勝ずつを上げて3勝1敗2分け、最終スコア二人残しで武道館での初勝利に燃える愛知県第2代表・星城高を退けている。

[Bブロック一回戦結果]

四日市中央工高(三重)○一人残し△旭川竜谷高(北海道)
鎮西高(熊本)○二人残し△木造高(青森)
東海大仰星高(大阪)○二人残し△東北高(宮城)
桐蔭学園高(神奈川)○二人残し△星城高(愛知)

eJudo Photo
盛岡中央高の副将山崎翔偉が静岡学園の中堅池田光洋から支釣込足「一本」で一矢を報いる

【Cブロック】

混戦のCブロック、第1試合では静岡学園高(静岡)が大将のエース川井康平を取り置いたまま、一人残しで盛岡中央高(岩手)を打倒。一本負けひとつを喫したが、次鋒伊藤暖、中堅池田光洋がともに「指導」累積差で優勢勝ちしてしぶとく1回戦を突破。

小型ながら技の切れる選手を揃えた好チーム・つくば秀英高は次鋒村岡功貴と副将岡田英志の1人抜きをテコに新田高(愛媛)を一人残しで凌ぎ、シード校天理への挑戦権を獲得。

北海高(北海道)は前日の個人戦無差別で骨の太い柔道を披露しベスト8まで進んだ高橋佑人を大将に据えて水田杯2位の田村高(福岡)と対峙。結果、この高橋を取り置いたまま3勝2敗2分けの一人残しで勝利を決めている。

延岡学園高(宮崎)は白鴎大足利高(栃木)と対戦、先鋒吉野弘人が1人を抜いた後、相手方の次鋒に座った身長198センチの大型1年生・浅沼亮太に「技有」優勢で敗れたが、中堅増田陽太がすかさず合技「一本」で浅沼に逆襲。残り試合は全て引き分けとなり、結果延岡学園が一人残しで勝利し2回戦進出を決めることとなった。

[Cブロック一回戦結果]

静岡学園高(静岡)○一人残し△盛岡中央高(岩手)
津幡高(石川)○一人残し△箕島高(和歌山)
つくば秀英高(茨城)○一人残し△新田高(愛媛)
北海高(北海道)○一人残し△田村高(福島)
延岡学園高(宮崎)○一人残し△白鴎大足利高(栃木)

eJudo Photo
前日はエース山下魁輝が無差別2位と躍進、木更津総合の面々は自信溢れる表情で畳に上がる

eJudo Photo
木更津総合高の先鋒黒部健太が松本第一高・大月将太から内股「一本」

【Dブロック】

木更津総合高(千葉)○二人残し△松本第一高(長野)
(先)黒部健太○内股(0:45)△大月将太(先)
(先)黒部健太×引分×中澤将太(次)
(次)長澤大雅×引分×深沢亮太(中)
(中)兼原潤○払腰(0:50)△百瀬敦也(副)
(中)兼原潤△優勢[僅差]○茂木才跡(大)
(副)大淵泰志郎○大内刈(0:11)△茂木才跡(大)
(大)山下魁輝

前代に全国大会で2度ベスト16に進出して大暴れ、前日の個人無差別ではエース山下魁輝が決勝まで進む快進撃を見せてまさしく意気上がる木更津総合が快勝。大将に置いた山下の登場を待たず、最後は副将大淵泰志郎が意地の1勝を挙げたばかりの松本第一・茂木才跡を大内刈で秒殺「一本」。スコア二人残しで初戦突破を決めた。

eJudo Photo
作陽高の中堅村田大征が沖縄尚学高イビネワカネルソン陽から袖釣込腰で2つ目の「技有」獲得

作陽高(岡山)○一人残し△沖縄尚学高(沖縄)
(先)安田夢飛×引分×糸数雄斗(先)
(次)揚原崧聖×引分×崎山寛至(次)
(中)村田大征○合技(1:48)△イビネワカ ネルソン陽(中)
(中)村田大征×引分×當山有斗(副)
(副)久野壱虎×引分×吉元一翔(大)
(大)星野太駆

冬季恒例の松尾杯出場と国士舘高への遠征を行わず、深く潜航するかのごとく静かに強化を進めてきた今代の作陽がベールを脱ぐ試合。前日の個人無差別では星野太駆が国士舘のポイントゲッター河田闘志を相手に10分近い消耗戦の末に一本勝ち、ベスト8まで進むなどどうやら強化は順調な模様。

その初戦は一人残しでの勝利。「強いチームに強い」作陽らしく圧倒的ではないがジワジワと、しかし手堅い試合で残した星は1勝0敗4分け。順当に2回戦進出を決めている。沖縄尚学は前日の個人戦無差別で3位入賞の新垣慶一郎を起用せぬまま、無念の敗退。


[Dブロック一回戦結果]

近畿大附高(大阪)○一人残し△倉吉北高(鳥取)
木更津総合高(千葉)○二人残し△松本第一高(長野)
作陽高(岡山)○一人残し△沖縄尚学高(沖縄)
福井工大福井高(福井)○一人残し△新庄東高(山形)

※ eJudoメルマガ版3月23日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.