PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

グランプリ・デュッセルドルフ第2日4階級ひとこと展望

(2016年2月19日)

※ eJudoメルマガ版2月19日掲載記事より転載・編集しています。
第2日4階級ひとこと展望
グランプリ・デュッセルドルフ
■ 73kg級・大会最大の注目対決、大野vsアンは準決勝で実現濃厚
(エントリー58名)

アスタナ世界選手権を圧倒的な力で制した大野将平と、現在まさしく日の出の勢いにあるアン・チャンリン(韓国)が同時出場。シリーズ2戦目にして早くも直接対決ほぼ確実というまことに胸躍る階級。

筑波大から韓国・龍仁大に移ったアンは同年いきなりブレイク、2014年秋の世界ジュニア選手権で優勝すると昨夏のアスタナ世界選手権では王者大野から唯一投技のポイントを奪う(裏投「技有」)など大活躍、見事銅メダルを獲得した。その後も成長スピードを緩めることなく国際大会で連戦連勝、12月のグランドスラム東京決勝では先輩秋本啓之に屈したものの、先日のグランドスラム・パリではその秋本を1試合で2度投げつけて一本勝ち、そのまま他を寄せ付けず当たり前のように優勝を攫っている。圧倒的な力を誇る大野に五輪で抗し得るのはもはや世界でアンだけ、どころか日本の強化スタッフが「アンに勝てる選手を選ぶことを基準にする」とターゲットに指名したと噂される今がまさしく旬の強者である。

まだまだ大野の方が力は上とみるが、現在のアンの成長スピードは脅威。大野は釣り手で奥襟を握る大外刈×内股系ファイターで一方のアンは前襟を軸とした担ぎと小内刈の選手。タイプとしては対象的だが、ともにクラシカルスタイルの典型であり、「投げるために」柔道を組み立てる攻撃型の選手という共通項がある。こういう2人の対戦が面白くならないわけはなく、五輪本番の対決を楽しむためにも、前段としての今回の対決は絶対に見逃せない。直接対決は準決勝、間違いなく今大会のメインイベントである。

大野以外のシード選手構成はパリ大会と近似。昨年ツアーの主役と言って良い活躍を見せたルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)の復権に期待。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):アン・チャンリン(韓国)
Bシード選手:ロク・ドラクシッチ(スロベニア)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):大野将平
Bシード選手:サインジャルガル・ニャムオチル(モンゴル)
有力選手:ディルク・ファンティシェル(ベルギー)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)
Bシード選手:デックス・エルモント(オランダ)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):ヌグザリ・タタラシビリ(ジョージア)
Bシード選手:ラシャ・シャフダトゥアシビリ(ジョージア)

■ 81kg級・「嵐のあと」で強豪は目減り、最注目選手は第2シードのイヴァノフ
(エントリー62名)

アヴタンディル・チリキシビリ(ジョージア)、永瀬貴規、ロイック・ピエトリ(フランス)の3強が出場せず。そもそも永瀬、ピエトリに加え世界王座の経験があるイワン・ニフォントフ(ロシア)やキム・ジェブン(韓国)といった大物たちは欧州シリーズ自体に参加しておらず、それでもチリキシビリを初め重厚な陣容が集まったパリ大会を経て今大会は強豪の名前も数も目減り。欧州シリーズの花形大会というよりは平均的な「グランプリ」大会というべき中堅選手中心の陣容だ。

優勝候補筆頭に挙げられるべき第1シードのアントワーヌ・ヴァロアフォルティエ(カナダ)や、第3シードのトラヴィス・スティーブンス(アメリカ)などは既に良くも悪くも力の到達点がハッキリした選手。五輪に向けて今大会注目すべきはなんといっても第2シード配置のイヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)だろう。昨秋のグランドスラム・アブダビを無印から制して周囲をあっと言わせた21歳は先日のグランドスラム・パリでも大活躍。3回戦からはスヴェン・マレシュ(ドイツ)、ヴィクトール・ペナウベル(ブラジル)、ワン・キチュン(韓国)と名だたる強豪を3人抜いて2位に食い込んでいる。今回タイトルに手が届くようであれば、もはや立派な五輪メダル候補の一角。周囲のマーク進む中、長所である思い切りの良さを発揮し続けることが出来るか、注目したい。

地元のエースであるマレシュはBシード扱い。同居するAシード選手がスティーブンスとどうやら組み合わせには恵まれたが、まずノーシード扱いのレアンドロ・ギヘイロ(ブラジル)と戦わねばならないという厄介な山。

日本の丸山剛毅は最激戦区というべきプールCに配置。3回戦でイヴァノフ、準々決勝ではワン・キチュンが待ち受けている。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):アントワーヌ・ヴァロアフォルティエ(カナダ)
Bシード選手:オトコンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):シラズディン・マゴメドフ(ロシア)
Bシード選手:ロマン・モウストポロウス(ギリシャ)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):イヴァルロ・イヴァノフ(ブルガリア)
Bシード選手:ワン・キチュン(韓国)
有力選手:ナシフ・エリアス(レバノン)、丸山剛毅

【プールD】
Aシード選手(第3シード):トラヴィス・スティーブンス(アメリカ)
Bシード選手:スヴェン・マレシュ(ドイツ)、レアンドロ・ギヘイロ(ブラジル)

■ 63㎏級・トルステニャクが出場継続、今季初登場のゲルビに注目
(エントリー38名)

パリに不出場の強豪が出場し階級の勢力マップを補完するという構造が綺麗に踏まれた階級。そして継続出場のティナ・トルステニャク(スロベニア)とマルティナ・トラジドス(ドイツ)の強者2人が迎え撃つ「パリ不出場組」の主役は間違いなくヤーデン・ゲルビ(イスラエル)だ。

13年リオ世界選手権で優勝、14年チェリャビンスク世界選手権でも決勝まで進んだイスラエルの英雄も昨年はやや失速。階級の世代交代の波にのまれつつあるかに思われたが、1月のグランプリ・ハバナでは中堅ランクの選手相手ながら全勝、しっかり優勝を飾っている。もともと狙った大会にコンディションを合わせるのが上手く、世論を沸かせた「ゲルビチョーク」など秘密兵器の開発にも長けた戦術派の一面を持つゲルビが五輪イヤーをどう滑り出すのかはやはり気になるところ。配置はプールC、少なくとも準決勝までの勝ち上がりは堅い。トルステニャク、トラジドス、ゲルビまでの3名が優勝候補と考えておくべきだろう。

もう1人、もとイスラエルのエース、アリス・シュレシンジャー(イギリス)も注目選手として挙げておきたい。昨年は「移籍直後インフレ」とでもいうべき強さを見せた前半戦から時間が経つごとに失速した印象であったが、稽古環境的に、あるいは肉体的に五輪までの上がり目があるのかどうか、おそらく今大会でかなり目途が立ってしまうのではないかと思われる。地味ながら日々地力を上げつつあるツェデフレン・ムンクザヤ(モンゴル)が上記3強に割って入れるかどうかも注目ポイント。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ティナ・トルステニャク(スロベニア)
Bシード選手:ヒルダ・ドレクスラー(オーストリア)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):ツェデフレン・ムンクザヤ(モンゴル)
Bシード選手:アニカ・ファンエムデン(オランダ)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):マルティナ・トラジドス(ドイツ)
Bシード選手:アリス・シュレシンジャー(イギリス)
有力選手:ケトレン・クアドロス(ブラジル)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)
Bシード選手:ヤン・ジュインシュア(中国)

■ 70kg級・有力選手ズラリのサバイバル戦、注目はアルベールと新井
(エントリー34名)

好役者が揃った。Aシード選手は順にラウラ・ファルカスコッホ(ドイツ)、ユリ・アルベール(コロンビア)、サリー・コンウェイ(イギリス)、そしてグランドスラム東京王者の新井千鶴。それぞれの山にはBシード選手として「刺客」が配され、ファルカスコッホにはリンダ・ボルダー(イスラエル)、アルベールにはキム・センヨン(韓国)、コンウェイにはベルナデッテ・グラフ(オーストリア)、新井にはケリタ・ズパンシック(カナダ)と実力派選手の名前が並ぶ。ズパンシック以外は五輪の表彰台が具体的に描ける、重厚な陣容である。

というわけで全体の役者の多さと質の高さから考えれば、新井は明らかに組み合わせに恵まれた。少なくとも表彰台の確保以上が最低限の仕事、ライバル田知本遥の出来の良さを考えれば内容の伴った優勝まで辿り着きたいところ。組み手の曖昧さがメンタルに誘爆、自滅に近い形で試合を落とすことが多くなった昨年の流れを変えられるかどうか、持ち前の攻撃力の発揮につながる理路を獲得しているかどうかの2つを最大の観察ポイントと考えたい。

注目は、狙った大会へのフォーカス力に関しては他の追随を許さないアルベールの動向。8月のリオ五輪にピークを持ってくるのは当然として、アルベールの思考パターンとパフォーマンスの傾向を考えれば「出なくても良い」はずの欧州シリーズにわざわざ出張ってくるからには必ず何か狙いがあるはず。出来の良しあし、どころかその一挙手一投足が五輪への布石となり得る。目を離してはならない。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ラウラ・ファルカスコッホ(ドイツ)
Bシード選手:リンダ・ボルダー(イスラエル)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):新井千鶴
Bシード選手:ケリタ・ズパンシック(カナダ)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):ユリ・アルベール(コロンビア)
Bシード選手:キム・センヨン(韓国)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):サリー・コンウェイ(イギリス)
Bシード選手:ベルナデッテ・グラフ(オーストリア)

※ eJudoメルマガ版2月19日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.