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グランプリ・デュッセルドルフ第1日5階級ひとこと展望

(2016年2月19日)

※ eJudoメルマガ版2月19日掲載記事より転載・編集しています。
第1日5階級ひとこと展望
グランプリ・デュッセルドルフ
■ 60kg級・最大の焦点は現役世界王者スメトフの出来
(エントリー55名)

大会全体を通じた目玉であった髙藤直寿が直前で欠場を表明。第1シードがキム・ウォンジン(韓国)、第2シードがオルハン・サファロフ(アゼルバイジャン)、さらに第3シードがアミラン・パピナシビリ(ジョージア)とシード上位選手の顔ぶれは変わらないが、十数人単位で実力の接近した選手が打ち揃ったグランドスラム・パリと比べるとかなりトーナメント全体の密度は落ちた印象。

グランドスラム・パリと補完関係となって五輪の有力選手を炙り出すという今年度大会の位置づけからしても、注目はパリ大会不参加の大物。具体的にはアスタナ世界選手権王者のイェルドス・スメトフ(カザフスタン)の出来が最も重要なチェックポイントだろう。

スメトフはアスタナでの戴冠後、明らかな休養期を設けた。唯一グランドスラム・アブダビには姿を見せたが本領発揮にはほど遠いパフォーマンスで初戦敗退を喫しており、今大会が実質上の「受賞後第一戦」だ。もともと狙った大会に合わせて極端にパフォーマンスを上げてくるタイプゆえ今大会の本気度は未知数だが、比較的パフォーマンスと柔道の質が読めるタイプが揃ったこの階級の強豪たちの中では、柔道の質事態に爆発力を秘めたこの選手はやはり異色の存在。しっかりウォッチしておくべきだろう。

第3シードとなったスメトフの配置はプールD。同じくパリ大会を休んだベスラン・ムドラノフ(ロシア)という超強豪が同居している。両者による準々決勝がこの階級の最注目カードと言えるだろう。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):キム・ウォンジン(韓国)
Bシード選手:ディヨロベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)
有力選手:ガンボルド・ケーレン(モンゴル)、ソフィアン・ミルス(フランス)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):アミラン・パピナシビリ(ジョージア)
Bシード選手:ルスタン・イブラエフ(カザフスタン)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):オルハン・サファロフ(アゼルバイジャン)
Bシード選手:エリック・タカバタケ(ブラジル)
有力選手:フランシスコ・ガリーゴス(モンゴル)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):イェルドス・スメトフ(カザフスタン)
Bシード選手:ベスラン・ムドラノフ(ロシア)

■ 66kg級・プルヤエフ今季初出動、世界王者アンとの再戦なるか
(エントリー46名)

グランドスラム・パリにおける海老沼匡の素晴らしい出来でなんだか「一山越した」感のある66kg級だが、今大会も見どころアリ。注目すべきはやはり「パリ不出場組」、第2シードに配されたミハエル・プルヤエフ(ロシア)の出来が大きなトピックであるとみる。

プルヤエフは2014年チェリャビンスク世界選手権と2015年アスタナ世界選手権で連続銀メダル。アスタナ以後は11月のグランプリ済州に出場したのみで、この際は見事に優勝を飾っている。世界選手権で海老沼匡が3連覇、アスタナはアン・ボウル(韓国)が一気に制したが海老沼の牙城に迫る選手が一貫して実は少ない、かつパリで海老沼がアンとダバドルジ・ツムルクフレグ(モンゴル)の強豪2人をともに「一本」で屠り去っているという現時点の勢力図の中で、数年スパンで成績実力ともに常に高い位相にあり続けているプルヤエフの「値踏み」は非常に大事。

この人の配されたプールCは、ゴラン・ポラック(イスラエル)とチャールズ・チバナ(ブラジル)という不確定要素2人が置かれて非常に面白い。ポラックは昨年の躍進から続く上昇カーブという「流れ」、チバナはその技一発の威力と、ともに五輪で爆発し得る可燃物を体内に孕む選手である。プルヤエフを中心にしたプールCの勝ち上がりの様相、そしてプルヤエフと現役世界王者アンの決勝対決に注目しておきたい。

日本勢はこの大会がまさしく五輪代表レースの正念場であったグランドスラム東京王者・髙上智史がインフルエンザ発症のため無念のエントリー取り消し。比較的恵まれた組み合わせのプールDから髙市賢悟が上位進出に腕を撫す。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):アン・ボウル(韓国)
Bシード選手:ドフトン・アルタンスフ(モンゴル)
有力選手:キリアン・ルベルーシュ(フランス)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):コリン・オーツ(イギリス)
Bシード選手:セバスチャン・ザイドル(ドイツ)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):ミハエル・プルヤエフ(ロシア)
Bシード選手:ゴラン・ポラック(イスラエル)
有力選手:チャールズ・チバナ(ブラジル)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):リショド・ソビロフ(ウズベキスタン)
Bシード選手:髙市賢悟

■ 48kg級・プールAで大激戦、準々決勝で早くもムンクバットvsガルバトラフ実現
(エントリー30名)

グランドスラム・パリで決勝を演じた2013年リオ世界選手権王者ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)とガルバトラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)の2人がプールAに同居、準々決勝で激突する。

周知の通りガルバトラフはもとモンゴル籍の選手。おそらくは第一人者ムンクバットの存在あってはノーチャンスと考えて移籍を断行、2015年からカザフスタン籍で試合に出場している注目選手だ。その覚悟の高さゆえか昨年国際大会で上位に進出し続け存在感を上げると、グランドスラム・パリの決勝ではついに因縁のムンクバットを「有効」優勢で下して優勝を飾るに至った。この大会で近藤亜美にムンクバットと世界王者2人を立て続けに倒したガルバトラフの躍進は48kg級の上位戦線に地殻変動を起こしかねない、非常なインパクトのあるものであった。

ムンクバット、パリの対決では多少のやりにくさがあるようであったが、上り調子の後輩に「食われた」初回対決と、連敗という事態が招く評価の違いはよくわかっているはず。確実に実現するであろうこの準々決勝対決はなんとしても見逃せない。

逆側の山ではじわじわ番付を上げてきているシャーリーン・ファンスニック(ベルギー)の勝ち上がりが濃厚。もともとの属性であるパワーファイトに捨身技と寝技をプラスしてその「厄介さ」は上昇の一途。組み合わせから決勝進出は既定路線で、この人にも十分注意を払っておきたい。ディアラ・ロクマンヘキム(トルコ)とタチアナ・リマ(ギニアビサウ)の2人は昨年ほどの活躍をまだ見せることが出来ておらず、今大会で地位奪回を目指す。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ムンクバット・ウランツェツェグ(モンゴル)
Bシード選手:ガルバトラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):ディアラ・ロクマンヘキム(トルコ)
Bシード選手:モニカ・ウングレアヌ(ルーマニア)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):シャーリーン・ファンスニック(ベルギー)
Bシード選手:ジョン・ボキョン(韓国)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):タチアナ・リマ(ギニアビサウ)
Bシード選手:マリナ・チェルニアク(ウクライナ)
有力選手:ナタリア・コンドラチェワ(ロシア)

■ 52kg級・最注目選手はミランダ・エリカ、志々目は同プールから上位伺う
(エントリー27名)

「パリ不出場組」から、最終エントリー直前でナタリア・クズティナ(ロシア)が出場を回避。超強豪×今季初出場という同じ観点から、注目はエリカ・ミランダ(ブラジル)1人に絞られると思われる。アスタナ世界選手権、中村美里が演じた残り1秒の大逆転劇はファンの記憶にも新しいと思われるが、あの激戦の「パートナー」である。

割合に中堅選手との「出入り」が少なくメダル候補がハッキリして来たこの52kg級にあって、マイリンダ・ケルメンディ(コソボ)、中村美里、アンドレア・キトゥ(ルーマニア)、ナタリア・クズティナ(ロシア)と同じ位相のグループにあるのはなんといってもこのミランダ。地元五輪を控えた今季初試合、いかなるパフォーマンスを見せるのか注目である。第1シードのキトゥとの決勝が実現なればまことに楽しみ。

ほか、昨年の欧州シリーズの圧倒的な出来で存在感を上げたマー・インナン(中国)が第3シードで参戦。パリ大会もこの人の出来は良くなかったが、この低調傾向にいつ歯止めがかかるのか、どうやら知れ渡りつつある体力と担ぎの柔道に変質起こる兆しがあるのか、注視しておく必要は十分。

日本の志々目愛はプールC、過たず最大の強敵ミランダの山へ。優勝するにはミランダ、マー、キトゥの3人抜きが必須の厳しい組み合わせだが、同時にこれは絶好のアピール機会でもある。健闘に期待したい。


【プールA】
Aシード選手(第1シード):アンドレア・キトゥ(ルーマニア)
Bシード選手:アディヤサンプ・ツォルモン(モンゴル)
有力選手:ローラ・ゴメス(スペイン)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):プリシラ・ネト(フランス)
Bシード選手:グルバダム・ババムラトワ(トルクメニスタン)
有力選手:

【プールC】
Aシード選手(第2シード):エリカ・ミランダ(ブラジル)
Bシード選手:志々目愛

【プールD】
Aシード選手(第3シード):マー・インナン(中国)
Bシード選手:ギリ・コーヘン(イスラエル)

■ 57kg級・松本薫に試練、最大の「的」シウバが同プールに配置
(エントリー29名)

ロンドン五輪覇者、昨年圧倒的な強さでアスタナ世界選手権を制し復活の狼煙を上げた松本薫の参戦とその出来が階級の最注目トピック。

ファン視点で見た松本の最注目観察ポイントはアスタナで見せた「持って、出て、足技」という新スタイルの継承の有無。そして松本自身が今大会に抱えるテーマはもちろん勝利、そしてもうひとつ、13年リオ世界選手権王者ラファエラ・シウバ(ブラジル)へのリベンジという宿題の達成である。

シウバはムラ気だがパフォーマンスの最高到達点は文句なしに高く、調子の良い時は手が付けられない。最近は得意の足技に加え柔術アイデンティティの寝技勝負での勝利を増やしており、その成績の乱高下に関わらずむしろその存在感は上昇の一途を辿っている感あり。松本もグランドスラム東京でシウバの見事な「跳び十字」一発に沈む屈辱を味わったばかりだ。

松本はその心と体の強さはもちろんのこと、「何をやってくるのかわからない」との相手の恐怖に漬け込んで、試合を力関係以上に有利に運んでいくタイプ。五輪前にその警戒スパイラルを醸成しておくことが布石として重要であることは言うまでもなく、ここは絶対に負けるわけにはいかない。勝利はもちろん、メンタルに難のあるシウバがもう松本と試合したくなくなるほどの、強烈な「お返し」に期待したいところ。

ほか、注目選手はパリ大会決勝でドルジスレン・スミヤ(モンゴル)との投げ合いを制し、パワー自慢のドルジスレンを2度投げて優勝したキム・ジャンディ(韓国)。昨秋以降国際大会では連戦連勝と評して過言ではなく、1年前の序列からは考えらないほどの高い存在感を放っている。今回も組み合わせに恵まれたこの人の唯一最大の山場は準決勝の松本薫(あるいはシウバ)戦のみ。如何なる様相となるか、キムの力の真価問われる一番。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):コリナ・カプリオリウ(ルーマニア)
Bシード選手:レン・チェンリン(台湾)
有力選手:

【プールB】
Aシード選手(第4シード):キャサリン・ブーシェミンピナード(カナダ)
Bシード選手:エレン・ルスヴォ(フランス)
有力選手:

【プールC】
Aシード選手(第2シード):キム・ジャンディ(韓国)
Bシード選手:サブリナ・フィルツモザー(オーストリア)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):松本薫
Bシード選手:ラファエラ・シウバ(ブラジル)
有力選手:ミリアム・ローパー(ドイツ)

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