PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

【ROAD TO 高校選手権】組み合わせ抽選寸前、今年も恒例eJudo版全国高校選手権「シード校予想」発表!

(2016年2月11日)

※ eJudoメルマガ版2月11日掲載記事より転載・編集しています。
【ROAD TO 高校選手権】組み合わせ抽選寸前、今年も恒例eJudo版全国高校選手権「シード校予想」発表!
全国高等学校柔道選手権大会(3月19日~20日・日本武道館)の組み合わせ抽選会がいよいよこの週末、あさって13日(土)に迫った。

組み合わせの詳細はもちろん、なにより気になるのは男女団体戦のシード8校。この大会は高体連の目利きたちが全国各ブロックの有力校情報を収集、詳細な戦力評価をもとにシードチームのピックアップを行うことで知られており、この発表、あるいは予想はファンにとって最大の楽しみの一つ。シビアな戦力評であるとともに良い意味で色気のあるそのピックアップと配置の妙は本大会の入賞、そして上位対戦の結果、ひいては今年度の「3大大会」全ての様相を左右する今季高校柔道界の最重要事項である。

eJudoは今年も各種招待試合を継続的に取材。この結果のアウトプットとして、今年も恒例の高校選手権「シード校予想」を試みてみたい。

■ 男子
eJudo Photo
男子第1シードが確実視される国士館高(東京)

第1シードは連覇を狙う国士舘高(東京)で間違いなし。今季最大の、いや世代をまたいだ超大駒・飯田健太郎の保有という一事だけを以てしても十分第1シードの資格がある。加えて昨年「三冠」獲得の主力であった河田闘志と磯村亮太の重量級2枚が健在、さらに4番手には高体連関係者がその技に「本間クラッシュ」と唸るところまで存在感を上げた抱きつきパワーファイター本間壘までが控えて戦力は盤石。実績、純戦力ともに第1シードのピックアップに異論を唱えるものはいないだろう。

第2シードは昨年度大会準優勝の大成高(愛知県)で確定。まだ前代ほどの逞しさを感じさせるところには至っていないが、急成長の本格派エース森部篤知、前代からその技の切れ味で関係者を唸らせてきた業師・渡邊神威、同じく前代チームをバックアッパーとして支えた正統派大外刈ファイター清水祐希ら役者は十分。黒潮旗、水田杯と主要招待2大会をしっかりと制した招待シリーズの実績も合わせて、このチームも四つ角シードピックアップは間違いなし。ここまでの2校は確定とみる。

東京から2つ目のピックアップとなってしまうが、日体荏原高も「四つ角」は堅いのではないだろうか。主力は全日本ジュニア81kg級王者にして既に高校カテゴリの全国タイトルを2つ持つエース・藤原崇太郎と、前代高校選手権王者田嶋剛毅を倒して90kg級で東京代表を務めた長井晃志の2枚。前代と比べると小兵ぞろいで粒の小さいチームだが、大吉賢や原田健士など軽量選手の献身的な戦いぶりで積年の課題であったムラ気が解消ありつつあり「好チーム」という色で仕上がりつつある。シリーズ最重要大会の一つである松尾杯で国士館を破って優勝したという実績も、選考者たちにとって非常に食べやすいはず。

ここからが早くも悩ましい。四つ角シード候補であった東海大相模高(神奈川)が予選で敗れ、かつ全国大会出場を果たした桐蔭学園高は招待試合シリーズで実績を残しておらず、評価はシード8校の当落線上というところが妥当と思われるからだ。

最後の「四つ角」選考候補は埼玉栄高(埼玉)と崇徳高(広島)の2校。

埼玉栄高は全日本カデ王者でインターハイ100kg超級2位の蓜島剛、同じくインターハイ100kg級3位の今入晃也、90kg級2位の長濱快飛と攻撃型の役者を揃え、メンバーの名前だけでいえば頂点を伺える位置にあるチーム。本来スーパーチームと評されて良い今季の主役級だ。しかし新チーム結成以降のここまでの戦いぶりは戦力を隠し、あるいはポカを繰り返してと周囲の期待値の高さに十分応えたものとは言いがたい。招待試合シリーズはメンバーを落とした黒潮旗では上位に進めず、松尾杯では3位入賞を果たしたものの続く水田杯ではフルメンバー投入で早期敗退。最後の水田杯ではチームがまったく形になっていなかった。爪を隠して本番一気の上昇を狙うつもりなのか、それとも悪戦苦闘の最中なのか。現時点でチームとしては決して高く買える状態にはないが、蓜島をはじめとした個の力、そして前代インターハイに3人入賞という実績はやはり魅力。実績をテコに強く推された場合、抗するのは難しい部分があるのではないか。

対照的に崇徳高はチームの力と招待試合の実績で評価される立場にある。招待試合シリーズでは日程が進むにつれ着実に強くなっていくルーチンを今年もしっかり踏み、選考担当者が最重要視するとされる若潮杯で天理高を倒してベスト4進出を果たしている。点取りレギュレーションではあるが選考委員にアピール度高いブロック大会でもしっかり優勝を飾っており、地域バランスという議論上の強みもある。ただし松尾杯ではシード権争いの「当面の敵」埼玉栄に直接対決で競り負けているのが痛い。関東遠征開幕戦でまだチームが仕上がる前であったとはいえ、このあたりがどう評価されるか。

以降は「四つ角」以外のベスト8シードに絡む有力校を紹介したい。

若潮杯で3位入賞という招待試合シリーズの実績と戦いぶりの良さから関西の雄・東海大仰星高(大阪)は当然俎上に上がるものと思われるが、主催者にとって悩ましいのは近畿ブロック大会で天理高(奈良)が東海大仰星を直接対決で破って優勝していること。若潮杯で天理は崇徳と東海大翔洋高に立て続けに敗れて予選リーグ敗退に終わっており、この時点ではシードの目はないかに思われていたからだ。本番と同じ抜き試合レギュレーションで、選考委員が極度に気を遣うブロック大会を制していることはまことに大きい。地域バランスから言っても天理のシードピックアップはほぼ確実なところだが、同じ近畿から東海大仰星を推すということがあり得るのか、どうか。
高体連が例年必ず一席をあてがって物議を醸すことも多い「九州枠」については、今年は実力的にも、わかりやすい重量級の実力者の存在という話題性からもピックアップにふさわしい鎮西高(熊本)という好役者がいる。2年生にして全九州大会100kg級を制しインターハイ本戦でもいかにも九州らしい豪快な技と力で会場を沸かせたエース・後藤龍真の存在をテコに、鎮西の1枠確保は確実とみる。

前述の通り桐蔭学園高は当落線上。好チームという接頭辞がふさわしい団結力、そして「的」を得たときの作戦遂行能力の高さは素晴らしいものがある。ただし全国でトップを狙える「名前」として挙げられるエース石郷岡秀征を筆頭に全体が軽量であること、また昨年の代表の戦いぶりから「なんといってもあの県の代表」という神奈川ブランドのアドバンテージが消失しかけていることが痛い。

招待試合シリーズの実績からは黒潮旗ベスト8、松尾杯3位の四日市中央工高(三重)の名前が挙がってもおかしくない。手堅く試合が計算できる堤大志、ここぞという場面で異常な勝負強さを発揮する山口陸人らを中心にしたこれも好チームである。ただし実績のテコとすべき招待試合シリーズの最終戦・水田杯で息切れして入賞を逃したこと、毎年冬季に面白い存在感を発揮して「俎上」に上がりかけながら全国大会本戦で活躍仕切れず、アピール不足であることが難点。四中工がシードに入るには選手権本番で大物を食って冬季に見せる勝負力の高さが入賞校レベルに通用することを見せること、あるいはトップを狙える本格派タイプの重量選手1枚を育てて、持ち前の高いチーム力との合わせ技をアピール出来る世代を作ることが必要かと思われる。

本荘高(秋田)も関係者の評価が非常に高い。東北ブロック大会では前評判に違わぬ大暴れで一気に優勝を掻っ攫っている。ただしこのチームも66kg級の板本広大を中心に全体が軽量であり、実績に劣る東北ブロックから敢えてのピックアップを為すにはインパクト不足。シード権獲得に向けてアピールしておくべき、実は最大の勝負どころであった松尾杯で大人しい戦いに終始し、崇徳に競り負けてしまっていることも痛い。目玉になるような超級の大物1枚の保有があれば十分シードピックアップもあり得たのではと思われるが、強力に「推す」根拠に欠けるのが残念。

そして今年度この時点での最大の不確定要素は開星高(島根)。松村颯祐と河野壮登の重量級2トップは一部に「高校生では止められない」との評まで聞かれる大物。島根県選手権(全日本柔道選手権島根県予選)では2人が決勝を争った末に松村が全試合一本勝ちで優勝を決めており、この先全日本選手権出場の目すらある。秋の中国ブロック大会は点取りレギュレーションゆえ優勝は叶わなかったが、抜き試合形式で行われる高校選手権は期待値十分。両者とも技で力関係を覆すファンタジスタというよりは強さ比べで勝ち抜くその「強さ」の到達点が高いという実直タイプではあるが、戦力情報の行き渡った現在、関東遠征を行わずその力が正確にマップされていない開星はある意味もっとも「夢がある」チームと言っていいだろう。高校柔道界で地方チームが大物1枚の保有をテコにのしあがってくる際にはなぜか副将格に同じく重量級の好選手が座るという「ジンクス」があるが、これに叶っているのも面白い。ただし、現時点で高体連が参考にしうる試合(点取りレギュレーションの中国ブロック大会)では優勝出来ておらず、かつ同じ中国ブロックからは崇徳のシード入りの可能性が非常に高い状況。シードピックアップには委員の「思い切り」の乗算が必要な状況だ。

以上を踏まえて、eJudoが予想する今回のシード校は下記。

[四つ角シード]

国士館高(東京)、大成高(愛知)、日体荏原高(東京)、埼玉栄高(埼玉)

[ベスト8シード]

崇徳高(広島)、鎮西高(熊本)、天理高(奈良)、桐蔭学園高(神奈川)

選考委員の議論のプロセスを予想し、他者を説得しうる実績という「根拠」が示しやすいピックアップを考えた。揺れる要素としては桐蔭学園と東海大仰星の入れ替えがありうるかというところ。
チーム力までを勘案すれば現時点での埼玉栄はベスト8シードが妥当かと思われるし、純戦力と実績からすれば東海大仰星は8シードにピックアップすべきかと思われる。また、8シードのどれを下げてでも開星を入れておきたいところだが、あらゆる議論に晒される選考の中で「耐えうる」ピックアップは上記8校に東海大仰星を入れた9校までというところが妥当だろう。

■ 女子
eJudo Photo
若潮杯を制した埼玉栄高

今年の女子は全国的に役者不足の感あり、いったいに低調。同階級でかち合うスター選手の実力比較というような高い視点での予想は困難で、レギュレーション(先鋒52kg級、中堅63kg級、対象無差別)にかち合う選手に全日本ジュニア(今年はカデ中心)強化選手の保有が何枚あるかという一種機械的な観察をベースに、シード8校がピックアップされていくことになるかと思われる。
その中にあって、第1シードは埼玉栄高(埼玉)が有力。前で取り、後ろで我慢するというシビアなシナリオで戦うチームであるが、その「前」が世界カデ選手権52kg級王者の富沢佳奈という非常に評価しやすい実力者。チームの前年度優勝という前代の実績、さらに若潮杯でライバル敬愛高を倒して優勝しているという今代の成果と3つの要素を勘案すれば「四つ角」一番手評価はほぼ確実ではないかと思われる。

第2シードには敬愛高(福岡)を予想する。78kg超級の児玉ひかる、70kg級の高校王者新森涼の強力2枚のうち団体戦に起用できるのは1枚のみだが、児玉は今季最大の大駒でこれを止めることは至難の業。

残る2枠には桐蔭学園高(神奈川)と大成高(愛知)を予想する。桐蔭は前から仲田奈央、若藤唯、朝飛七海と中学時代から実績を残して来た選手が揃い、同じく大成も前代のスーパーチームに比べると小粒ながら武田亮子、山室美咲、粂田晴乃、和田梨乃子ら実績ある好選手を保有。おそらく埼玉栄、敬愛、桐蔭、大成という「四つ角」までは動かしがたいかと思われる。

8シード候補としては瀧川萌と伊藤友希の2枚の前評判が高い比叡山高(滋賀)、全日本カデ63kg級王者三浦裕香理を擁する創志学園高(岡山)、全日本ジュニア57kg級王者舟久保遥香がエースの富士学苑高(山梨)、夙川学院高(兵庫)、鶯谷高(岐阜)、熊本西高(熊本)らの名が挙がる。

期待値が高いのが黒潮旗大会で埼玉栄に勝利して優勝している小杉高(富山)。70kg級の井澤泉紀と78kg超級の松田美悠のうち団体戦に起用できるのはレギュレーション上1枚のみだが、黒潮旗を制したインパクト、また戦力の地域バランスが偏りがちな女子にあって北信越地域からの有力校登場は貴重な機会。他シード候補に決定打が少ないこともあり、ピックアップの可能性は十分だ。

[四つ角シード]

埼玉栄高(埼玉)、敬愛高(福岡)、桐蔭学園高(神奈川)、大成高(愛知)

[ベスト8シード]

比叡山高(滋賀)、富士学苑高(山梨)、創志学園高(岡山)、小杉高(富山)

本サイトの予想は上記。

今年も真摯な戦力評価とファン視点での「談義」を楽しむという立場から書かせていただいた。男女とも予想の「外れ」は覚悟の上、意外なピックアップはむしろ大歓迎だ。
抽選は13日夕方、例年通りであれば公式サイト掲載による発表は翌日早朝となる。発表を楽しみに待ちたい。

※ eJudoメルマガ版2月11日掲載記事より転載・編集しています。

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る
→「書評・DVD評」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.