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グランドスラムパリ2016・最終日女子3階級ひとこと展望

(2016年2月5日)

※ eJudoメルマガ版2月5日掲載記事より転載・編集しています。
最終日女子3階級ひとこと展望
グランドスラムパリ2016
■ 70kg級・田知本遥の快進撃続行なるかが最大の焦点、決勝で待ち受けるのはポリング
(エントリー25名)

同国選手としての身びいき抜きに、今回もっとも注目されるべきは田知本遥(WR12位)ではないかと思われる。
田知本は昨年7月のチュメン大会、10月のパリ大会とグランドスラム2大会で連続優勝。チュメンではキャリア最高とも呼べる出来でケリタ・ズパンシック(カナダ)、スザンドラ・ディードリッヒ(ドイツ)、リンダ・ボルダー(イスラエル)と面倒な3人をすべて「一本」に仕留め、パリ大会準々決勝ではキム・ポリング(オランダ)との壮絶な投げ合いを制したばかりか決勝ではワールドツアーの主役ラウラ・ファルカスコッホ(ドイツ)も大外刈「一本」で畳に沈めている。この結果だけ見れば現時点の70kg級最大の実力者は田知本、12月のグランドスラム東京に勝てば五輪代表その時点で確定ではとすら思わる勢いだったが思わぬ病気で欠場。復帰戦となる今回はあの衝撃的な強さ、ガチンコの地力対決でスター選手を捻じ伏せる逞しさが本物かどうかが問われる重要な大会だ。

Aシード選手はキム・ポリング(オランダ・WR1位)、ラウラ・ファルカスコッホ(ドイツ・WR2位)、ジブリス・エマヌ(フランス・WR5位)、ケリタ・ズパンシック(カナダ・WR6位)と今回も重厚、Bシード選手にも前述2大会で田知本と唯一小差の勝負(「指導1」)を演じたファニーエステル・ポスヴィト(フランス)と躍進中のサリー・コンウェイ(イギリス)、キム・センヨン(韓国・WR15位)と面倒な選手が配されているが、田知本はどうやら対戦順に恵まれた。準々決勝でファルカスコッホ、隣のブロックのエマヌとポスヴィトは準決勝前に潰し合ってくれ、決勝はポリング1人に集中すれば良い。昨年の遠征のトラブル以降精神的に明らかに一皮剥けたと評される田知本が今回も昨秋の強さを発揮してくれるのか。五輪代表の行方、そして本大会の様相に直接結び付く重要、そして胸躍る大会だ。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):キム・ポリング(オランダ)
Bシード選手:キム・センヨン(韓国)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):ケリタ・ズパンシック(カナダ)
Bシード選手:サリー・コンウェイ(イギリス)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):ラウラ・ファルカスコッホ(ドイツ)
Bシード選手:田知本遥

【プールD】
Aシード選手(第3シード):ジブリス・エマヌ(フランス)
Bシード選手:ファニー エステル・ポスヴィト(フランス)

■ 78kg級・スター選手が大挙集結、大会屈指のハイレベル階級
(エントリー27名)

毎度スター選手が集まるこの階級、今大会は主役級から中堅の強豪までが大挙集ったまさしくオールスター戦。下記に挙げたシードリストを見てもらればその重厚さがよくわかるはずだ。

実績と実力の掛け算から導き出される主役はケイラ・ハリソン(アメリカ・WR1位)、オドレイ・チュメオ(フランス・WR2位)、マイラ・アギアール(ブラジル・WR9位)の3人だが、ただでさえ強豪ズラリのところにもってきてあまり大会に出ていないアギアールがノーシード配置となりトーナメントの序列は混乱。どのブロックも激戦だが、アナマリ・ヴェレンチェク(スロベニア・WR3位)とマルヒンデ・フェルケルク(オランダ・WR6位)にアギアールが同居したプールDのレベルの高さ、通常なら大会の主役級のフッシェ・ステインハウス(オランダ・WR4位)とルイーズ・マルツァン(ドイツ・WR5位)に加えて新鋭マデリーン・マロンガ(フランス・WR11位)と古豪アビゲイル・ヨー(ハンガリー・WR10位)までが詰め込まれたプールBの激戦ぶりには思わず頭を抱えてしまうものがある。

現役世界王者の梅木真美(WR7位)はチュメオの山に入った。アスタナの金メダル獲得劇についてハリソンやチュメオら超強豪との対戦がなかったことを挙げられることが多い梅木だが、アスタナで見せた「持って前進」「徹底して寝技」という骨の太い柔道は現在も進化中。五輪で勝つにはこの方針のまま「地力」でトップグループと渡り合えるようになる他はなく、地元開催で気合の入っているチュメオと組み合ったときにいかなる様相が立ち現れるかは非常に興味深い。チュメオは切るのか、捻じ伏せに来るのか、それとも下がるのか。準々決勝は見逃せない一番。

優勝候補はなんのかんのでもっともパフォーマンスが安定しているハリソン。注目選手は上り調子のステインハウスと、若さに期待できる梅木。アギアールがここまでの緩やかな復帰カーブからどう「上がり目」を作ってくるかどうかも焦点としておきたい。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ケイラ・ハリソン(アメリカ)
Bシード選手:ナタリー・ポウエル(イギリス)

【プールB】
Aシード選手(第4シード):フッシェ・ステインハウス(オランダ)
Bシード選手:ルイーズ・マルツァーン(ドイツ)
有力選手:アビゲイル・ヨー(ハンガリー)、マデリーン・マロンガ(フランス)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):オドレイ・チュメオ(フランス)
Bシード選手:梅木真美
有力選手:ジェンマ・ギボンス(イギリス)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):アナマリ・ヴェレンチェク(スロベニア)
Bシード選手:マルヒンデ・フェルケルク(オランダ)
有力選手:マイラ・アギアール(ブラジル)

■ 78kg超級・各国の思惑かち合い超ハイレベルトーナメントが現出、ユーと田知本は2回戦で激突
(エントリー31名)

中国と日本の強国2つがこの大会を五輪代表の選考に利用したことでトーナメントのレベルが跳ね上がった。中国は現役世界王者のユー・ソン(WR1位)に、首脳陣が推し続けていると噂されるマー・スースー(WR3位)をしつこく絡ませて同時出場させ、日本は田知本愛(WR12位)と山部佳苗(WR8位)のツートップをこちらも揃えてトーナメントに送り込んだ。

フランス勢は地元開催の大イベントを譲る気配毛頭なく、パンナムからは世界大会3連覇者イダリス・オルティス(キューバ・WR2位)とマリアスエレン・アルセマム(ブラジル・WR22位)の超強豪2人が今大会に退かず出場を慣行。これらの思惑がかちあった結果、Aシードがユー、オルティス、マー、エミリー・アンドル(フランス・WR4位)の4人、世界選手権銅メダリストの山部がBシードに回り、ともに世界選手権銀メダリストであるアルセマムと田知本がノーシード扱いになるという異常なレベルのトーナメントとなった。

その大混戦の極め付けはプールA。ユーと田知本が近接配置され、アスタナ世界選手権の決勝カードがなんと2回戦で実現してしまうという過酷なトーナメントとなった。勝っても勝っても五輪代表に確定して貰えないユー、ここまで来て代表権を譲るわけにはいかない田知本と、強国の代表「本命」である2人がどんな戦いを繰り広げるか。負ければ表彰台はもちろん入賞(7位以上)の可能性すら消失する、あまりにも厳しいサバイバルラウンドだ。

そして。現在の78kg超級戦線でもっとも嫌な選手はユー・ソンだが、中国首脳陣があくまでマーを推すこのような起用を続けるのであれば、田知本が今回勝つことでユーを五輪本戦から弾き出せる可能性がある。ある意味これは五輪の金メダル獲得に直結する、本戦以上に重要な試合になるかもしれない。

普段は出場選手が20人を割り込むことも珍しくなく表彰台クラスが1人もいない牧歌的なトーナメント現出も多々あるこの階級だが、いきなりテンションが一段も二段も上がったという印象。オリンピックイヤーの幕開けにふさわしいスーパートーナメントと評しておきたい。

【プールA】
Aシード選手(第1シード):ユー・ソン(中国)
Bシード選手:キム・ミンジョン(韓国)
有力選手:田知本愛

【プールB】
Aシード選手(第4シード):エミリー・アンドル(フランス)
Bシード選手:ニヘル・シェイキロウホウ(チュニジア)
有力選手:ヤスミン・クルブス(ドイツ)

【プールC】
Aシード選手(第2シード):イダリス・オルティス(キューバ)
Bシード選手:山部佳苗
有力選手:サラ・アドリントン(イギリス)、カロリン・ヴァイス(ドイツ)

【プールD】
Aシード選手(第3シード):マー・スース(中国)
Bシード選手:スヴィトラナ・イアロムカ(ウクライナ)
有力選手:マリアスエレン・アルセマム(ブラジル)

※ eJudoメルマガ版2月5日掲載記事より転載・編集しています。

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