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講道館杯全日本柔道体重別選手権・第1日男子4階級即日レポート

(2015年11月7日)

※ eJudoメルマガ版11月7日掲載記事より転載・編集しています。
第1日男子4階級(60kg級、66kg級、73kg級、81kg級)即日レポート
講道館杯全日本柔道体重別選手権・
■ 60kg級・全試合を逆転勝利、持ち味発揮の山本浩史が2連覇達成
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準決勝、青木大が大島優磨を横四方固「一本」、逆転勝ちで決勝進出を決める

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準決勝、山本浩史が永山竜樹から逆転の内股「技有」

【決勝】

山本浩史(ALSOK)〇優勢[有効・横掛]△青木大(日体大3年)

青木大(日体大3年)と山本浩史(ALSOK)、ともに準決勝の終盤で大逆転を演じた2人が決勝の畳に勝ち残ることとなった。

今季の学生体重別王者青木はここまで全試合を一本勝ち。2回戦で宮本拓実(自衛隊体育学校)を後袈裟固(4:58)、準々決勝は田中崇晃(筑波大3年)を掬投(※公式記録ママ)と後袈裟固の合技(3:18)で下し、迎えた第1シード選手大島優磨(国士舘大3年)との準決勝では開始55秒で引込返「技有」、さらに2つの「指導」を失って大幅ビハインドのまま終盤戦を迎える大苦戦。しかし残り35秒に小外掛で「有効」を奪うとそのまま横四方固に食いついて抑え切り「一本」(5:08)。逆転勝ちで見事決勝進出を決めた。

一方2連覇を狙う山本は2回戦で西尾享祐(自衛隊体育学校)に「有効」をリードされながらも逆転の左内股「一本」(1:49)で快勝。準々決勝の川端龍(了徳寺学園職)戦も「指導1」のビハインドを左内股「一本」(1:40)で収拾し、準決勝も世界ジュニア王者永山竜樹(東海大1年)に1分52秒小外刈「有効」を失ってビハインドのまま残り1分まで時計の針を進めてしまう。しかし残り47秒にまたもや鋭い左内股一閃、「技有」獲得に成功。3試合連続の逆転勝ちで決勝に駒を進めることとなった。

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決勝、ビハインドを負った山本が青木から横掛「有効」

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日体大のOBと現役学生による対決となった決勝は青木が右、山本が左組みのケンカ四つ。
変則ファイトが持ち味の青木は「始め」の声が掛かるなり「飛び関節」に打って出て、さらに釣り手で背中を深く抱えては出し投げ様の右浮腰に抱きつきの右小外掛と「らしさ」を如何なく発揮。山本いずれも捌き、あるいは回避して手首を握っての左内股に組み際の出足払と反撃するが散発の感は否めず。1分19秒に相手の手首を握って防御した咎で、3分1秒には消極的との咎で2つの「指導」を宣告されてしまう。

以後もケンカ四つの腰の入れ合いに片手の攻防と青木のペースで試合が進んでいるように思われたが、3分36秒に大インシデント。青木が腰を切ったところに合わせて山本が右小外刈、そのまま棒のように自ら体を捨てて投げ切り横掛「有効」を獲得する。

残り時間は1分24秒。青木スクランブルを掛けて背中を深く抱えての隅返に、足を山本の股中に突っ込んだ「サリハニ状態」からの右内股と直線的行動で逆転の一撃を狙うが、心得た山本に動揺はなし。残り24秒では青木の内股を被り返して転がすなどむしろ追加点のチャンスを作りながら、無事「それまで」の声を聞くに至る。結果、「有効」優勢を以て山本の勝利が確定、見事2年連続3度目の優勝を飾ることとなった。

決勝は青木の変則的な戦い方に動揺することなく、落ち着いて試合を進めたその冷静さに凱歌。4試合いずれも逆転、全てを投技一発で収拾するといういかにも山本らしい内容。本領を発揮したと言って良い大会であった。

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3位決定戦、田中崇晃が永山竜樹の裏投に小内刈を合わせる

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準々決勝、大島優磨が古賀玄暉から背負投で2つ目の「技有」

志々目徹、高藤直寿、木戸慎二の3人が既に確定していたグランドスラム東京代表の残り1枠には順当に山本が選抜された。

ともにあと1分で決勝進出というところまで漕ぎつけていた永山と大島の若手有望株2人はこの試合で力尽きたか、いずれも表彰台に上がれず。永山は9月の全日本ジュニアで一本勝ちしている田中崇晃(筑波大3年)との3位決定戦に小内刈「一本」(1:11)で敗れ、大島は3位決定戦を棄権して両者とも5位に終わった。

世界カデ王者の古賀玄暉(大成高2年)はベスト8まで勝ち残ったが大島優磨との試合中に頭を強打。敗者復活戦は棄権し、入賞には手が届かなかった。

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60kg級2連覇の山本浩史

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60kg級入賞者。左から青木、山本、田中、藤澤。

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1回戦、世界カデ王者古賀玄暉のシニアデビュー戦は箱田圭努(山梨学院大4年)から大外

【入賞者】

優 勝:山本浩史(ALSOK)
準優勝:青木大(日体大3年)
第三位:田中崇晃(筑波大3年)、藤澤征憲(国士舘大4年)

山本浩史選手のコメント
「(決勝が)同門対決であることはあまり意識しませんでしたが、やりにくかったです。自分の組み手に1度もなれませんでしたが、その中で何とか投げることが出来ました。大会通じて先に『指導』を貰うことや失点が続きましたが、良く相手が見えていたし、しっかり技を掛けられた。自分の中では良い柔道が出来たと思います。グランドスラム東京に選んで貰えると思うので、そこをしっかり頑張りたいです」

【準々決勝】

大島優磨(国士舘大3年)〇合技[背負投・背負投](4:18)△古賀玄暉(大成高2年)
青木大(日体大3年)〇合技[掬投※・後袈裟固](3:18)△田中崇晃(筑波大3年)
 ※公式記録ママ
山本浩史(ALSOK)〇内股(1:40)△川端龍(了徳寺学園職)
永山竜樹(東海大1年)〇優勢[指導2]△藤澤征憲(国士舘大4年)

【敗者復活戦】

田中崇晃〇不戦△古賀玄暉
藤澤征憲〇GS裏投(GS0:16)△川端龍

【準決勝】

青木大〇横四方固(5:08)△大島優磨
山本浩史〇優勢[技有・内股]△永山竜樹

【3位決定戦】

田中崇晃〇小内刈(1:11)△永山竜樹
藤澤征憲〇不戦△大島優磨

【決勝】

山本浩史〇優勢[有効・横掛]△青木大

■ 66kg級・竪山将が初優勝、準々決勝敗退の阿部一二三はリオ五輪の道閉ざされる
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準々決勝、丸山城志郎が阿部一二三から巴投「有効」

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阿部は脇を差しての攻撃で激しく追い立てるが丸山は冷静に対処を続ける

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タイムアップ。この瞬間僅かに可能性が残されていた阿部のリオ五輪出場の道は事実上断たれた。

昨年高校2年生にして優勝、そのまま一気にグランドスラム東京を制した阿部一二三(神港学園神港高3年)が第1シード。今大会全体を通してもっとも注目選手される選手でもあり、その戦いぶりに観客と詰めかけた報道陣、そして強化スタッフの熱い視線が注がれた。

2回戦で今季の世界ジュニア王者浅利昌哉(東海大2年)を「指導2」対「指導1」の優勢で振り切った阿部は準々決勝で丸山城志郎(天理大4年)と対戦。正念場と目されたこの試合の序盤59秒に場外際で巴投を食って転がり「有効」を失ってしまう。

スクランブル体勢となった阿部は以後脇を差しての密着勝負に打って出るが、これは丸山十分織り込み済み。阿部は2分32秒には裏投で相手の体を完全に持ち上げるシーンを作り、3分24秒には片襟の右背負投で丸山を腹這いに落として「指導」2つを追い上げる。迫力十分の攻めであったが丸山は動ずることなく、はたき込むように阿部のアプローチをいなし、あるいは片手で距離を取り、時折左内股に飛び込んであわやポイント奪取というシーンまで作りながらしっかりタイムアップまで戦い切る。結果丸山が「有効」優勢で勝利、阿部の本戦トーナメント脱落が決まった。見事な先制の一撃に、阿部の武器は畢竟脇を差しての密着しかないと見切った戦術眼。勝利に必要な条件をしっかり揃えた丸山の完勝であった。

阿部がリオ五輪挑戦の資格を保持し続けるにはグランドスラム東京の出場が必須で、かつその残り枠は講道館杯優勝者に与えられる「1」のみ。つまりこの時点で阿部のリオ五輪への道はほぼ断たれたことになる。その失望いかばかりかと思われたが、阿部は以降の2戦をしっかり勝ち切って3位を確保。しっかり表彰台に登るタフさも見せて大会を終えた。

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準決勝、丸山城志郎が磯田範仁から左内股「技有」。

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準々決勝、竪山将が藤阪太郎から背負投「技有」

【決勝】

竪山将(鹿屋体育大4年)〇優勢[指導1]△丸山城志郎(天理大4年)

決勝に進んだのは丸山城志郎と竪山将(鹿屋体育大4年)の同学年選手2名。

丸山は1回戦を不戦勝ち、2回戦は今季の警察王者小寺将史(警視庁)をGS延長戦「指導2」(GS1:02)で振り切り、準々決勝は前述の通り阿部に「有効」優勢で勝利。準決勝では今季学生2位でこの日充実の戦いぶりで前野将吾(旭化成)と六郷雄平(了徳寺学園職)の2人を倒している磯田範仁(国士舘大2年)を相手に最終盤の内股と袈裟固の合技「一本」(5:14)で完勝。初優勝を狙って決勝の畳に臨む。

竪山は2回戦で江藤康太(熊本県警)を「立ち背負い」で投げて「有効」獲得、この一撃による優勢勝ちで大会を滑り出す。準々決勝は学生王者藤阪太郎を背負投「技有」、さらに背負投「一本」(2:26)と2度投げつけて完勝。準決勝は積年のライバル橋口祐葵(明治大3年)を2分24秒の背負投「技有」、さらに残り13秒で再度の背負投「技有」とまさしく一蹴して合技の一本勝ち。素晴らしい内容で決勝進出を決めて来た。

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決勝、竪山が右一本背負投で丸山を攻める

決勝は丸山、竪山ともに左組みの相四つ。丸山は内股、竪山は担ぎ技を中心に攻め合うが互いに釣り手の位置が低く決定打には至らず。互いに組み手にナーバスで、不利になると切り離して攻防をリセットする「やり直し」が頻発する。

互いの意図がぶつかり、取り口噛み合わない印象の試合となったが主審は試合の介入を控え、双方ポイントがないまま残り時間1分まで時計の針が進む。ここで主審ようやく動き、丸山にのみ「取り組まない」咎の「指導」を宣告する。

以後は丸山が前に出て竪山がいなす展開。動き少ないまま試合が終わり、非常に微妙な差ながら「指導1」の優勢で竪山の優勝が決まった。

決勝の判定はまことに微妙であったが、大会全体を通じた出来を見る限り、得意の背負投を決めまくり、この技で実に5度ポイントを挙げている竪山の優勝は妥当。2013年の世界ジュニアで優勝して以降常にホープと評されながら阿部一二三の台頭によって少々存在感が薄らいでいた感のある竪山だが、この勝利でグランドスラム東京というトップ大会の日本代表に選抜。大きな意味のある優勝だった。

ただし、ともに投技の威力が持ち味の2人による決勝対決が膠着のまま終了したことは少々残念。出来得れば早い段階で審判が介入し、「指導」を与えることで試合をコントロール、活性化することで両者の良い部分を引き出して欲しかったところだ。

3位には阿部のほか、学生体重別に続く磯田との同門対決を制した藤阪が入賞した。

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1回戦、平岡拓晃が阿河夢斗から巴投「一本」

ロンドン五輪60kg級銀メダリストの平岡拓晃(了徳寺学園職)は1回戦で阿河夢斗(埼玉大2年)に巴投「一本」(1:19)、2回戦で木戸清孝(天理大2年)に一本背負投「技有」で勝利して視界良好だったが、準々決勝で橋口祐葵に対して放った一撃に落とし穴。得意の一本背負投の形で腕を抱えながら脚を差し込む小内刈を仕掛けた際にズボンに手が触れたと判断され、「足取り」のダイレクト反則負けを宣告されてしまった。これで気持ちが切れたか、敗者復活戦では藤阪に小外掛「一本」(2:58)で敗戦。入賞は手が届かなかった。

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初優勝の竪山将

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66kg級入賞者。左から丸山、竪山、阿部、藤阪。

【入賞者】

優 勝:竪山将(鹿屋体育大4年)
準優勝:丸山城志郎(天理大4年)
第三位:阿部一二三(神港学園神港高3年)、藤阪太郎(国士舘大3年)


竪山将選手のコメント
「本当に嬉しいです。(丸山は)今まで勝ったり負けたりの相手で、絶対勝つぞと心に決めて戦いました。本当は投げて勝ちたかったのですが、相手も組み手が巧くて。そのあたりはこれからの課題です。海外勢との戦いは得意なので、グランドスラム東京では優勝を目指します」

【準々決勝】

丸山城志郎(天理大4年)〇優勢[有効・巴投]△阿部一二三(神港学園神港高3年)
磯田範仁(国士舘大2年)〇横四方固(2:15)△西山祐貴(日体大3年)
竪山将(鹿屋体育大4年)〇背負投(2:26)△藤阪太郎(国士舘大3年)
橋口祐葵(明治大3年)〇反則(0:27)△平岡拓晃(了徳寺学園職)
 ※「足取り」によるダイレクト反則負け

【敗者復活戦】

阿部一二三〇優勢[指導1]△西山祐貴
藤阪太郎〇小外掛(2:58)△平岡拓晃

【準決勝】

丸山城志郎〇合技[内股・袈裟固](5:14)△磯田範仁
竪山将〇合技[背負投・背負投](4:47)△橋口祐葵

【3位決定戦】

阿部一二三〇合技[大外刈・大外刈](1:11)△橋口祐葵
藤阪太郎〇GS指導2(GS2:03)△磯田範仁

【決勝】

竪山将〇優勢[指導1]△丸山城志郎

■ 73kg級・橋本壮市が優勝、今季3つ目の全日本タイトルを獲得
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準決勝を戦う橋本壮市

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準決勝、田村和也が土井健史を崩袈裟固に抑え込む

【決勝】

橋本壮市(パーク24)〇優勢[指導2]△田村和也(パーク24)

決勝は同門対決。ともにパーク24所属の橋本壮市と田村和也によって雌雄が決されることとなった。

4月の全日本選抜体重別王者、8月の全日本実業個人も制している橋本は勿論今大会の第1シード選手。2回戦は宮山翔多(山梨学院大3年)から裏投「有効」と4つの「指導」を奪って勝利(3:48)し、準々決勝では初戦で高校カテゴリ王者立川新を大腰「一本」(0:24)で一蹴している新垣直也(沖縄県警)から背負落「有効」、2つの「指導」、さらに上四方固「一本」(5:06)と連取して快勝。準決勝はこの日好調の太田慶一(了徳寺学園職)に「指導1」の優勢で競り勝ち、しっかり決勝進出を決めて来た。

一方の田村は1回戦で中山玲皇(近畿大3年)を「指導2」の優勢、2回戦では前戦で中村剛教(大阪府警)を「指導1」で破った下山徳大(了徳寺学園職)をこれも「指導2」の優勢で下し、準々決勝は三井大輝(国士舘大4年)を内股「有効」、最大の勝負どころとなった準決勝ではシード選手土井健史(ダイコロ)を内股「技有」から崩袈裟固に繋いだ合技「一本」(3:34)で勝利。ついに決勝の畳まで辿り着くこととなった。

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決勝、橋本は釣り手一本で押し込み、田村を場外に弾きだす

決勝は橋本、田村ともに右組みの相四つ。橋本は左の一本背負投で攻め、田村は左構えから引き手で襟を突く慎重な組み立て、その肘を激しく振り立てながら一撃の機会を伺う。しかし双方組み手のやり直しが頻発し、1分50秒主審は双方に「取り組まない」咎による「指導1」を宣告する。

直後橋本は引き手で袖を確保すると前へ。場外際に追い込まれた田村は体落の形で身を切って潰れ難を逃れるが、主審この行為に対し的確に場外の「指導2」を宣告。経過時間は2分7秒。

リードを得た橋本は袖を握った引き手を低く、奥襟を取った釣り手を高くと落差をつけた組み手で攻防を塗りつぶし、圧力を掛けて一旦試合展開をスタティックに固定。この中盤の選択が以後に効き、残り2分を過ぎてから試合は動的膠着に陥ってポイントの積み上げないままタイムアップ。結果「指導2」対「指導1」の優勢で橋本の優勝が決まった。

互いを良く知る間柄である田村との決勝はダイナミックさに欠ける試合であったが、全ての選手にマークされる立場でありながらしっかり勝ち切った橋本は見事。大野将平、中矢力、秋本啓之の世界王者3名とともにグランドスラム東京の畳に立つ栄に浴すという、これ以上ない対価を勝ち取ることとなった。

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3位決定戦を戦う福岡克仁

3位にはともに威力のある投げで会場を沸かせた土井健史(ダイコロ)と福岡克仁(日本大1年)の2人が入賞することとなった。特に学生王者福岡の躍動感溢れる柔道と鮮やかな「一本」は大会第1日の華というべきもの。1回戦では岡田真幸(陸上自衛隊)を開始10秒の内股「一本」、2回戦では強者岩渕侑生(国士舘大4年)を大外刈「一本」(1:40)、土井健史との準々決勝は敗れたがその内容は「有効「技有」失陥ののち、ケンケンの大内刈で激しく追って勝負に出たところに巴投を食って一本負けというもので、連続失点という事実よりも大学1年生らしい気風の良さが記憶に残るという体の実にすがすがしい負けっぷり。銅メダル獲得は妥当な成果であった。

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今季国内3つ目のタイトルを獲得した橋本壮市

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73kg級入賞者。左から田村、橋本、土井、福岡。

【入賞者】

優 勝:橋本壮市(パーク24)
準優勝:田村和也(パーク24)
第三位:土井健史(ダイコロ)、福岡克仁(日本大1年)

橋本壮市選手のコメント
「決勝は同門対決でやり辛かったですが、どんなことをしてでもしっかり勝とうと思って試合をしました。小さいときから講道館杯優勝はひとつの夢だったので、嬉しいです。ただ、まだまだ試合は続きますしこれは通過点でもあります。今後は目の前ひとつひとつの試合をしっかり勝っていくことが課題。内容は勿論ですが、何より勝つことが大事だと思っています」

【準々決勝】

橋本壮市(パーク24)〇上四方固(5:06)△新垣直也(沖縄県警)
太田慶一(了徳寺学園職)〇反則(4:20)△山本悠司(天理大2年)
 ※「特に頸や脊椎・脊髄など、相手を傷つけたり危害を及ぼしたり、あるいは柔道精神に反するような動作をする」条項適用によるダイレクト反則負け
土井健史(ダイコロ)〇巴投(3:31)△福岡克仁(3:31)
田村和也(パーク24)〇優勢[有効・内股]△三井大輝(国士舘大4年)

【敗者復活戦】

新垣直也〇不戦△山本悠司
福岡克仁〇優勢[指導1]△三井大輝

【準決勝】

橋本壮市〇優勢[指導1]△太田慶一
田村和也〇合技[内股・崩袈裟固](3:34)△土井健史

【3位決定戦】

土井健史〇小内刈(3:37)△新垣直也
福岡克仁〇優勢[技有・袖釣込腰]△太田慶一

【決勝】

橋本壮市〇優勢[指導2]△田村和也

■ 81kg級・海老泰博、一段違う力見せて初優勝飾る
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準決勝を戦う海老泰博

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準々決勝、川上智弘が正木聖悟から小外刈「技有」

【決勝】

海老泰博(旭化成)〇一本背負投(2:13)△川上智弘(國學院大職)

海老泰博(旭化成)と川上智弘(國學院大職)、ともに序盤戦から素晴らしい出来を見せていた2人が決勝進出。8月の全日本実業個人に続いて再び決勝で相まみえることとなった。

海老は1回戦で面倒な村山辰巳(日体大2年)から背負投で2つの「有効」を奪って優勢勝ち。2回戦は中田大貴(山梨学院大3年)を上四方固「一本」(3:06)、準々決勝では前戦で警察王者山下諒輔(静岡県警)を移腰「一本」で破った佐藤佑樹(東海大2年)に「指導3」を奪った末の背負投「一本」(3:31)で圧勝。準決勝は第1シード選手の後輩小原拳哉(東海大3年)を「指導1」対「指導2」の反則累積差で下し、決勝への勝ち上がりを決めることとなった。

一方の川上は2012年の選抜体重別決勝を争った中井貴裕(パーク24)と1回戦でマッチアップするという過酷な組み合わせ。中井のインサイドワークに嵌って「指導3」を失う苦しい展開だったが残り45秒に得意の小外刈で「技有」を奪って逆転、この難敵を乗り越えることに成功すると、2回戦では全日本ジュニア王者藤原崇太郎(日体荏原高2年)を開始40秒で奪った払巻込「技有」による優勢でしっかり退ける。準々決勝はこれもジュニアの有望選手正木聖悟(天理大1年)を小内刈と小外刈の合技「一本」(2:19)で破り、準決勝は前戦で尾方寿應(東海大2年)を内股「一本」で屠っている渕原槙一(日体大3年)を得意の小外刈「技有」で撃破。見事2011年大会以来の決勝の畳へとたどり着くこととなった。

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決勝、海老が川上の左小内刈を押し返して「有効」

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海老の右一本背負投「一本」

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8月の実業個人決勝では海老が右小内刈「技有」、裏投「一本」と連取して勝利しているこの顔合わせは両者左組みの相四つ。

遠間から一気に距離を詰めての小外刈が得意な川上に対して海老は間合いを取りながら左小内刈の弾幕を張り、この技で2度川上を転がしてそのアプローチを阻む。直後の1分2秒には釣り手一本で突いて川上を畳の外に追いやり、川上に場外の「指導」。

奮起した川上、1分21秒に素晴らしいタイミングの左一本背負投を入れるが手が抜けてしまって投げ切るには至らず。川上はこれに手応えを得たか続く展開で一本背負投の形に腕を抱えた左小内刈に打って出るが、予期した海老は瞬間前に踏み込んで片足になった川上を押し返す。伏せかかった川上の体に被って肩を着かせ、海老の小内返「有効」。経過時間は1分38秒。

勝機訪れたと見た海老は続くシークエンスで勝負に出る。腕を抱えながらの右小内刈、これで一旦踏み込んで川上の懐に腰を差し込むと、次いで右一本背負投。入りの深さ自体で勝負あり、川上ゴロリと一回転して背中から落ち「一本」。経過時間2分13秒、この一撃で海老の優勝が決まった。

意外にも海老の講道館杯制覇はこれが初めて。26歳となった今年も成長止まらず、むしろ柔道の骨が一段太くなった感すらあり。その骨太さが、ジュニア時代から高く評価されてきた技の切れ味が生きる水準点までついに達したという印象。

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3位決定戦、小原拳哉が尾方寿應から一本背負投「有効」

3位には小原拳哉(東海大3年)と春山友紀(自衛隊体育学校)が入賞。

学生王者の佐藤正大(国士舘大3年)は初戦で尾方寿應に「指導2」対「指導3」で敗れた。もと73kg級強化選手の西山雄希(了徳寺学園職)は初戦で山下諒輔を相手に「指導」3つと大外刈「有効」を失って入賞に絡めず。

グランドスラム東京代表には既に権利のある永瀬貴規、丸山剛毅、長島啓太の3人に加え、今大会優勝の実績を以て海老が選出された。

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優勝の海老泰博

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81kg級入賞者。左から川上、海老、春山、小原。

【入賞者】

優 勝:海老泰博(旭化成)
準優勝:川上智弘(國學院大職)
第三位:春山友紀(自衛隊体育学校)、小原拳哉(東海大3年)

海老泰博選手のコメント
「全体的に調子が良くなく、先に先に掛けていこうとしたのですが、それがうまく行きました。1年間ずっとこの大会の優勝を目指してやってきたのでうれしいです。川上選手は強い相手で対戦成績も良くないので、実業個人での勝利は忘れて挑戦者のつもりで戦いました。この先も、目の前の一試合一試合をしっかり戦っていきたいです」

【準々決勝】

小原拳哉(東海大3年)〇GS指導4(GS1:34)△春山友紀(自衛隊体育学校)
海老泰博(旭化成)〇背負投(3:31)△佐藤佑樹(東海大2年)
川上智弘(國學院大職)〇合技[小内刈・小外刈]△正木聖悟(天理大1年)
渕原槙一(日体大3年)〇内股(1:48)△尾方寿應(東海大2年)

【敗者復活戦】

春山友紀〇横四方固(3:39)△佐藤佑樹
尾方寿應〇大内刈(1:28)△正木聖悟

【準決勝】

川上智弘〇優勢[技有・小外刈]△渕原槙一

【3位決定戦】

小原拳哉〇上四方固(3:11)△尾方寿應
春山友紀〇合技[背負投・大腰]△渕原槙一

【決勝】

海老泰博〇一本背負投(2:13)△川上智弘

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