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グランドスラムパリ・第1日男子3階級レポート

(2015年10月22日)

※ eJudoメルマガ版10月22日掲載記事より転載・編集しています。
第1日男子3階級レポート
グランドスラムパリ
■ 60kg級・高藤直寿圧勝V、山場の準決勝はダシュダヴァーを鮮やか足車「一本」
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3回戦、サヤン・クシュテク(ロシア)に逆の大腰で食いつく高藤。この日は多彩な技選択で相手を置き去りにする持ち味を十分発揮した

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2回戦、高藤の釣込腰「一本」

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決勝、ヴィンセント・リマール(フランス)のクロス組み手を大内刈で切り返す高藤。

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優勝の高藤。5月のワールドマスターズに続きハイレベル大会を2大会連続で制した。

(エントリー39名)

【入賞者】
1.TAKATO, Naohisa(JPN)
2.LIMARE, Vincent(FRA)
3.DASHDAVAA, Amartuvshin(MGL)
3.LUTFILLAEV, Sharafuddin(UZB)
5.CHAMMARTIN, Ludovic(SUI)
5.MOOREN, Jeroen(NED)
7.MILOUS, Sofiane(FRA)
7.TAKABATAKE, Eric(BRA)

日本代表の高藤直寿が圧勝優勝。2回戦はモハメド・ジャフィ(モロッコ)を釣込腰「一本」(1:41)、3回戦はサヤン・クシュテク(ロシア)の巴投を捌くと足を絡ませて与えたまま腕緘で捻じ伏せ「一本」(4:30)、準々決勝はルドヴィック・シャンマルタン(スイス)から右袖釣込腰「有効」、隅返「有効」と2つのポイントを奪って勝利。

圧巻はリオ世界選手権銀メダリストのダシュダヴァー・アマーツブシン(モンゴル)と対戦した準決勝。ケンカ四つのダシュダヴァーを相手に釣り手の自由を利かせたまま組み合うと、ダシュダヴァーの右内股を透かすなり攻防一致の左足車。自分が仕掛けたと思った次の瞬間には放り投げられていたダシュダヴァーは「一本」宣告に畳を拳で叩き、次いで呆然。高い集中力と俊敏な動き、この日の高藤の出来を象徴するようなシーンだった。

決勝では地元フランスの期待の星、23歳のヴィンセント・リマールと対戦。ランキング14位のリマールのここまでの勝ち上がりは2回戦でヌノ・カルヴァーリョ(ポルトガル)を「指導3」対「指導1」の優勢、ユアン・ポスティーゴス(ペルー)を大外刈「有効」による優勢、そしてジェロエン・ムーレン(オランダ)を巴投「有効」からの腕挫十字固「一本」、最大の勝負どころとなった準決勝では第1シードのシャラフディン・ルトフィラエフ(ウズベキスタン)にGS延長戦裏投「技有」を奪って勝利というもの。

この決勝は高藤がリマールを圧倒。高藤とまたもに組むことを嫌うリマールはクロスの一方的組み手を狙い、それが出来ずば巴投に体を捨てるという刹那的な作戦でこの試合に臨んだが、あくまで組んで前に出てくる高藤の前に放った2度の巴投はいずれも偽装攻撃の「指導」、頼みのクロス組み手も高藤に大外刈で2度切り返されてピンチを迎えるなど、打つ手なしという状況。2分45秒には高藤が直角方向に肩車を決めて決定的な「技有」奪取。

リマールは故意かアクシデントか2度その手を高藤の顔に当て試合は中断となるが高藤は動じず、最後までまったく隙を見せない。残り3秒、高藤がリマールを腕緘に捉えた(主審の死角となり「待て」)攻防で試合は終了、高藤の「技有」優勢による勝利が決まった。

高藤は終始集中していた。好戦的な姿勢と勝利必須の使命感が局所の判断と動きの隅々まで染み込み、全く隙を見せなかった。判断の速さ自体と選択の多彩さで相手を置き去りにする、高藤本来のストロングポイントがしっかり発揮された大会であったと言える。腕緘などの新兵器が具体的な戦果に結びつき、「進化を止めない」自身のベクトルもしっかりアピール。かつて公言していた「二本持ってしっかり掛ける柔道」の完成はまだまだ先のようだが、組み手の入り口の自在さとゴールとしての「二本持つ状態」の強さ、そして融通無碍の技選択は高藤強しとの印象を再び与えるには十分だったのではないだろうか。少なくとも一時のような変則組手と散発の一撃というような刹那的な柔道ではまったくなかった。五輪に向けて残す課題は安定感のアピールと、イェルドス・スメトフ(カザフスタン)らアスタナ世界選手権で輝いた選手との直接対決における勝利といったところ。少なくとも今大会は文句のつけられない出来であった。

木戸慎二は3回戦敗退。敗れたジョロエン・ムーレン(オランダ)戦よりも、圧倒的な展開をスコア差に反映しきれなかった(「指導2」対「指導1)2回戦のサカワト・ガジエフ(ロシア)戦に、早期敗退の要素がより端的に表れているように感じられる大会であった。


【準決勝】

ヴィンセント・リマール(フランス)〇優勢[技有・裏投]△シャラフディン・ルトフイラエフ(ウズベキスタン)
高藤直寿〇足車(1:03)△ダシュダヴァー・アマーツブシン(モンゴル)

【決勝】

高藤直寿〇優勢[技有・肩車]△ヴィンセント・リマール(フランス)

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60kg級メダリスト。左からリマール、高藤、ダシュダヴァー、ルトフィラエフ。

【日本選手勝ち上がり】

高藤直寿(東海大4年)
成績:優勝

[2回戦]

高藤直寿〇釣込腰(1:41)△モハメド・ジャフィ(モロッコ)

高藤が右袖釣込腰などで攻め込み、獲り切れないもののジャフィは下がり続けて苦しい状況。窮したジャフィが組み際に抱きつくと、呼び込んだ高藤釣り手で上から背中を抱え、腰に載せて投げ飛ばす。「一本」。

[3回戦]

高藤直寿〇腕緘(4:30)△サヤン・クシュテク(ロシア)

高藤左、クシュテクは右組みのケンカ四つ。片手で試合を流して耐える相手を両袖で追い込み、ケンケンの左小内刈で「技有」、さらに「指導」2つを積む。
圧倒的優位のまま迎えた終盤、相手の巴投を捌いて足を絡ませて与えたまま、横四方固の形から腕緘を狙う。しっかり極めて「一本」。

[準々決勝]

高藤直寿〇優勢[有効・袖釣込腰]△ルドヴィック・シャンマルタン(スイス)

左相四つ。試合を流しながらチャンスを狙う相手を追い込み、片手の右袖釣込腰「有効」。隅返「有効」。優勢勝ちではあるが危なげのない試合。

[準決勝]

高藤直寿〇足車(1:03)△ダシュダヴァー・アマーツブシン(モンゴル)

ケンカ四つ。ダシュダヴァーは「巴十字」、さらに釣り手で背中を掴んで接近を試みるが高藤その意図をいち早く察し、巧みな釣り手操作で自分の形を譲らない。
1分3秒、ダシュダヴァーが右内股。高藤透かすなり攻防一致の左足車一閃、明らかに狙っていた一撃は見事に決まって「一本」。ダシュダヴァー拳で畳を叩き、座ったまましばし呆然。

[決勝]

高藤直寿〇優勢[技有・肩車]△ヴィンセント・リマール(フランス)

左相四つ。リマールまともに組み合うことを怖れ、高藤が持つと巴投に潰れて試合を流しながら一方的なクロス組み手の完成を狙う。しかしその巴投に対し27秒、1分14秒と立て続けに偽装攻撃の「指導」。
高藤、大外刈で相手を2度投げ掛けて追い詰めると2分45秒に肩車。サンボ式と見紛う直角方向への投げで「技有」を獲得する。

以後も高藤集中を切らずに攻め、そしていなし続ける。手も足も出ないリマールは故意かアクシデントか2度高藤の顔に手をぶつけて中断シーンを作るが、高藤はあくまで冷静、残り3秒で相手に被さり腕緘を完成させる。これは主審の死角で「待て」が宣告されてしまったが、試合時間の残りはなし。決勝も圧勝で優勝決定。


木戸慎二(パーク24)
成績:3回戦敗退

[2回戦]

木戸慎二〇優勢[指導2]△サカワト・ガジエフ(ロシア)

左相四つ。片手技に捨身技と刹那的な攻めで試合を流す相手に対し、木戸は終始優勢。しかし中盤に完璧に投げた左内股を回転させすぎてノーポイントにしてしまうなど、具体的なポイントに繋がらず、偽装攻撃の「指導」を受けてタイスコア。しかし終盤攻撃をまとめ「指導」1つを積んで勝利。圧倒的な試合内容がスコアに反映されなかったという試合。

[3回戦]

木戸慎二△優勢[有効・大内返]〇ジョロエン・ムーレン(オランダ)

ケンカ四つ。「指導2」をリードした3分35秒、得意の左大内刈を返されて「有効」失陥。試合巧者のムーレンは木戸の反撃を残り17秒の「指導3」までに抑えて勝ち抜け。木戸は予選ラウンド敗退決定。

■ 66kg級・ダバドルジ優勝、高上智史はザンタライアに惜敗で3位
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66kg級メダリスト。左からザンタライア、ダバドルジ、高上、ドフトン。

(エントリー38名)

【入賞者】
1.DAVAADORJ, Tumurkhuleg(MGL)
2.ZANTARAIA, Georgii(UKR)
3.DOVDON, Altansukh(MGL)
3.TAKAJO, Tomofumi(JPN)
5.OLEINIC, Sergiu(POR)
5.SHIKHALIZADA, Nijat(AZE)
7.SHAMILOV, Yakub(RUS)
7.VERDE, Elio(ITA)

優勝は第1シードに入ったダバドルジ・ツムルフレグ(モンゴル)。2回戦でホウド・ゾウルダニ(アルジェリア)を「指導4」(3:57)、3回戦でアドリアン・ゴンバッチ(スロベニア)を「指導2」対「指導3」の優勢、準々決勝はエリオ・ヴェルデ(イタリア)を浮腰「技有」による優勢、準決勝はニジャット・シカリザダ(アゼルバイジャン)を右一本背負投「技有」の優勢で下して決勝進出決定。決勝はゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)を相手に大内刈「技有」を先行、2つの場外「指導」、最終盤には3つ目の「指導」を失ったがしっかり試合をまとめて7月のグランプリ・ウランバートルに続く今季3つ目のワールドツアータイトルを手にした。決して圧倒的な出来ではなかったが、ここぞという場面での身体能力の高さ、勝負強さはさすがであった。

2位のザンタライアは準決勝までの4試合で一本勝ちは2つ、その2つ(いずれも内股「一本」)も2回戦のケーストゥティス・ヴィトカウスカス(リトアニア)、準々決勝のドフトン・アルタンスフ(モンゴル)という全くの格下相手にマークしたものでこちらも素抜群の出来というわけではまったくなかったが、準決勝の高上智史戦(「指導3」を獲得して勝利)で見せた試合構成力の高さ、何が効くかを試合の中で見極める勝負勘は健在。決勝に残った両者とも完璧なコンディションではなかったと思われるが、地力の高さ、好不調に関わらずその核に残る「飴玉の芯」の質の高さゆえに好成績をマークしたと総括出来る大会であった。

高上智史は前述の通り準決勝で敗れたが、3位決定戦に勝利して表彰台を確保。準決勝以外の全試合で投技のポイントをマークするなど持ち味を十分発揮出来ていただけに、簡単に釣り手を与えることで流れを失ったザンタライア戦序盤の戦い方がなんとも悔やまれる。世界選手権の日本代表2人がいずれも予選ラウンド敗退に終わり「出直し」となった66kg級だが、高上が代表争いにインパクトを残すには今大会の優勝が必須であったはず。1位、2位のメンバーが強者であるぶん、逆に「力負け」の評価が残るのは否めない。勿体ない大会であった。

【準決勝】

ダバドルジ・ツムルフレグ(モンゴル)〇優勢[技有・一本背負投]△ニジャット・シカリザダ(アゼルバイジャン)
ゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)〇優勢[指導3]△高上智史


【決勝】

ダバドルジ・ツムルフレグ(モンゴル)〇優勢[有効・大内刈]△ゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)

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3回戦、高上智史がスゴイ・ウリアルテから右背負投「技有」

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高上智史は3位に終わった。

【日本選手勝ち上がり】

高上智史(旭化成)
成績:3位

[2回戦]

高上智史〇反則(2:52)△ファビオ・バジーレ(イタリア)

高上が右、バシル左組みのケンカ四つ。高上相手の横落を潰し、上から被さり寝技で攻める。直後、高い打点の右背負投から体落に連絡し「有効」奪取。さらに立て続けに「指導」2つを積む。
高上、伏せ掛けた相手を上から押さえつけ、「秋本返し」に近い形で相手を抱き潰す。嫌ったバシルは立ち上がりながら高上のズボンを掴む。一旦寝姿勢を経ての攻防と思われたが、主審は時間をおいてこれを「足取り」の反則と判断。ダイレクト反則負けを宣告して試合終了。意外な結末。


[3回戦]

高上智史〇優勢[技有・背負投]△スゴイ・ウリアルテ(スペイン)

右相四つ。横変形で巻き込みを狙ってくる相手を組み際の袖釣込腰を主体に攻める。引き手を取った瞬間に右背負投「技有」、このポイントを以て勝ち抜け決定。

[準々決勝]

高上智史〇棄権(3:34)△ヤクブ・シャミロフ(ロシア)

ケンカ四つ。右背負投で伏せかけた相手を押し込み「技有」奪取。この際相手が負傷し、棄権。

[準決勝]

高上智史△優勢[指導3]〇ゲオルギー・ザンタライア(ウクライナ)

ケンカ四つ。ザンタライアは左大腰、スライディングの浮技などを仕掛けながらあるべき試合の様相を探るが、容易に釣り手で奥襟、あるいは背中を持てる展開が続くことでここに活路を見出す。幾度も釣り手で深く背中を持っては高上の頭を下げさせ2分19秒高上に極端な防御姿勢の「指導」宣告、ザンタライアはさらに左背負投に左内股と自信満々に攻めを加速させ、残り2分を切ってから高上に3つ目の「指導」が宣告されるに至る。最終盤、自ら膝を屈したザンタライアに偽装攻撃の「指導」が宣告されるが残り時間ほとんどなし。高上の敗戦が決定。

[3位決定戦]

高上智史〇合技[袖釣込腰・背負投](3:52)△セルジュ・オレニック(ポルトガル)

ケンカ四つ。高上1分29秒に右袖釣込腰でオレニックを転がし「技有」奪取。さらに出足払で尻もちを着かせるなど終始優位に試合を進め、3分52秒所謂「韓国背負い」で相手を回し「技有」獲得。合技の一本勝ちで銅メダルを確保。

■ 73kg級・秋本啓之が優勝、東京世界選手権を彷彿とさせる好パフォーマンスを披露
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初戦を戦う秋本啓之

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73kg級決勝、秋本啓之がルスタン・オルジョフから巴投「技有」

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決勝、秋本の右背負投

(エントリー46名)

【入賞者】
1.AKIMOTO, Hiroyuki(JPN)
2.ORUJOV, Rustam(AZE)
3.MUKI, Sagi(ISR)
3.WANDTKE, Igor(GER)
5.DRAKSIC, Rok(SLO)
5.SUN, Shuai(CHN)
7.DUPRAT, Pierre(FRA)
7.ESPOSITO, Antonio(ITA)

日本代表の秋本啓之が見事優勝。ノーシードからスタートし、2回戦でエートゥ・ラーマネン(フィンランド)を崩袈裟固「一本」(1:50)、3回戦では積年のライバルであるデックス・エルモント(オランダ)から右背負投「有効」優勢、準々決勝はアントーニオ・エスポージト(イタリア)の右背負投を潰してめくり返し崩袈裟固「一本」(3:03)で勝利し、準決勝はロク・ドラクシッチ(スロベニア)を所謂「秋本返し」から崩袈裟固に抑え込んでこの試合も「一本」(4:20)で決勝進出を果たす。

決勝は第1シード選手、現在ワールドランキング1位のルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)と対戦。オルジョフの押し込みの前に開始早々場外の「指導」を失うが、続くシークエンスで前に出て来たオルジョフを鋭い巴投に捉えて34秒「技有」奪取。

オルジョフは以後も前に圧力を掛け、て脇を差し、奥襟を叩いてと密着志向で試合を進めるが秋本は巧みに捌いては右背負投、さらに間を置かずに「秋本返し」と息もつかせぬ連続攻撃。オルジョフは秋本の攻撃密度の高さに打開策を打つことが出来ない。

残り25秒で秋本が右背負投、オルジョフは根負けしたかのようにその背に載り、秋本しっかり回し切り「一本」獲得。この一撃で優勝を決めた。

秋本の戦いぶりは見事の一言。ガス欠を起こすことなく全試合貫いた背負投から「秋本返し」、さらに「秋本返し」から再度、再々度の「秋本返し」と相手が息をつく間のない連続攻撃は2010年東京世界選手権優勝時のパフォーマンスを彷彿とさせるものだった。内容、そして世界選手権で最も怖い選手として周囲にマークされていた実力者(負傷のため不出場)オルジョフに一本勝ちしての優勝という結果、ともに文句なしの成果と言える。世界選手権で大野将平と中矢力がワンツーフィニッシュを飾ったばかりだが、日本に秋本ありと再び存在感を示した大会であった。

敗れたオルジョフは、2回戦でサーヒィ・ドレボット(ウクライナ)を足車「一本」(0:27)で秒殺、3回戦はハッサン・ヴァニオグル(トルコ)を左小外掛「一本」(1:13)、準々決勝でイゴール・ヴァンドケー(ドイツ)から隅落で2つの「有効」を奪っての優勢、準決勝ではスゥン・シュワイ(中国)を谷落「一本」(4:24)と、秋本戦以外は4戦3一本勝ちという好内容。世界選手権不出場の鬱憤を晴らし、再び実力を示した大会だった。

第2シードのセージ・ムキ(イスラエル)は準々決勝でドラクシッチに「指導1」対「指導3」で敗れたが敗者復活戦と3位決定戦に一本勝ちし今大会も表彰台を確保。

5月のワールドマスターズで優勝し一躍注目を浴びたデニース・ヤルツェフ(ロシア)は第3シードに配されたが、3回戦でエスポージトに「指導1」対「指導2」で敗れた。代表2人を投入しながら入賞なしに終わったアスタナ世界選手権に続き、ロシア勢の苦戦は続く。

【準決勝】

ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)〇谷落(4:24)△スゥン・シュワイ(中国)
秋本啓之〇崩袈裟固(4:20)△ロク・ドラクシッチ(スロベニア)

【決勝】

秋本啓之〇背負投(4:35)△ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)

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73kg級優勝の秋本啓之

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準々決勝、「秋本返し」からの崩袈裟固

【日本選手勝ち上がり】

秋本啓之(了徳寺学園職)
成績:優勝

[2回戦]

秋本啓之〇崩袈裟固(1:50)△エートゥ・ラーマネン(フィンランド)

秋本が右、ラーマネンが左組みのケンカ四つ。長身のラーマネンは引き手を伸ばしては引っ込めて露骨に積極性を偽装。やや時代遅れのこの手立てに主審あっさり「指導」を与える。
秋本淡々と右背負投で攻め、引き出しておいての右小内刈で転がすとすかさず「秋本返し」。そのまま抑え込んで一本勝ち。

[3回戦]

秋本啓之〇優勢[有効・背負投]△デックス・エルモント(オランダ)

ケンカ四つ。秋本が右背負投を連発し、エルモントに「指導1」。中盤秋本が片襟の右背負投を放つとエルモント鋭角に落ちて「有効」。
エルモントはこの際肩を負傷した模様で「待て」の度に肩を抑えて顔をしかめる場面が頻発、度々試合が止まる。しかし主審は「指導」を与えず、微妙な空気のまま試合は継続。ポイントの積み上げはなく「有効」優勢で秋本の勝利が決定。

[準々決勝]

秋本啓之〇崩袈裟固(3:03)△アントニオ・エスピノサ(イタリア)

右相四つ。相手の右背負投を耐え、背中に付き、めくってと流れるように手順を進行。崩袈裟固「一本」。

[準決勝]

秋本啓之〇崩袈裟固(4:20)△ロク・ドラクシッチ(スロベニア)

右相四つ。左腰車に巴投で攻め「指導1」先行、以後も釣り手の肘を振り立てて右背負投を連発。双方攻め合うが、秋本は自身の技、相手の技に関わらずいずれかが少しでも崩れるとすかさず寝技に持ち込みしつこく、そして素早く「秋本返し」を連発する。終盤ドラクシッチに「指導2」、直後打開を狙ったドラクシッチが仕掛けた横落を潰すと間を置かずに「秋本返し」、そのまま抑え込んで一本勝ち。

[決勝]

秋本啓之〇背負投(4:35)△ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)

ケンカ四つ。オルジョフの押し込みの前に開始早々場外の「指導」を失うが、前に出て来たオルジョフを鋭い巴投に捉え34秒「技有」奪取。

オルジョフは以後も前に圧力を掛けて脇を差し、奥襟を叩いてと密着志向で試合を進めるが秋本は巧みに捌いては右背負投、間を置かずに「秋本返し」と息もつかせぬ連続攻撃。オルジョフは秋本の攻撃密度の高さに打開策を打つことが出来ない。

残り25秒で秋本が右背負投、オルジョフは根負けしたかのようにその背に載り、秋本しっかり回し切り「一本」。


※写真提供:Gabi Juan
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