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朝比奈沙羅が全試合一本勝ちで連覇達成、63kg級は鍋倉那美が圧勝でV飾る・全日本ジュニア柔道体重別選手権最終日女子4階級即日レポート

(2015年9月14日)

※ eJudoメルマガ版9月14日掲載記事より転載・編集しています。
朝比奈沙羅が全試合一本勝ちで連覇達成、63kg級は鍋倉那美が圧勝でV飾る
全日本ジュニア柔道体重別選手権最終日女子4階級即日レポート
埼玉県立武道館(上尾市)で行われている平成27年度全日本ジュニア柔道体重別選手権大会は最終日の12日、男女それぞれ4階級の競技が行われた。

女子は78kg超級の朝比奈沙羅(東海大1年)と63kg級の鍋倉那美(大成高3年)が全試合一本勝ちで優勝。朝比奈は2連覇達成となった。

人材揃った70kg級は高校選手権の覇者・青柳麗美(鹿児島情報高3年)、78kg級はノーシードから勝ち上がった山本絵玲奈(帝京科学大1年)がそれぞれ初優勝を飾った。

■ 63kg級・鍋倉那美が優勝、落ち着いた戦いぶり光る
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63kg級準決勝、鍋倉那美が荒木穂乃佳を開始42秒の内股「一本」で一蹴

【決勝】

鍋倉那美(大成高3年)〇上四方固(4:00)△能智亜衣美(筑波大2年)

決勝に進出したのは鍋倉那美(大成高3年)と能智亜衣美(筑波大2年)、ともに前評判の高かった2人。

第1シードの鍋倉は圧倒的な優勝候補。この日は2回戦で山本奈々瀬(武庫川女子大付高2年)を大外刈「有効」、横四方固「一本」(1:15)と連取して下し、準々決勝では佐藤みずほ(藤村女子高3年)を内股で「有効」「一本」(1:35)と立て続けに投げて完勝。準決勝はパワーファイターの曲者・荒木穂乃佳(夙川学院高3年)を全く相手にせず僅か42秒の内股「一本」で一蹴。落ち着いた試合ぶりで順当に決勝進出。

能智も2回戦から登場、鈴木くるみ(東京学芸大1年)を出足払「有効」、内股「技有」、大内返「有効」と3度投げておいての横四方固「一本」(3:26)と快調な滑り出し。準々決勝は強敵土井雅子(環太平洋大2年)をGS延長戦の末に「指導2」の優勢(GS0:46)で下し、準決勝は前戦で第2シード選手米澤夏帆(龍谷大1年)をGS延長戦の一本背負投「有効」で下している幸田奈々(鹿児島南高3年)を「指導3」対「指導1」の優勢で退け、決勝の畳へと進んできた。

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決勝は鍋倉(右)と能智亜衣美がマッチアップ

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鍋倉が絞めを利かせながらめくり返す

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鍋倉は全試合一本勝ちでの優勝達成

決勝は鍋倉が右、能智が左組みのケンカ四つ。

開始早々に能智が左内股を放つが鍋倉は釣り手側に返しを試み、しっかり相手が見えている印象。50秒には前傾し合った引き手争いから能智が釣り手で背中を深く抱えての左内股を見せるが鍋倉腕を跨いでやり過ごし、腕挫十字固を狙い「待て」。

鍋倉右内股を放つが能智が引き手を切って耐え、2分2秒に鍋倉が放った両足の巴投も能智はなんとか防ぐ。しかしここで主審は試合を止めて能智に消極的との咎で「指導」を宣告。

時間が経つごとに鍋倉の優位はジワジワと加速。鍋倉が右内股から出足払と技を繋ぎ、さらに能智が釣り手を持ち替える間を狙って右内股を叩き込んだところで主審は能智に2つめの「指導」を与える。

後のなくなった能智は両襟で圧を掛け左小外刈、さらに左内股と技を繋ぐが鍋倉はこれを釣り手側にめくって潰し、首に食いこませた左をテコにめくり返して崩上四方固。能智は動けず「一本」。

鍋倉は全試合一本勝ちでの優勝。決勝もルートを極端に踏み外さなければまず大丈夫という自信に満ちた試合ぶりであった。

全戦通じて、肉体的にも精神的にも息が上がらぬよう、テンションの上下を喫水線の下に収めて他に見せぬまま試合を進めた、一言で言って落ち着いた試合ぶりでの優勝劇だった。

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63kg級優勝の鍋倉那美

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63kg級入賞者。左から鍋倉、能智、飯野、土井

【入賞者】

優 勝:鍋倉那美(大成高3年)
準優勝:能智亜衣美(筑波大2年)
第三位:飯野鈴々(鹿屋体育大1年)、土井雅子(環太平洋大2年)

鍋倉那美選手のコメント
「去年負けたので、今年は絶対に負けないという気持ちを持って試合に臨みました。一本柔道を目指す中で、全試合『一本』取れたことはうれしいです。嶺井(美穂)さんが出ていないので自分がチャンピオンだとは思っていません。強い海外選手、嶺井選手、田代(未来)選手と戦っていくこと、これからも一本柔道目指して、人としても立派になることが目標です。五輪で金メダルを獲ることを目指します」

【準々決勝】

鍋倉那美(大成高3年)〇内股(1:36)△佐藤みずほ(藤村女子高3年)
荒木穂乃佳(夙川学院高3年)〇GS指導2(GS1:13)△飯野鈴々(鹿屋体育大1年)
幸田奈々(鹿児島南高3年)〇GS有効・一本背負投(GS3:09)△米澤夏帆(龍谷大1年)
能智亜衣美(筑波大2年)〇GS指導2(GS0:46)△土井雅子(環太平洋大2年)

【敗者復活戦】

飯野鈴々〇袈裟固(1:30)△佐藤みずほ
土井雅子〇横四方固(1:06)△米澤夏帆

【準決勝】

鍋倉那美〇内股(0:42)△荒木穂乃佳
能智亜衣美〇優勢[指導3]△幸田奈々

【3位決定戦】

飯野鈴々〇朽木倒※(3:37)△幸田奈々
土井雅子〇上四方固(1:15)△荒木穂乃佳

※公式記録ママ

【決勝】

鍋倉那美(大成高3年)〇上四方固(4:00)△能智亜衣美(筑波大2年)

■ 70kg級・青柳麗美が一段違う力見せて初優勝飾る
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70kg級準々決勝、青柳麗美が畠石香花から小外刈「有効」

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70kg級決勝、青柳は絞めから足を抱え、崩上四方固、跨いで横四方固と粛々手順を進行「一本」

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【決勝】

青柳麗美(鹿児島情報高3年)〇崩上四方固(2:11)△新添左季(山梨学院大1年)

人材揃う激戦階級、決勝に進出したのは青柳麗美(鹿児島情報高3年)と新添左季(山梨学院大1年)の2人。

今季の高校選手権王者・青柳は2回戦から登場、前戦で西願寺里保(淑徳高2年)を破った尾﨑恵里奈(龍谷大3年)に中途で払腰「有効」を失うも、内股「有効」、大内刈「有効」、袖釣込腰「技有」と立て続けに奪ってまずまず快調な滑り出し。勝負どころの準々決勝は畠石香花(土浦日大高3年)を終盤に奪った小外刈「有効」から横四方固に繋いで一本勝ち(3:52)。準決勝では、前戦で第1シードの池絵梨菜(国士舘大1年)を大外刈「有効」で下すアップセットを演じた森田朝子(埼玉大3年)を背負投「有効」で下して決勝進出決定。

一方の新添は2回戦で柿澤史歩(三井住友海上)を「指導3」対「指導1」の優勢、準々決勝は第2シードの福嶋千夏(環太平洋大2年)を得意の内股「一本」(0:43)、準決勝では前戦で中江美裕(大成高3年)とのライバル対決を制した今季のインターハイ王者新森涼(敬愛高2年)を大内返「技有」に2つの「有効」と圧倒。一段違う力を見せて見事決勝まで勝ち上がって来た。

大激戦の70kg級を締める一番は青柳、新添ともに左組みの相四つ。

青柳が支釣込足で新添を伏せさせて片手絞、さらに背後から縦四方固を狙って体をよじ登るが、長身の新添を制しきれずに「待て」。

以後も主導権は緩やかに青柳。1分過ぎに新添が釣り手で前襟を握って支釣込足、さらに左払腰。しかし青柳はこれを潰すといわゆる「腰絞め」で絞め上げる。まず絞め、形を直して足を抱え、上四方固の形にめくり返し、またいで横四方固の形で安定させ、と首の拘束をテコに粛々手順を進行。新添は手順の収束とともに一段、また一段と抵抗力を失い「一本」。

青柳、見事全日本ジュニア初優勝。人材多き70kg級にあって一段違う強さを見せつけての戴冠だった。

高校時代から素晴らしい柔道を披露していた新添も、6月の全日本学生優勝大会の活躍に続きついにその力にふさわしい結果を得たと言える。両者の決勝進出は実力に比して妥当なものだったと総括されるべきだろう。

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70kg級優勝の青柳麗美

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70kg級入賞者。左から青柳、新添、森田。

【入賞者】

優 勝:青柳麗美(鹿児島情報高3年)
準優勝:新添左季(山梨学院大1年)
第三位:池絵梨菜(国士舘大1年)、森田朝子(埼玉大3年)

青柳麗美選手のコメント
「高校選手権で優勝してから、気持ちの部分で負けなくなって来たと思います。上手くいっている選手の真似をしたり、本を読んだりして考えてやっています。インターハイでは残り15秒で逆転負けしてしまったので、今日は先に技を出して行こうと思っていました。勝てて嬉しいです」

【準々決勝】

森田朝子(埼玉大3年)〇優勢[技有・大外刈]△池絵梨菜(国士舘大1年)
青柳麗美(鹿児島情報高3年)〇横四方固(3:52)△畠石香花(土浦日大高3年)
新添左季(山梨学院大1年)〇内股(0:43)△福嶋千夏(環太平洋大2年)
新森涼(敬愛高2年)〇優勢[技有・大外刈]△中江美裕(大成高3年)

【敗者復活戦】

池絵梨菜〇合技[小内刈・背負投](2:14)△畠石香花
中江美裕〇横四方固(1:48)△福嶋千夏

【準決勝】

青柳麗美〇優勢[有効・背負投]△森田朝子
新添左季〇優勢[技有・大内返]△新森涼

【3位決定戦】

池絵梨菜〇優勢[指導3]△新森涼
森田朝子〇優勢[技有・小内刈]△中江美裕

【決勝】

青柳麗美〇崩上四方固(2:11)△新添左季

■ 78kg級・山本絵玲奈が初優勝、同学年の高校王者2人を立て続けに破る
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78kg級準決勝、山本絵玲奈が友清あかりを払腰「一本」に仕留める

【決勝】

山本絵玲奈(帝京科学大1年)〇優勢[有効・内股]△佐藤杏香(東海大1年)

決勝に進んだのはノーシードスタートの山本絵玲奈と昨年の高校選手権無差別の覇者・佐藤杏香(東海大1年)。

山本は1回戦で本山星(仙台大1年)を内股「一本」(1:01)、2回戦は池本彩華(武庫川女子大1年)を小外刈「有効」で下し、準々決勝では同学年のインターハイ王者泉真生(山梨学院大1年)と「指導3」を奪い合った末のGS延長戦で大内返「技有」を獲得し競り勝ち。準決勝は前戦で第1シードの堀歩未(鹿屋体育大2年)を下している友清あかり(環太平洋大2年)を払腰「一本」(1:41)で下して決勝進出決定。

一方の佐藤は2回戦で秋場麻優(北海高校3年)を送襟絞「一本」(1:45)、準々決勝では前戦で浜未悠(淑徳高3年)を内股「技有」で下した梅津志悠(敬愛高3年)を「指導2」対「指導1」の優勢で破り、準決勝は難敵鈴木伊織(大成高3年)に「指導1」の小差で優勢勝ち。この決勝でキャリア2カテゴリ目の全国制覇を狙う。

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腰の差し合いから山本突進、佐藤は場外に逃れる

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山本が右内股「有効」で逆転

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決勝は山本が右、佐藤が左組みのケンカ四つ。

佐藤は両襟を握り、前技を狙って腰を入れ続ける。山本は横から入れた釣り手で背中を絞り、腰の差し合いに応じて右浮腰を連発。

佐藤は奥襟に入れた釣り手の手首を「鎌」に折り曲げて絞り、一方の山本は脇を差して背中を絞るという構図のまま、ひたすら腰を差し合う展開が続く。より具体性を持って投げを志向しているのは山本と見えたが、残り1分が近くなったところで佐藤が前技フェイントで脚を振り上げる動作を2度、3度と続けると主審はこれに反応、3分10秒山本に「指導1」を宣告する。

奮起した山本は佐藤の右腹に届くとところまで深く背を抱え、右内股。佐藤はこれまでと同様に伏せ掛かったが、山本の引き手の牽引が強く落下寸前に体が捲られ肩から着地。山本体で押し込んで回転を増し、「有効」を獲得する。残り時間はこの時点で40秒。

以降も山本は前に出続け、横から背を絞る形を継続。佐藤はこの段に至っても細かく小さく腰を入れる「探り」から抜け出せず、追撃どころか残り21秒で場外の「指導」を食ってしまう。このままタイムアップとなり、「有効」優勢を以て山本の初優勝が決まった。

佐藤は高校時代の良さであった思い切りの良さが鳴りを潜め、弱点であった「行こうか戻ろうか」の迷いが顕在化。地力の高さゆえに決勝には進出したが、具体的な取る手立てに明らかに欠けた。素材の良さをどう鍛錬研磨して伸ばしていくのか今後の育成が注目される。

この点、刹那的ではあったが明らかに進学以降具体的な方法論を獲得した山本とは、内容、結果ともに好対照であった。決して抜群の内容ではなかったが、同学年の高校カテゴリの王者2人を倒しての戴冠という結果は、所属の育成に因を求めて然るべきだろう。

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78kg級優勝の山本絵玲奈

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78kg級入賞者。左から山本、佐藤、鈴木、山口

【入賞者】

優 勝:山本絵玲奈(帝京科学大1年)
準優勝:佐藤杏香(東海大1年)
第三位:鈴木伊織(大成高3年)、山口凌歌(桐蔭横浜大1年)

山本絵玲奈選手のコメント
「去年は2回戦敗退。今年は優勝出来て、成長出来たかなと思います。1回戦は動けなかったのですが、前に出ようとすることを続けて調子が出てきました。これからも下がらず、前に出る柔道を心掛けようと思います。決勝は先に『指導』を取られましたが、投げたい気持ちを持ち続けたことが良かったと思います」

【準々決勝】

友清あかり(環太平洋大2年)〇優勢[技有・内股]△堀歩未(鹿屋体育大2年)
山本絵玲奈(帝京科学大1年)〇優勢[技有・大内返]△泉真生(山梨学院大1年)
鈴木伊織(大成高3年)〇袖釣込腰(3:40)△山口凌歌(桐蔭横浜大1年)
佐藤杏香(東海大1年)〇優勢[指導2]△梅津志悠(敬愛高3年)

【敗者復活戦】

堀歩未〇優勢[有効・小外刈]△泉真生
山口凌歌〇優勢[指導1]△梅津志悠

【準決勝】

山本絵玲奈〇払腰(1:41)△友清あかり
佐藤杏香〇優勢[指導1]△鈴木伊織

【3位決定戦】

鈴木伊織〇合技[袖釣込腰・袈裟固](0:30)△堀歩未
山口凌歌〇優勢[指導1]△友清あかり

【決勝】

山本絵玲奈〇優勢[有効・内股]△佐藤杏香

■ 78kg超級・朝比奈沙羅が2連覇達成
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78kg超級2回戦、斉藤芽生が素根輝から払巻込「有効」

中学3年生で世界カデ選手権を制した素根輝(田主丸中3年)がどこまでやれるかが前半戦の大きな話題だったが、素根は2回戦で斉藤芽生(東大阪大敬愛高3年)に一本負け。終盤に斉藤得意の左払巻込で「有効」を失い、そのまま抑え込まれてしまった。九州予選の結果とこの試合中盤までの様相を見る限りオーソドックスタイプであれば相当に戦えたのではないかと思われたが、パワーに加えて戦術性に意外性のある技と兼ね備えた世代屈指の曲者・斉藤の壁は高かった。

皇后盃の大活躍(3位)で注目された山本沙羅(大阪体育大3年)は完全にコインの「裏」が出た大会。思い切りの良さが持ち味のこの選手が小さい仕掛けと早い見切りの掛け潰れを繰り返し、準々決勝の月波光貴穂(帝京大2年)戦はほとんど自滅という体で2つの「指導」を失い優勢負け。敗者復活戦にも敗れ入賞にすら手が届かなかった。とかく「気持ちが優しい」「メンタルに波がある」選手が多い女子重量級にあって強化サイドが求めるのは何より心が強い選手のはず。シニア最高権威大会の3位入賞とジュニアカテゴリでの連敗という結果的な、そして何より内容の振れ幅のあまりの大きさは、山本もこの業病の系譜に連なる選手であることを色濃く匂わせた。最高到達点の高さは参加選手ナンバーワンとも思われたが、失ったものの大きい大会であった。

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78kg超級準々決勝、朝比奈沙羅が斉藤芽生から払釣込足「技有」

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準決勝、冨田若春が月波光貴穂から「有効」を獲得

【決勝】

朝比奈沙羅(東海大1年)〇合技[払腰・袈裟固](3:27)△冨田若春(埼玉栄高3年)

決勝に進出したのは朝比奈沙羅(東海大1年)と冨田若春(埼玉栄高3年)のシード選手2人。

朝比奈は2回戦で村田彩華(平成国際大2年)を上四方固「一本」(0:49)、準々決勝ではうるさい斉藤芽生を払巻込と払釣込足の「技有」2つの合技(1:52)で黙らせ、準決勝はかつてのライバル滝川真央(日本大2年)に支釣込足「有効」、横四方固「一本」(1:23)と立て続けに奪って完勝。全試合一本勝ちで、余裕を持って決勝へと駒を進めてきた。

一方インターハイ王者の冨田は2回戦で黒坂麻樹(金沢学院東高3年)を大外刈「一本」(1:09)、準々決勝は井上あかり(環太平洋大1年)をGS延長戦の末「指導3」(GS1:36)で破り、準決勝はこれもGS延長戦でこの日充実の出来を見せていた月波光貴穂を内股「有効」で撃破。見事朝比奈の待つ決勝に進出決定。

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決勝、朝比奈が支釣込足で先制攻撃

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冨田は足の動きを利かせて攻撃、右大外刈で真裏に乗り込む場面も現出

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終盤、朝比奈の右払腰が「技有」

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決勝は朝比奈、冨田ともに右組みの相四つ。朝比奈は釣り手から持ち、冨田は引き手側から組み手を開始。朝比奈二本持つなりの支釣込足で早々に冨田を伏せさせ、さらに引き手を得ながらの大内刈で攻める。一方冨田はいったん切って、組みつきながら引き寄せるように片襟の右大内刈。これは良い攻めだったがしのいだ朝比奈は左襟を両手で握って上下に煽り、冨田を潰す。

この序盤の攻撃に以後の様相は端的。動きながらテクニカルな足技を入れる冨田と、地力をベースにこれを耐えながらオーソドックスな技を積む朝比奈という構図が続く。冨田は一本背負投に右大外刈、さらに細かくステップを踏んでの右小内刈、朝比奈の反転牽制の戻りに合わせた担ぎ、さらには反時計回り方向に回り込みながらの右大外刈と面白い技を連発。朝比奈は一貫して崩れずこれを受け止めては攻め返し続けるが、冨田が前技のフェイントから右大内刈を試みた直後の2分26秒、朝比奈に「指導」。

残り時間は僅かに1分半。朝比奈前に出て払腰、内股と放つが組み立て、タイミング、技種ともオーソドックスに過ぎほとんど得点の予感なし。しかし残り44秒、冨田が足を継がずに釣り手の肘を上げて距離を詰める「回り払腰」から巻き込むと、外足を固定された冨田は一旦腹を出して受け止めたものの耐え切れずに転がり「技有」。朝比奈はそのまま袈裟固に抑え込み「一本」、見事全日本ジュニア選手権連覇を決めた。

全試合一本勝ちの朝比奈はひと頃に比べて体も締まり、動きも良くなっている模様。ただし同時に出世期であった高校1年-2年時の取り味の所以であった投げのディティールの「一工夫」の再獲得には至っていないという印象もまた受けた。地力の高さゆえに結果を残せてしまう点には同僚である78kg級の佐藤杏香と同じ香りが漂う。朝比奈のミッションはもはやジュニアにはないはず。シニアでの再躍進に向け、具体的な「取り味」に繋がる技のディティールの獲得、重量選手同士の地力比べから一歩抜け出す方法論的な伸展を期待したい。

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78kg超級2連覇の朝比奈沙羅

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78kg超級入賞者。左から朝比奈、冨田、月波、滝川。

【入賞者】

優 勝:朝比奈沙羅(東海大1年)
準優勝:冨田若春(埼玉栄高3年)
第三位:月波光貴穂(帝京大2年)、滝川真央(日本大2年)

朝比奈沙羅選手のコメント
「決勝戦の途中で突き指をしてしまい、左手が持てなくなりました。しっかり投げたかったのですが、最後は巻き込んでしまい、それは反省点です。(-『指導』を先行されて残り1分、焦りはありましたか?)組んでみて負ける感じはなかったですし、最悪でも巻き込んでしまえば良いと思っていたので焦りはありませんでした。これからも『動ける重量級』として『一本』獲れる柔道を目指していきたいです。リオ五輪もまだあきらめていません」

【準々決勝】

朝比奈沙羅(東海大1年)〇合技[払巻込・払釣込足]△斉藤芽生(東大阪大敬愛高3年)
滝川真央(日本大2年)〇袈裟固(0:58)△井上舞子(淑徳大1年)
冨田若春(埼玉栄高3年)〇GS指導3(GS1:36)△井上あかり(環太平洋大1年)
月波光貴穂(帝京大2年)〇優勢[指導2]△山本沙羅(大阪体育大3年)

【敗者復活戦】

井上舞子〇合技[大外刈・縦四方固](0:49)△斉藤芽生
井上あかり〇崩袈裟固(0:49)△山本沙羅

【準決勝】

朝比奈沙羅〇横四方固(1:23)△滝川真央
冨田若春〇GS有効・内股(GS0:55)△月波光貴穂

【3位決定戦】

月波光貴穂〇反則[指導4](GS7:53)△井上舞子
滝川真央〇GS指導2(GS2:16)△井上あかり

【決勝】

朝比奈沙羅(東海大1年)〇合技[払腰・袈裟固](3:27)△冨田若春(埼玉栄高3年)

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