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飯田健太郎圧倒的な出来でジュニア初制覇、100kg超級は小川雄勢が2連覇飾る・全日本ジュニア柔道体重別選手権最終日男子4階級即日レポート

(2015年9月14日)

※ eJudoメルマガ版9月14日掲載記事より転載・編集しています。
飯田健太郎圧倒的な出来でジュニア初制覇、100kg超級は小川雄勢が2連覇飾る
全日本ジュニア柔道体重別選手権最終日男子4階級即日レポート
埼玉県立武道館(上尾市)で行われている平成27年度全日本ジュニア柔道体重別選手権大会は最終日の12日、男女それぞれ4階級の競技が行われた。

男子は81kg級で藤原崇太郎(日体荏原高2年)、100kg級で飯田健太郎(国士舘高2年)と2階級で高校2年生が優勝。90kg級は向翔一郎(日本大2年)、100kg超級は小川雄勢(明治大1年)がそれぞれ2連覇を飾った。

■ 81kg級・ベテラン並みのインサイドワーク、高校2年生藤原崇太郎が初優勝飾る
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準決勝を戦う正木聖悟

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81kg級準決勝、藤原崇太郎が相木飛磨から大内刈「一本」

【決勝】

藤原崇太郎(日体荏原高2年)〇優勢[指導3]△正木聖悟(天理大1年)

決勝に進んだのは正木聖悟(天理大1年)と藤原崇太郎(日体荏原高2年)、戦前から頭一つ抜けて前評判の高かった2人。

昨年のインターハイ準優勝者の正木は2回戦で八木拓巳(山梨学院大2年)を大外返「一本」(2:39)、準々決勝は中村光樹(作陽高3年)から小内刈「有効」、小外刈「一本」(2:30)と連取して勝利し、準決勝では前戦で第1シードの26年高校選手権覇者佐々木健志(筑波大1年)を隅返「有効」で破っている佐藤佑樹(東海大2年)から3つの「指導」を奪って優勢勝ち。順当に決勝進出を果たした。

2年生にして既に高校カテゴリで2度の全国制覇を成し遂げている藤原は2回戦で村上瑠希也(弘前大2年)に「指導」3つによる優勢勝ち、準々決勝で鎌田魁翔(山梨学院大1年)にGS延長戦「指導2」対「指導1」と接戦を競り勝ちベスト4入り。準決勝では、シード選手金山天地(明治大2年)のダイレクト反則負け(※関節を極めながら体を捨てる行為)による初戦敗退で荒れたブロックを勝ち上がって来た相木飛磨(札幌大2年)に開始12秒小内巻込「有効」を先行される意外なスタート。しかし1分20秒の大内刈「一本」で事態を収拾、見事今大会も決勝の畳に立つこととなった。

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81kg級決勝、正木が左大外刈を刈り込むが藤原は仰け反ったまま耐える

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藤原が支釣込足で正木を崩す

決勝は藤原、正木ともに左組みの相四つ。互いにほとんど組み手争いなくガップリ組み合う。正木は良いタイミングで左大外刈一発、肘を上げて斜めからアプローチ、さらに真裏に刈り込む度胸満点の素晴らしい一撃。少なくともポイント以上が想起される技だったが、仰け反った藤原は驚異的なバランスで大外返を試み、刈り返しを試みたことで足を抜くことに成功。反転回避を選べば正木が投げ切っていたはずの一撃だが、強気の選択に助けられて失点を逃れる。

以降藤原は両手を狭く保ち、相手の釣り手を落としながら対峙。攻撃志向の正木は、引き手で鷹揚に肩口を握り、藤原が絞ってくる釣り手の位置を直しながら機を伺う。藤原やや横変形にずれ、正木がこれを正対に直そうとするという静かな攻防が続き、1分0秒双方に「指導1」。

以降も正木は二本掴んで釣り手の手首を動かす正統派の作り。藤原は得意の支釣込足で正木を伏せさせ、すかさず寝技に食いつくが正木表情を変えずに立ち上がり「待て」。

藤原は片襟を差して奥襟に持ち替え、再び横変形の組み合いに到達。正木は釣り手を直して左内股、これが止められると思い切った左大外刈に乗り込む。藤原が返し掛かるが、正木は釣り手を振って形を作ると再度の左内股。正木リードの展開かと思われたが、主審は2分37秒双方に消極的との咎で「指導2」を宣告する。

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藤原は厳しい組み手とリアクションで正木に形を作らせない

ここで藤原は明らかに展開の変化を企図。組み合いを拒否して一旦リセット、片襟を差して座り込みの左背負投に打って出る。これは正木がしっかり捌いたが、藤原はこれまでとやり方を変えて組み合いを拒否し一方的な形を志向、やり取りの中で巧みに正木を場外に押し出す。これを受けて主審は3分29秒正木に場外の「指導3」を宣告。

藤原は戦い方を序盤と全く変え、引き手で襟、次いで袖、これを絞り込んで相手の足を蹴る崩し技と、相手との対話を拒否。得意の投技をほとんど出せなくなった正木は残り4秒で釣り手をクロスに入れて大外刈を放つが、刈り足が抜けてしまいタイムアップ。結果、「指導2」対「指導3」の優勢で藤原が勝利を得ることとなった。

藤原は全国中学大会(2連覇)、全日本カデ(2連覇)、全国高校選手権、インターハイに今大会と7つ目の全国タイトル獲得。決勝で見せた老成したインサイドワークはとても高校2年生のものとは思えない。インターハイ時自身が口にしていた「技」の獲得と、結果を「出せてしまう」この戦術性にどう折り合いをつけて成長するのか、今後が注目される。

対照的に、敗れた正木は投げる柔道を追求した結果、力を余したまま記録上の黒星がついたという印象。相手が組み合って勝負してくれた前半戦のイメージを残したまま中盤以降を戦ってしまったことが敗因だが、関係者の高評価は間違いなし。可能性を感じさせる内容だった。

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81kg級優勝の藤原崇太郎

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81kg級入賞者。左から藤原、正木、相木、佐藤。

【入賞者】

優 勝:藤原崇太郎(日体荏原高2年)
準優勝:正木聖悟(天理大1年)
第三位:相木飛磨(札幌大2年)、佐藤佑樹(東海大2年)

※エントリー19名

藤原崇太郎選手のコメント
「優勝出来たことにまだ驚いています。1回戦から接戦で、一本勝ちも1試合だけであとは『指導』。内容は良くないですが、結果を出せたので、国際大会では自分らしさを出してアピール出来るよう頑張りたい。高校生なので体格も力も、この大会では苦しい。ウエイトトレーニングやランニングを増やして力負け、スタミナ負けをしないようにやってきました。自分は組み手も下手で、まだ自分の良いところを見つけられていない。一つ一つの試合に勝っていくことで、探していきたいです」

【準々決勝】

佐藤佑樹(東海大2年)〇優勢[有効・隅返]△佐々木健志(筑波大1年)
正木聖悟(天理大1年)〇小外刈(2:30)△中村光樹(作陽高3年)
藤原崇太郎(日体荏原高2年)〇優勢[指導2]△山下恭平(日本大2年)
相木飛磨(札幌大2年)〇優勢[有効・小外掛]△座波吉平(福岡大2年)

【敗者復活戦】

佐々木健志〇横四方固(0:30)△中村光樹
山下恭平〇優勢[指導2]△座波吉平

【準決勝】

正木聖悟〇優勢[指導3]△佐藤佑樹
藤原崇太郎〇大内刈(1:20)△相木飛磨

【3位決定戦】

相木飛磨〇大外刈(0:08)△佐々木健志
佐藤佑樹〇移腰(0:56)△山下恭平

【決勝】

藤原崇太郎〇優勢[指導3]△正木聖悟


■ 90kg級・向翔一郎が2連覇達成
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90kg級準決勝、向翔一郎が前田宗哉との投げ合いを制し裏投「有効」

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準決勝、大橋賢人が野々内悠真から大内返「有効」

有力選手多きトーナメント。決勝に進んだのは向翔一郎(日本大2年)と大橋賢人(筑波大2年)の2人だが、強豪多い向のブロックの序盤の注目対決の結果を簡単に記しておきたい。

江畑丈夫(国士舘大2年)は1回戦で小寺達(関西大2年)にGS延長戦「指導4」(GS1:11)で勝利したのちに、今季のインターハイ王者神鳥剛(大成高3年)と対戦。この試合は「指導2」を奪い合った末のGS延長戦1分40秒に神鳥が内股「技有」を獲得して勝利。

勝った神鳥は準々決勝で前田宗哉(東海大2年)と対戦。新旧インターハイ王者対決となったこの試合は双方「指導1」を失ったのちの2分3秒、前田が払巻込で「一本」獲得、貫禄を見せつけてベスト4へと駒を進めることとなった。

【決勝】

向翔一郎(日本大2年)〇優勢[有効・谷落]△大橋賢人(筑波大2年)

2連覇を狙う向は2回戦で佐藤允哉(日本大2年)を内股「一本」(2:22)、準々決勝では立石勇太(延岡学園高)を相手に隅返「技有」から横四方固に繋いで一本勝ち(2:21)。勝負どころの準決勝はケンカ四つの前田宗哉から1分49秒裏投で「有効」を獲得。以降は前田の突進と密着を捌きあぐね、いずれも偽装攻撃の咎で3つの「指導」を失陥。しかし「指導3」を失って以降の残り34秒を左背負投と裏投でなんとかしのぎ試合終了。終了ブザー後両者にわかに立ち上がれない大熱戦を制して決勝進出決定。

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決勝、大橋が度々片手の内股で攻め込む

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大橋が体を捨てて右小外刈、一時は「有効」が宣告されるがこれは取り消し

一方の大橋はノーシード位置からの勝ち上がり。1回戦は岩堀睦宗(福井工大3年)を一本背負投「技有」から縦四方固に抑え込んで合技の一本勝ち(1:47)、2回戦は強敵田中英二朗(東海大五高3年)をGS延長戦の末に大内刈「有効」(GS1:33)で破り、準々決勝は安達健太(東海大1年)を送足払「技有」、準決勝では前戦でシード選手白川剛章(天理大1年)を小内刈「有効」で破っている野々内悠真(明治大2年)を大内返「有効」で破って決勝に駒を進めることとなった。

決勝は向が左、大橋が右組みのケンカ四つ。
開始早々、向が「ケンカ四つクロス」の左内股で大橋を伏せさせるが、以降は引き手争いを縫って大橋が片手の左内股を撃ち込んで展開をリード。片手、散発ながら一撃一撃が重く、向の体が浮いてしまう場面も現出。

向は両襟、あるいは釣り手で背中を深く抱えて対峙。左内股と浮技を繰り出すが、大橋の片手志向に巻き込まれる形でなかなか形が作れない。

2分41秒、向がついに形を作った見えたその瞬間、大橋が座り込みの右小外刈。向転がり「有効」が宣告されるがこれは取り消し。

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終盤、大橋の右一本背負投を向が真裏に引き落として返し「有効」

試合は終盤。連覇を狙う向はここで譲るわけにはいかじと、形を崩して浮技、抱きつきの小外刈(大きく投げたが、「待て」の後でノーポイント)、相手を引き手側に誘導しての左内股と猛攻。すると残り21秒、対抗せざるを得なくなった大橋は角度のないところから仰け反る様に右一本背負投。しかし向は体捌きよくこれを後方に引き落とし、「有効」を獲得。

この時点で残り時間は11秒。もはや大橋に抗する時間はなく、「有効」優勢で向の勝利が決まった。

向は全日本ジュニア2連覇達成。足首の負傷に加えて2連覇のプレッシャーか本来の出来ではなかったが、狙われる中でしっかり結果を残したという大会だった。

3位には神鳥と前田が入賞。第2シード選手の白川は敗者復活戦で安達健太(東海大1年)に「指導2」対「指導1」の優勢で敗れ、本戦と合わせて2連敗。持ち味の投技でポイントを上げることが出来ないまま入賞なしで大会を終えた。

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2連覇達成の向翔一郎

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90kg級入賞者。左から向、大橋、神鳥、前田

【入賞者】

優 勝:向翔一郎(日本大2年)
準優勝:大橋賢人(筑波大2年)
第三位:神鳥剛(大成高3年)、前田宗哉(東海大2年)

※エントリー19名

向翔一郎選手のコメント
「連覇出来ました。去年は裏投ばかりで勝っていて、今年は内股、大外刈、背負投をしっかり掛けることが課題でした。ただ、先週のの試合(東京学生体重別選手権)で足首を怪我していたこともあり、あまり出来はよくありませんでした。去年は体重82kgで、今は95kg。体の力が増した気がします。(-増量は辛くなかった?)たべるのが好きなので全く苦になりません(笑)。講道館杯で優勝して、グランドスラムに出たいです。」

【準々決勝】

向翔一郎(日本大2年)〇横四方固(2:21)△立石勇太(延岡学園高3年)
前田宗哉(東海大2年)〇払巻込(2:03)△神鳥剛(大成高3年)
野々内悠真(明治大2年)〇優勢[有効・小内刈]△白川剛章(天理大1年)
大橋賢人(筑波大2年)〇優勢[技有・送足払]△安達健太(東海大1年)

【敗者復活戦】

神鳥剛〇大内刈(1:30)△立石勇太
安達健太〇優勢[指導2]△白川剛章

【準決勝】

向翔一郎〇優勢[有効・裏投]△前田宗哉
大橋賢人〇優勢[技有・大内返]△野々内悠真

【3位決定戦】

神鳥剛〇GS有効・小外掛(GS1:52)△野々内悠真
前田宗哉〇優勢[有効・小内返]△安達健太

【決勝】

向翔一郎〇優勢[有効・谷落]△大橋賢人

■ 100kg級・飯田健太郎が大物ぶり遺憾無く発揮、出色の出来で初優勝飾る
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100kg級準決勝、飯田健太郎が三村暁之を「やぐら投げ」で持ち上げ「一本」

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準々決勝、伊藤好信が山口智広から背負投「一本」

【決勝】

飯田健太郎(国士舘高2年)〇優勢[指導3]△伊藤好信(新田高3年)

飯田健太郎(国士舘高2年)と伊藤好信(新田高3年)のシード選手2人がともに素晴らしい勝ち上がりで決勝に進出。

飯田は今大会の主役と呼ぶべき出色の内容。2回戦は高原大河(近畿大2年)を右大外刈から繋いだ左小外刈で叩き落とし「一本」(1:38)、準々決勝は前野玲音(山梨学院大2年)を「やぐら投げ」で持ち上げ、移腰「一本」(2:47)、準決勝は三村暁之(明治大2年)を開始1分の内股「一本」に仕留め、全試合一本勝ちでの決勝進出。

一方の伊藤は2回戦で畑島智文(長崎南山高3年)を背負投「一本」(1:15)、準々決勝は山口智広(国士舘大1年)を背負投「一本」(2:35)、準決勝も田﨑健祐(国士舘大2年)から一本背負投「技有」に背負投「一本」(1:48)と連取。こちらも全試合一本勝ちで臨む決勝の畳。

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決勝、飯田は内股、大外刈、内股と「一本」が想起される技を幾度も仕掛けるが、いずれも伊藤は水際で体を捻って回避

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飯田、伊藤ともに右組みの相四つ。跳ね、刈りを得意とする本格派の飯田に対し組み手と足技、そして低い担ぎ技を武器とする伊藤は対本格派重量級の組成を持つ難剣タイプで、キャラクターは対照の妙。

伊藤開始早々得意の左背負投に打って出るが、飯田はまったく崩れず、右内股に変換。
再開されると飯田即座に釣り手で奥襟を掴む。伊藤巧みに首をずらそうとするが飯田は抜かせず右大外刈。「一本」が想起される技だったが伊藤なんとか逃れて転がり伏せ「待て」。

以後、伊藤は右小内刈に巴投、左背負投と取り味のある技を繰り出すが飯田は全くと言って良いほど崩れず。飯田は引き手でまず襟、次いで釣り手で奥襟という王道の組み立てをベースに1分15秒の右内股、1分54秒の右大外刈、2分33秒の右内股、そして残り31秒で組み際に放った右大外刈と、いずれも「一本」が想起される素晴らしい投げを4度見せるが、伊藤はことごとく驚異的なバランスで落ち際に反転、伏せて逃れ続ける。「空中ブリッジ」とでも言うべきこの粘りで攻撃ポイントは入らなかったが、伊藤にはこの残り31秒の時点で3つの「指導」が累積。このまま試合は終了となり、飯田の「指導3」による優勢勝ちが決まった。一本勝ちこそ逃したものの、超正統派の柔道を貫きながら曲者伊藤に全く勝負をさせなかった地力の高さは驚異的であった。

昨年の全日本カデ、今夏のインターハイに続き、キャリア3つ目の全日本タイトルを決めた飯田はこの日間違いなくもっとも輝いていた選手。初戦から飯田が技を仕掛ける度、決める度に会場に起こったどよめきが、単なる結果、単なる勝利という一般的評価に惑わされることのない「柔道人の評価」の裏付けに他ならない。投げの魅力もさることながら、細身の体躯に似合わぬ体幹の強さとバランスの良さは、背筋にしなやかな鉄骨を入れているかの如く。ついに客観的な競技成績も残し始めたこの天才の行く末は、東京五輪までの柔道界を貫く最重要テーマとの一つとなるだろう。

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100kg級優勝の飯田健太郎

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飯田が自ら「会心」と語った一撃。2回戦、高原大河を右大外刈から繋いだ左小外刈で叩き落とし「一本」

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100kg級入賞者。左から飯田、伊藤、前野、三村。

【入賞者】

優 勝:飯田健太郎(国士舘高2年)
準優勝:伊藤好信(新田高3年)
第三位:前野玲音(山梨学院大2年)、三村暁之(明治大2年)

※エントリー19名

飯田健太郎選手のコメント
「準決勝までは『一本』取れましたが、決勝でも一本勝ちしたかった。それが残念です。良かった技は、初戦で決めた大外刈から小外刈への連絡技。あれは会心の技でした。講道館杯からは相手がシニアの選手になるので、GSに入った時、そして決勝まで勝ち上がった時のスタミナを造ることを考えて稽古に取り組みたいです」

【準々決勝】

飯田健太郎(国士舘高2年)〇移腰(2:47)△前野玲音(山梨学院大2年)
三村暁之(明治大2年)〇裏投(1:51)△吉良儀城(国士舘大1年)
伊藤好信(新田高3年)〇背負投(2:35)△山口智広(国士舘大1年)
田﨑健祐(国士舘大2年)〇優勢[指導1]△村井慎太郎(関西大2年)

【敗者復活戦】

前野玲音〇小外掛(1:50)△吉良儀城
村井慎太郎〇優勢[指導2]△山口智広

【準決勝】

飯田健太郎〇内股(1:00)△三村暁之
伊藤好信〇背負投(1:48)△田﨑健祐

【3位決定戦】

前野玲音〇優勢[有効・内股透]△田﨑健祐
三村暁之〇払腰(2:47)△村井慎太郎

【決勝】

飯田健太郎〇優勢[指導3]△伊藤好信

■ 100kg超級・小川雄勢が2連覇、高校生の有力選手はことごとく敗退も内容の良さで伸びしろ見せる
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100kg超級準々決勝、インターハイ王者山田伊織(左)が田中源大に挑む

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田中の左大内刈が決まり「一本」

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太田彪雅が右内股、しかし影浦心を投げ切るには至らず

大会最大の注目階級。2連覇を狙う小川雄勢(明治大1年)を筆頭に、既に全日本選手権出場の実績がある香川大吾(東海大1年)、田中源大(明治大1年)、影浦心(東海大2年)の大学生勢4名に、高校カテゴリで華々しい活躍を続けるインターハイ王者山田伊織(国士舘高3年)、高校選手権無差別の覇者太田彪雅(白鴎大足利高年)、全日本カデ王者蓜島剛(埼玉栄高2年)らが挑む、というのがこのトーナメントを貫く構図。

決勝に進んだのは小川と田中の大学生2人だが、まず高校生3人の挑戦を通じて予選ラウンドとレペチャージブロックの戦いを照射してみたい。

山田伊織は2回戦で富樫匠(道都大2年)を袖釣込腰「一本」(1:04)で下すも、準々決勝では田中源大(明治大1年)に開始40秒に食った高速の左大内刈に一瞬で転がる。得意の大内返に捉えんとした時には既に背中は畳に押し付けられており、田中は山田が放ろうとした右隅方向に着地。主審の「一本」宣告を聞きながら山田は意外の表情のまま畳に残る。高校カテゴリではしばしば落ち際にこそその力を発揮して「一本」を奪って来た山田だがここは田中の力と技に対応しきれず、完敗。
敗者復活戦で蓜島剛に大内返「技有」で勝利して臨んだ3位決定戦は影浦心を相手に序盤背負投「技有」を失ったが、後半はやり方を覚えたとばかりに猛攻。落ち際の決めの段で体の力が一段足りず投げ切れなかったが、大外刈に支釣込足で攻め込んで「指導2」を獲得するなど中盤以降はむしろ一方的な攻め。敗れたものの今後に期待を持たせる内容だった。

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影浦の左背負投に太田転がり「技有」

太田は2回戦で澤井亮一(関西大1年)に袈裟固「一本」で勝利も、準々決勝では影浦を相手に序盤の背負投の対応を誤り「技有」を食ってしまう。以後は猛攻も、ケンカ四つの影浦の釣り手の巧みさに間合いを詰め切れず「指導2」まで反撃したところで敗退。遠間にあっても腰さえ触れば作用足を伸ばして無理やり投げ切るのが太田の面白さだが、影浦はこの「一見遠間の安全圏だが、実は投げが利いてしまう」太田ゾーンとでもいうべき間合いを決して与えなかった。しかし太田は敗者復活戦で大岩龍介(天理大3年)から内股「一本」で勝利すると、3位決定戦では香川大吾を大内刈「一本」に仕留める殊勲。入口はコンパクトに、出口は大きく。右内股から戻りながら大内刈を入れ、引っ掛かると見るや高く足を投げてほとんど縦回転に投げ切るという、まことに太田らしい豪快な一撃で3位を確保した。

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準々決勝、蓜島剛はGS延長戦まで粘ったが、香川大吾が太田の小外掛を切り返し「技有」獲得

蓜島は2回戦で強敵川井康平(静岡学園高2年)を「指導3」優勢で下したが、準々決勝では香川大吾に善戦もGS3分15秒に勝負に出た小外掛を切り返され浮落「技有」を食って敗退した。内股であわやという場面を作るなど気風の良い柔道を見せたが「高校生なら飛ぶ」ところを投げ切れなかったのは山田や太田と相似。しかし、嵌れば誰でも投げてしまうのではないかという蓜島らしい面白さ、そして今後の伸びしろを見せた大会でもあった。

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2回戦、小川雄勢が根津信太から左払腰「有効」

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準決勝、田中源大が香川大吾を支釣込足「一本」に仕留める

小川雄勢(明治大1年)〇優勢[指導2]△田中源大(明治大1年)

小川は2回戦で根津信太(筑波大2年)から払腰「有効」、さらに相手の裏投を捌いて被さり縦四方固「一本」(2:54)と盤石の立ち上がり。準々決勝は大岩龍介に移動の際を狙われ内股「有効」を失うが、ならばとばかりに左払巻込「一本」(2:07)であっさり逆転勝ち。準決勝は影浦心に開始50秒で与えられた「取り組まない」判断による「指導」ひとつをテコにジックリ組み続けて4分を戦い切り、順当に決勝へと駒を進めて来た。

一方の田中は2回戦で手嶋柾明(福岡大2年)を「指導2」優勢で下すと、前述の通り準々決勝では山田伊織に大内刈「一本」で勝利。準決勝では積年のライバル香川大吾とGS延長戦に縺れ込む消耗戦となったが、左相四つの香川が勝負を掛けようと釣り手の防御を解いて密着したその間を逃さず、「ならばこちらが強い」ばかりに胸を合わせての支釣込足、豪快にこれを決めて「一本」。見事小川の待つ決勝へと勝ち上がることとなった。

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100kg超級決勝は同門対決、田中(左)と小川が対峙する

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田中はしばしば右構え、引き手で襟を握って小川の圧力に対抗

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小川は自身の釣り手を高く、相手の釣り手を低く噛み殺して優位に試合を進める

前週の東京学生体重別選手権と同じ顔合わせの同門対決となった決勝は小川、田中ともに左組みの相四つ。
小川が奥襟を叩き、頭を低く相手の釣り手を噛み殺して前進すると釣り手が持てない田中に1分8秒消極の「指導」。

奮起した田中はまず引き手、ついで釣り手で奥襟を狙うが上背のある小川が巧みに頭でこれをブロック、行き先を失った釣り手で肩越しに背を叩くことを強いられてしまう。1分11秒田中にクロス組み手の咎による「指導2」。

以後は横変形の圧の掛け合いが続き、非常に静かな展開。前技を仕掛ける度に小川の前進に押し込まれる田中は片襟の左小内刈に支釣込足と攻防に変化をつけるが、心得た小川は動ぜず。残り10秒を過ぎると跳ねるように後退して田中の反撃を許さず、そのまま「それまで」の声を聞く。結果「指導2」優勢で小川が勝利、見事全日本ジュニア連覇を決めた。

小川は高校生の有力選手の挑戦を受けることなく、かつ決勝は同門対決ということで少々華々しさに欠ける内容ではあったが、その安定感と強さを再び見せつけた形。優位確保と全方向への攻撃による「指導」奪取が持ち味であった小川だが、投げる力の上積みも見られ、着実に成長している様子だった。

明治大に進学して環境を得た田中の成長ぶりも特筆もの。優勝した小川が陣地構築型の選手であることもあり、決勝はこの面白い100kg超級のトーナメントを締める試合としては物足りない内容であったが、それだけ2人の強さが際立った1日でもあった。

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100kg超級を2連覇した小川雄勢

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100kg超級入賞者。左から小川、田中、太田、影浦。

【入賞者】

優 勝:小川雄勢(明治大1年)
準優勝:田中源大(明治大1年)
第三位:太田彪雅(白鴎大足利高3年)、影浦心(東海大2年)

※エントリー21名

小川雄勢選手のコメント
「先週(東京学生柔道選手権)優勝して、今大会に出るかどうかに迷いもありましたが最後は自分で決めて、出場しました。調子はあまり良くなく、2試合目ではポイントも取られましたが、調子の良し悪しに関係なく優勝しなければとしっかり試合をしました。決勝は(同門対決で)やりにくかったですが、身近にライバルがいるのは良いことだと思います。次の全日本学生でしっかり力を出せるように頑張ります。(-将来の目標はオリンピック?)そうですね。地道に力をつけていきたいです」

【準々決勝】

小川雄勢(明治大1年)〇払巻込(2:07)△大岩龍介(天理大3年)
影浦心(東海大2年)〇優勢[技有・背負投]△太田彪雅(白鴎大足利高3年)
香川大吾(東海大1年)〇GS技有・小外刈(GS3:15)△蓜島剛(埼玉栄高2年)
田中源大(明治大1年)〇大外刈(0:40)△山田伊織(国士舘高3年)

【敗者復活戦】

太田彪雅〇内股(0:40)△蓜島剛
山田伊織〇優勢[技有・大内返]△

【準決勝】

小川雄勢〇優勢[指導1]△影浦心
田中源大〇GS支釣込足(GS1:22)△香川大吾

【3位決定戦】

太田彪雅〇大内刈(3:08)△香川大吾
影浦心〇優勢[技有・背負投]△山田伊織

【決勝】

小川雄勢〇優勢[指導2]△田中源大

※ eJudoメルマガ版9月14日掲載記事より転載・編集しています。

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