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個性派の強豪ズラリの魅力的なトーナメント、連覇狙うクルパレク中心に好カードが目白押し・アスタナ世界選手権100kg級展望

(2015年8月29日)

※ eJudoメルマガ版8月29日掲載記事より転載・編集しています。
個性派の強豪ズラリの魅力的なトーナメント、連覇狙うクルパレク中心に好カードが目白押し
アスタナ世界選手権100kg級展望
■ 有力選手
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2連覇を狙うルーカス・クルパレク(チェコ)

昨日の90kg級展望(http://www.ejudo.info/newstopics/002266.html)の中でも書かせて頂いたが、この100kg級はとにかく「キャラの立った」強豪が、それも数多く存在する豊かな階級。その密度の高さゆえ、トーナメント序盤から面白い対決が目白押し。プールAには直近2大会の世界王者2人と銅メダリスト1人が3回戦までの山に同居、プールBでは北京五輪王者ツブシンバヤル・ナイダン(モンゴル)と昨年大会素晴らしい爆発力を見せて2位に入賞したホセ・アルメンテロス(キューバ)が1回戦でマッチアップする有様で、どのブロックも序盤の段階から見逃せない戦いが続く。

紹介しきれない数多くの強豪たちの中で、敢えて優勝候補として1人を挙げるとすれば、2連覇を狙うルーカス・クルパレク(チェコ)。長身のオールラウンダーで、立ち、寝、組み手、際と「出来ないことがない」器用さとパワーを併せ持ったスケールの大きい選手。早い段階から将来を嘱望された選手であったが激戦の100kg級にあってなかなか頂点を極められず、昨年爪先立ちの背伸びでついに頭ひとつ周囲を越えて優勝を果たしたばかりだ。絶対の得意技といった大向う受けのするストロングポイントの見えにくい選手でもあるが、今回はその勝敗とともに、五輪の場で勝ちうる理路がその柔道に見えるかどうかに注目したい。

冬季欧州大会で一本勝ちを連発して2大会連続優勝を果たし、一時的に今季の主役に躍り出た来歴のある羽賀龍之介も、これだけの役者の中にあっては「有力選手の1人」「面白い存在」という位置に埋没せざるを得ない。おそらく海外から見た客観的なキャラクターは日本人らしい切れる内股を持つ、トーナメントの不確定要素。その役割を演じきって表彰台以上を目指してもらいたい。

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日本代表は羽賀龍之介

【プールA】

Aシード選手(第1シード):ルーカス・クルパレク(チェコ)
Bシード選手:アドラン・ビスルタノフ(ロシア)
有力選手:イワン・レマレンコ(UAE)、エルハン・ママドフ(アゼルバイジャン)

本来悠々戦えるはずの第1シードのアドバンテージなどまったく無きがごとくの激戦ブロック。13年リオ世界選手権王者のエルハン・ママドフと昨年この世界選手権限定ながら素晴らしい光を放って豪快、かつ切れ味鋭い「一本」を連発したイワン・レマレンコが2回戦で対戦、勝者が3回戦で王者クルパレクに挑む。パフォーマンスに波があり過ぎるレマレンコはともかくとして、ママドフとクルパレクの対決はどちらが勝ってもおかしくない、決勝レベルのカードである。見逃せない一番。

ビスルタノフはロシア勢には珍しく、地力の高さではなくそれを増幅する駆け引きや戦術性を先に獲得してしまったタイプ。今季は成績的にはかなりのものを残しているが、本番でクルパレクを凌ぐには少々地力不足と見る。

【プールB】

Aシード選手(第4シード):カール リヒャード・フレイ(ドイツ)
Bシード選手:マーティン・パチェック(スウェーデン)
有力選手:カヨル・レイズ(カナダ)、ルシアーノ・コヘア(ブラジル)、ツブシンバヤル・ナイダン(モンゴル)、ホセ・アルメンテロス(キューバ)

昨年銅メダル獲得に成功したドイツの「ガキ大将」カールリヒャード・フレイと、わかっていてもやっぱり食ってしまう巴投専門職人マーティン・パチェックがシード選手。しかしパチェックにここを抜ける可能性はほぼなく、勝ち上がり候補はフレイを本命にナイダン、アルメンテロス、レイズの3名と見る。

フレイは水準以下の選手には物凄く強いが、Aクラスの選手が相手になると途端に減速、パワー負けするとほぼまったく勝てないという非常にわかりやすい選手。体幹の力抜群で距離を詰め捲るナイダン、どちらかというと細身だが一瞬で足元に潜り込む担ぎ技の爆発力で勝負するアルメンテロス、ヨーロッパ選手とは一味違う技のキレを持つレイズと、フレイの持つ属性と勝ち上がってくる選手の相性の掛け算がブロック勝ち上がりの命運を握る。ナイダンが来ればフレイはもてあまし、アルメンテロスとの一番はフレイが組みついたときに動きを止められる力関係にあるかどうかが勝敗のカギとなるとみる。レイズはフレイに「やり方」を理解されてしまう前に勝負を掛けてしまいたい。

【プールC】
Aシード選手(第2シード):エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)
Bシード選手:シリル・マレ(フランス)
有力選手:マキシム・ラコフ(カザフスタン)

昨年来試合中に輝きを放ち続けられる時間が減った感あり、少々存在感が薄れて来たところではあるが、トーナメント全体を通した台風の目候補としてベテランのラコフを推しておきたい。
今季なかなか成績は残らないがそのパワーと重量級らしからぬ素晴らしい足技のキレは健在。地元開催にかける意気込みも並々ならぬものがあるはずだ。カザフスタン勢は60kg級でワンツーフィニッシュを果たすなど軽量級勢が健闘。チームのリーダーとして、会場大いに盛り上げる活躍を期待したい。

【プールD】

Aシード選手(第3シード):ディミトリ・ピータース(ドイツ)
Bシード選手:ヘンク・グロル(オランダ)
有力選手:ラムズディン・サイドフ(ウズベキスタン)、羽賀龍之介、チョ・グハン(韓国)

非常に厳しい山だが、シード選手2人は羽賀にとって決してやりにくいタイプではない。2回戦でマッチアップする希代の「シルバーコレクター」グロルには昨年のグランプリ・ブタペストで一本負けした苦い記憶があるが、今年はそのお返しとばかりに2連勝中。既に自分の力を試合に反映させる取り口を見出している印象だ。

問題は3回戦でマッチアップ濃厚なチョ・グハン。前日90kg級を制したガク・ドンハンと同系列の「組み手で絡んで、担ぎ技(チョは巻込技も駆使する)で潰れてペースを作り、そこに本気の一撃を混ぜ込んでくる」典型的な韓国系粘戦ファイターであり、彼らは伝統的に日本の正統派タイプを「潰す」ことに長けている。今年2月のグランプリ・デュセルドルフでは勝利しているものの、勝負は予断を許さない。ここを乗り切ればベスト4は見えたと言って良いのではないか。大一番だ。

※ eJudoメルマガ版8月29日掲載記事より転載・編集しています。

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