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トルステニャクがアグベニュー下し初優勝、田代未来は3位を確保・アスタナ世界選手権63kg級レポート

(2015年8月27日)

※ eJudoメルマガ版8月27日掲載記事より転載・編集しています。
トルステニャクがアグベニュー下し初優勝、田代未来は3位を確保
アスタナ世界選手権63kg級レポート
【成績上位者】 エントリー48名
1.TRSTENJAK, Tina(SLO)
2.AGBEGNENOU, Clarisse(FRA)
3.TASHIRO, Miku(JPN)
3.TSEDEVSUREN, Munkhzaya(MGL)
5.FRANSSEN, Juul(NED)
5.GERBI, Yarden(ISR)
7.MISKOVIC, Marijana(CRO)
7.VAN EMDEN, Anicka(NED)

今季ワールドツアーで6大会を制して躍進著しいティナ・トルステニャク(スロベニア)が初優勝。2回戦はケンカ四つのパリ・スラカトヴァ(ロシア)を相手に右出足払「有効」による優勢勝ちと少々硬い立ち上がりだったが、3回戦では右相四つのダークホース候補エドウィッジ・グウェン(イタリア)に小外掛で倒され掛かるも袈裟固で抑え込んで「一本」(3:19)。どうやらこれで波に乗ると準々決勝はケンカ四つのツェデフスレン・ムンクザヤ(モンゴル)の左小外刈を浮落で切り返し「技有」、さらに右払腰で「一本」(3:28)と連取して快勝、準決勝のユール・フランセン(オランダ)戦は相手が立ち姿勢からの腕挫脇固で体を捨てて反則負けとなり、決勝進出が決まる。

決勝のクラリス・アグベニュー(フランス)戦はここまで他を寄せ付けない強さを見せつけて来たアグベニューを力と運動性能の高さで翻弄。まず左一本背負投崩れの大外刈で頭から叩き落としてその攻撃意欲を挫くと、1分7秒に左一本背負投、アグベニューが畳について耐えた左腕を拾って回し切り「有効」を獲得する。さらに、気を発したアグベニューが奥襟に叩き込んで来た左釣り手を攻防一致で捕まえて再度の左一本背負投を決め2分1秒「技有」を追加。その後も右大内刈と右払腰、左一本背負投を中心に攻め、主導権を決して渡さず。残り0秒、アグベニューの支釣込足を返して背中から叩き付けるがこれは時間終了後ということでノーカウント。結果「技有」優勢で優勝を掴むに至った。

残ったスコアは決して圧倒的ではなく、組み手とは逆の左一本背負投が勝負技という技の構成も王道とは呼び難い、本来不自由なもののはず。しかしその試合内容は迫力十分。体の強さとボディバランスの良さ、そして尽きぬスタミナが、本来難剣遣いというニッチにおさまっておかしくないこの構成を「どこからでも一方的に仕掛けてくる」「何を掛けても切り返される」という位相まで引っ張り上げている。アグベニューは幾度か良い技を見せたが都度弾き返され、あるいは崩すことが出来ずに仕掛けるたびに希望を失っていった感あり。優勝は必然の結果だった。

階級ベストバウトは昨年大会決勝の再現カード、準決勝で実現したアグベニュー対ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)戦。ケンカ四つの2人が互いに首を抱えれば脇を差し、背を抱かれると首を掴みと相譲らずに大腰、内股、腰車と大技を連発。意地の張り合いはGS延長戦35秒に決着、アグベニューの左釣込腰をゲルビが裏投に抱え、抱えられたアグベニューが振り向きながらの左大内刈に切り返す。あくまで投げようとしたゲルビの顔にアグベニューの体が乗る勢いで被さり、これは文句なしの「一本」。粗い試合ではあったが、プライベートでは親友という二人のあくまで投げて決めるという強い意志が明確に見えた殴り合いの激戦に、会場は大拍手を以て報いていた。

日本の田代未来は3位を確保。2戦を一本勝ちの末に準々決勝でアグベニューに大外刈「技有」で敗れたが、敗者復活戦ではかつてのトップファイターであるアニカ・ファンエムデン(オランダ)を寄せ付けず払腰「有効」、大内刈「技有」と連取して快勝。続く3位決定戦は相手が畳に現れず、相手の不戦敗によって銅メダルが確定した。

最終戦となった敗者復活戦は、ワールドツアーで3位決定戦とレペチャージの往復が指定席となっているファンエムデンなどもはや敵ではないといわんばかりの一方的な試合ぶり。田代がその強さと成長ぶりを余すところなく見せつけた一番であったが、逆にツアーで不調のアグベニュー相手にはほとんど何も出来ず。トップ選手の「ここ一番」の調整能力と到達点の高さを思い知らされた大会でもあった。

もう1枠の3位には、準決勝の激戦で緊張の糸が切れたゲルビを「技有」優勢で破ったツェデフスレン・ムンクザヤ(モンゴル)が入賞。

アリス・シュレシンジャー(イギリス)はフランセン相手に「指導3」を先行しながら、残り40秒で大内刈「有効」を食って初戦敗退。欧州王者のマルチナ・トラジドス(ドイツ)も初戦でリズレン・ゾウアック(モロッコ)から「指導3」を奪ったが、小内刈を裏投に切り返されて一本負け。入賞に絡めないまま大会を終えている。

準々決勝以降の結果と、日本代表選手の結果とコメントおよび全試合経過は下記。

【準々決勝】

ティナ・トゥルステニャック(スロベニア)○払腰(3:28)△ツェデフスレン・ムンクザヤ(モンゴル)
クラリス・アグベニュー(フランス)○優勢[技有・大外刈]△田代未来
ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)○優勢[指導2]△アニカ・ファンエムデン(オランダ)
ユール・フランセン(オランダ)○優勢[有効・体落]△マイアナ・ミスコビッチ(クロアチア)

【敗者復活戦】

ツェデフスレン・ムンクザヤ(モンゴル)○優勢[有効・内股]△マイアナ・ミスコビッチ(クロアチア)
田代未来○優勢[技有・大内刈]△アニカ・ファンエムデン(オランダ)

【準決勝】

ティナ・トゥルステニャック(スロベニア)○反則※(1:05)△ユール・フランセン(オランダ)
クラリス・アグベニュー(フランス)○大内刈(GS0:36)△ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)

※関節を極めたまま体を捨てたため

【3位決定戦】

ツェデフスレン・ムンクザヤ(モンゴル)○優勢[技有・内股返]△ヤーデン・ゲルビ(イスラエル)
田代未来○棄権△ユール・フランセン(オランダ)


【決勝】

ティナ・トゥルステニャック(スロベニア)○優勢[技有・一本背負投]△クラリス・アグベニュー(フランス)

【日本代表選手成績】

田代未来(コマツ)
成績:3位

「優勝したいという気持ちが強かったので、とても悔しいです。3位決定戦もしっかり戦って勝ちたかったし、満足はしていません。ただ、数年前の自分の状況からすればここに立っていることは到底考えられない。今ここにいられることに感謝したいです。オリンピックは小さい頃からの夢なので、その舞台に立って、一番良い色のメダルを取りたいと思います」


【日本代表選手勝ち上がり】

[2回戦]

田代未来○横四方固(3:16)△ヘレン・ウェゼウドムベウ(カメルーン)


左相四つ。いきなりウェゼウドムベウの左大内刈が来襲。田代捕まってしまうがウェゼウドムベウ決めごとのように内股に連絡、ために拘束ずれて潰れてしまう。命拾いした田代そのまま抑え込みに掛かるがウェゼウドムベウはパワーで自身の上に田代を送り流し「待て」。

かなり体に力のある相手だが、田代落ち着いて試合を展開。2分を過ぎたあたりから焦れたウェゼウドムベウの組み手が粗くなる。田代膝車で崩して転がし、伏せさせて「待て」。

直後、田代は両襟を掴んで組み際の大内刈。ウェゼウドムベウが大内返に抱き返して危うい体勢となるが無事に上になって着地。足を引き抜いて横四方固に抑え込むとおそらく寝技のまったく出来ないウェゼウドムベウ、フリーの両手を使うことなくバンザイ状態。「一本」。

[3回戦]

田代未来○腕挫手固(2:01)△マリアン・ウルドバエワ(カザフスタン)


ケンカ四つ。腰の差し合いから崩して「脚三角」、相手が脚を解いて伏せると「腹包み」でめくりに掛かるが、カメの体勢のまま耐えきられ「待て」。
1分過ぎ、田代組み際に左大内刈。足を刈り開かれたウルドバエワ前屈しながら真下に落ちて尻もち。田代は伏せた相手の右腕を引っ張り出して確保、めくり、伏せ、まためくりという攻防の中で最後は伏せさせたまま腕を極める。「一本」。

[準々決勝]

田代未来△優勢[技有・大外刈]〇クラリス・アグベニュー(フランス)

左相四つ。アグベニュー先に引き手で袖を掴むとあくまで離さず。田代は両袖の大内刈、アグベニューは大外刈で攻め合うが組み力、技の威力ともアグベニューが優位。2分18秒、田代十分呼吸を整えて左払巻込を放つも、真正面で受けたアグベニュー立ったまま全く崩れず弾き返し、力の差を示す。

2分過ぎから横変形の組み合いが現出、機と見たアグベニューは突如スピードアップして左大外刈。踏み込んだ地点まで斜めに引っ張り出された田代は耐える間もなく吹っ飛び「技有」。アグベニューそのままガッチリ袈裟固に抑え込む。

田代この希望のない状況から鉄砲返しで脱出する心の強さを見せ、この抑え込みは「有効」に留まる。しかし以後はチャンス少なくそのまま終戦。

[敗者復活戦]

田代未来〇優勢[技有・大内刈]△アニカ・ファンエムデン(オランダ)

左相四つ。田代組むなり左払腰、相手の崩れに応じて股中に足が入り内股の形となったが投げ切り「有効」、10秒。
田代は掴んだ引き手の袖をしっかり落としてファンエムデンの釣り手を無力化。ファンエムデンは2度得意の右袖釣込腰に打って出ようとするが、田代は体の強さと袖のコントロールをテコに反転を許さず。

1分28秒田代が組み際に左大内刈、見事決まって「技有」。

以後も田代はしっかり組み手を管理し、大内刈から背負投など攻めのバリエーションも見せながら快走。ファンエムデンに偽装攻撃の「指導1」が追加され、試合終了。

[3位決定戦]

田代未来〇不戦△ユール・フランセン(オランダ)

フランセン畳に現れず。田代の3位が確定。

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