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スメトフ初優勝、カザフスタン勢が驚きのワンツーフィニッシュ飾る・アスタナ世界選手権60kg級レポート

(2015年8月24日)

※ eJudoメルマガ版8月24日掲載記事より転載・編集しています。
スメトフ初優勝、カザフスタン勢が驚きのワンツーフィニッシュ飾る
アスタナ世界選手権60kg級レポート
eJudo Photo
地元で世界選手権初優勝を決めたイェルドス・スメトフ(カザフスタン)
※写真は13年グランドスラム東京時

【成績上位者】 エントリー61名
1.SMETOV, Yeldos(KAZ)
2.IBRAYEV, Rustam(KAZ)
3.KIM, Won Jin(KOR)
3.SHISHIME, Toru(JPN)
5.GANBAT, Boldbaatar(MGL)
5.KITADAI, Felipe(BRA)
7.CHOI, In Hyuk(KOR)
7.UROZBOEV, Diyorbek(UZB)

優勝候補のイェルドス・スメトフとダークホースのルスタン・イブラエフ、地元カザフスタンから参加の2人がともに決勝進出の快挙を演じる。

アジア大会王者のスメトフは組み合わせにも恵まれ、序盤戦は余裕を持っての勝ち上がり。1回戦はユホ・レインヴァル(フィンランド)から「指導」4つを奪っての勝利(3:49)、2回戦はエイサー・マジャシー(サウジアラビア)の内股をかわして浮落「有効」をマークし優勢勝ち、3回戦はナボール・カストロ(メキシコ)を右背負投「有効」による優勢で下してベスト8入り決定。準々決勝は前戦でベスラン・ムドラノフ(ロシア)を小外刈「一本」で下しているディヨーベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)と大熱戦、左背負投「技有」を先行されるがここから目を覚ましたように肩車「技有」、背負投「有効」と連取して逆転勝利。勝負どころの準決勝は志々目徹(日本)から開始早々に横落「有効」を奪い、「指導3」まで失うピンチを耐え切って決勝進出を決める。

一方のイブラエフは優勝候補2人を食い、トーナメントを荒しまくって驚きの決勝進出。1回戦はヤニスラフ・ゲルチェフ(ブルガリア)に隅返「有効」、2回戦はレニン・プレシアド (エクアドル)に大外刈「有効」と決して立ち上がりは圧倒的ではなかったが、3回戦は昨年の銅メダリストであるアミラン・パピナシビリ(グルジア)に全く退かずに殴り合いを演じ、ケンカ四つのパピナシビリに左小内刈で「有効」を奪われるも隅返「技有」、右小外掛「有効」と立て続けに奪って見事殊勲の逆転勝ちを果たす。準々決勝もチョ・インヒュイ (韓国)に「指導2」対「指導3」でリードされるも隅落「技有」を奪って逆転勝利、そして準決勝はチェリャビンスク世界選手権王者のガンバット・ボルドバータル(モンゴル)にこれも「指導」2つをリードされながら相手の右内股に反応しての小外刈「有効」で逆転勝ち。3戦連続の逆転勝ちで決勝へと駒を進めることとなった。

決勝は互いをよく知る2人が極めて慎重な試合運び。2分58秒にスメトフが右背負投と右小内刈の連続攻撃の対価として得た「指導1」が決勝点となり、そのまま優勢勝ちで優勝を決めた。

スメトフはアジア大会で見せたほどの技の切れ味を発揮することはなく決して100点満点の出来とは言い難かったが、持ち前の常に前に出る馬力と地力の高さを利して初優勝。地元開催の大会を最高の結果で終えることとなった。

日本の志々目徹は前述の通り準決勝敗退。攻めの遅さと組み手への過剰なこだわり、そして守勢に回ったときのメンタルの揺れが課題として指摘されて来た志々目だったが、この日は積極的な両襟組み手と得意の内股を生かすべく投入した大外刈が良く効き、非常にアグレッシブかつ丁寧な戦いぶり。攻めと我慢の両方の課題をクリアしたかに思われたが、3位決定戦は開始早々の失点に、「指導」あと一つを得れば逆転という最終盤、追い込まれて死に体になりつつある相手に巴投をに打って出て「助けてしまう」選択ミス。良い面と悪い面、いずれも発揮した末に本戦からは脱落した格好となったが、3位決定戦は鮮やかな大外刈「一本」で勝利してしっかり銅メダルを確保した。

準々決勝以降の結果、志々目の勝ち上がりと全試合の経過詳細、およびコメントは下記。

【準々決勝】

ガンバット・ボルドバータル(モンゴル)〇横車(1:50)△フェリペ・キタダイ(ブラジル)
ルスタン・イブラエフ(カザフスタン)〇優勢[技有・隅落]△チョ・インヒュイ(韓国)
志々目徹〇優勢[指導2]△キム・ウォンジン(韓国)
イェルドス・スメトフ(カザフスタン)〇優勢[有効・背負投]△ディヨーベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)

【敗者復活戦】

フェリペ・キタダイ(ブラジル)〇優勢[指導3]△チョ・インヒュイ(韓国)
キム・ウォンジン(韓国)〇払巻込(0:14)△ディヨーベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)

【準決勝】

ルスタン・イブラエフ(カザフスタン)〇優勢[有効・小外刈]△ガンバット・ボルドバータル(モンゴル)
イェルドス・スメトフ(カザフスタン)〇優勢[有効・横落]△志々目徹

【3位決定戦】

志々目徹〇大外刈((2:23)△フェリペ・キタダイ(ブラジル)
キム・ウォンジン(韓国)〇優勢[有効・背負投]△ガンバット・ボルドバータル(モンゴル)

【決勝】

イェルドス・スメトフ(カザフスタン)〇優勢[指導1]△ルスタン・イブラエフ(カザフスタン)

【日本代表選手結果】

志々目徹(了徳寺学園職)
成績:3位

「うれしいよりも、悔しい気持ちの方が強い。(本戦での敗退後は)先生方の言葉でなんとか頑張ることが出来ました。プレッシャーですか?別に注目されていたわけでもないので感じることはありませんでした。次の目標は来年の五輪です。これからも頑張ります」

【日本代表選手勝ち上がり】

[1回戦]

志々目徹〇内股(3:00)△モハメド・ジャフィー(モロッコ)

志々目が左、ジャフィーが右組みのケンカ四つ。
ジャフィー試合開始から腰を引いて守勢。30秒に志々目が足を先に差し入れて右内股、ジャフィーの崩れた後方に押し込み「有効」。

以後のジャフィーは袖で志々目の釣り手を殺し、徹底守勢。2分25秒に隅返を見せるが技らしい技はこの一撃のみ、志々目「指導」2つを先行するがややつきあってしまい時間を消費。志々目が両襟の内股で度々攻めた2分51秒「取り組まない」咎でジャフィーに3つ目の「指導」。

直後志々目は完璧な組み手を確保。腰を引く相手の上体を寄せながら先に足を差し入れ、ノーステップの左内股。見事決まって「一本」。

隙のない試合運びと志々目らしい見事な「一本」であるが、攻めの早さを至上命題として臨む今大会の滑り出しとしては少々時間を掛けすぎた感あり。次戦に期待。

[2回戦]

志々目徹〇優勢[技有・内股]△ツァイ・ミンエン(台湾)

志々目が左、ツァイは右組みのケンカ四つ。
ツァイは片手の右内股で攻撃。一方の志々目は両襟で前に出て左大外刈、さらに小外刈で追い込み背中を見せて逃れようとした相手を突き飛ばし「待て」。地力はやはり志々目が上。

ツァイ、釣り手を抱え込んでロックし右小外刈と取り味のある技を見せる。これは不発だったが以後も右背負投から右巴投と技を繋ぎ、1分12秒志々目に「指導1」。

志々目は奮起、思い切り左内股でツァイを大きく浮かせるが引き手で握った襟が剥がれ、ツァイは伏せ落ちる。

志々目再び両襟の左内股。引き手は切れたが高さが出た分勢いがあり、いったん着地したツァイは耐え切れず転がり「技有」。
以後は背中を持って接近戦を挑むツァイを相手に志々目が寝技を上手く使ってリスクなく試合を終える。

[3回戦]

志々目徹〇優勢[指導2]△エリック・タカバタケ(ブラジル)

左相四つ。タカバタケは大内刈から左内股巻込の掛け潰れで先手を打つが、時間が経つほどに主導権は志々目。背を向けるように極端な半身防御のタカバタケを組み際の左大外刈に片襟の左大外刈で攻め、「指導」を先行。残り18秒にはクロス組み手の咎でタカバタケに2つ目の「指導」が宣告されて終戦。

[準々決勝]

志々目徹〇優勢[指導2]△キム・ウォンジン(韓国)

左相四つ。長いリーチを利して引き手で襟、釣り手で首裏を捕まえるキムが組み手をリードするが、志々目が引き手の「手四つ」から抜け出しての左内股、さらに左袖釣込腰と2つ技を繋ぐと、主審はキムに「指導1」を宣告。1分3秒。

以降もキムは釣り手で奥襟を叩き、支釣込足に大外刈と仕掛けるが志々目は苦しい組み手にも退くことなく大外刈、大外返に払腰と粘り強く攻め返す。2分30秒過ぎ、釣り手を肩越しに入れて大外刈を放ったキムはこれをきっかけに釣り手で奥襟をガッシリ掴み、腰を切る牽制で追い込む。頭の下がった志々目に2分33秒首抜きの「指導1」が宣告され、スコアはタイに戻る。

3分30秒過ぎ、キムが両襟でガッチリ組み止めると、一旦この圧を受け止めた志々目スルリと横巴投に抜け出す。力を掛けていた分剛体のキム大きく崩れるが、必死で身を捻りポイントには至らず。「有効」が宣告されてもおかしくないこの攻防から志々目ペースを掴み、大内刈に足を差し入れておいての左内股に組み際の左大外刈と立て続けに攻めて4分26秒キムに2つ目の「指導」。

奥襟確保の圧力で「指導」を獲り返したいキムは突進、残り20秒を過ぎてから志々目を捕まえるが、間合いを測るうちに志々目が先手を打って巴投、このチャンスは潰える。

そのまま試合終了。「指導2」対「指導1」の反則累積差で志々目の勝利が確定、敗れたキムは膝に手を当ててうなだれる。

[準決勝]

志々目徹△優勢[有効・横落]〇イェルドス・スメトフ(カザフスタン)

ケンカ四つ。開始早々釣り手を上に持った志々目にスメトフが左への横落を見舞う。これが決まって16秒スメトフが「有効」先制。

もはや攻めるしかない志々目、両襟を持っての左内股に片手の大内刈、両袖の大外刈と良く攻める。中盤スメトフ右内股に左体落と攻め返して一旦流れを押しとどめるが、志々目が両袖の大外刈を放った直後の2分50秒ついにスメトフに「指導1」。志々目は前に出続け、度々掛け潰れたスメトフに3分33秒偽装攻撃の「指導2」、残り42秒ついに「指導3」が与えられる。志々目が背中を叩いて前に出るとスメトフは背を見せるように潰れてしまい「待て」。いつ4つ目の「指導」が与えられてもおかしくない状況。

しかし残り21秒となったこの大事な場面での志々目の選択は巴投。死に体のスメトフを利するこの判断が致命傷、スメトフは寝技に持ち込むと存分に時間を使い、志々目を立たせないままにタイムアップのブザーを聞く。スメトフ「有効」優勢を以て勝利し決勝進出決定。

[3位決定戦]

志々目徹〇大外刈((2:23)△フェリペ・キタダイ(ブラジル)

志々目が左、キタダイ右組みのケンカ四つ。志々目組み際の左大外刈に釣り手の肘を相手の脇に突っ込んでこじ上げる左内股で先制攻撃。続けざまに放った左内股は相手と引き手の引っ張り合いになって「待て」が掛かるが、直後の55秒キタダイに「指導1」。

以後も志々目は左大外刈を中心に攻め、キタダイの右背負投の抵抗はほとんど効なく主導権は完全に志々目。キタダイ打開を狙っての「跳び関節」も志々目大過なく止め、2分23秒に刈り足を深く引っ掛けての左大外刈。両手の拘束が良く効いた一撃にキタダイ下がることすら出来ず真下に落ちて「一本」。世界選手権初出場の志々目、しっかり3位を確保。

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