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最重量級は千野根有我が他を全く寄せ付けず、81kg級は村尾三四郎が平均試合時間46秒の圧勝V・全国中学校柔道大会男子個人戦8階級即日レポート

(2015年8月20日)

※ eJudoメルマガ版8月20日掲載記事より転載・編集しています。
最重量級は千野根有我が他を全く寄せ付けず、81kg級は村尾三四郎が平均試合時間46秒の圧勝V
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90kg超級2回戦、生野中・千野根有我が上板中・岡本泰崇を開始13秒の内股「一本」に沈める

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81kg級準々決勝、灘中・村尾三四郎が福井工大福井中・橋本光正から開始18秒で小外刈「一本」を決める

函館市・函館アリーナで行われている第46回全国中学校柔道大会は競技日程最終日の20日、男子個人戦8階級の競技が行われた。

90kg超級は前評判の高かった近畿ブロック王者千野根有我(生野中・大阪)が圧勝。身長184cm、体重127kgの恵まれた体格を生かし、人材揃う最重量級にあって全5試合を全て「一本」、それもすべて早い時間に片付けて優勝。試合後は気負った様子なく「柔道を楽しみながら、これからも頑張りたい」とにこやかに語り、大物ぶりを見せつけていた。

人材揃った81kg級は、団体戦の優勝候補に挙げられながら本戦の出場ならなかった灘中(兵庫)のエース村尾三四郎がこちらも稀に見る内容で優勝。5戦全て一本勝ちを収めたその合計試合時間は僅か3分47秒、平均試合時間46秒と他を全く寄せ付けずに頂点を極めた。

各階級の入賞者と戦評、優勝者のコメントと準々決勝以降の結果は下記。

■ 50kg級・松田淳希が試合勘の良さを披露、初優勝飾る
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50kg級決勝、松田淳希が倉橋恭平の担ぎ技をよく捌く

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リードした松田は手堅く試合を進める

【決勝】

松田淳希(聖徳中・奈良)〇優勢[指導3]△倉橋恭平(松江第四中・島根)

松田、倉橋ともに右組みの相四つ。
倉橋試合が始まるなり左袖釣込腰で先制攻撃、松田しっかり捌くと右背負投を打ち返して反撃、崩れた倉橋を抑えにかかるが26秒「待て」。

松田が低い右背負投を2連発、主審この攻勢を認めて倉橋に「指導1」を宣告する。勢いづいた松田は倉橋の右釣り手を左引き手で制して右小内刈、倉橋を大きく崩すと再び抑え込みを狙う。この攻防が止まった50秒、倉橋に「指導2」が宣告される。

倉橋なんとか攻め返したいが2分0秒に左袖釣込腰を掛け潰れてしまい、偽装攻撃の咎で3つ目の「指導」失陥。大幅リードの松田は右小内刈、右背負投を仕掛けて倉橋の反撃の芽を摘み、危なげなくゴール。「指導3」の優勢を以て松田の全国中学大会初優勝が決まった。

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50kg級入賞者。左から倉橋、松田、海島、田中。

【入賞者】

優 勝:松田淳希(聖徳中・奈良)
準優勝:倉橋恭平(松江第四中・島根)
第三位:海島魁人(境川中・岐阜)、田中蒼人(曽根中・福岡)
第五位:臼杵太辰(川之江北中・愛媛)、山口信(西諫早中・長崎)、大岡京聖(北鳴中・石川)、福田大晟(二見中・兵庫)

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50kg級優勝の松田淳希

松田淳希選手のコメント
「優勝はとてもうれしいです。今日は特に背負投の調子が良かった。決勝はとにかく楽しんで行こう、という気持ちで戦いました。高校では60kg級に階級が上がるので、まだまだ努力していきたい」

【準々決勝】

海島魁人(境川中・岐阜)〇合技(2:18)△臼杵太辰(川之江北中・愛媛)
松田淳希(聖徳中・奈良)〇横四方固(1:05)△山口信(西諫早中・長崎)
倉橋恭平(松江第四中・島根)〇優勢[指導2]△大岡京聖(北鳴中・石川)
田中蒼人(曽根中・福岡)〇優勢[技有]△福田大晟(二見中・兵庫)

【準決勝】

松田淳希〇背負投(1:05)△海島魁人
倉橋恭平〇優勢[有効]△田中蒼人

【決勝】

松田淳希〇優勢[指導3]△倉橋恭平

■ 55kg級・唯野己哲が初優勝、膠着抜け出す勇気見せた決勝は快勝
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55kg級決勝、顕徳大晴が背負投、唯野己哲はぶらさがってディフェンス

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唯野組み際に脇を抱き密着、振り返して隅返を試みる

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唯野の隅返が「有効」

【決勝】

唯野己哲(東部中・長野)〇優勢[有効]△顕徳大晴(望海中・兵庫)

唯野、顕徳ともに右組みの相四つ。
顕徳が左一本背負投で先制攻撃、以後は互いに慎重になり手先の組み手争いが続く。主審この動的膠着に的確に介入、18秒双方に「取り組まない」咎の「指導」が宣告される。

顕徳は釣り手を振り立てながらの右大内刈、次いで打点の高い右背負投に打って出るが唯野は背にぶら下がるように力を抜いてディフェンス。以後は顕徳の右袖釣込腰、唯野の巴投を経て展開は足技の探り合いに着地、主審は消極的展開と判断し1分16秒双方に「指導2」を与える。

顕徳が唯野の袖を殺すと、嫌った唯野は左袖釣込腰。しかし顕徳あくまで袖を離さずコントロールを継続。顕徳は唯野に袖を絞らせたまま大内刈を放つ。

と、両袖の攻防に焦点が合わされ続けた動的膠着から唯野が一歩抜け出す。1分55秒組み際に今までと手立てを変え、組みつきながら釣り手で脇を差して密着。やや慌てた顕徳の後退が詰まるとみるや素早く体を捨てて隅返を放ち、見事「有効」を獲得。

リスク承知の一発勝負の冒険に勝った唯野、以後ははっきりモードを戻し絞った両袖を離さず。一旦組み手をやり直したい顕徳は足を深く差しての右小内刈。さらに切り離した釣り手を上から入れて圧を掛けると前屈した唯野の膝裏に膝車、さらにほぼ中腰の唯野の腹を包み、変則の隅返で転がしに掛かるなど怒涛の攻め。しかし抜け逃れた唯野がその横についたところでタイムアップのブザーが鳴り響き、この試合は唯野の「有効」優勢による勝利で決着した。両袖の攻防という視野狭窄から一歩引き、リスクを冒して展開に変化をつけた唯野の戦術眼と度胸が光る一番だった。

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55kg級入賞者。左から顕徳、唯野、篠﨑、樋口。

【入賞者】

優 勝:唯野己哲(東部中・長野)
準優勝:顕徳大晴(望海中・兵庫)
第三位:篠﨑唯人(基山中・佐賀)、樋口誠二朗(藤井寺中・大阪)
第五位:笠井盛龍(五所川原第一中・青森)、山本蒼良(藤森中・京都)、椎野瑠伽(加茂名中・徳島)、鷲見仁義(新陵中・北海道)

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55kg級優勝の唯野己哲

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準決勝、唯野が篠﨑唯人から横四方固「一本」

唯野己哲選手のコメント
「初戦は本当に何も出来なかったのですが、その後先生方のアドバイスで体が動くようになりました。優勝はうれしいです。好きな選手は高藤直寿選手。将来はオリンピックで金メダルを目指します」

【準々決勝】

唯野己哲(東部中・長野)〇優勢[技有]△笠井盛龍(五所川原第一中・青森)
篠﨑唯人(基山中・佐賀)〇反則[指導4](2:51)△山本蒼良(藤森中・京都)
樋口誠二朗(藤井寺中・大阪)〇袈裟固(0:50)△椎野瑠伽(加茂名中・徳島)
顕徳大晴(望海中・兵庫)〇優勢[有効]△鷲見仁義(新陵中・北海道)

【準決勝】

唯野己哲〇横四方固(1:13)△篠﨑唯人
顕徳大晴〇縦四方固(1:57)△樋口誠二朗

【決勝】

唯野己哲〇優勢[有効]△顕徳大晴

■ 60kg級・桂嵐斗が素晴らしいパフォーマンス披露、素材の良さ見せつけ初優勝飾る
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60kg級決勝、桂嵐斗が佐藤大知を攻める

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桂が崩れた佐藤を捻り「有効」獲得

【決勝】

桂嵐斗(長崎日大中・長崎)〇GS有効(GS0:16)△佐藤大知(大成中・愛知)

桂、佐藤ともに右組みの相四つ。
佐藤は一本背負投、背負投と右への担ぎ技を幾度も仕掛けるが桂は都度その動きを読んでしっかり捌く。16秒には反撃の右内股巻込で佐藤を崩し、続く展開では右釣り手で襟を高く持ち、佐藤の頭を下げさせ続けて中盤の戦いを有利に進める。
残り1分、桂が思い切った右内股を仕掛けるが引き手不十分で決まらず。奮起した佐藤が右一本背負投を2度続けると、主審は桂に少々性急な「指導1」を宣告。残り時間は47秒。

攻勢一転、ピンチを迎えた桂は右小外刈に右大腰で激しく攻め、残り25秒で佐藤に「指導」宣告。このままポイントの積み上げなく本戦3分が終了し、勝敗の行方は延長ゴールデンスコアへ委ねられることとなった。

延長開始16秒、桂が右大内刈。佐藤がこらえるとグイと捻り、重心移動の方向に崩された佐藤は大きくバランスを崩して畳に落ちる。主審一瞬の間ののち「有効」を宣告、このポイントを以て桂の優勝が決まった。

桂は初戦から小内刈、内股、内股と鋭い投技を閃かせ続けて3戦連続の一本勝ち。準決勝も2つの「有効」ポイントを挙げており、全試合で投げを決めての優勝となった。強者揃ったトーナメントで明らかに一段違う光を放った桂の優勝は正当な結果だった。

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60kg級入賞者。左から佐藤、桂、竹内、日野山。

【入賞者】
優 勝:桂嵐斗(長崎日大中・長崎)
準優勝:佐藤大知(大成中・愛知)
第三位:竹内龍生(赤穂中・兵庫)、日野山剛(阿武山中・大阪)
第五位:平野達也(玉島北中・岡山)、北條嘉人(大胡中・群馬)、山本拓澄(紀見北中・和歌山)、河村烈(富田中・山口)

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60kg級優勝の桂嵐斗

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60kg級準々決勝、桂嵐斗が北條嘉人から内股「一本」

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60kg級準決勝、佐藤大知が竹内龍生から背負投「有効」

桂嵐斗選手のコメント
「(優勝が)決まった瞬間は本当にうれしかった。優勝出来るとは思っていなかったですが、準決勝を勝ったあたりから『いけるかもしれない』と意識しました。決勝は相手の背負投にうまく対処出来たことが勝因だと思います。今後の課題は、もっと体を作って、組み手を自分のものにしていくこと。内股や足技などもさらに磨きを掛けていきたい。好きな選手は永瀬貴規選手。自分も永瀬選手のように技の切れる選手になりたいです」

【準々決勝】

竹内龍生(赤穂中・兵庫)〇優勢[指導3]△平野達也(玉島北中・岡山)
桂嵐斗(長崎日大中・長崎)〇内股(2:06)△北條嘉人(大胡中・群馬)
佐藤大知(大成中・愛知)〇優勢[技有]△山本拓澄(紀見北中・和歌山)
日野山剛(阿武山中・大阪)〇優勢[指導3]△河村烈(富田中・山口)

【準決勝】

桂嵐斗〇優勢[有効]△竹内龍生
佐藤大知〇袈裟固(1:45)△日野山剛

【決勝】

桂嵐斗〇GS有効(GS0:16)△佐藤大知

■ 66kg級・粘戦勝ち上がった西願寺哲平が優勝、決勝は見事な「一本」
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66kg級準決勝、若狭智也が内村秀資から左内股「技有」先行

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「技有」を取り返した内村は、右内股「有効」で勝ち越し

【準決勝まで】

シード選手の若狭智也(北辰中・石川)が鋭い内股を連発し、ひときわ光を放って準決勝進出。一方かつての全国小学生学年別大会王者で九州ブロックを制している内村秀資(鹿屋東中・鹿児島)も小外刈「一本」、跳腰「一本」、横四方固「一本」と出色の出来を見せ、会場を沸かせ続けた両者は準決勝で激突。開始早々に若狭が「一本」級の内股で「技有」を獲得し以後も優位に試合を進めるが、1分25秒に内村が抱きつきの小外掛で若狭を止め落とし「技有」奪回。これで潮目がはっきりと変わり、内村は集中力を欠いた若狭から内股「有効」、さらに2分7秒には若狭の焦りを冷静に利用し内股返「有効」も追加して見事決勝進出決定。

逆側の山からは「指導2」優勢が3試合、「指導4」の反則による勝ちが1試合としぶとく生き残った西願寺哲平(埼玉栄中・埼玉)が決勝進出を果たした。

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66kg級決勝、西願寺哲平が内村を支釣込足「一本」に仕留める

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【決勝】

西願寺哲平(埼玉栄中・埼玉)〇支釣込足(1:12)△内村秀資(鹿屋東中・鹿児島)

西願寺が左、内村が右組みのケンカ四つ。
上背に勝る内村が釣り手を上から叩き入れるが、西願寺いなして右内巻込に変換。内村強気に両襟、釣り手の位置を高く変えて押し込むが、主審は後襟を掴み続けたと判断し32秒内村に「指導1」。

西願寺組み際に左小外刈を入れると内村転がり崩れ、素早く寝技に移行した西願寺が横崩しを試みるが内村耐え切り「待て」。経過時間は1分2秒。

直後内村、組み際の左小外刈、これに感触を得たか再度の小外刈で追い込み猛ダッシュ。相手を場外際に詰めて足を継いだと思われたその瞬間、しかし西願寺の左足が閃き支釣込足炸裂。勢いのついた内村の体逆らえず大きく宙を舞い「一本」。西願寺、才能溢れる選手揃った66kg級をしぶとく勝ち抜き、見事全国大会初優勝を飾った。

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66kg級入賞者。左から内村、西願寺、籾山、若狭。

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66kg級優勝の西願寺哲平

【入賞者】

優 勝:西願寺哲平(埼玉栄中・埼玉)
準優勝:内村秀資(鹿屋東中・鹿児島)
第三位:若狭智也(北辰中・石川)、籾山航大(御野場中・秋田)
第五位:榎本大将(安佐中・広島)、村瀬賢心(味岡中・愛知)、三宅晴大(香長中・高知)、高橋寛多(小野中・兵庫)

西願寺哲平選手のコメント
「うれしいの一言です。素晴らしい先生方に恵まれて、おかげで優勝することができました。好きな稽古は乱取り、得意技は背負投です。将来はオリンピックに出て金メダルを獲りたい。そのために、二つ持って『一本』を狙うことを徹底して磨いていきたいです」

【準々決勝】

若狭智也(北辰中・石川)〇内股(1:01)△榎本大将(安佐中・広島)
内村秀資(鹿屋東中・鹿児島)〇横四方固(2:57)△村瀬賢心(味岡中・愛知)
籾山航大(御野場中・秋田)〇優勢[技有]△三宅晴大(香長中・高知)
西願寺哲平(埼玉栄中・埼玉)〇優勢[指導2]△高橋寛多(小野中・兵庫)

【準決勝】

内村秀資〇優勢[有効]△若狭智也
西願寺哲平〇優勢[指導2]△籾山航大

【決勝】

西願寺哲平〇支釣込足(1:12)△内村秀資

■ 73kg級・中橋大貴が優勝、90kg級の同僚大西とともに団体戦の悔しさ晴らす
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73kg級決勝、山村陸斗が中橋大貴に大外刈を引っ掛けて追い込む

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山村が支釣込足、中橋は左小外掛に捉え返す

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見事に決まったこの技は「一本」

【決勝】

中橋大貴(大成中・愛知)〇小外掛(2:44)△山村陸斗(津久居中・三重)

中橋、山村ともに左組みの相四つ。山村は支釣込足で先制攻撃、一度崩れた中橋は態勢を立て直して左内股から大内刈と繋いで攻める。

山村が引き手で中橋の釣り手の袖を殺し、次いで奥襟を叩くと組み負けた中橋は意外にも抵抗少なく膝を屈して畳上に崩れる。経過時間は44秒。

中橋は左大内刈からケンケンで左内股に繋ぎ、次いで右袖釣込腰と連続攻撃。山村受け止めながら引き手で脇下を握って徐々に組み勝ち、圧力の掛かる形が出来るとまず支釣込足を一撃呉れる。中橋大きく崩れて「待て」。経過時間は1分35秒。

組み手の形を整えられると厳しい力関係と理解したか、中橋は組み際の大内刈から支釣込足と組み合う前に技を繋ぎ、次いで左体落から巻き込んでいったん展開を切る。戦術的に非常に練れたこのシークエンスの中橋の行動を受けて1分49秒山村に「指導」。

しかし山村は自信溢れる立ち振る舞い。続く展開では一息で左大外刈に深く入り込み、ケンケンで刈り込んで決めに掛かる。しかし釣り手の低さゆえ上体の拘束が甘く、中橋は脚を高く揚げて力を逃がし、体を捨てた山村を見送る形で膝から落ちて「待て」。経過時間は2分15秒。

組み勝った方がやりとり許さず一方的に攻めるという「表か裏か」の力関係という印象のこの試合、次に形を得たのは中橋。先に引き手を掴むことに成功、釣り手で高い位置を確保すると、山村は苦しい態勢を打開せんと内股を離すが形をリセットすることが出来ない。

それでも圧を掛けあうところまで陣地を戻した山村、残り16秒で思い切った支釣込足。しかし中橋、上半身を反時計回りに捻って片足になった山村を振り戻す。上体は支釣込足返しの浮落の典型的な形だが、中橋はこの際、残った山村の右脚に小外掛を引っ掛けることをプラスする完璧な構成を見せる。脚を固められ、さらに上体を捻られた山村に耐える術はなく、激しく背中から落ちて「一本」。中橋、見事全国中学大会初制覇を成し遂げた。苦しい戦いの中、打開と得点のロジックの引出しにおいて中橋が一段上を行き、山村の地力の高さに競り勝ったと言う一番だった。

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73kg級入賞者。左から山村、中橋、大里、岡田

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73kg級優勝の中橋大貴

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準々決勝、中橋が絞めを効かせながら柳沼毅を抑え込みに掛かる

【入賞者】

優 勝:中橋大貴(大成中・愛知)
準優勝:山村陸斗(津久居中・三重)
第三位:大里雅(山田中・福岡)、岡田一真(丸山中・兵庫)
第五位:柳沼毅(国士舘中・東京)、岡颯人(野坂中・広島)、菅原幸大(角田中・宮城)、大江達也(上田第一中・長野)

中橋大貴選手のコメント
「(決勝の)相手とは東海ブロック大会の決勝で戦って勝っていますが、それはリセットして臨みました。強豪が多いブロックに入って最初からすごくきつかったけど、最後まで自分の柔道が出来たと思います。まだまだ技が単発なので、繋いで、掛け切る力をつけたいですし、技のバリエーションも多彩にしていきたい。好きな選手は野村忠宏さんです」

【準々決勝】

中橋大貴(大成中・愛知)〇優勢[指導1]△柳沼毅(国士舘中・東京
大里雅(山田中・福岡)〇内股透(2:50)△岡颯人(野坂中・広島)
岡田一真(丸山中・兵庫)〇優勢[指導3]△菅原幸大(角田中・宮城)
山村陸斗(津久居中・三重)〇合技(3:00)△大江達也(上田第一中・長野)

【準決勝】

中橋大貴〇横四方固(0:59)△大里雅
山村陸斗〇優勢[指導3]△岡田一真

【決勝】

中橋大貴〇小外掛(2:44)△山村陸斗

■ 81kg級・村尾三四郎が史上に残る大勝、全戦「秒殺」で頂点に立つ
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81kg級2回戦、賀持喜道が開星中・岡田優太郎から内股「一本」

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3回戦、村尾三四郎が津島中・井上太陽から小外刈「一本」

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準々決勝、三輪魁星が賀持喜道から小外掛「一本」

【1回戦~準決勝】

村尾三四郎(灘中・兵庫)、三輪魁星(大成中・愛知)、賀持喜道(安田学園中・東京)、山口良太(曽根中・福岡)ら優勝候補が序盤戦を順調に勝ち上がる。村尾は初戦で山口雅矢(長崎日大中・長崎)を内股透「技有」から送襟絞「一本」(1:05)、3回戦で井上太陽(津島中・愛媛)を小外刈「一本」(0:39)、準々決勝も橋本光正(福井工大福井中・福井)を小外刈「一本」(0:18)と出色の出来でベスト4入り。

三輪、山口も「一本」連発で前半戦を快走。負傷を抱えながら団体戦優勝を牽引した賀持も痛みに顔を顰めながらベスト8までを順調に勝ち上がる。

これら優勝候補の最初の激突はBブロック準々決勝における三輪-賀持戦。この試合中盤に賀持が内股で「一本」級の投げを決めたが主審は投げの動作の起こりに「待て」を宣告してしまうミス。さらに先に賀持が攻めて三輪のリアクションに双方が崩れるという攻防の繰り返しを見誤り、賀持の側にだけ消極的との咎による「指導1」を宣告するという2つ目のミスを犯す。残り10秒、後のなくなった賀持が遮二無二仕掛けた左内股を待ち構えた三輪が小外掛で抱き返し「一本」奪取で試合終了。三輪のクレバーさと思い切った一発が生きた試合だったが、主審の技量が大きく運命を分けた一番でもあった。

準決勝は村尾が三輪と対戦、開始20秒に大外刈「技有」、1分23秒にケンケンの大内刈「一本」を奪うという完勝で決勝進出決定。

一方の山口も3戦連続の一本勝ちを経て準決勝では松本司(鹿屋東中・鹿児島)を「指導1」対「指導2」の反則累積差で撃破。見事決勝へと駒を進めることとなった。

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決勝、村尾三四郎が山口良太を小外掛「一本」。全試合一本勝ちでの優勝決定。

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【決勝】

村尾三四郎(灘中・兵庫)〇小外掛(0:22)△山口良太(曽根中・福岡)

村尾が左、山口右のケンカ四つ。
村尾釣り手を下から入れてコントロール権を確保。大きく前技のフェイントを入れて左小外掛を仕掛けると、ドンと作用足を踏んだときには山口の両足が揃って中空に舞う。会場呆れかえる豪快な一撃決まって文句なしの「一本」。ここまでの試合時間、なんと僅か22秒であった。

村尾は全試合一本勝ち、5戦して4つの「一本」と2つの「技有」を獲得したその通算試合時間は3分47秒、平均試合時間は僅か46秒という、これが全国大会、それも競技人口多く人材が揃う中量級とは信じられないほどの圧勝。終わってみれば村尾の強さばかりが目立つトーナメントであった。

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81kg級入賞者。左から村尾、山口、三輪、松本。

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81kg級優勝の村尾三四郎

【入賞者】

優 勝:村尾三四郎(灘中・兵庫)
準優勝:山口良太(曽根中・福岡)
第三位:三輪魁星(大成中・愛知)、松本司(鹿屋東中・鹿児島)
第五位:橋本光正(福井工大福井中・福井)、賀持喜道(安田学園中・東京)、飯田空翔(高台中・静岡)、越橋健介(東海大四中・北海道)

村尾三四郎選手のコメント
「今日は中学生活の集大成の試合。そこで優勝出来て良かったです。全中に向けて、早く持つ、早く攻める、『一本』を取るという3つの点を特に意識して稽古してきました。
最後まで『一本』を狙い続ける意識を持って戦えた大会だったと思います。決勝も緊張せず思い切りやれました。自分では努力型の選手だと思っています。高校柔道は組み手も技もまた違うので、そのあたりを意識して、また努力を続けます。目標は東京五輪と、その次の五輪で金メダルを獲ることです」

【準々決勝】

村尾三四郎(灘中・兵庫)〇小外刈(0:18)△橋本光正(福井工大福井中・福井)
三輪魁星(大成中・愛知)〇小外刈(2:50)△賀持喜道(安田学園中・東京)
山口良太(曽根中・福岡)〇内股(1:16)△飯田空翔(高台中・静岡)
松本司(鹿屋東中・鹿児島)〇払腰(0:06)△越橋健介(東海大四中・北海道)

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準決勝、村尾が三輪を大内刈「一本」に仕留める

【準決勝】

村尾三四郎〇大内刈(1:23)△三輪魁星
山口良太〇優勢[指導2]△松本司

【決勝】

村尾三四郎〇小外掛(0:22)△山口良太

■ 90kg級・本命大西陸斗が優勝、手堅さと技の切れ味で他を寄せ付けず
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90kg級決勝、大西陸斗が八木郁実を支釣込足で崩して抑え込みを狙う

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八木は必死に逃れるが、大西の横四方固は「有効」

【決勝】

大西陸斗(大成中・愛知)〇優勢[有効]△八木郁実(熊野東中・広島)

団体戦で優勝候補筆頭に挙げられていた大成中のエース大西、ここまで全ての試合で投技によるポイントを獲得している八木、ともに左組みの相四つ。互いが組み手の一手目に慎重になり、切り合いに絞り合い、双方手ぶらとなる組み手のやり直しが続く。主審当然ながらこの展開に介入、34秒双方に「取り組まない」咎による「指導1」を宣告する。

大西肩越しに釣り手を入れて攻撃、八木は右袖釣込腰で対抗。

1分過ぎ、組み合って互いに圧が掛かる状態から大西が相手の釣り手を噛み殺すと、八木は横変形に位置をずらして体勢を立て直しに掛かる。大西判断早く支釣込足、グラリと崩れた八木に胸を合わせて押し込み、中空で抱え込むように横四方固。

着地したときには既にほぼ抑え込みが完成。決定的な形と思われたが、八木必死に身を捻って圧をずらし14秒で「解けた」の宣告を引き出す。この抑え込みは大西の「有効」となる。

大西組み手厳しく袖を絞り込み、釣り手を入れるなり左内股を2連発。捌く中で八木が首抜きの反則を犯し、2分13秒八木に2つ目の「指導」。

奮起した八木は支釣込足で大西を崩すこと2度。大西はリスク管理に気を遣い過ぎて守勢となり、残り8秒で「指導2」を貰うが大勢には影響なし。試合はここでタイムアップとなり、大西の「有効」優勢による勝利が決まった。

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90kg級3回戦、大西が内灘中・本出達基から内股「一本」

大西の勝ち上がりは初戦で近藤悠瑞(東海大相模中・神奈川)に「指導2」対「指導3」の優勢、3回戦で本出達基(灘中・石川)に内股「一本」(2:42)、準々決勝で佐藤大輔(東海大四中・北海道)に大外刈「一本」(0:29)、準決勝は3回戦で関東ブロック王者の多田昌人(城山中・東京)を「有効」2つの優勢で破っている竹内勇伸(水上中・熊本)を大外刈「一本」(1:30)というもの。組み手を一方的に制することが出来るか否かでパフォーマンスの高低が激し過ぎる点は気になるが、5戦して3つの「一本」という素晴らしい内容での優勝だった。

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90kg級入賞者。左から八木、大西、竹内、安藤。

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90kg級優勝の大西陸斗

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準決勝、大西が竹内勇伸を大外刈「一本」に仕留める

【入賞者】

優 勝:大西陸斗(大成中・愛知)
準優勝:八木郁実(熊野東中・広島)
第三位:安藤稀梧(大蔵中・福岡)、竹内勇伸(水上中・熊本)
第五位:斉藤蘭丸(本荘北中・秋田)、見友朝勝(富岡西中・群馬)、吉門辰哉(西崎中・沖縄)、佐藤大輔(東海大四中・北海道)

大西陸斗選手のコメント
「それだけの稽古をしてきたと思っていたので、優勝する自信はありました。うれしいですが、自分はまだまだです。特に寝技が甘かった。決勝で、あの場面を『一本』まで持って行けなかったことは反省しています。苦手な寝技と技の繋ぎを重点的に稽古したいです。本当は団体で勝ちたかったのですが、周りの人達に『個人だけは絶対に取れ』と声を掛けてもらって、頑張れました。尊敬する選手は吉田優也選手。小さいのに大きい選手を投げまくって、凄いと思います」

【準々決勝】

八木郁実(熊野東中・広島)〇優勢[有効]△斉藤蘭丸(本荘北中・秋田)
安藤稀梧(大蔵中・福岡)〇反則(1:04)△見友朝勝(富岡西中・群馬)
竹内勇伸(水上中・熊本)〇送襟絞(2:34)△吉門辰哉(西崎中・沖縄)
大西陸斗(大成中・愛知)〇大外刈(0:29)△佐藤大輔(東海大四中・北海道)

【準決勝】

八木郁実〇GS有効(GS1:03)△安藤稀梧
大西陸斗〇大外刈(1:30)△竹内勇伸

【決勝】

大西陸斗〇優勢[有効]△八木郁実

■ 90kg超級・巨漢揃う最重量級を悠々遊泳、大物・千野根有我が圧勝で日本一決める
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2回戦、千野根有我が岡本泰崇を内股「一本」、試合時間は僅か7秒。

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準決勝、中野寛太が塙元輝から「技有」を奪う

【準決勝まで】

千野根有我(生野中・大阪)、中野寛太(天理中・奈良)、大石由(桜丘中・愛知)の前評判が非常に高かった3名が順当に力を発揮して上位に勝ち上がる。

身長184cm、体重127kgの巨漢千野根は会場の注目の的。技を仕掛ける度に観客席がどよめく関係者注視の中、2回戦は岡本泰崇(上板中・徳島)を内股「一本」(0:07)、続く3回戦では長谷川明伸(山口中・千葉)を小外刈「一本」(1:30)、準々決勝は榎田大人(東海大相模中・神奈川)を払腰「一本」(0:34)、そして準決勝では大石をも僅か34秒の払腰「一本」に仕留めて悠々決勝進出決定。

一方の中野の出来も出色。1回戦は瀬戸裕貴(塩竃第一中・宮城)を浮落「有効」から抑え込んでの「一本」(2:09)、勝負どころの3回戦は酒井陸(国士舘中・東京)を「技有」優勢で破り、準々決勝は松岡大輝(小野中・兵庫)から「有効」奪取を経ての横四方固「一本」(0:53)、準決勝は強豪の層薄いエリアを徹底した組み手へのこだわりをテコに勝ち上がった塙元輝(昭栄中・佐賀)を合技「一本」(3:00)で下して決勝進出決定。

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決勝、中野は千野根の大内刈を狙い済まして返し「技有」

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倒れた千野根、中野を捕まえてめくり返し崩上四方固。

【決勝】

千野根有我(生野中・大阪)〇横四方固(0:40)△中野寛太(天理中・奈良)

千野根は右、中野は左組みのケンカ四つ。近畿ブロック大会決勝では鮮やかな右内股「一本」で千野根が勝利しているカード。

千野根背筋を伸ばして前へ。釣り手を操作して距離を詰めんとするが中野は釣り手を突き、あくまで間合いを取って対峙。
ジリジリと距離を詰めた千野根、まず探るように右大内刈。瞬間明らかに狙っていた中野はスピードアップ、これまでのスローな展開の一段も二段も上を行く鋭さで大内返に身を翻す。プログラムされた確信的な動きに置いて行かれた形の千野根ドウと崩れて「技有」、これまで揺らぐことすらなかった千野根のポイント失陥に場内どよめき。

もんどり打って倒れた両者。中野はそのまま抑え込もうと首を抱えてグイと押し込むが、掴んだ手を離さない千野根はその勢いを利用してめくり返し、逆に上から被って崩上四方固、さらに回ろうとした中野の先を抑えて胸を合わせ横四方固に抑え込む。立ち勝負ではしっかり間合いをとった中野だが密着されて地力の差が明らかに出てしまった体でこれは動けず、そのまま20秒が過ぎ去り「一本」。

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優勝を決めた千野根。全試合一本勝ち、平均試合時間は43秒であった。

千野根は全試合一本勝ち、5試合をこなした合計試合時間3分38秒、平均試合時間43秒という記録的な成績で優勝。中野、大石ら役者が揃った階級の中を、まるで稽古をつけるかのごとく悠々と泳ぎ切って全国大会初優勝を決めた。サイズが上がるに伴い丸みを帯びてアンコ型になりがちな日本人の中にあり、発達途上の中学生の時点で「ガタイが良い」中量級体型をサイズアップさせたようなバランスを持つ千野根は稀に見る素材。柔道衣の下に金床を挟んだような首肩回りは、素人目にも強さが納得できてしまう迫力がある。
今回はあまりの圧勝続きゆえブロック大会で見せたような運動性能の高さを示す場面がなかったが、今後が非常に楽しみな選手だ。進学先における、長期的展望に基づいた適切な育成を切に望む。

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90kg超級入賞者。左から千野根、中野、大石、塙。

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90kg超級優勝の千野根有我

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準決勝、千野根が大石から払腰「一本」

【入賞者】

優 勝:千野根有我(生野中・大阪)
準優勝:中野寛太(天理中・奈良)
第三位:大石由(桜丘中・愛知)、塙元輝(昭栄中・佐賀)
第五位:野田隆世(田主丸中・福岡)、榎田大人(東海大相模中・神奈川)、松岡大輝(小野中・兵庫)、八木昌耶(佐野中・群馬)

千野根有我選手のコメント
「自分は右組みなのですが、今日は左組みの相手が多くて距離が出来てしまった。本当は大外刈が得意なのですが左組み相手にはなかなか出せず、そのあたりに苦心しました。応援してくれる方々がとても多く、恩返しがしたかったので優勝出来て良かったです。目標はオリンピックで金メダルを獲ること。普段の自分ですか?うーん。『やるときは、やる』ですかね。メリハリをつけた感じで(笑)、頑張っています。柔道を楽しみながら、これからも頑張りたいですね。」

【準々決勝】

大石由(桜丘中・愛知)〇反則[指導4]△野田隆世(田主丸中・福岡)
千野根有我(生野中・大阪)〇払腰(0:41)△榎田大人(東海大相模中・神奈川)
中野寛太(天理中・奈良)〇横四方固(0:53)△松岡大輝(小野中・兵庫)
塙元輝(昭栄中・佐賀)〇縦四方固(0:50)△八木昌耶(佐野中・群馬)

【準決勝】

千野根有我〇払腰(0:34)△大石由
中野寛太〇合技(3:00)△塙元輝

【決勝】

千野根有我〇横四方固(0:40)△中野寛太

※ eJudoメルマガ版8月20日掲載記事より転載・編集しています。

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