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インターハイ柔道競技男子団体レポート①1回戦~2回戦

(2015年8月14日)

※ eJudoメルマガ版8月14日掲載記事より転載・編集しています。
①1回戦~2回戦
インターハイ柔道競技男子団体レポート
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天理高・並里樹主将による選手宣誓

平成27年インターハイ柔道競技(平成27年度全国高等学校総合体育大会柔道競技・第64回全国高等学校柔道大会)が、8日に奈良・天理市で開幕。

男子団体戦の優勝候補筆頭は今代全国高校選手権と金鷲旗大会を制して既に「二冠」を獲得している国士舘高(東京)。史上稀に見る巨大戦力を擁して三冠獲得の可能性濃厚と目されていたが、金鷲旗大会準決勝と決勝で演じた大将同士に縺れ込む大接戦により、追い上げる大成高(愛知)と日体荏原高(東京)の存在感が増大。同大会で「勝たねばならない」プレッシャーによる金縛りにあった感のある国士舘は、内にあっては圧倒的な戦力を持つがゆえの自縄自縛の克服、外にあっては勢いづく両校の駆逐という難しい課題2つを抱えて大会を迎えることになり、優勝の行方が縺れる可能性も十分出て来た。

そんなバックグラウンドを抱えた27年度インターハイ男子団体戦、まずはブロックごとに1、2回戦の戦いを簡単に振り返ってみたい。

■ Aブロック
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開星高の先鋒松村颯祐は力強い柔道を披露、埼玉栄高の焼谷風太を懐に入らせず

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苦戦の埼玉栄高は副将今入晃也が金塚啓吾を大外刈「一本」に仕留めて先制

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福井工大福井高の大将牧野祐也が高知高・藤田祐輔を大外刈で崩す

3回戦進出校:大成高(愛知)、水戸啓明高(茨城)、福井工大福井高(福井)、東海大仰星高(大阪)

【1回戦】

埼玉栄高(埼玉) 2-0 開星高(島根)
(先)焼谷風太×引分×松村颯祐
(次)高橋拓巳×引分×野口穂高
(中)蓜島剛×引分×河野壮登
(副)今入晃也〇大外刈(0:46)△金塚啓吾
(大)長濱快飛〇払巻込(3:10)△山口和馬

埼玉栄高(埼玉)が開星高(島根)に大苦戦。先鋒焼谷風太、次鋒高橋拓巳がそれぞれ引き分け、主砲の中堅蓜島剛も単調な攻防に陥り手立てないまま河野壮登と引き分け。副将今入晃也の大外刈「一本」(0:46)、大将長浜快飛の払巻込「一本」(3:10)でなんとか2-0で勝ち抜けたが今後に不安を残す立ち上がり。

東海大仰星高(大阪)は4-0で青森北高(青森)を一蹴、福井工大福井高(福井)は高知高(高知)と対戦、2-2で迎えた大将戦でエース牧野祐也が藤田祐輔を大外刈で崩してからの横四方固「一本」に仕留めて辛くも初戦を勝ち抜けることとなった。

[Aブロック1回戦]

京都学園高(京都) 5-0 鹿児島商高(鹿児島)
山形工高(山形) 3-0 豊栄高(新潟)
福井工大福井高(福井) 3-2 高知高(高知)
埼玉栄高(埼玉) 2-0 開星高(島根)
東海大仰星高(大阪) 4-0 青森北高(青森)

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大成高は極めて順調な滑り出し、副将戦は友田皓太が山形工高・後藤昌毅から背負投「一本」

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大成高の大将並木泰雅が山形工・峯田龍祈から支釣込足「一本」

【2回戦】

大成高(愛知) 5-0 山形工高(山形)
(先)前濱忠大〇合技(3:02)△庄司湧貴
(次)清水祐希〇合技(3:45)△佐藤力斗
(中)神鳥剛〇内股(2:21)△大沼将太
(副)友田皓太〇背負投(1:55)△後藤昌毅
(大)並木泰雅〇支釣込足(2:16)△峯田龍祈

高校選手権と金鷲旗でいずれも準優勝している大成高が登場。東北の強豪山形工高を相手に個々の対戦は競り合いの様相だったがそれでも2連勝を果たして迎えた中堅戦以降は一気にペースアップ。中堅神鳥剛が大沼将太の小外掛に尻もちをつく場面もあったが、結局は神鳥、副将友田皓太、大将並木泰雅のポイントゲッター3枚がそれぞれ投技「一本」で差を見せつけ、結果は5-0、それも全て「一本」という完璧なスコアで初戦を滑り出すこととなった。

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鎮西高の副将後藤龍真が福井工大福井高・中川清志郎から内股「技有」

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福井工大福井高も大将牧野祐也が払腰「技有」を奪い、勝負の行方は代表戦へと委ねられる

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代表戦、後藤の左内股に牧野中空を舞うが横車に身を捻って切り返しを試みる

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判定は牧野の「一本」

福井工大福井高(福井) 代②-2 鎮西高(熊本)
(先)利根琢也×引分×新田愛仁
(次)ダシドラム イシドルジ△払腰(3:53)〇北村博樹
(中)宮浦司〇合技(3:24)△濱付栄将
(副)中川清志郎△優勢[技有]〇後藤龍真
(大)牧野祐也〇優勢[技有]△佐藤優貴
(代)牧野祐也〇横車(2:11)△後藤龍真

次鋒戦、中堅戦と双方に1つずつ「一本」が生まれて試合は後半戦へ。鎮西は2年生副将の100kg級全九州大会王者後藤龍真が内股「技有」、福井工大福井は大将の牧野祐也がこちらも払腰「技有」とエース同士がキッチリ点を取り合って、勝負の行方は代表戦へ。もちろん双方後藤、牧野を畳に送り込むエース対決だ。

攻め合いの末に試合は劇的決着。後藤得意の左内股で牧野の体は一瞬大きく浮く。しかし自らジャンプする勢いで両足を畳から離した牧野は捻りを加えながら軸足一本で着地して横車の大技。牧野は背中から畳に落ちたが、「一本」を取るべく乗り込んで勢いのついた後藤の体も遅れて背から畳に落ちる。

両足までが完全に宙に浮いた牧野を死に体と判断して以後の回旋は乗り込んだ後藤自身の力によるものと取るか、それともこれは意識的に跳ぶことで横車を効かせた牧野が最後に後藤の体を制したものと考えるか。非常に微妙なジャッジだったが、審判団合議の末これは牧野の「一本」と判断されて熱戦決着。結果、福井工大福井が3回戦に勝ち抜けることとなった。後藤は本戦でも明らかに「指導4」以上の奪取が妥当な一方的猛攻を見せていたがこの場面では主審がほとんど動かず、鎮西は微妙な判定に2度泣かされた末の悔しい敗退となった。

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2つの「一本」ビハインドで登場した埼玉栄高・蓜島剛の得点は内股「有効」のみに留まる

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大将戦、後のなくなった埼玉栄の大将長濱快飛が放った払巻込を東海大仰星・海江田充輝が抱き返して隅落「有効」

東海大仰星高(大阪) 3-2 埼玉栄高(埼玉)
(先)池上大貴〇縦四方固(1:03)△焼谷風太
(次)岡虎〇小外刈(1:14)△高橋拓巳
(中)深山将剛△優勢[有効]〇蓜島剛
(副)山内凌太△合技(2:18)〇今入晃也
(大)海江田充輝〇優勢[有効]△長濱快飛

そして金鷲旗ベスト8入賞の埼玉栄高が東海大仰星高に完敗する波乱。東海大仰星はポイントゲッターの先鋒池上大貴、そして次鋒の岡虎があっという間の連続一本勝ち。初戦で滑り出しに失敗した埼玉栄に立ち直る隙を与えず早々に2点を先制する。

中堅戦の畳に登場した埼玉栄のエース蓜島剛は組み手に足技と巧みに試合を進める深山将剛を捕まえることが出来ず、中盤に獲得した内股「有効」のみにその反撃は留まる。

副将今入晃也の一本勝ちにより、最終戦に勝ちさえすれば逆転という状況を作った埼玉栄だが、長濱快飛は引き分け寸前の最終盤に無理をしたところに返し技を食ってしまい痛恨の「有効」失陥。状況の悪さに冒険を強いられて星を落とすという団体戦の悪循環のまさに典型的なケース、この試合は3-2で東海大仰星の勝利に終わった。

東海大仰星の前衛2枚の素晴らしい働きが勝利の直接の因であるが、埼玉栄のローパフォーマンスが相手を利したこともまた間違いない。今大会の埼玉栄にはこのチームの原動力である元気の良さが感じられなかった。蓜島は崩しを省略する場面が目立ち、先に足を差し入れて相手の体を固定、さらに踏み込むことによりパワーを伝えて投げようとするサイズで勝つことが前提の仕掛けが多く、結果そこで起こる力比べで投げ切れずペースを失った。蓜島に限らず埼玉栄の各選手に散見されるこの「手順を飛ばした投げ」。金鷲旗大会まではこのチームの特色である一発飛び込んだ時の強さも生んでいたが、歯車が狂った時、あるべき度胸とバイタリティを確保出来なかった今大会では一転作りと崩しの欠落ゆえにサイズのある相手を投げ切れないという厳しい状況を生んでしまった。元気のなさが安易な試合運びを生み、安易な試合運びが焦りとさらなるバイタリティの減殺を生んでしまうという悪循環。業師揃いの埼玉栄の良さがまったく発揮出来なかった2試合だった。

[Aブロック2回戦]

水戸啓明高(茨城) 2-1 京都学園高(京都)
大成高(愛知) 5-0 山形工高(山形)
福井工大福井高(福井) ②代-2 鎮西高(熊本)
東海大仰星高(大阪) 3-2 埼玉栄高(埼玉)

■ Bブロック
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1回戦、長崎日大高の先鋒山口貴也が東海大相模高・島田陸から内股「一本」

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中堅中尾旭が長崎日大・桂潤哉から支釣込足「一本」、東海大相模は逆転に成功する

3回戦進出校:木更津総合高(千葉) 、日体荏原高(東京)、天理高(奈良)、東海大相模高(神奈川)

【1回戦】

東海大相模高(神奈川) 3-1 長崎日大高(長崎)
(先)島田陸△内股(2:27)〇山口貴也
(次)杢康二郎〇小外掛(2:03)△蛎崎洸太
(中)中尾旭〇支釣込足(0:15)△桂潤哉
(副)河内優斗〇払腰(1:15)△永田賢斗
(大)辻湧人×引分×西園航太

金鷲旗大会で日体荏原高に記録的な大敗を喫した東海大相模高。優勝争いの常連から零れ落ちそうになりつつある中で迎える27年度インターハイは捲土重来を図る大事な大会だが、その滑り出しの先鋒戦を落としてしまう。島田陸が山口貴也の左内股をあまりにも受け過ぎ、2分27秒思い切って仕掛けられたその内股についに捕まってしまい一本負け。

金鷲旗大会初戦で宮崎日大高に4敗を喫した大激戦が一瞬想起される悪い流れだったが結局はここからの3枚が事態を収拾。杢康二郎、中尾旭、河内優斗の連続一本勝ちによりスコア3-1で初戦を勝利することとなった。東海大相模、どうやら態勢を整え直して2回戦進出決定。

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1回戦、木更津総合高・山下魁輝が田村高・谷優馬から浮落「技有」

今季素晴らしい存在感を発揮している木更津総合高(千葉)は田村高(福島)に大勝。個々の試合内容は圧倒的なものばかりではなかったが、接戦に大勝と貪欲に勝利を重ね続け、辿り着いたスコアは5-0。素晴らしい形でインターハイを滑り出すことに成功した。

[Bブロック1回戦]

木更津総合高(千葉) 5-0 田村高(福島)
沖縄尚学高(沖縄) 4-1 比叡山高(滋賀)
東海大三高(長野) 3-0 旭川龍谷高(北海道)
中京高(岐阜) 3-2 倉吉北高(鳥取)
東海大相模高(神奈川) 3-1 長崎日大高(長崎)

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2回戦、日体荏原高の先鋒が松井海斗が沖縄尚学・小早川元輝から大外刈「一本」

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沖縄尚学の中堅上岡繁蔵が藤原崇太郎から払巻込「有効」を先制

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藤原は慌てず、左大外刈「技有」で逆転

【2回戦】

日体荏原高(東京) 5-0 沖縄尚学高(沖縄)
(先)松井海斗〇大外刈(0:39)△小早川元輝
(次)長井晃志〇優勢[有効]△照屋祐
(中)藤原崇太郎〇優勢[技有]△上岡繁蔵
(副)長井達也〇腕挫十字固(1:15)△吉元一翔
(大)東部雄大〇優勢[技有]△那根将貴

日体荏原が沖縄尚学に大勝。先鋒松井は金鷲旗に引き続き気力充実、僅か39秒で左大外刈「一本」をマークしたこの試合が以後の盤面の流れを決めてしまった。次鋒長井晃志は体格差のある相手に苦しい試合が続いたが一瞬の隙をついて小外刈「有効」を奪ってしぶとく勝利。中堅藤原崇太郎はこれもサイズのある上岡繁蔵に払巻込「有効」を先制されるがまず大内刈で「有効」、さらに大外刈「技有」と連取して優勢勝ちを果たしこの時点でチームの勝利が決定。副将戦、大将戦でも1点ずつを積んで辿り着いた結果は5-0のパーフェクトゲームとなった。個々の試合は決して圧勝ばかりでないが、競り勝つことを続けて最終スコアは大勝というこちらは団体戦における強豪校勝利パターンの「お手本」とでも呼ぶべき好滑り出し。

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天理高の次鋒並里樹が東海大三高・平林直矢から払巻込「技有」

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東海大相模の副将・河内優斗が中京高・金子侑樹から大内刈「技有」

天理高(奈良) 5-0 東海大三高(長野)
(先)笠原大雅〇大内刈(0:36)△下総誠一朗
(次)並里樹〇優勢[技有]△平林直矢
(中)矢野真我〇大外刈(1:08)△三村史也
(副)田中慎太郎〇払腰(1:23)△河合慶憲
(大)山崎壱盛〇出足払(0:45)△小林耀平

地元・天理高(奈良)は東海大三高(長野)を5-0で一蹴。やや硬さは見えるものの無難に第1戦を滑り出し、余裕をもってベスト16入りを決めた。

立ち直った東海大相模も5-0で中京高(岐阜)を下して順当に3回戦進出を決めている。

[Bブロック2回戦]

木更津総合高(千葉) 4-0 高松商高(香川)
日体荏原高(東京) 5-0 沖縄尚学高(沖縄)
天理高(奈良) 5-0 東海大三高(長野)
東海大相模高(神奈川) 5-0 中京高(岐阜)

■ Cブロック
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作陽高の次鋒岩﨑恒紀が佐賀工高・古賀優雅を大内刈「一本」に仕留める

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佐賀工高は中堅南里方紀の大内刈「一本」で一矢を報いる

3回戦進出校:東海大甲府高(山梨) 、東海大四高(北海道)、国士舘高(東京)、作陽高(岡山)

【1回戦】

作陽高(岡山) 3-1 佐賀工高(佐賀)
(先)安田夢飛〇袈裟固(1:05)△光安一樹
(次)岩﨑恒紀〇大内刈(0:52)△古賀優雅
(中)星野太駆△大内刈(1:46)〇南里方紀
(副)田村淑真×引分×古賀大雅
(大)久野壱真〇優勢[技有]△橋口孝志朗

金鷲旗大会6回戦(ベスト16)で敗れるも王者・国士舘の歯車を明らかに狂わせ、今大会も同じくベスト16ステージで国士舘への挑戦が濃厚な作陽高の滑り出しの一番。佐賀工高のエース南里方紀に中堅星野太駆が敗れたが動揺少なく試合を進めて、最終スコア3-1でフィニッシュ。自分たちの力はわかっているとばかりに勝っても負けても高揚、動揺いずれも少なく、しかしテンション高く試合を進める選手たちの姿には、3回戦に勝負を定めている「肚の座り」がクッキリ。失点1を喫したスコア以上に、以後が期待できる張りつめた雰囲気の試合であった。

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秋田工高の先鋒高橋諒が王寺工高・畠山祐輔から小外刈「技有」

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秋田工高の中堅清水拓実が王寺工高・岸部聖吾から払巻込「技有」

秋田工高(秋田) 5-0 王寺工高(奈良)
(先)高橋諒〇合技(2:50)△畠山祐輔
(次)木村琢人〇優勢[技有]△西岡力哉
(中)清水拓実〇合技(0:53)△岸部聖吾
(副)今野快〇優勢[有効]△吉田修造
(大)小西健太〇合技(2:08)△木村憲斗

2回戦での王者・国士舘への挑戦権を争う一番は、地元・王寺工高(奈良)を秋田工高(秋田)が粉砕。先鋒高橋諒と中堅清水拓実のポイントゲッター2枚を中心に着々得点を積み重ねて5-0の圧勝で1回戦突破を決めた。清水はファーストアタックの払巻込「技有」から袈裟固で「一本」の声を聞くまで僅か53秒での勝利で、前評判通りの大物ぶりも発揮。地元2枠目出場の栄を得た王寺工高、今代チームは残念ながら力を発揮出来ず初戦敗退に終わった。

1回戦を締める第5試合では着々力をつけて来た東海大翔洋高が上位候補の小杉高を破る殊勲。小杉は先鋒高波勁佑と大将北山達也が軸だが、先鋒戦を落とした東海大翔洋高はこの2人に挟まれた次鋒戦からの3戦を2勝1分けで乗り切る粘戦。最終戦はエース石岡裕樹が北山を引き分けで止める殊勲で、見事初戦の突破を決めた。

ほか、東海大甲府高(山梨)が阿波高(徳島)を3-1、全九州大会王者の延岡学園高(宮崎)が高水高(山口)を2-1とそれぞれ順当に下して2回戦進出を決めている。

[Cブロック1回戦]

東海大甲府高(山梨) 3-1 阿波高(徳島)
延岡学園高(宮崎) 2-1 高水高(山口)
秋田工高(秋田) 5-0 王寺工高(奈良)
作陽高(岡山) 3-1 佐賀工高(佐賀)
東海大翔洋高(静岡) 2-1 小杉高(富山)

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国士舘高の先鋒磯村亮太が秋田工高・高橋諒から払巻込「有効」

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国士舘は大将山田伊織の釣込腰「一本」で試合を締める

【2回戦】

国士舘高 5-0 秋田工高
(先)磯村亮太〇袈裟固(2:27)△高橋諒
(次)河田闘志〇合技(0:37)△木村琢人
(中)飯田健太郎〇反則(3:04)△清水拓実
(副)竹村昂大〇横四方固(0:54)△今野快
(大)山田伊織〇釣込腰(0:49)△小西健太

圧倒的戦力と評されながら金鷲旗では煮え切らない試合を演じ、他校に「付け入る隙」を見せてしまった形の国士舘がどう今大会を滑り出すか。27年度大会の行方を直接的に占う、会場の注目集まる重要な一番。

そしてこの試合は国士舘の圧勝。全て一本勝ち(1つの「指導4」勝ちを含む)の5-0勝利とスコア的には全く問題なく初戦を勝ち上がることとなった。

ただし戦力差から言えばこのスコアは当然。金鷲旗で噴出した課題をクリアする「勇気ある攻め」が出来たかどうかという内容面のみが問題だが、秋田工のポイントゲッター2人に対しての試合ぶりには疑問が残った。金鷲旗でのもたつきの端緒を作った先鋒磯村はやはり攻撃の決意が遅く、中堅飯田もサイズのある清水に対して投げの危険を最小限に手堅く「指導」を取りに行くことを最後まで続けて、投げて勝負を決める意志と迫力に欠けた。スコア的には盤石も内容は100点満点とは行かず、チームに勢いをつけるというところまでは到達出来なかった感あり。大枠金鷲旗の延長線上にある試合と観察さるるべき試合だった。

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作陽高の大将久野壱虎が東海大翔洋高・石岡裕樹を攻め込み4つの「指導」を奪う

ほか、作陽は東海大翔洋を4-0で下して順当に3回戦進出。一本勝ちひとつ、反則による勝利がひとつ、「技有」優勢がひとつに僅差優勢がひとつと今回も勝ち上がりは圧倒的ではないが、粛々、泥臭く勝ち星を重ねて大差に辿り着くその様は迫力十分。

東海大甲府は関大北陽高(大阪)を3-2で下して順調にベスト16入り。北海高(北海道)は副将岡部光紀の「技有」優勢をテコに九州王者の延岡学園に1-1の内容差で勝利する殊勲を演じた。

[Cブロック2回戦]

東海大甲府高(山梨) 3-2 関大北陽高(大阪)
東海大四高(北海道) ①-1 延岡学園高(宮崎)
国士舘高(東京) 5-0 秋田工高(秋田)
作陽高(岡山) 4-0 東海大翔洋高(静岡)

■ Dブロック
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新田高の副将伊藤好信が箕島高・石井健人から背負投「一本」、この勝利で新田は2回戦進出決定

3回戦進出校:新田高(愛媛)、白鴎大足利高(栃木)、神戸国際大附高(兵庫)、大牟田高(福岡)

国士舘、大成、日体荏原と「三強」のブロックがそれぞれ綺麗に離れた今大会にあって、このDブロックは大混戦。高校選手権ベスト4の大牟田高(福岡)、同ベスト8の神戸国際大附高(兵庫)、白鴎大足利高(栃木)、新田高(愛媛)と全国大会入賞の有力4校によるマッチレースだ。対抗馬にも一昨年のインターハイ優勝校崇徳高(広島)、四日市中央工高(三重)と好チームが揃い、なかなかに面白い、どのチームにとっても非常に戦いがいのあるブロック。

【1回戦】

新田高(愛媛) 3-2 箕島高(和歌山)
(先)立川新〇小外刈(2:40)△藤永虎之介
(次)米澤航春△優勢[有効]〇北田雄海
(中)信岡弘太〇優勢[僅差]△森岡稜太
(副)伊藤好信〇背負投(1:16)△石井健人
(大)高橋隆吾△優勢[有効]〇高山優一

実力者を揃えた強豪・新田高(愛媛)に箕島高(和歌山)が激しく抵抗。試合が始まるなり先鋒藤永虎之助が高校選手権73kg級覇者の立川新から背負投「技有」を得る。新田は高校選手権、金鷲旗と前評判が高かったがいずれも意外なところで敗退を喫しており、自信が揺らぎかねない衝撃的な出だし。
しかし立川は攻め続けることで落ち着きを取り戻すと、2分12秒に大内刈で「有効」獲得。さらに2分40秒には柔道の柔らかい藤永を無理やりに固定、2分40秒抱きつきの小外掛「一本」で事態を収拾する。

箕島は先鋒戦で出来上がった場の荒れを利して次鋒北田雄海が「有効」優勢で勝利、追いすがられた新田は中堅信岡弘太が「指導」累積差による勝利を得て箕島を再び突き放す。そしてこの一進一退のムードにエースの副将・伊藤好信が背負投「一本」で終止符を打ち、新田の勝利が確定。

しかし新田は箕島の大将・高山優一の前に「有効」優勢でさらに1点を失い、最終スコアは3-2の僅少差。新田としては「結果オーライ」で済ませてしまうわけにはいかない、バタバタのスタートとなった。

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白鴎大足利高の副将太田彪雅が盛岡南高・坂本拓を大外巻込「一本」に仕留める

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神戸国際大附高の次鋒倉見潤が前橋育英高・菊田征紀から浮腰「一本」で快勝

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神戸国際大附高は大将石山潤平が澤浦賢治郎から大内刈で一本勝ち、スコア4-0で初戦の勝ち抜け決定

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大牟田高・浜野大生が仙台育英高・山中広夢を支釣込足で崩し2つ目の「技有」

白鴎大足利高(栃木) ②-2 盛岡南高(岩手)
(先)長島立弥×引分×旭岡貴祐
(次)薄井裕太〇支釣込足(2:26)△荒屋瑞樹
(中)佐俣楓△棄権勝(1:41)〇吉田光洋
(副)太田彪雅〇大外巻込(0:29)△坂本拓
(大)河村貴文△優勢[技有]〇高橋賢矢

白鴎大足利も2-2の内容勝ちという僅少差でのスタート。1点リードで迎えた中堅戦で副将格のポイントゲッター佐俣楓が、7月の関東ジュニア選手権で負傷した肩を再脱臼、無念の棄権負けとなってしまう。副将のエース太田彪雅の勝利を受けた大将戦でも河村貴文が高橋賢矢に「技有」優勢で敗れるなど最終スコアは2-2の内容差という、まさに薄氷の勝利。以後は佐俣なしでの戦いを余儀なくされることともなり、これも非常に厳しい滑り出しとなった。

神戸国際大附は前橋商高(群馬)を4-0と圧倒。大牟田も副将戦を落としたものの仙台育英高(宮城)を4-1と危なげなく下して2回戦進出を決めている。

[Dブロック1回戦]

新田高(愛媛) 3-2 箕島高(和歌山)
白鴎大足利高(栃木) ②-2 盛岡南高(岩手)
神戸国際大附高(兵庫) 4-0 前橋商高(群馬)
大牟田高(福岡) 3-1 仙台育英高(宮城)

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2回戦、四日市中央工高の先鋒山口陸人が神戸国際大附高・田上英也に攻め込まれながらも横落を決めて貴重な「技有」獲得

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神戸国際大附高は2点ビハインドの副将戦から反撃開始、新井滉燿が小外掛「一本」

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大将戦、四日市中央工の大将山口純は果敢に勝負、石山潤平を抱え上げて裏投を狙う

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しかし巧みに体を捌いた石山は山口に被り返して首を固定、横四方固へと繋ぐ

【2回戦】

神戸国際大附高(兵庫) ②-2 四日市中央工高(三重)
(先)田上英也△優勢[技有]〇山口陸人
(次)倉見潤×引分×堤大志
(中)福井優駿△小外刈(3:07)〇佐野世純
(副)新井滉燿〇小外掛(0:22)△柳川昂平
(大)石山潤平〇横四方固(2:53)△山口純

四日市中央工高(三重)が大健闘、昨年3位の神戸国際大附の心胆を寒からしめた。先鋒戦では田上英也に攻め込まれながらも山口陸人が横落「技有」で見事に勝利。次鋒戦を引き分けると、中堅戦では佐野世純が福井優駿を小外刈「一本」に仕留めてこの時点で2-0とリード。神戸国際大附が逆転するためには一本勝ちを二つ並べるしかないという崖っぷちの状況まで追い込む。
しかし神戸国際大は副将新井滉燿の小外掛「一本」で希望を繋ぎ、スコアは2-1、勝負の行方は大将戦へと委ねられる。

大将戦は神戸国際附の大駒石山潤平に対し、山口純が横落、大内刈、小外掛から体を捨てての浮技と取り味のある技を連発。会場を大いに沸かせた山口は次いで石山の圧力に応じ、思い切り腹を突き出しての裏投に打って出る。観衆思わず息をのむ大技だったが、石山はバランス良く体を切り返して山口を畳に落とし、釣り手による首の固定をそのまま効かせて横四方固。山口激しく抗するも「一本」でこの試合は石山が勝利、2-2の内容差で神戸国際附が3回戦進出を決めることとなった。

四日市中央工高は大健闘。このところ好チームを作りながら、春を過ぎてから一段も二段も伸びる中央の強豪の強化スケジュールに差を広げられることが続いていた感ありで、サイズのなさもあって夏はパワー負けすることが多かった。しかし地方校の前に立ちはだかる「夏まで伸びる」ハードルを越えつつあることを証明した、一つ大きな意義のある27年度大会となった。

白鴎大足利高(栃木) 3-2 崇徳高(広島)
(先)長島立弥〇優勢[有効]△山本康生
(次)薄井裕太△優勢[僅差]〇森近唯
(中)釜石康太〇優勢[有効]△長岡季空
(副)太田彪雅〇大外刈(0:36)△空辰乃輔
(大)河村貴文△優勢[僅差]〇中村優斗

白鴎大足利が接戦を制してベスト16入り決定。1-1で迎えた明らかに試合の分水嶺となる中堅戦では、負傷の佐俣に代わって入った釜石康太が「有効」優勢で殊勲の1点。リードを受けた副将太田彪雅の大外刈「一本」で一気に勝負を決めた。

ほか、新田は態勢を立て直して国東高(大分)を4-0と一蹴。大牟田は津幡高(石川)の副将上野翔平の前に坂本崇輔が負傷棄権するアクシデントがあったが、次鋒浜野大生、中堅西山瑠星、大将西田将樹の三本柱の活躍により3-1で勝利。無事ベスト16進出を決めている。

[Dブロック2回戦]

新田高(愛媛) 4-0 国東高(大分)
白鴎大足利高(栃木) 3-2 崇徳高(広島)
神戸国際大附高(兵庫) ②-2 四日市中央高(三重)
大牟田高(福岡) 3-1 津幡高(石川)

※ eJudoメルマガ版8月14日掲載記事より転載・編集しています。

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