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優勝候補筆頭は強力三枚擁する敬愛、大成と埼玉栄の強豪2チームが後を追う・インターハイ柔道競技女子団体戦展望

(2015年8月8日)

※ eJudoメルマガ版8月8日掲載記事より転載・編集しています。
優勝候補筆頭は強力三枚擁する敬愛、大成と埼玉栄の強豪2チームが後を追う
インターハイ柔道競技女子団体戦展望
■ 有力校
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敬愛は金鷲旗大会を席巻した新森涼、梅津志悠、児玉ひかるの強豪3枚で頂点を狙う

優勝候補筆頭は金鷲旗大会を制したばかりの敬愛高(福岡)。同大会で見事な「三段連続攻撃」を見せた新森涼、梅津志悠、児玉ひかるの3人は無差別三人制というこの大会のレギュレーションにもガッチリ噛みあう。70kg級の新森と78kg級の梅津の戦闘力の高さは折り紙つきで、児玉ひかるは同大会で今代最強の大駒である冨田若春(埼玉栄高)から合技「一本」で勝利、昨年インターハイ団体優勝を牽引した斉藤芽生(東大阪敬愛高)を内股「一本」で退けてもいる。つまりは、三人制点取りレギュレーションでもっともプライオリティの高い「エースでエースを潰す」という戦術行動における敬愛の優位性がハッキリ示されたわけであり、ここに来て敬愛を優勝候補一番手に推すことに異論のあるファンはほとんどいないだろう。

追い掛ける勢力はまず、大成高(愛知)と埼玉栄高(埼玉)の2チーム。

大成は中学カテゴリの団体戦を総ナメした「黄金世代」がいよいよ最後の夏に臨む。鍋倉那実、鈴木伊織、中江美裕の3年生3人に重量級の粂田晴乃を加えてまことに隙のないチームだ。昨夏のインターハイ、3月の全国高校選手権、そして7月の金鷲旗大会といずれも2位に終わっており、今大会が日本一奪取最後のチャンス。どの選手も名だたる強豪だが、チームはここ1年まさしく「エースをエースで潰す」到達点の高い1枚の保有の壁に泣かされてきた。最後の夏に大成が輝くことが出来るのか、その壁はどのように乗り越えられるのか。非常に楽しみだ。

埼玉栄は今季の高校選手権優勝チーム。既にシニアカテゴリでも強さを発揮する冨田若春という絶対のエースの保有をテコに2年ぶりの頂点を狙う。周辺戦力の充実が課題だが、もともと埼玉栄はチームワークで戦うチーム。本松好正監督の「マジック」がその力を一段も二段も引っ張り上げてくる、当日の力の最高到達点が読み難いチームだ。3人制無差別点取りのこのレギュレーションはオーダー順、具体的にはエースをどの位置に置くかが非常に大事。まずは年ごとのトレンドを読むことに長け、的確に手を打ってくる本松監督の手腕に注目したい。

続く勢力としては東大阪大敬愛高(大阪)と淑徳高(東京)、桐蔭学園高(神奈川)を挙げておきたい。昨年のエース格2枚が抜けた東大阪大敬愛だが、優勝メンバーから残った斉藤芽生に加えて、57kg級の軽量ながら戦闘力の高い林美七海の成長が大きい。ともに勝負どころを良く弁えたこの2人を擁してジャイアントキリングの可能性は十分。淑徳は浜未悠を軸に井上智賀と西願寺里保と3人全てが上位対戦でも計算の立つ選手であり安定感十分。桐蔭学園は嶺井美穂1枚を生かすべく使命を帯びて鍛えられてきた周辺戦力の力が増し、一段力が上のチームに仕上がって来た。

これに紀央館高(和歌山)、長崎明誠高(長崎)を加えたところまでが戦力的な観点からの上位候補と考えて良いかと思われる。

■ 組み合わせ
【Aブロック】

強豪がズラリと詰め込まれた、明らかな激戦ブロック。
敬愛は上側の山に配され、2回戦で早くもうるさい紀央館戦を迎えることとなる。戦力比較では敬愛の方が上だが、敬愛はなぜかインターハイでなかなか勝てず、地元福岡で行われた2013年インターハイでは優勝候補筆頭に挙げられながら序盤戦のまずい戦い方を引きずる形で敗退してしまったという来歴がある。1回戦で山内真子率いる國學院栃木高(栃木)、そして2回戦の紀央館という歯ごたえのあるこの2試合でどんなパフォーマンスを見せるか。上位対戦の出来に直結する敬愛の「入り方」に注目したい。

下側の山では3回戦で東大阪大敬愛と淑徳が激突。地力の高さはもちろん、意外性のあるジョーカーとしても機能する浜という大駒を持つ淑徳が優位のはずだが、東大阪大敬愛の戦闘力の高さは出色。選手3人に時折意外なミスのある淑徳に対し、東大阪大敬愛の選手はエラーをせずに足し算だけで攻勢を重ねる手堅い強さがある。どちらが勝ってもおかしくない一番だが、金鷲旗で見せた勢いを根拠として東大阪大敬愛を推しておきたい。

準々決勝は、事前評の段階では敬愛の突破を予想する。

【Bブロック】

埼玉栄のベスト4進出は堅い状況。たとえ決定的なミスが1度あっても冨田1枚で全てを収拾出来るステージであり、事前予測の段階で埼玉栄の脱落を予想べき根拠は見当たらない。冨田以外の2枚がこのステージで波に乗れるかどうかが以後の様相を分ける。

【Cブロック】

Aブロックへの強豪集中を受けて、このブロックも強豪の影は薄い。桐蔭学園が順当にベスト4へと勝ち上がると見る。

【Dブロック】

上側の山では大成に3回戦で富士学苑高(山梨)が挑み、下側の山では創志学園高(岡山)と長崎明誠がベスト8を掛けて対戦するという、見どころの明確なブロック。

選手の平均値は高いが超大駒には欠けるというチーム構成の大成が上位対戦で勝ち抜くには、3ポジション全てで、相手に隙があればすかさず攻撃の錐を揉み込む抜け目のない、そして高い攻撃性が必要。相手のオーダーを斟酌して同僚に勝負の浮沈をゆだねてしまうような「先送り」の試合をしていては、上位には入賞出来ても頂点には届かない。試合ごとにMVPが入れ替わるような、「全員が絶好調」という全戦線が張りつめた状況のまま最終戦まで駆け抜けるしか優勝のシナリオはないのではないかと愚考する。最初に得たジャンプの高さが優勝に値するところまで到達するか、実は今回の勝負のカギはこの序盤戦にある。

であれば、鍛え抜かれた寝技で勝負する富士学苑、わけてもエース舟久保遥香との試合を「流して」最終的な点差で凌ぐというような戦い方だけでは、そのジャンプは頂点まで届かないのではないだろうか。一体どんな試合を見せてくれるのか、注目したい。

創志学園は世界カデ代表の権利を蹴ってインターハイに掛ける三浦裕香里というエースカードの保有があるが、全員の戦闘力が高く試合ぶりが硬質な長崎明誠高は難敵。いずれどちらが勝っても大成にとってはなかなか歯ごたえのある相手で、3回戦同様以後の出来を測る大事な基準点になるであろう。

【準決勝-決勝】

準決勝は以下の2カードを予想する。

敬愛高 - 埼玉栄高
桐蔭学園高 - 大成高

敬愛と埼玉栄は、金鷲旗大会における直接対決の様相から延長線を引く限り、敬愛の勝ち上がりが濃厚。埼玉栄勝利との予測は、同大会の児玉-冨田戦の内容と結果からはなかなか導き出し難いものがある。児玉は体格に似つかわしい大技に加えて繊細な足技も巧み。昨年12月の若潮杯では工藤七海が児玉に送襟絞で一本勝ちして埼玉栄が勝利した実績もあるが、金鷲旗大会の出来を基準にする限り児玉攻略は至難の業と思われる。昨年スタミナ面で不安を見せている児玉だが、埼玉栄に崩す手立てと具体的な手段の保有はあるのか。事前予測としては敬愛勝利を推す。

桐蔭学園と大成の試合は、桐蔭学園のワントップ嶺井美穂を巡る得点の駆け引きが争点。絶対に守りたい桐蔭学園の周辺戦力と、嶺井以外のポジションを絶対に取りたい大成という位置漬けだ。為すべきことの明確さと切迫感が実力差に拍車を掛けると予想し、戦力比較で大成の勝利を推す。

決勝は敬愛と大成、金鷲旗大会決勝の再現カードと見る。

順当に試合が進行すれば敬愛が有利、大成は代表戦の児玉出動までを考えてどうしても2点取る覚悟で試合を進めなければならない。児玉の存在を根拠に、渡るべき道は敬愛に広く、大成に狭いカードであると規定したい。

大成、金鷲旗敗退の大きな要因はエースの鍋倉が、単に「チームの一選手」に留まるパフォーマンスを良しとして試合を進めたこと。是が非でもそこで点を取らねば実質試合が終わるという盤面から帰納される状況を、「良い試合」でまとめて畳から降りてしまったことにある。鍋倉のみならず、全員が一段上の活躍をして初めて日本一に手が届く組成のチームであると自身に織り込んで戦えるかどうか、ここに敬愛攻略の糸口があるのではないだろうか。

一方の敬愛、金鷲旗奪取を可能ならしめたのはその戦力の強大さにも関わらず、自軍を弱者と規定して戦った挑戦者としての心構えと、後戻りなしの覚悟あるオーダーの故であった。挑む立場ゆえにノビノビ力を発揮したあの戦いを、ビッグタイトル獲得後の今大会でも演じることが出来るかどうか、これが優勝への大きな分かれ目だ。

双方、そして強豪各校に明らかに乗り越えねばならない壁がある今大会。どのチームがいかにしてその壁を乗り越えるのか。女子団体開幕の10日を楽しみに待ちたい。

※ eJudoメルマガ版8月8日掲載記事より転載・編集しています。

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