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インターハイ柔道競技・男子個人戦各階級展望

(2015年8月7日)

※ eJudoメルマガ版8月7日掲載記事より転載・編集しています。
男子個人戦各階級展望
インターハイ柔道競技
■ 60kg級・菅原大斗、山本達彦らが主役の混戦トーナメント
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高校選手権でファイナリストの栄を得た菅原大斗(豊栄高)

全国高校選手権覇者の古賀玄暉(大成高)が世界カデ選手権出場のため不参加。古賀は5日に行われた同大会で見事優勝を飾っており、将来の国際級を目指して古賀を追うライバル達にとって今大会は負けられない戦いだ。

優勝候補に名を連ねるのは高校選手権2位入賞を果たし、同大会準決勝で杉本大虎(日体荏原高)を鮮やかな「一本」で下した菅原大斗(豊栄高)、これに杉本、昨年の全日本カデ王者山本達彦(東海大相模高)、小島隆仁郎(新田高)らが続く。インサイドワークや技の洗練度で上を行く強豪校の練れた柔道を力と技の切れ味で沈黙させてファイナリストの栄を得た菅原が、狙われる立場となった今回再び力を発揮できるかどうかに注目したい。

これら強豪の配置はAブロックに小島、Bブロックに山本、Cブロックに杉本と菅原。杉本と菅原が戦う3回戦は前半戦の大きな山場だ。空白地帯のDブロックはアジアカデ55kg級王者の羽田野航(四日市中央工高)は古谷映輝(つくば秀英高)の挑戦を受けて、菅原-杉本との対戦を狙う。

■ 66kg級・高校カテゴリに「復帰」の阿部一二三の勝ち振りに注目
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既にシニアの国際大会で活躍する阿部一二三(神港学園神港高)がインターハイ連覇を狙う

昨年のインターハイ王者であり、講道館杯とグランドスラム東京を制して一時は世界選手権代表候補に名前が挙がった阿部一二三(神港学園高)の勝ちぶりが最大のトピック。シニアの海外選手の動きすらあっさり制する抜群の体幹の強さに、これをベースに繰り出す豪快な投げ技は高校生のレベルを越えている。相手に柔道をさせながら試合を進めるタイプではなく、脇を差し、あるいは背を叩いて無理やり自分の形を作り、刈って、引っ掛けて、あるいは載せて固定して投げるという、相手のやり口を自分の方法論で塗りつぶして戦うタイプゆえ、アクシデントの可能性も少ない。というより、アクシデントがあっても、コンディションが悪くても残った「芯」の部分だけで高校生なら全員投げてしまうレベルの地力の高さがある。優勝はほぼ間違いなく阿部のものであり、このトーナメントの観戦上の主題は阿部がどのような勝ち方をするかにあると言って良いだろう。いまのところ阿部の敗戦は自身以上のパワーを見せたダバドルジ・ツムルクフレグ(モンゴル)と、寝技に阿部を引きずり込んだ高市賢悟のみであり、高校生に可能性が残るのは後者。この点に留意して試合を見守りたい。

決勝を争う逆側の山では、金鷲旗で出色の働きを見せた島田隆志朗(足立学園高)の活躍に注目しておきたい。

■ 73kg級・注目される古賀颯人と立川新の再戦は準決勝で実現濃厚
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高校選手権決勝で史上に残る熱戦を演じた立川新と古賀颯人

高校選手権決勝で合計試合時間13分に迫るという史上に残る大熱戦を演じた立川新(新田高)と古賀颯人(大成高)の再戦がトーナメント全体を通じた大きな山場。古賀はおそらく無風と思われるAブロックに配され、Bブロック配置の立川は準々決勝で飯島敦也(國學院栃木高)の挑戦を受けたのち、準決勝で古賀と対峙する。

その高校選手権決勝で負った負傷ゆえか以後の立川は目立った活躍がないが、古賀は東アジア大会や金鷲旗大会の決勝進出など修羅場を潜って力を上げて来た。積年のライバルであり、ケンカ四つで互いの技の威力を技で消し合う展開が定番となっている両者の対決に、どんな上積みがあるか。非常に楽しみな一番。

逆側の山は、Cブロックから佐藤晃輔(安田学園高)の決勝勝ち上がりが濃厚と見る。混戦のDブロックは池田直輝(埼玉栄高)、後藤大介(慶應義塾高)、東北王者の高橋諒(秋田工高)を中心とした混戦だ。

■ 81kg級・高校選手権の覇者藤原崇太郎が優勝候補筆頭
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今季3つ目の全国タイトルを狙う藤原崇太郎

3月の全国高校選手権と4月の全日本カデを立て続けに制した藤原崇太郎(日体荏原高)の力が抜けていると見る。全ての選手に狙われる立場で迎える今大会だが、抜群の身体能力をベースにパワー、試合構成力、技の切れ味に際の処理の確かさといずれも高い位置で揃えたこの選手の攻略は容易ではない。普通に試合が進めば今季3つ目の全国タイトルを獲得する可能性は非常に高いはずだ。

ただし藤原、最近は前後の大技を晒した上での支釣込足での勝利が増えており、かつてのように真っ向から粉砕する力がまだあるべき水準に到達しないまま、あまりにも高い能力ゆえに先に結果を残せてしまえているという観察も可能。何が何でも、どうあっても無理やり形を作って得意の技で投げつけるというわけではなく展開の中で上手に自分の技を生かしている印象で、技一撃のある選手ならという但し書き付きではあるが、縺れれば他選手にも勝利の可能性は十分。

タイプ的に抗し得る一番手は準決勝でマッチアップが濃厚な前濱忠大(大成高)。担ぎ技と足技で戦う型のこの選手は藤原のペースを狂わせることが出来る因子を持っている。

藤原と前濱の逆側であるC-DブロックはDブロックに人材集中。笠原大雅(天理高)と島田陸(東海大相模)が戦う準々決勝が大きな山場だ。やや強豪の影が薄いCブロックからは高橋拓巳(埼玉栄)がベスト4進出を狙う。

■ 90kg級・神鳥剛と長井晃志が優勝候補、ダークホースは篠崎忠史
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90kg級は神鳥剛(大成高)が軸

人材揃った階級。優勝候補筆頭は大成高のエース神鳥剛と考えられる。高校選手権では優勝した田嶋剛希(国士舘高)に敗れて3位だったが、実力的にはやはり出色。

以降は混戦で有力選手多士済済だが、東京都予選で田嶋を破った長井晃志(日体荏原高)の名前をまず挙げておくべきではないだろうか。地力では他の強豪に一歩譲るところがあるが、王道の投げに奇襲攻撃、鋭い足技に泥臭い押し込みとなんでもできる雑食系ファイターで、現場の状況への対応力が非常に高い。

ダークホースとして挙げておきたい選手は金鷲旗の大活躍で非常に評価を上げている篠崎忠史(習志野高)。2回戦で優勝候補に挙がる信岡弘太(新田高)との対戦という高いハードルが組まれているが、ここを乗り切れば神鳥が待ち受ける準決勝進出も現実的だ。

高校選手権2位の田中英二朗(東海大五高)は同大会の再現を狙うが、2回戦で田上英也(神戸国際大附高)、3回戦では北山達也(小杉高)と新井輝(國學院栃木高)の勝者とマッチアップするという最大の激戦区に配された。狙われる中で勝ちあがれるか、一つ上のレベルで力を証明せねばならない大会。

Aブロックは前述の通りベスト8までに北山、新井、田中、田上が潰し合う激戦区。勝者のベスト4進出は既定路線。

Bブロックは長濱快飛(埼玉栄高)と長井晃志(日体荏原高)が準々決勝で激突。おそらく撃ち合いの乱戦となるはずで、そうなれば一発のある長濱にも勝機は十分。長井が殴り合いに応じるのか、長濱の良さを出させないような試合を志向するのか、以後の勝ち上がりに向けても興味深い一番。いずれ「一本」で沈黙させずば双方どちらにも最後の1秒までチャンスがあるという面白い試合が期待できそうだ。

Cブロックは前述の通り篠崎と信岡による2回戦が最大の山場。かなりの高確率で勝者がベスト4へと進むと見ておきたい。

Dブロック、上側の山は木崎光輝(松本第一高)の勝ち上がりが有力。下側の山は神鳥が2回戦で瀬戸口雄輝(相洋高)、3回戦で立石勇太(延岡学園高)と寺島綾都(津幡高)の勝者と連戦するという歯ごたえのあるブロックから頂点を狙う。

■ 100kg級・飯田健太郎と石川竜多、石山潤平がトーナメントを引っ張る
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2年生ながら優勝候補の筆頭に挙がる飯田健太郎(国士舘高)

まず優勝候補に挙げておくべきは天才肌の2年生・飯田健太郎(国士舘高)。まだ線の細さはあるが、守備も変則への対応も全て内股という投げの幅の中で行い、そして投げ切ってしまう技の切れ味が最大の魅力。最近は体の力が上がり、内股と並行して大外刈にも威力が増してきた。

飯田のライバルと目されるのは高校選手権無差別2位の石川竜多(水戸工高)と石山潤平(神戸国際大附高)。粗削りながら素材の良さを存分に生かして骨太に守り、そして攻める石川の柔道は魅力十分。オーソドックスな攻めだけで全国上位クラスの選手を投げつけるだけの体の力と投げへの貪欲さがある。石山は「組んで、投げる」ことを鍛え続ける神戸国際大附高の指導力の結晶。高校選手権の不調で少々失速した感があったが、今回は本来の力を見せることが出来るか。

もう1人、中央ではまだ無名ながら全九州大会を制した2年生・後藤龍真(鎮西高)の潜在力の高さと柔道スタイルの良さは関係者の間で非常に評判が高い。素材的にはトップクラスと伍しておかしくないだけのものを持っており、現時点でどれだけの戦いを見せるかに注目しておきたい。

ほか、攻撃力と試合力を兼ね備えた伊藤好信(新田高)、大型選手向けの柔道を展開できる友田皓太(大成高)、2年生ながら団体戦で気風の良い柔道を披露し続けている今入晃也(埼玉栄高)、山崎壱盛(天理高)らが上位入賞候補。

【Aブロック】

上側は人材薄く、佐俣楓(白鴎大足利高)と牧野祐也(福井工大福井高)の勝者がベスト8まで勝ち上がると見る。
下側の山は石川と後藤という、スカウト垂涎の「素材」が早くも3回戦で潰し合い。好試合が期待出来る前半一番戦の注目カードだ。

【Bブロック】

飯田健太郎が伊藤好信と2回戦で激突。伊藤はしぶとく守りながら一撃で試合を決めるだけの威力のある技を放ってくる試合力の高い選手で、インサイドワーク勝負ではおそらく伊藤が上。飯田がこれを屠り去るだけの地力を練れているかどうかが勝負の分かれ目になると思われる。下側の山からは山下魁輝(木更津総合高)が3回戦に進み、準々決勝で飯田に挑む。

【Cブロック】

下側の山は本命不在の大混戦。
上側の山は石山が配され、2回戦で南里方紀(佐賀工高)、3回戦では今入か高波勁佑(小杉高)と対戦するというなかなか歯ごたえのあるブロック。もっとも縺れるのは石山に今入がマッチアップした場合だが、ベスト4への勝ち上がりは受けも強い石山を推しておきたい。

【Dブロック】

上側の山は中尾旭(東海大相模)が勝ち上がり候補。下側の山では2回戦で早くも山崎と友田戦が激突。これはそのままベスト4を決める試合と考えておいて良いかと思われる

■ 100kg超級・山田伊織と太田彪雅の決勝対決がトーナメント進行の軸
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高校選手権に続く優勝を狙う太田彪雅(白鴎大足利高)

国士舘高のエース山田伊織と、3年生世代最強選手として君臨してきた全国高校選手権無差別王者の太田彪雅(白鴎大足利高)、今季の全日本カデ90kg超級王者蓜島剛(埼玉栄高)が実力的な三強と思われる。これに並木泰雅(大成高)、新井滉燿(神戸国際大附高)、並里樹(天理高)、全国高校選手権無差別3位の上野翔平(津幡高)らが挑む。

組み合わせ配置は山田と太田の山が分かれ、この2人がトーナメントの軸。

AブロックとBブロックは強豪の影が薄く、山田と並木が準決勝を争い、勝者の決勝進出が濃厚と考えておいて良いかと思われる。

Cブロックは並里を中心とした混戦。上側の山では並里と辻湧斗(東海大相模高)が3回戦を戦い、準々決勝では上野と村田圭祐(東海大浦安高)の勝者と戦うことになる。

Dブロックは大激戦区。上側に配された蓜島に敵はほとんどおらず、下側の太田の山はBブロックの薄さのワリを食う恰好でその直下に新井、川井康平(静岡学園高)、東北の大物清水拓実(秋田工高)が配された。いずれもベスト8に進出してもおかしくない逸材だが、3回戦で太田に挑み得るのは1人のみという過酷な配置。これを乗り越えた太田と蓜島の準々決勝は大会中盤の大きな山場になるだろう。見逃せない一番。

決勝カードは山田と太田の対戦を予想する。中学時代からのライバルである2人だが、団体戦での出動がほとんどないままそれでも圧倒的な力を誇る山田に、常に複数枚抜くことを義務づけられて来た太田とここ1年の来歴は対照の妙。中学時代以来両者の対戦は、展開は山田、結果は太田という様相であったが今回はいかに。大会の華というべき魅力的なカード。

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