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「三冠」挑む巨大戦力の国士舘が優勝候補筆頭、金鷲旗の大接戦で手応え得た大成と日体荏原が最後の戦い挑む・インターハイ柔道競技男子団体戦展望

(2015年8月6日)

※ eJudoメルマガ版8月6日掲載記事より転載・編集しています。
「三冠」挑む巨大戦力の国士舘が優勝候補筆頭、金鷲旗の大接戦で手応え得た大成と日体荏原が最後の戦い挑む
インターハイ柔道競技男子団体戦展望
■ 有力校
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5年ぶりの高校三冠、そして天理高に並ぶ13回目のインターハイ優勝を狙う国士舘高

優勝候補筆頭は昨夏のインターハイ、3月の全国高校選手権、そして7月の金鷲旗を制してもっか全国大会3連勝中の国士舘高(東京)。本格派のエース山田伊織を軸に、竹村昂大、磯村亮太、河田闘志と重量級をズラリと並べ、100kg級の業師飯田健太郎に高校選手権90kg級を制した担ぎ技ファイターの田嶋剛希と合わせてその陣容に隙なし。他校のエース級を5枚まとめた「連合軍」でなんとか勝負になるのではないかという程の豪華メンバーだ。

しかしこの国士舘と金鷲旗大会で大将同士に縺れ込む大接戦を演じたのが大成高(愛知)、そして日体荏原高(東京)の2チームだ。今大会は国士舘に加えてこの2チームが戦力的には「3強」を形成していると考えて良いのではないだろうか。

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高校選手権、金鷲旗ともに決勝まで進んだ大成高

大成高はエース神鳥剛を軸に、同じく本格派の並木泰雅と我慢が利く友田皓太の重量2枚、短躯の担ぎ技ファイターの前濱忠大や軽中量級で柔道が綺麗なタイプながら重量選手との対戦を厭わない古賀颯人など役者のバラエティに富み、その凹凸が強さを生み出すタイプのチーム。金鷲旗大会の大将対決では「一本」を想起させる大外返で神鳥が山田を投げ掛けるなど初の日本一にあと一歩と迫ったばかりで、その悔しさと士気の高さは想像に難くない。このチームが国士舘追撃の一番手だ。

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金鷲旗でもベスト4入りを果たした日体荏原高は3年生世代の追い込みで現在上り調子にある。

日体荏原高は全国中学大会を制した兵庫・小野中のメンバーを中心に全国高校選手権、金鷲傍大会ともにベスト4に入賞し、その力の高さを証明した。松井海斗、東部雄大、長井達也の3年生トリオは高校入学後のスケールダウンが指摘され続けて来たが、7月の金鷲旗では松井海斗がチームの牽引役として大活躍、東部も飯田健太郎を2度投げて下すなどここに来て「ラストスパート」とでも言うべき追い込みで、一段力を上げたと評して良い状況。高校選手権81kg級王者で仕事の確かさではチーム1の藤原崇太郎、全国王者の田嶋剛希を倒して東京都90kg級代表の座を勝ち得た長井晃志の2年生コンビの強さは折り紙つきで、不安定だった3年生トリオの復活は朗報。ようやくその「名前」にふさわしいチーム力を獲得しつつあるという、最高のタイミングでこのインターハイを迎える。

とはいえ、やはり国士舘の陣容は強大。両チームが国士舘を嵌めるにはまずオーダー戦略に勝利する必要があり、その点で注目されるのは競技前日の7日に公開される登録オーダー順。国士舘の戦力の大きさと粒の揃いよう、そして選手のタイプにかなりの凹凸がある追撃2チームの陣容を考えると、大成と日体荏原がまず勝利の条件である接戦に持ち込むには自軍選手と国士舘の各選手の相性をしっかり対戦カードに嵌め込む必要がある。端的に言って双方のオーダー順である程度スコアが見えてしまうほど、国士舘の戦力は強大で、かつそれぞれの相性は明確。両軍監督の采配ぶりに注目したい。

以降は混戦。エース石山潤平と副将格の新井滉燿を擁して金鷲旗ベスト8入賞の神戸国際大附高(兵庫)、全日本カデ超級王者蓜島剛を中心に才能と度胸ある2年生選手が揃った埼玉栄高(埼玉)、地元で意地を見せたい天理高(奈良)、骨太のファイタータイプを並べた新田高(愛媛)などが戦力的に高いチームだ。

■ 組み合わせ
【Aブロック】

上側の山からは大成のベスト8進出が既定路線。戦力的に抗し得るチームは見当たらない。
下側の山は埼玉栄の勝ち上がりが濃厚。2回戦で東海大仰星高(大阪)、3回戦で福井工大福井高(福井)と厄介なチームと対戦するが、戦力の厚さからして、事前予測としては埼玉栄を推すのが妥当と思われる。

大成-埼玉栄の準々決勝は撃ち合いの末大差がついた昨年12月の水田杯の様相、そして金鷲旗で双方が対戦した国士舘との内容と結果を基準とした戦力比較から、大成の勝利を予想する。

【Bブロック】

上側の山に日体荏原、下側の山に天理と東海大相模高(神奈川)が入った激戦ブロック。

日体荏原には今季非常な存在感を見せている木更津総合高(千葉)が配されたが、乱戦を好むこのチームのスタイルは、日体荏原にとっては比較的噛み合う。日体荏原のベスト8進出を阻む要素は僅少。

天理と東海大相模の戦いは様相読み難い。東海大相模は昨夏来防御力の脆さを見せ続けているが、苦手とするのは吶喊攻撃の技一撃があるチーム。サイズと圧力で相手を塗りつぶすような今代の天理チームは少々タイプが異なるが、それでも並里樹と山崎壱盛らエース級のパワーと技は強烈。地元開催の意地もあり、ここは天理が勝ち上がると見る。

日体荏原と天理の準々決勝は高校選手権でも接戦となった様相の読み難い一番。ただしこの試合で天理は得点を挙げておらず、金鷲旗で日体荏原が見せた上昇機運と天理の意外な早期敗退という「ベクトルの差」を考慮に入れて、ここは日体荏原の勝ち上がりを推しておきたい。

【Cブロック】

下側の山に配された国士舘の勝ち上がりは既定路線。優勝争いという観点からは、後半戦に向けた勝ち上がりの内容が焦点となるブロックだ。
3回戦で国士舘に挑む可能性があるのは作陽高(岡山)と小杉高(富山)。上位キラーとして定着しつつある作陽は金鷲旗では国士舘にベスト16で敗れたが、国士舘の作陽に対する「嫌がりよう」はなかなかの見ものであった。あの試合をテコに、川野一道監督がどのような仕掛けを見せて来るか、対戦あるとすればこれは注目。小杉は北山達也を軸に作陽を凌ぎ、国士舘との対戦権を勝ち得たい。

上側の山は大混戦。全九州大会王者の延岡学園高(宮崎)が勝ち上がり候補の第一、好チーム東海大甲府高(山梨)がベスト8入りを掛けて延岡学園に挑むという様相。

【Dブロック】

激戦ブロック。上側の山に配された新田と白鴎大足利高(栃木)、下側の山に配された神戸国際大附と高校選手権ベスト4の大牟田高(福岡)の4校を軸にした大混戦だ。

戦闘力の高い駒の揃いぶりでは新田、個1枚の力が高いのは太田彪雅を擁する白鴎大足利、戦力に凹凸ありながらサイズと最高到達点の高さを備える駒を複数持つ神戸国際大附、浜野大生ら計算が立つ駒を3枚揃えた大牟田とそれぞれ特徴があるが、駒の保有数とバランス、そして負傷者の出ている新田の金鷲旗大会でのパフォーマンスがいまひとつであったことを考慮し、ベスト4勝ち抜けは神戸国際大附と見ておきたい。

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金鷲旗で大活躍した山田伊織は上位対戦ステージ「最強の駒」と位置付けられる

【準決勝-決勝】

日体荏原高 ― 大成高
国士舘高 ― 神戸国際大附高

の2カードを予想しておく。
日体荏原-大成は駒数、地力とも拮抗。3年生トリオが撃ち合いに対し強さと脆さを併せ持つ日体荏原に対し、同じく撃ち合いを得意としながら「仕事が出来る」という属性を全員が持つ大成の勝ち上がりを予測しておきたい。

後者は国士舘の勝利を推して間違いないかと思われる。神戸国際の石山、新井の登場順が対戦相性的に「嵌った」としても、まず戦い方にケレン味のないオーソドックスな重量級タイプである新井が国士舘の5枚から1点を挙げるのは非常に難しい。石山1枚では、「周辺をしっかり取る」という手堅い戦略で臨んでくるであろう国士舘を崩すには届かないと見る。

以上、決勝は国士舘と大成、高校選手権と金鷲旗の決勝と同じカードと予想しておきたい。

冒頭書いた通り、戦力的にはやはり国士舘有利。オーダー順はまだ公開されていないが、7月のエース対決では山田伊織が神鳥剛を「一本」で下しており、つまりはどこに配されても1点が狙える駒の保有が明らかになっている国士舘を推すのがこの時点では妥当なはずだ。

大成としては対戦相性をキッチリ嵌める必要がある。決して勝利の可能性は皆無ではないが、オーダーのカチ合い方を場合分けすると、より勝利に至るシナリオが多いのはやはり国士舘。抜き試合と点取り試合というレギュレーションの違いはあるが、ロースコアゲームの中で勝ちを得たい大成と、着々点を積み上げて1戦ごとに負けの可能性を減殺していきたい国士舘と、双方が志向する戦い方は一緒のはず。両軍この予想を覆す戦い方はあるのか、竹村と山田を後ろに置いて橋頭堡として飯田を前衛か中盤に置くという布陣が定番となりつつある国士舘に対し、大成が見事オーダー順を嵌めるのか、この試合は実際の対戦の前から楽しみなことばかり。一つ言えるのは、もはやその「やり口」が研究に晒されて水際まで迫られている国士舘、2連敗で弾き返され続けている大成、それぞれ相手の予想を超える「何か」が一つないと勝利は覚束ないということだ。意外なキーマンの活躍か、予想外のオーダー順なのか、個々の対決における予想しがたい技というようなディティールなのか、それとも国士舘が金鷲旗での自縄自縛を乗り越えたところで到達する「本来の力」の高さなのか。熱戦を楽しみに待ちたい。

※ eJudoメルマガ版8月6日掲載記事より転載・編集しています。

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