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金鷲旗高校柔道大会男子レポート③準決勝

(2015年8月4日)

※ eJudoメルマガ版8月4日掲載記事より転載・編集しています。
③準決勝
金鷲旗高校柔道大会男子レポート
■ 準決勝
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準決勝第1試合は国士舘高と日体荏原高による東京勢対決

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国士舘高の先鋒磯村亮太が日体荏原高・長井晃志から大内刈「技有」

国士舘高〇大将同士△日体荏原高
(先)磯村亮太〇合技[内股・横四方固](3:52)△長井晃志(先)
(先)磯村亮太△反則[指導4](2:51)〇松井海斗(次)
(次)河田闘志〇反則[指導4](3:01)△松井海斗(次)
(次)河田闘志△反則[指導4](3:18)〇長井達也(中)
(中)飯田健太郎〇大外刈(0:15)△長井達也(中)
(中)飯田健太郎△優勢[有効・内股透]〇東部雄大(副)
(副)竹村昂大〇内股(1:09)△東部雄大(副)
(副)竹村昂大△優勢[技有・支釣込足]〇藤原崇太郎(大)
(大)山田伊織〇腕緘(1:42)△藤原崇太郎(大)

6月のインターハイ柔道競技東京都予選では4-0で国士舘高が勝利しているカード。今回も国士舘の圧勝かと思われたが、日体荏原が必死の抵抗を見せて試合は意外な競り合い、それも双方の大将同士が出動する極めて緊迫した鍔迫り合いとなった。

先鋒戦は磯村亮太が一貫してサイズとパワー差が生きる両襟の組み手で長井晃志を追い詰める。開始早々の左内股で腹這いに落として先制攻撃に成功すると、以降は両襟からの足技に寝技を交えてじっくり状況を作り続け、54秒には長井に「取り組まない」咎での「指導1」。長井は組み手の管理を厳しくすることでなんとか凌ぎ続けるが磯村の圧と隙を見せずに積み重ねて来る手数の前に徐々に手が詰まっていく。

2分47秒、磯村が両襟から足を差し入れて長井の動きを止め、右内股から右大内刈に連絡して「有効」奪取。直後の3分17秒には長井に「取り組まない」判断での「指導2」が与えられここに至って様相は一方的。磯村は残り18秒にトドメとばかりに両襟の大内刈で「技有」も追加、そのまま横四方固に抑え込んで合技「一本」獲得。国士舘がまず先制点を得る。

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松井海斗が磯村亮太を攻める

国士舘に対してもっとも仕事が出来るのではと期待された長井で一本負けを喫し、次戦を落とせばインターハイ予選の大敗の再現となりかねない日体荏原はここで今大会大活躍の松井海斗が登場。松井はケンカ四つの磯村に対し左内股、左大内刈と良く攻め、序盤は攻勢権を確保し53秒に「指導1」奪取。磯村が展開に乗り遅れると見るや2分6秒に思い切り放った抱きつきの小外刈をきっかけに一段ペースを上げ、結果2分7秒に「指導2」、2分25秒には場外の「指導3」と磯村のみに次々反則ポイントが積み重なる。

あと一息で試合終了、ここで小外刈に体を捨てた松井に対し、ベンチの小久保純史監督から「捨て身(技)は要らない!」とあくまで立って相手を追い詰めろとの指示が飛ぶ。疲労が見え始めた松井それでもこれを忠実に実行し、3分1秒ついに4つ目の「指導」が宣告され磯村の敗退が決定。日体荏原は貴重な、そして同地区の強豪国士舘から本当に久々の得点を挙げ、スコアをタイに戻すことに成功。

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河田闘志が手堅く攻め続け、疲労した松井を追い詰める

しかし国士舘はここで畳に上がった次鋒河田闘志が松井の残存体力をしっかり見極めまたもや極めて手堅く試合を構成する。ケンカ四つの松井に前技の牽制を続けて腰の差し合いを強い、そこで相手に切らせ、潰れさせることでジワジワと流れを自身優位に引き込んでいく。開始13秒早くも松井に場外の「指導」、1分0秒双方に片手の「指導」、1分30秒には双方に「取り組まない」咎での「指導」。これで反則の累積は河田が「2」、松井が「3」。

松井ここから必死の抵抗を試みるが、河田は松井の左小内刈と左大内刈を自身の右大外刈の踏みこみ動作で腰を閉じて封じ、さらに右体落を仕掛けて崩すなど展開を譲らず。残り59秒、河田のハンドル動作による圧に松井が膝を屈したところでとうとう4つ目の「指導」が宣告されて試合は決着。河田が「指導4」の反則負けで松井を畳から追い落とし、スコアは再び国士舘の1点リードとなる。

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長井達也は担ぎ技も交えて手数と圧力で先手を取る

続く第4試合は畳に残った河田が右、日体荏原の中堅長井達也が右組みのケンカ四つ。開始早々河田は長井の高い釣り手を半ば極めながらの支釣込足を試みるが、長井は委細構わず逆に支釣込足で振り返し、第3試合とは少々様相異なる力関係の印象。長井両襟で圧を掛け、36秒河田に「指導1」、続いて長井が両襟で圧を掛けて左背負投を試みると主審は展開に差がついたと判断し1分27秒河田に2つ目の「指導」を宣告する。
この序盤の2つの反則が勝敗を分けた。奮起した河田は一本背負投の形に腕を抱えた独特の支釣込足を押し込むなど取りに出るが単発で技が止まってしまい、3分22秒双方に「指導」、そして残り42秒で再び双方に「指導」が宣告される。この時点で反則の累積は河田が「4」、長井が「2」となり試合終了。この試合は河田の反則負けとなり、日体荏原は再びスコアをタイに戻す。

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国士舘高の中堅飯田健太郎が長井達也から大外刈「一本」

ここまで4試合で2勝2敗、うち3試合が「指導4」の決着というダンゴレースの様相を一気に変えたのが続いて畳に上がった国士舘高の中堅飯田健太郎。畳に残った長井の巨体を捕まえるなり自信満々の右大外刈。一呼吸で仰け反らされた長井一瞬そのまま耐えるが、飯田躊躇せず一段深く刈り込んで豪快な「一本」。
開始15秒、目の覚めるような鮮やかな一撃で飯田が勝利。国士舘3たび1人差のリードを得る。

日体荏原はここまで2勝を挙げているが技によるポイントは皆無。相手がいずれも畳に残った2連戦目であるという体力差とパワーを生かしてなんとか食い下がって来たという苦しい様相の拮抗であり、飯田の登場と早い時間の一本勝ちを以てどうやらこの健闘も終わるかと思われた。

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飯田健太郎の内股を東部雄大が返しに掛かり、投げ合いの末東部の「技有」

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東部は内股透で「有効」を追加

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飯田が右大内刈、脚を高く揚げてあくまで返す東部との投げ合いは釣り手の決めを良く効かせた飯田の「技有」

しかしここに、足技と後の先が利き柔道の柔らかい東部雄大という曲者が潜んでいた。ケンカ四つの飯田が仕掛けた高速の右内股をあっという間に振り返して、ほとんどもろとも畳に転がる。主審1度は飯田の「技有」を宣告するが合議の末これは東部の内股返「技有」と訂正される。
飯田獲り損ねたとばかりにジックリ相手を見定め、再度の内股のタイミングを計る。しかしこれが自身の散発傾向を呼び起こし、いよいよ頃合い良しと仕掛けた右内股を再び東部に狙われることとなる。飯田の振り上げた作用足は空を切って中空に舞い上がり、東部の内股透が決まって「有効」、経過時間は1分12秒、残り時間は2分38秒。

後の先の技で2つのポイントを失った飯田、次は絶対に外さぬとばかりにさらに間合いの調整に慎重になり、リードを得た東部もこの飯田の姿勢に敢えて乗った形で試合はやや膠着、2分2秒双方に「指導1」。

奮起した飯田右大内刈から右内股に繋いで東部を転がし、その懐の深さを見て取るや今度は深く抱きかかえての密着を測るがこれは危機を感じた東部が背負投で脱出。
そして残り1分0秒、飯田がひときわ力強く右大内刈。東部待ってましたとばかりに崩れながら大内返を試みるがもろとも畳に落ちた技の判定は飯田の「技有」。

しかし、ここまで確信を持った技に対してあくまで返しを狙う東部の姿勢に飯田やや気圧されたか、以降の攻撃は決めの迫力を欠く。飯田足を先に差し入れての右内股を見せ、残り11秒で試みた抱きつきの密着の後には東部に3つ目の「指導」が宣告されるが、ここで試合終了。双方の「技有」の結果東部の内股透「有効」が残り、「有効」優勢で東部の勝ち残りが決定。

後の先の技でもここまで危険な匂いを放てば、そして徹底的に狙い続ければ本当に怖い。飯田の「狙い過ぎ」による散発傾向に助けられたきらいはあるが、それとて序盤に得た自身の「技有」によって飯田を追い込んだ結果である。相手の力が強ければ強いほどそれを吸収して強烈な一撃に変換するという東部の曲者ぶりが良い意味で発揮された、非常に興味深い一番であった。日体荏原、3たび追いつき再びスコアはタイ。勝負は副将同士がマッチアップする第7戦へと引き継がれる。

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竹村昂大が東部雄大から左内股「一本」

第7試合は今大会初めて畳に上がる国士舘・竹村昂大と迎え撃つ東部ともに左組みの相四つ。東部左の巻き込みに潰れるが竹村相手の回転を余裕を持って制して止め、揺るがず。
50秒東部に「指導1」が与えられると、竹村頃合い良しとばかりに決めに掛かる。1分5秒竹村の左内股閃いて東部は滞空時間短くあっという間に1回転、これは文句なしの「一本」。相手に高い位置で釣り手を与えたまま、近い間合いのまま回転する一間タイミングの早い一撃に後の先が得意なはずの東部ほとんど反応できず。

やはり国士舘の後衛は格が違う、との空気を漂わせ、竹村これが当然といった表情で開始線に戻る。国士舘、4たび日体荏原を引き離し、またもや1人差のリードを確保。

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日体荏原高の副将藤原崇太郎が国士舘高・竹村昂大から支釣込足「技有」

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日体荏原高の副将藤原崇太郎が国士舘高・竹村昂大から支釣込足「技有」(連続写真)

竹村が畳に残り、日体荏原は大将の藤原崇太郎が畳に登場。
ともに左組みの相四つ。横変形から竹村得意の腹を大きく突き出した支釣込足を放つが藤原も支釣込足で応じ、竹村崩れて「待て」。藤原期待の持てる出だしだが、以後は横変形で止めあってしまい54秒藤原に「指導1」。続くシークエンスも様相変わらず1分27秒には双方に「指導」が宣告される。

藤原は左背負投に活路を見出して試合を動かしに掛かり、竹村に反応させないまま鋭い支釣込足を放った2分30秒には竹村にのみ「指導」宣告。反則累積は双方「2」となる。

藤原直後組み際の左大内刈、さらに竹村の圧を掻い潜って片襟を差した左背負投を放つなど取り味のある技を連発。応ぜざるを得なくなった竹村は藤原の左大内刈を左内股に切り返すが、少々試合進行の方向を迷っている印象。

残り26秒、竹村釣り手で奥襟を叩くと迎え撃った藤原呼び込みながら一息に支釣込足。反転切り返しが良く効いたこの一撃に竹村クルリと回されて落ちこれは「技有」。もっとも手堅いと思われた竹村の意外なポイント失陥と藤原の技の見事さに会場どよめく。

この試合は以降ポイントの積み上げなく終了。日体荏原、ビハインドを4度追いついてついに大将同士の対決の場に本丸・山田伊織を引っ張り出すことに成功。

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国士舘高の大将山田伊織が藤原崇太郎から隅落「有効」

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山田は腕緘「一本」で藤原に完勝

山田、藤原ともに左組の相四つ。山田は小内刈から支釣込足と足技を繋いで試合を作り、藤原が見せた組み際の左大内刈りにも揺るがず。55秒には組み勝っておいて迫力満点の左大外刈、決めの丁寧さを欠いて獲り切ることは出来なかったが直後藤原に「指導1」。

一方的展開を打破しようと藤原組み際の大内刈に打って出るが山田いなして畳に落とし潰してまったく揺るがず。藤原組み手で耐えながらチャンスを探すしかないと一旦戦術的退却の情勢となるが、1分11秒には「取り組まない」との判断で藤原に2つ目の「指導」の宣告となる。

試合を決めるポイントを得た山田に対し、もはや勝負に出るしかない藤原は再び組み際の左大内刈。山田が崩れないと見ると前に巻き込んで展開を切ろうとするが、山田抱き止めて返し隅落「有効」獲得。さらに体勢の優位を生かしてあっという間に藤原の肘を確保、躊躇なく腕緘で捩じ上げると完全に体を制された藤原さすがに耐え切れず「参った」。

試合時間1分42秒、山田の一本勝ちを以てこの試合は終戦。国士舘が大将同士のスコアを以て勝利、決勝への勝ち上がりを決めた。

審判規定運用の緩やかな金鷲旗大会としては珍しく、きちんとIJFルールの間合いで早い段階の反則宣告が為されたこと、パート決勝と準々決勝に引き続き国士舘の面々に明らかな硬さが見られたことに助けられた感はあるが、日体荏原が良く食い下がった試合。才能はあるがムラがある、力はあるが出し切れない、技の威力はあるが試合構成力に難あり、と評され続けて来た今代の日体荏原のベストパフォーマンスと呼んで差し支えないのではないだろうか。松井の気力、長井の相手の組み手を塗りつぶしてしまうような膂力、東部の一筋縄ではいかない癖のある柔道に藤原の技の閃きと十分その良さが出た試合だった。これをテコにインターハイではもう一段の躍進あるか、大いに期待したいところ。

勝利した国士舘、多くの隙を見せた試合であったが、観客にはそのドタバタぶり以上に最終戦の山田伊織の強さの方が印象に残る試合ではなかっただろうか。高校選手権81kg級の覇者で技の威力と試合構成力のいずれもまことに高い藤原を「子ども扱い」した最終戦はまさしく圧巻であった。高校選手権、金鷲旗と続いた全国大会2つで初めて畳に上がった山田であったが、高校選手権での国士舘の選手たちの落ち着きや大胆な試合ぶりの根拠は「山田が後に居る」という安心感でなかったかと、改めて山田が大将に取り置かれていたその所以が腑に落ちる圧倒的な強さであった。

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大成高の先鋒古賀颯人が足立学園高・樋口裕大から内股「一本」を奪う

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古賀は続く次鋒雨森俊成からも内股「有効」を獲得、2人抜きを果たす

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足立学園高の中堅山本瑛介が畳に残った古賀を激しく攻める

大成高〇不戦一人△足立学園高
(先)古賀颯人〇内股(1:39)△樋口裕大(先)
(先)古賀颯人〇優勢[有効・内股]△雨森俊成(次)
(先)古賀颯人△優勢[指導2]〇山本瑛介(中)
(次)前濱忠大〇背負投(0:12)△山本瑛介(中)
(次)前濱忠大△小外刈(3:59)〇佐々木卓磨(副)
(中)友田皓太〇背負投 (2:03)△佐々木卓磨(副)
(中)友田皓太△大内刈〇島田隆志朗(大)
(副)並木泰雅〇反則[指導4]△島田隆志朗(大)
(大)神鳥剛

事前評とこれまでの勝ち上がりの経過からすると大成の圧勝でもおかしくないカードだが、足立学園の仕上がりの良さは予想以上。試合は中盤以降殴り合いの様相となった。

大成は先鋒古賀が昨年の全日本カデ55kg級王者の樋口裕大を足技で追い込み、鮮やかな両襟の右内股「一本」で一蹴。続く雨森俊成からも「指導」2つを奪った末の残り30秒に左大腰を切り返しての右内股「有効」を奪って勝利し、2人抜きを果たす。

しかし3戦目は右相四つで力強く前に出てくる山本瑛介をやや持て余し、明らかに疲労。ともに「指導1」を負った残り48秒で2つ目の「指導」を受けてしまい、この試合は「指導2」の優勢で山本が勝利。足立学園がスコアを1人差まで戻す。

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前濱忠大が山本瑛介をあっという間の背負投「一本」に仕留める

続いて畳に上がったのは大成の次鋒・前濱忠大。古賀が相手の体力を減殺していることは十分織り込み済み、左右の足技でリズムを整えると得意の左背負投一閃、僅か12秒の「一本」で勝負を決める。大成、再び2人差をリード。

このまま前濱が走る展開も十分想起される情勢だが、足立学園は退かない。ベスト4進出の原動力の1人である副将佐々木卓磨が、試合が始まるなり抱きつきの右小外刈を決め17秒「技有」奪取。

このファーストアタックで毒気を抜かれた前濱だが1分過ぎから落ち着きを取り戻し、片襟の左背負投を2連発するシークエンスを2度続ける。佐々木も支釣込足で前濱を転がし落とすなど楔を入れるが、2分8秒佐々木に「指導1」。

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足立学園高の副将佐々木卓磨が前濱忠大から小外刈「一本」

どうやら完全に立ち直った前濱は担ぎ技を連発して追いかける、しかし佐々木は圧力の強さをベースに左右の出足払、右小外刈に相手の背負投を潰しての送襟絞と展開を全く譲らず、むしろ時間が進むごとに流れは再び佐々木。

残り時間がほとんどなくなったところで、このまま負けてしまっては同じとばかりに前濱が勝負に出る。背負投を2連発して佐々木を追い掛け、さらに左大内刈に飛び込む。しかし前段の背負投2発にも体勢を崩さなかった佐々木、この大内刈の起こりに合わせて得意の小外刈、鮮やかに決まって「一本」。足立学園2勝目を挙げて再びスコアを1人差ビハインドに押し戻す。

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友田皓太が佐々木卓磨を背負投「一本」に斬って落とす

足立学園がここまで勝ち上がって来たのはこの中堅以降の得点力の高さによるものだが、「殴り合い」ならこちらも負けないとばかりに大成も攻撃力で応戦。畳に残った佐々木は釣り手を差しての左内股に、「ぶっ叩く」との表現がふさわしい力強い組み手で先んじて攻めるが、中堅友田皓太はケンカ四つのこの相手をあくまで投げ合いで沈黙させに掛かる。力にモノを言わせた佐々木の両襟組み手を小外刈で剥がし、次いで振り回すように「腰投げ」。敢えて言えば浮腰というこの振り回し動作に作用足を継ぎ入れて、1分8秒体落「有効」を獲得。

もはや一発に賭けるしかない佐々木は抱き付きの支釣込足から体を捨てての浮技、さらに組みつきながらの膝車と攻めるが、友田は崩れず。佐々木の攻めが止まったところで東京地区の名物指揮官・徳原勉監督からさらなる攻撃を鼓舞すべく「こんにゃろう!」と佐々木に叱咤が一声放たれる。

しかし佐々木もさすがに体力が尽きた印象。2分3秒、組み際に友田の右背負投が炸裂し文句なしの「一本」。大成がこの試合4勝目を挙げ、リードを再び2人差に戻して足立学園の大将島田隆志朗を畳に迎える。

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足立学園高の大将島田隆志朗が友田皓太を大内刈「一本」に下す

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足立学園高の大将島田隆志朗が友田皓太を大内刈「一本」に下す(連続写真)

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最終戦は大成高の副将並木泰雅が島田隆志朗を圧力で圧倒、4つの「指導」を得て快勝

両者右組みの相四つ。島田が左小外刈に良いタイミングの右背負投で流れを作ると、友田は左一本背負投に潰れて展開を切り、50秒友田に偽装攻撃の「指導1」。

直後島田が組み際の右大内刈。相手の抵抗を塗りつぶすような凄まじい前、捌こうと後退した友田が力の圏外に逃げることを許さずほとんど走って場外際まで追い掛けて無理やり間合いを詰めて投げ落とし「一本」、58秒。

足立学園はこれで強豪大成から堂々の3勝目、1人差ビハインドにスコアを再び押し戻す。

第8試合は大成の副将並木泰雅が畳に残った島田を手堅く潰しに掛かる。36秒組み手の管理厳しい島田に「指導」、1分29秒双方への「取り組まない」判断による「指導」と状況が熟すと、ここから有無を言わさぬ圧力攻撃。1分56秒「極端な防御姿勢」で島田に「指導3」、並木は両襟の圧で島田を潰すと、寝せさせぬとばかりに上下に煽って島田の体を幾度も畳に押し付けて自身の一方的優位をアピール。

三審が合議の末、島田に4つ目の「指導」宣告。2分31秒、島田の反則負けを以て並木の勝利が決定。同時に大成が不戦一人のスコアで決勝への勝ち上がりを決めることとなった。

大成、足立学園ともに持ち味を出し合った試合。特に足立学園は金鷲旗ベスト4の名に恥じぬ堂々たる戦いぶりだった。大成は5勝の一方で3敗、うち2つが一本負けと攻撃力の高さと裏腹の隙を見せたと言われても良いところだが、むしろここは足立学園の佐々木、島田の強さの方を評価するべきだろう。伝統の勝負力の高さはもちろんだが、中堅山本と合わせて、余人と異なるタイミングと質の技という武器の保有、具体的に相手を仕留める刃物を鍛え上げて来たその技の「質」こそが栄光の金鷲旗3位入賞の所以であった。そう周囲に納得させるだけの、一言で言って非常に面白い試合ぶりであった。

結果決まった決勝カードは高校選手権決勝の再現、

国士舘高 - 大成高


となった。

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