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大本命国士舘に死角なし、一刀浴びせんと大成筆頭に強豪各校が覚悟の戦い挑む・金鷲旗高校柔道大会男子展望

(2015年7月21日)

※ eJudoメルマガ版7月21日掲載記事より転載・編集しています。
大本命国士舘に死角なし、一刀浴びせんと大成筆頭に強豪各校が覚悟の戦い挑む
金鷲旗高校柔道大会男子展望
■ 有力校
3月の高校選手権を史上に残る圧勝で制した国士舘高(東京)の力が他を圧している。山田伊織、竹村昂大のタイプが違う3年生の重量級2枚に、攻撃力抜群の飯田健太郎とサイズと手数を両立させた河田闘志、関東大会個人戦無差別を制した磯村亮太の2年生の重量級3枚、さらに高校選手権90kg級王者で担ぎ技の威力抜群の田嶋剛希に仕事の出来るタイプの米山魁人と個性の違う強者を7人揃えて、全く隙のない陣容。しかも以上挙げた全員が90kg級以上でサイズも十分だ。

国士舘を崩すには1つ2つの穴を見つけるだけでは到底不足、根こそぎ屋台骨を引っこ抜くような構造的な崩落を狙う必要があるが、そのシナリオのあるべき姿は何かを妄想することすら難しい。サイズ、タイプ的な多様性に戦力自体の厚みを加えて、史上に残る最強チームとなり得るだけの絶対値の高さがある。この夏の金鷲旗とインターハイの2大会は今代の国士舘による「史上最強」の称号へのチャレンジと規定しても良いのではないだろうか。

優勝争いという観点で国士舘に挑戦し得るチームは、大成高(愛知)と日体荏原高(東京)の2チーム。特に大成はポイントゲッターの神鳥剛に友田皓太、軽中量級ながら技の切れる古賀颯人に、どこからでも担ぎが飛び出す仕事師前濱忠大と、先に挙げた絶対値の高さと選手の多様性という項をともに満たした好チーム。昨年は春から夏に掛けてチームの地力を一段も二段も上げて来たという育成上の経験値もあり、どこまで伸びているのか非常に楽しみだ。

日体荏原高は81kg級高校選手権王者藤原崇太郎と長井晃志の2年生コンビが充実、これに3年生の東部雄大、松井海斗、長井達也の大物3年生トリオの奮起があれば高校選手権に続く上位進出はまずまず確実。

ただし日体荏原はインターハイ東京都予選で国士舘に0-4の大敗を喫しており、目下もっとも国士舘に迫っていると思われる大成ですら高校選手権決勝では3人残しという厳しい結果を突き付けられている。大成が昨年のような短期間での急成長と、高校選手権での目論みであった「競ったまま終盤戦に持ち込む」という難しいミッションの2つを満たした場合のみ勝敗が縺れるはずだ。その要素の一である「春から夏までの伸び」を測るべく、前半戦の大成の戦いには特に注目しておきたい。

ほか、高校選手権で存在感を発揮した天理高(奈良)、2年生の戦力充実の埼玉栄高(埼玉)、図太い選手を複数枚揃えた新田高(愛媛)、石山潤平が充実の神戸国際大附高(兵庫)らが上位候補。昨夏のインターハイ、今春の高校選手権と振るわなかった東海大相模高(神奈川)は今大会で捲土重来を期す。地元九州勢では高校選手権でベスト4進出の殊勲を演じた大牟田高、強者田中英二朗を擁する東海大五(福岡)、全九州大会を制したばかりの延岡学園高(宮崎)に注目。

■ 組み合わせ
【Aパート】
シード校:国士舘高(東京)、作陽高(岡山)

国士舘は5回戦の神港学園高(兵庫)戦、作陽は3回戦の慶応高(神奈川)戦と5回戦の王寺工高(奈良)戦を経てパート決勝で激突。

このパート決勝は、実は前半戦もっとも面白い対決の一つとして注目しておきたい。周知の通り作陽は2013年インターハイで、全国中学大会を圧勝で制した世代の国士舘を倒して決勝進出した実績のある、単なる戦力比較だけではその力が測りがたいチーム。川野一道監督の指示に、客観的な状況の良しあしに関係なく、かつ躊躇なく勝負に出るチームの一体感もあの年のチームと相似だ。さすがに今代は戦力差があり過ぎると見るが、川野監督以下選手たちは、今大会、そしてインターハイと2大会連続で続く早期の国士舘とのマッチアップにも全く引く様子なし。「夢を見る資格があるだけのことをこいつらはやって来ている。誰にもその挑戦を笑わせません」という川野監督の熱い言葉は「何か」を期待させるものだ。国士舘の隙を探すという文脈でも、高校生らしいドラマを期待するという意味からも見逃せない一番。

【Bパート】
シード校:天理高(奈良)、埼玉栄高(埼玉)

シード校2つが順当に勝ちぬけると見る。ここ数年夏に向けて一段も二段も選手の力を伸ばしてくることが定番となりつつある強豪天理、蓜島剛らを中心に才能ある世代が2年生となりいよいよ高校生らしい体の強さを獲得しつつあるであろう埼玉栄と、前半戦での対決が勿体ないくらいのこれも非常な好カード。波乱少なく試合が進めば地力に勝る天理に分があり、荒れた取り合いに持ち込めば乗ると強いタイプの選手が多い埼玉栄に勝機が生まれると見る。

【Cパート】
シード校:日体荏原高(東京)、東海大相模高(神奈川)

これもシード校同士によるパート決勝が規定路線。
今年これまでの戦歴を踏まえると、両校ともに、特に東海大相模はここに勝ち上がるまでに自身が強者であるとの自信を改めて得ておくことが必須。東海大相模には5回戦で東海大五戦という大きな山場があり、ここを含めた勝ち上がりの過程は注目に値する。

日体荏原は攻撃力があるが3年生の試合構成力に波があり、一方高校選手権で見る限り東海大相模は歴代の持ち味である攻撃力に陰りが見え、かつここ数年見せている防御戦の弱さが残ってしまっている感ありでそれぞれに長所短所がある。戦線全域に渡って攻めることで展開を呑みこもうとしてくる日体荏原に対し、東海大相模が殴り合いに応じるのか、攻めどころを絞った戦術性に活路を求めるのか。今後の強豪東海大相模を考える上でも非常に興味深い一番。事前予測としては日体荏原を推しておきたい。

【Dパート】
シード校:白鴎大足利高(栃木)、福井工大福井高(福井)

福井工大福井の山には延岡学園が入り、パート決勝進出争いは激戦。しかしどちらが勝ち上がっても最終的には大駒・太田彪雅を擁する白鴎大足利高のベスト8入りを推す。白鴎大足利は昨年この大会の序盤戦での前衛のもたつきが夏の苦戦の呼び水となったしまった、悪い記憶がある。太田以外の戦力の伸びと奮起が、以後の戦いの運命を分けるのではないだろうか。5回戦の小杉高(富山)戦という山場で、様相がハッキリするはずだ。

【Eパート】
シード校:大成高(愛知)、修徳高(東京)

大成高のパート勝ち上がりを推す。パート決勝は5回戦の修徳-東海大仰星高(大阪)という好カードの勝者との戦いとなるが、大成のベスト8進出は揺るがないと見る。試合を荒らす要素をいくつか持った修徳は強敵。しかし修徳は東京予選でこの学校らしからぬ淡白な試合を披露してしまったばかりであり、まず地力が高い東海大仰星を凌いで大成戦まで勝ち抜けるかどうかが課題という状況。4回戦の東海大浦安高(千葉)戦、そしてパート決勝の修徳(あるいは東海大仰星)戦と、大成がペースを狂わさずに勝ち抜けると見ておきたい。

【Fパート】
シード校:神戸国際大附高(兵庫)、木更津総合高(千葉)

高校選手権で好試合を演じ、インターハイの代表権も獲得している木更津総合高(千葉)がシード校にピックアップ。パート決勝で神戸国際大附高(兵庫)に挑む。

木更津総合は「殴り合い」の乱戦に持ち込んでベスト8進出を狙いたいところ。神戸国際大附が前代チームのごとくこれに強気で応じて殴り返す展開となれば神戸国際に分があり、高校選手権で意外な大人しさ垣間見せた中盤の戦力がこれに応じてしまうと試合は縺れると見る。事前予測としては神戸国際大附を推す。

【Gパート】
シード校:大牟田高(福岡)、前橋育英高(群馬)

明確な「大牟田推し」で組まれたブロック。シード校に抜擢を受けた前橋育英高(群馬)も含め、大牟田を脅かすチームは見当たらない。5回戦の東海大翔洋高(静岡)戦はその力と仕上がりを測る好機になるかと思われる。

【Hパート】
シード校:新田高(愛媛)、比叡山高(滋賀)

新田には好チーム足立学園高(東京)との5回戦という大きな山場がある。足立学園は軽量ながら凌ぐ試合も、懐に呑んだ刃物で的確に相手を刺す勝負どころの博打も出来る良いチームだが、この組成は新田高の長所と被る。結果としては攻撃力の最高到達点が高い新田の勝利を推しておいて良いと見る。似た組成の好役者が早期に潰し合う、少々勿体ない一番。

【準々決勝】

以上を踏まえたベスト8の予想カードは下記。

国士舘高 - 天理高(埼玉栄高)
日体荏原高 - 白鴎大足利高
大成高 - 神戸国際大附高
大牟田高 - 新田高

どのカードも垂涎だが、わけても面白いのは下側の2カード。
大成と神戸国際大附の一戦は、チーム力で測れば大成が上。ただし攻撃力をアイデンティティとする大成が今年これまで対戦したチームの中とは攻撃の方法論も防御の考え方も異なる骨の太い柔道をする神戸国際附を相手にした際、意外な「殴り合い」を演じてしまう可能性も少なくない。好試合が期待できるのではないだろうか。

大牟田-新田は高校選手権準々決勝の再戦。その際はそれまでの過酷な組み合わせに疲弊した感のある新田を、こちらは体力を残しかつ波に乗ってやってきた大牟田が勝負どころを踏まえた一撃で打倒したという様相だった。新田の悔しさいかばかりか。大牟田には地元で負けられない、新田には高校選手権のお返しをするという強いモチベーションがある対決。激戦必至とみるべきだろう。

国士舘はベスト4進出への勝ち上がりが堅い。天理が来た場合にはローリスクの中で勝負どころで得点をしっかり挙げるという手堅い試合、埼玉栄に対してはその攻めに攻めの上塗りで応じながら差をつけていくというアクティブな試合が期待出来る。

日体荏原-白鴎大足利は、白鴎大足利の大将に座る太田彪雅を一体誰が止めるのか、という大きな課題がある。日体荏原でこの大役が期待出来るのはなんといっても勝負の理を弁えた藤原崇太郎が一番手だが、藤原の位置はこれも大将。延長戦も踏まえた大将同士の対決で太田に勝つのはいかな藤原といえども至難の業だ。次に期待できるのはスターティングで補欠に入っている長井晃志だが、日体荏原は副将にこれも大黒柱の東部雄大を入れておりこれを下げることは考えられず、後衛配置は非現実的。となれば前半戦で抜きまくり、1人でも多くの選手を太田に当てて副将東部までで止めるという作戦しかないだろう。つまり勝負は白鴎大足利の前衛の粘りという一点に掛かる。事前予測としては計算できる駒の枚数に勝る日体荏原を推しておきたい。

【準決勝-決勝】

国士舘高 - 日体荏原高
大成高 - 大牟田高

準々決勝の競り合いを受けて、準決勝は相性的にも戦力的にも有利不利がハッキリしたカード。国士舘と大成が決勝に進むと見ておいて良いだろう。

国士舘はスターティングオーダーに先鋒から米山魁人、河田闘志、飯田健太郎、竹村昂大、山田という順に入れ、補欠に手駒として磯村と田嶋を残している。一方の大成は開始時登録は横山正尭、清水祐希、友田皓太、並木泰雅、神鳥剛で、手駒は前濱忠大と古賀颯人。

オーダーを見る限り、挑む大成は、高校選手権で狙った「前で粘って、後半の一番が勝負を決める状況を作る」という作戦に再び挑んでいるかに思われる。国士舘が中盤に飯田という橋頭堡を築いていることを考えれば、この作戦を達成するには前でまず勝ちを重ねるしかない。国士舘、大成ともに手駒の2枚のうち誰をどの順番で投入するのか、これが非常に大きなウエイトを占めると思われる。田嶋と前濱が泥試合を厭わぬ担ぎ技ファイターであることと、投げ技は切れるが軽い古賀、線は細いが近距離戦を厭わないオールラウンダーの米山、負傷以降出来不出来はあるがサイズと本来の攻撃力は抜群の本格派磯村。この5人の相関相性がそのまま「前で粘る」様相の可否を左右すると考えておきたい。

巨大戦力の国士舘が高校選手権での圧勝を再現するか、春の悔しさをバネに大成が国士舘の歯車を狂わせ、初の全国制覇を達成するか。熱戦を楽しみに待ちたい。

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