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第30回皇后盃全日本女子柔道選手権全試合詳細④準々決勝~決勝

(2015年7月9日)

※ eJudoメルマガ版7月9日掲載記事より転載・編集しています。
■ 準々決勝
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山部佳苗はこの試合も投技の冴えを如何なく発揮、梅木真美を右足車「一本」

山部佳苗〇足車(1:04)△梅木真美

山部が右、梅木は左組みのケンカ四つ。山部開始早々に釣り手を上から持つなり右大内刈、さらに下、上と釣り手の優位の取り合いに応じながらジリジリと前に出て、梅木は場外に詰められ「待て」。
再開直後、足技を出しながら釣り手を確保した山部、まずは両襟を掴み、次いで引き手を襟から袖に持ち替えるなり素早く右足車。距離は遠いが引き手の牽引と膝の固定が良く効いた一撃に梅木は完全に剛体、山部が体を捨てるとグルリと一回転「一本」。山部が業師ぶりを如何なく発揮した一番。

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山本沙羅が安松春香を攻める

山本沙羅〇優勢[旗判定2-1]△安松春香

左相四つ。山本、安松をドンと突く勢いで組みに掛かり、たまらず組み手で制そうとした安松に対して18秒袖口を絞った咎で「指導1」。足の蹴り合い、安松の左大外刈に左小内刈と左内股、山本の左体落と返し技などの攻防を経て、展開は一旦組み手の駆け引きに終着。主審これを受けて3分13秒に双方に「指導」を宣告。安松終盤に差し掛かるところで左大内刈に左内巻込、回り込みの大外刈でひとつ展開に差を作り、残り56秒で山本に「指導」。これで反則累積はタイ。
終盤山本が前進、両襟の内股を2度見せる。残り18秒でその前進を捌き損ねた安松に場外の「指導3」が与えられ、試合終了。「指導」累積差(安松は「3」、山本が「2」)がそのまま旗に反映される形で、判定は2-1で山本の勝利となる。

双方順行運転からはみ出さずに終えた試合という印象。組み手と思い切りの良い一発でなんとかチャンスを作ろうとした安松に比して山本は明らかに具体的な得点の手立てに欠けたが、その膂力に助けられて勝利を得るに至ったという形。山本殊勲のベスト4入り決定。

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市橋寿々華が足技で朝比奈沙羅を崩す

市橋寿々華〇優勢[旗判定2-1]△朝比奈沙羅

右相四つ。ガップリ組み合っての蹴り合いから朝比奈は支釣込足に右払腰、市橋も左右の足技と支釣込足、さらに回り払腰と互いに攻め合うが、1分を過ぎると組み合ったままの膠着が増える。1分55秒双方に積極的戦意に欠けるとの判断で「指導」。
朝比奈右大外刈を放つが引き手で襟を突く市橋には届かず、2分30秒過ぎには市橋の支釣込足に朝比奈が崩れて伏せる大きなインシデント。3分49秒には双方に2つ目の「指導」。

以後も朝比奈は払腰に払巻込と放つが効かず、市橋は支釣込足に小内刈と足技で朝比奈を崩し続けてタイムアップ。旗判定は審判2人が市橋を支持し、市橋の準決勝進出が決まった。
後半は朝比奈が手数で優位という捉え方もあるかと思われたが、審判が試合通じての市橋の有効打を採った形。とはいえこの試合は大枠全く互角で、審判の「心証」というデリケートな部分が旗に影響した可能性も小さくはない。観客席から間断なく朝比奈に浴びせられる関係者による「怒声」が悪い方向に働くとすれば、まさしくこういう部分ではないかと思われる。

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田知本愛が左大内刈、ケンケンで激しく追い「技有」を得る

田知本愛〇優勢[技有・大内刈]△冨田若春

田知本左、冨田は右組みのケンカ四つ。田知本開始するなり一呼吸で両襟を持ち、相手にスライドを強いながら引き出しての左払腰。冨田伏せて「待て」。

序盤は冨田の思い切りの良い技を田知本が自身の技に変換する展開が続く。30秒冨田の右大外刈を田知本が支釣込足、43秒冨田が奥襟を叩くと田知本タイミングを合わせて左払腰、1分2秒に冨田が放ったタイミングの良い引き出しの右大内刈を田知本が引き戻して左払腰。2分には勢いに乗った冨田が両手を持つなり右払腰、右大外刈、右払腰と大技を連発、田知本は突き放して「待て」。直後田知本やや怒気を発して組みつくなり鋭い左大外刈、一気に深い位置まで踏み込んで刈り込みに掛かるが、予期していた冨田動き良く裏側に抜けて回避。冨田、大善戦。

田知本が両襟を叩いて左体落を放った直後の3分7秒、冨田に「極端な防御姿勢」の咎で「指導」。直後、田知本引き出しの小内刈をきっかけに冨田を伏せさせ「フライパン」でめくりに掛かるなど徐々に力を出し始める。中盤を過ぎたところで田知本が左大内刈。激しくケンケンで追い掛けてこれは「技有」、4分11秒。
冨田以後左一本背負投に大内刈、大外刈と良く攻め、残り56秒で田知本に「指導」が宣告されるがこれは取り消し。攻める冨田を田知本がいなし、散発ながら威力のある支釣込足を入れるという体で残り時間が過ぎ、試合終了。田知本が「技有」優勢を以てベスト4への勝ち上がりを決めた。

冨田は善戦。田知本は地力の高さと持ち前の技の威力を見せつけた一番だが、少々攻めさせ過ぎの感もあり。防御力と試合構成力に課題を残した試合だった。

■ 準決勝
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山部佳苗が山本沙羅を右足車「一本」に仕留める

山部佳苗〇足車(2:02)△山本沙羅

山部が右、山本左組みのケンカ四つ。山部間合いを測りつつ圧力をかけるが山本31秒に支釣込足で山部の圧力を逃がして場外に出、45秒には左内股で攻撃。直後放たれた山部の回り払腰にも足を引っ掛けられながらなんとか投げれずに耐え切る。1分5秒に「指導」を貰ったものの、遥か格上の山部に対し善戦。
山部は釣り手を下から入れて出足払で間合いを探り、1分40秒にはタイミングを測って鋭い右小外掛。しかし山本これも立って潰し、耐え切る。
ならばと山部奥襟を確保してジリジリと前へ。間合いを詰めて頭を下げさせるなり得意の右足車一閃。おそらくは山本の頭の上げ際に合わせた、ここまで体の力で耐えきって来た山本にまったく準備をさせない速い一撃はあたかも投げ込みのように鮮やかに決まり「一本」。名刀というべき切れ味、これぞ山部という素晴らしい技であった。

山部、準決勝も素晴らしい内容で勝ち上がって決勝進出決定。

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田知本愛が市橋寿々華の奥襟を叩く

田知本愛〇優勢[旗判定3-0]△市橋寿々華

東海大の同級生対決は市橋が右、田知本が左組みの相四つ。
40秒に田知本の右大外刈を市橋が小外刈に切り返す攻防、1分20秒には田知本が両襟の支釣込足を見せてやや手数で田知本優位も試合は拮抗膠着。主審試合を動かすべく1分28秒双方に「指導」を宣告する。
直後田知本大きく踏み込んで両襟の大外刈、さらに大外刈のフェイントからの左大内刈と立て続けに技を見せ、2分41秒に左払腰を空振りして潰れたところで市橋に2つ目の「指導」が宣告される。田知本が的確にひとつ山場を作った恰好。
以後払腰を連発して順調に試合を進める田知本だが、4分30秒を過ぎたところで明らかに疲労。腰が重くスタミナもある市橋が相手とあって試合の行方がわからなくなるが、出足払で攻め込んだ市橋も4分36秒の「待て」の際に疲労を露わにしてしまう。以後は残り1分過ぎから田知本が大外刈を2連発、残り10秒で市橋が小外刈の連続攻撃と展開に起伏をつけるが、そのままタイムアップ。旗は3本が田知本に揃った。的確に山場を作ったことと、足技中心でチャンスを狙い続けたまま試合を終えた市橋に対し、田知本が大技で「投げに行った」姿勢が評価されたと見る。

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田知本は両襟、釣り手を高く保って攻防を優位に運ぶ

田知本愛〇優勢[旗判定3-0]△山部佳苗

10度目の出場で悲願の初優勝を目指す田知本は左、連覇を狙う山部は右組みのケンカ四つ。
観客席の凄まじい応援合戦を背に、田知本が上から、山部は下から釣り手を持っての組み手争い。形としては引き手の取り合いだが、双方明らかに最前線を釣り手と規定しての上下、内外の位置の取り合い。
30秒過ぎから山部が引き手で袖、釣り手で下から奥襟を確保して前へ。本日絶好調の山部は体が一回り大きく見え、立ち振る舞いからも充実ぶりが明らか。一方ここまでフルタイム戦う試合が続いた田知本は早くも疲労が見える。48秒双方に「指導」。

前回山部に内股透で敗れている田知本は釣り手に徹底的にこだわる。下から高い位置で襟を持ち、上から持ってはこれも高い位置で襟を確保し、肘をこじ入れて相手の釣り手を殺す。こうして山部の得意の払腰と内股透が効かない状況を作り、かつ細かく足技を入れて手堅く試合を組み立てる。

1分8秒、田知本が両襟の支釣込足から左腰車、スッポ抜けたが取り味のある技。1分33秒田知本相手を引き寄せながらの左大内刈、これを機に組み手の状況を作りかけた山部が右払腰を見せるが田知本これを凌ぐと組み手をリセットして一旦離れ、あくまで慎重に試合を構成。支釣込足に引き寄せの大内刈で展開を繋ぐ。

2分過ぎから試合が膠着、駆け引きのみの時間が長く続き、主審は3分19秒双方に2つ目の「指導」を宣告。直後山部組み手で日本を確保するが、田知本の下から高い位置を握った釣り手が良く効き、うまく釣り手を働かせることが出来ない。田知本は支釣込足と大内刈で細かく攻め、山部の払腰と内股は遠い間合いからの散発に留まる。

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旗は3本が田知本を支持

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初優勝の田知本愛

4分20秒過ぎからまたもや山部がしっかり二本持つが、双方圧をしっかり掛け合っているゆえか、決定的な行動を起こせない。あるいは山部が内股透を狙って田知本を誘っているのかとも観察可能な長く静かな駆け引きを経て、田知本が両襟の引き出し大内刈で膠着をブレイク。以後も細かく足技で攻めるが、山部は後の先を狙うゆえか圧を掛けたまま動けず。決定打はないもののペースは田知本。
残り26秒で双方に3つ目の「指導」。そして双方後のないこの状況で先に技を出したのは田知本、踏み込み鋭い出足払に支釣込足と立て続けに放ち、山部は最後の主導権争いに明らかに一歩出遅れる。

そのままタイムアップ。注目の旗は3本が田知本に揃う。田知本は我慢の続いた試合で最後まで集中を切らさずに戦い抜き、悲願の初優勝達成。山部は好調であったが、終盤にチャンスを待ち過ぎた僅か数十秒の攻防が響き、連覇を逃すこととなった。

※ eJudoメルマガ版7月9日掲載記事より転載・編集しています。

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