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永瀬貴規が手堅く連覇達成・全日本選抜柔道体重別選手権81kg級レポート

(2015年6月1日)

※ eJudoメルマガ版6月1日掲載記事より転載・編集しています。
永瀬貴規が手堅く連覇達成
全日本選抜柔道体重別選手権81kg級レポート
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1回戦、永瀬貴規が安田知史から小外掛「一本」

第一人者の永瀬貴規(筑波大4年)が順当に決勝進出。1回戦は担ぎ技に爆発的な威力を秘める安田知史(福岡県警)、準決勝は持ち技と戦い方の幅が広い渡邉勇人(了徳寺学園職)といずれもアップセット要素を持つ難敵とマッチアップしたが、初戦は3つの「指導」を奪った末に小外掛(2:15)で一本勝ち。準決勝の渡邊戦はケンカ四つの引き手争いが続いて拮抗していたが、永瀬の「指導1」リードで迎えた3分半過ぎに渡邉が左大外刈に打って出た瞬間アクシデント発生。踏ん張った瞬間仕掛けた渡邉自身の膝が壊れてしまい、以降はほぼ片足での戦い。永瀬は容赦なく、かつ油断なく慎重に支釣込足で相手を蹴り崩し「指導」ひとつを追加してフィニッシュ。手堅く「指導2」の優勢で勝利して決勝進出を決めた。

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1回戦、長島啓太が中園史寛から払巻込「技有」

永瀬への挑戦権を争う逆側の山は激戦。ヨーロッパオープン・ローマで優勝し第2シードに抜擢された丸山剛毅(パーク24)は初戦で小原拳哉(東海大3年)を腰車「一本」(2:12)に沈め、アジア大会で代表を務めた長島啓太(日本中央競馬会)の初戦は中園史寛(東海大4年)を相手に「指導2」を取り合った1分18秒、払巻込で「技有」を奪って優勢勝ち。

丸山と長島による準決勝は双方左組みの相四つ。丸山は左一本背負投に支釣込足と次々技を繰り出すが長島揺るがず、引き手で脇下を握る強気の組み手で戦う長島が形勢優位。52秒に丸山に「取り組まない」咎の「指導」、3分5秒に長島に片襟の「指導」が与えられ、2分52秒には積極性に欠けたとの判断で丸山に2つ目の「指導」が宣告される。以後も長島が組み勝つ場面が多く、丸山は腰車に引込返、内股と繰り出すが届かず。「指導2」対「指導1」の優勢で長島が決勝に進むこととなった。

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決勝は片手の引き手争いが続く

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双方攻め合い、返し合うが決定打はなし

決勝は永瀬が右、長島が左組みのケンカ四つ。釣り手を永瀬が下、長島が上から得ての引き手争いが続く。永瀬が片手の右内股で変化をつけるが、47秒双方に「取り組まない」咎での「指導1」。

以後も双方釣り手を背中に入れての引き手争いが続く。永瀬引き手を持つなり右内股を放つが確保した空間が狭く回り切れず。続いて内股から右小内刈と繋ぐと長島が左内股に切り返し、永瀬は踏み止まって耐える。直後、永瀬の右内股に長島が抱き着いて隅落を試みるが投げ切れず「待て」。3度永瀬が先んじたこの展開を受けて主審はスコアに差をつけることを決意、1分52秒長島にのみ2つ目の「指導」を宣告する。以後は双方足技に内股と仕掛け合う。2分48秒には永瀬が引き手を得るなりケンケンの右大内刈、相手の後退にタイミングを合わせて転がす場面があったが「待て」の後と判断されてノーポイント。
残り2分を切ると長島の攻撃気運が加速、巧みな組み手の駆け引きから左内股、片手の小内刈、さらに右への一本背負投と散発ながら技を撃ち込んで永瀬を追撃するが片手の時間が長くなってしまい4分14秒「取り組まない」判断により長島に3つ目の「指導」。

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「指導」差でリードした永瀬は最後まで手堅く戦い切って勝利

以後永瀬はリスクなく試合を流して、危ない場面なく試合を終える。結果「指導1」対「指導3」で永瀬の勝利が決まった。

連覇の永瀬は「ホッとしています。今日は『指導』が全体的に早かったので先に攻めていこうと思っていた。それが出来た点は良かった」とコメント。試合展開の要所を抑えてリスク少なく勝ちを得たこの日の試合振りに物足りないとの評もあるようだが、自身が世界選手権代表争いで他を大きく引き離した第一候補であること、互いに手の内を知り尽くしたライバルとの戦いであること、どの相手も永瀬を相手にしては「失うもののない」立場であり例えば投げ合いの乱戦を演じることは相手を益するところ多く自身にリスクが大き過ぎること、等々考えると今大会は「手堅く勝利を得た」というところまでにその評を収めておくのが妥当かと思われる。永瀬は昨年懐の深さと後の先の巧さに拠ったノーリスクの戦術柔道という国内を勝ち抜いたモードを発動して世界選手権のチリキシビリ戦に臨み、敗れ、その反省から本来の大型柔道で団体戦での再戦に勝ち、グランドスラム東京では世界選手権王者を3人立て続けに投げて優勝を果たしている。手痛い経験から本番での勝利に何が必要かを学び、いわば既に「一周」している永瀬が敢えて選んだこの日の戦いは同じ「戦術性と地力」に拠ったものであっても昨年とは意味合いが異なるはずだ。国内の選手がひたすら永瀬の王権に一太刀浴びせることに集中する、一方的防衛戦という特殊な状況下での戦いを以て永瀬の柔道を、過小評価してはならない。世界選手権を展望するには少なくとも、次の国際大会でどのような柔道を見せるかを見極める必要があるだろう。

世界選手権代表には順当に永瀬が進出。他の候補者としてはヨーロッパオープン・ローマに優勝した丸山がおり、もしこの日圧倒的な内容で優勝を果たしていれば「2枠目」に絡む可能性があったが前述の通り準決勝敗退に終わり選考の俎上には上がらず。蛇足ながら、柔道の質と立場、相四つという攻撃が加速しやすい組み手までを考え合わせると、もし永瀬が「投げ合い」に応じて投げでハッキリ仕留めに掛かろうとする相手がいるとすればそれはこの丸山だったはずだ。しかし攻撃型×相四つの両雄の直接対戦は実現せず。様々な要因の絡んだ永瀬の「手堅い」優勝劇であった。

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二連覇の永瀬貴規

【入賞者】

優 勝:永瀬貴規(筑波大4年)
準優勝:長島啓太(日本中央競馬会)

永瀬貴規選手のコメント
「ホッとしています。今日は『指導』が全体的に早かったので、先に攻めて行こうという気持ちはありました。その点は良かった。自分も挑戦者なので、ひたすら目の前のことだけをやったという感じです。去年初めて世界選手権に出て、何も出来ずに世界の力を痛感しました。出られるなら、借りを返したい。世界で勝てるように頑張りますので、応援よろしくお願いします」

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1回戦、丸山剛毅が小原拳哉から腰車「一本」

【一回戦】

永瀬貴規(筑波大4年)○小外掛(2:15)△安田知史(福岡県警)
渡邊勇人(了徳寺学園職)○優勢[指導2]△海老泰博(旭化成)
丸山剛毅(パーク24)○腰車(2:12)△小原拳哉(東海大3年)
長島啓太(日本中央競馬会)○優勢[技有・払巻込]△中園史寛(東海大4年)

【準決勝】

永瀬貴規○優勢[指導2]△渡邊勇人
長島啓太○優勢[指導2]△丸山剛毅

【決勝】

永瀬貴規○優勢[指導2]△長島啓太

※ eJudoメルマガ版6月1日掲載記事より転載・編集しています。

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