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田知本遥が新井千鶴を破って3年ぶり2度目の優勝、ヌンイラ華蓮の出世の原点たる「国内大会の連勝」途切れる・全日本選抜柔道体重別選手権70kg級レポート

(2015年5月18日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版5月18日掲載記事より転載・編集しています。
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田知本遥が新井千鶴を破って3年ぶり2度目の優勝、ヌンイラ華蓮の出世の原点たる「国内大会の連勝」途切れる
全日本選抜柔道体重別選手権70kg級レポート
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1回戦、池絵梨菜が開始早々にヌンイラ華蓮を体落で投げつけ「有効」

敗れたヌンイラは「これが実力。相手に下から突き上げられて、寄せるという自分の形が徹底できなかった」と気丈に試合を分析してみせたが、インタビューが終わると号泣しさすがにショックを隠せない様子。

昨年選抜体重別を制し、ヨーロッパオープンローマ優勝一発の成績をテコに他候補者たちをゴボウ抜きして世界選手権代表に選出、そして見事銀メダル獲得という一大成果を残したヌンイラ。その選出の根拠として挙げられたコンチネンタルオープンという一段格の落ちる大会の優勝は、実は付加的な要素であったと推察される。13年選抜体重別優勝、13年講道館杯優勝、そして14年選抜体重別優勝という国内での圧倒的な成績(と他候補者の不振)に対して正当なチャンスを与えたという見立てこそ、あの抜擢の「本筋」ではなかったのではないか。
そしてヌンイラは世界選手権での銀メダル獲得という「確変」以降、以後の国際大会では勝ち切れていない。世界選手権銀メダリストとしての地位を国内の序列の中に反映するには、そもそもの評価の根拠であった「国内での圧倒的な成績」を保つほかはなかったはずである。

よってこの一敗はまことに痛い。勿論世界選手権の代表からも落選し、リオ五輪までの時間と国内大会のスパンを考えると、もはや派遣される国際大会全てで圧倒的な成績を残し続けるしか道は残っていないとすらいえる。ヌンイラが今季の国際大会で如何なる戦いを見せてくれるのか、あのチェリャビンスクの輝きを再び発揮することが出来るのか。注目して見守りたい。

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準決勝、新井千鶴が安松春香を攻める

決勝には第1シードの新井千鶴(三井住友海上)と田知本遥(ALSOK)の2人が進出。ヌンイラ敗退という事件を織り込んで考えればほぼ順当な顔合わせ。

新井は1回戦で宇野友紀子(環太平洋大3年)と対戦。一貫して少々相手の技を受け過ぎる印象で、GS延長戦の末「指導2」対「指導3」の反則累積差でなんとか勝ち抜け。準決勝は難敵安松春香(ALSOK)と対戦、2分0秒に「指導1」を受けてしまい、追撃戦を強いられる展開。直後左内股から大内刈に連絡して「有効」を得るが、あるいは「技有」ではとすら思われたこの技の効果は取り消しとなり、最終盤までビハインドを持ち越してしまう大ピンチ。しかし残り20秒で出色の連続攻撃を見せ大外刈で「有効」奪取、そのまま袈裟固で一本勝ちを果たし、2試合連続の接戦を制して決勝進出決定。

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準決勝、池絵梨菜の左内巻込に田知本遥が鋭く反応、襟を握った手を首に食い込ませて絞技に移行

一方の田知本は福嶋千夏(環太平洋大2年)から一方的に4つの「指導」を奪って勝利するという気合十分の滑り出し。準決勝は前戦でヌンイラに勝利している池絵梨菜(国士舘大1年)の技が崩れたところに素早く反応、「腰絞め」を入れて絞め落として僅か26秒の一本勝ち。文句なしの試合内容で決勝へと駒を進めてきた。

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決勝、田知本が大外刈で攻める

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「指導」ビハインドの新井、千載一遇の抑え込みのチャンスを得るも田知本がなんとか逃れる

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最終盤、新井が巻き込みを狙うが田知本は落ち着いて対処してフィニッシュ

決勝は新井、田知本ともに左組みの相四つ。序盤は釣り手の落とし合いを経て、双方組み合って足技による牽制が続く。手も足も良く動く新井はここから左大内刈、対抗した田知本は左大外刈で攻め合い、1分1秒には新井が左大外刈から無理やりに巻き込む場面があったがこれは効なく「待て」。

田知本が引き手で先に襟を得たところからスタートした組み手の詰め将棋のさなか、田知本は組み合い、ずらし合う動きに合わせて鋭く巴投を繰り出す。これまでの展開から一段抜け出す面白いアイデア、良いタイミングで放ったこの技の直後、主審は新井に対しやや性急な「指導1」を宣告する。

直後のシークエンスは互いに支釣込足で近い足を蹴り合うジャブの撃ち合い。新井は得意の大技一撃を狙いたいところだが、田知本の釣り手が良く動きなかなか狙いを定めることが出来ない。2分20秒過ぎに支釣込足から左内股、そして左大外刈と良い連続攻撃を見せるが後が続かず、2分37秒双方に「指導」が宣告される。反則の累積は新井が「2」、田知本が「1」。

新井はひとまず攻勢を取り戻そうとケンカ四つクロスの左内股で相手を崩しに掛かり、残り1分を切ると遮二無二奥襟を叩いて一発を狙う。残り40秒、新井の左内股をきっかけに始まった寝技の攻防で新井が「腰絞め」。田知本が耐えると見るや首の拘束をテコにめくって抑え込みを狙うが、その大事な移行作業のさ中に決めが緩んで田知本スルリと脱け出し「待て」。新井は千載一遇のチャンスを逃し、残り時間はこの時点で僅か24秒。
そのままポイントの積み上げなく時間は過ぎ去り、「指導1」対「指導2」の反則累積差で田知本の勝利が決まった。

決勝はともに決め手なく、戦術的な分析が難しい試合。田知本は相手の良いところを消しながら中盤に山場を作ったが、技術的、戦術的に決定的に新井を凌いだという部分は見出し難かった。敢えて言えば、いったいに攻めが遅く山場が散っていた新井に対し、田知本はフルタイム集中して対処し続けたということだろうか。
2試合連続で一方的な勝利を収めて来た田知本と接戦の連続で決勝に辿り着いた新井、ここまでの経過は対照的であったが、この勝ち上がりと決勝の内容からは田知本の今大会に賭けた覚悟の高さという要素を抜き出しておきたい。決勝で最初に新井に与えられた「指導」はやや性急な印象があったが、もっとも近くで試合を観察した主審が田知本の優位を買わせるだけの迫力があったのだろう。欧州シリーズで現地まで赴きながら試合を辞退した失態をなんとか取り戻さんとする、田知本の覚悟と集中力の高さがもたらした勝利であった。

世界選手権代表には国際大会の実績に鑑み、新井が順当に選出。これぞ日本柔道という抜群の技の切れ味の一方でこの日見せた詰めの甘さ、攻撃の遅さが課題として挙がる新井。世界選手権での実力発揮に期待したい。

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優勝の田知本遥

【入賞者】

優 勝:田知本遥(ALSOK)
準優勝:新井千鶴(三井住友海上)

田知本遥選手のコメント
「ちょっと色々あって、辛い時、落ち込んだ時がありましたが、支えてくれた人達に感謝しています。1日集中は出来ていました。絶対に優勝しようと思っていました。リオ五輪に出場するのが最後の目標、そこに向けて頑張っていきます」

【一回戦】

新井千鶴(三井住友海上)○GS指導3△宇野友紀子(環太平洋大3年)
安松春香(ALSOK)○GS技有・出足払(GS0:41)△長内香月(山梨学院大3年)
池絵梨菜(国士舘大1年)○小外掛(2:22)△ヌンイラ華蓮(了徳寺学園職)
田知本遥(ALSOK)○反則[指導4](2:16)△福嶋千夏(環太平洋大2年)

【準決勝】

新井千鶴○袈裟固(4:00)△安松春香
田知本遥○送襟絞(0:26)△池絵梨菜

【決勝】

田知本遥○優勢[指導2]△新井千鶴

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