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高木海帆がラコフを破って優勝、長島啓太もキムジェブン下して初のアジア制覇達成・アジア柔道選手権第2日男子各階級概況×詳細

(2015年5月15日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版5月15日掲載記事より転載・編集しています。
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高木海帆がラコフを破って優勝、長島啓太もキムジェブン下して初のアジア達成
アジア柔道選手権第2日男子各階級概況×詳細
クウェートで行われているアジア柔道選手権は14日、第2日の競技が行われ、男子は81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級の競技が行われた。

日本勢は81kg級の長島啓太(日本中央競馬会)と100kg級の高木海帆(日本中央競馬会)がともにもと世界王者を下して優勝。90kg級の西山大希(新日鐵住金)は2位、全日本選抜体重別選手権100kg超級王者の西潟健太(旭化成)は3位だった。100kg超級は34歳のアブドロ・タングリエフ(ウズベキスタン)が制した。

各階級の概況と日本選手の勝ち上がりは下記。

※記録部分の海外選手名表記は全日本柔道連盟のリリースに拠っています

■ 81kg級・長島啓太が優勝、決勝でキムジェブンを破る
【入賞者】 エントリー21名
1.NAGASHIMA, Keita (JPN)
2.KIM, Jae-Bum (KOR)
3.MOLLAEI, Saeid (IRI)
3.OTGONBAATAR, Uuganbaatar (MGL)
5.IMAMOV, Yakhyo (UZB)
5.ZOLOEV, Vladimir (KGZ)
7.ELIAS, Nacif (LIB)
7.TEJENOV, Tejen (TKM)

日本代表の長島啓太が見事優勝。
第3シード配置でスタートした長島、目指すべき山場は決勝のキム・ジェブン(韓国)戦のみ。2回戦でスリランカ選手を崩袈裟固「一本」に仕留めて滑り出すと、3回戦はサエイド・モラエイ(イラン)をGS延長戦の末の崩上四方固「一本」、準決勝は第2シードのオトコンバータル・ウーガンバータル(モンゴル)を「指導2」対「指導1」とワールドツアーの常連2人を接戦の末に下して決勝に駒を進める。

決勝は世界大会を3度制覇しているキムと対戦。長島はキムに2012年アジア選手権(長島は2位)、2014年アジア大会(長島は3位)と連敗中、昨年のアジア大会では一時リードしながらGS延長戦の末に「指導」ひとつを積み上げられて惜敗しているが、今度は逆に長島が「指導2」対「指導1」で勝利。見事アジア選手権初優勝を飾った。

長島の勝ち上がりは決して抜群というわけではなかったし、ヤキョー・イマモフ(ウズベキスタン)とナシフ・エリアス(レバノン)という面倒な2人がキムの側に配されるという組み合わせ上の幸運もあった。しかし、「展開上の競り合い」というキムの得意の土俵で押し切った決勝の勝利は高く評価されるべき。このところ勝負どころで勝ち切れなかった長島だが、その低調を跳ね返した形の戦果であった。

一方、ロンドン五輪王者にして2010年東京世界選手権、2011年パリ世界選手権の金メダリストのキムは少々息切れ気味の感あり。昨年12月のグランドスラム東京では永瀬貴規に敗れると糸が切れたように丸山剛毅にも抑え込まれて連敗。2月のヨーロッパオープン・ローマでもほぼ無名の20歳シャルバ・カラベガシビリ(スペイン)に「有効」を奪われて敗退するなどかつての絶対性には陰りが見えている。圧倒的な体力をベースにした組み手の巧さと先手攻撃で階級を席巻してきたキムも既に30歳、柔道スタイルとルールの噛み合わなさもあり、以後の展望は決して明るくない。これという若手が出て来ていない韓国の81kg級にあってはやはり五輪代表候補の最右翼だが、これからどう立て直してくるのか、以後の戦いを注視したい。

【日本代表選手勝ち上がり】

長島啓太(日本中央競馬会)
成績:優勝

[2回戦]
長島啓太○崩袈裟固(0:56)△グナダサ(スリランカ)
[3回戦]
長島啓太○崩上四方固(GS2:08)△モラエイ(イラン)
[準決勝]
長島啓太○優勢[指導2]△オトコンバータル(モンゴル)
[決勝]
長島啓太○優勢[指導2]△キム・ジェブン(韓国)

■ 90kg級・ガクドンハンが決勝でライバル西山大希を破る
【入賞者】 エントリー18名
1.GWAK, Dong Han (KOR)
2.NISHIYAMA, Daiki (JPN)
3.JURAEV, Sherali (UZB)
3.USTOPIRIYON, Komronshokh (TJK)
5.BOZBAYEV, Islam (KAZ)
5.CHENG, Xunzhao (CHN)
7.JAMALI, Mohammad (IRI)
7.LKHAGVASUREN, Otgonbaatar (MGL)

第1シードのガク・ドンハン(韓国)と第2シードの西山大希による頂点対決が唯一最大の見どころ。西山は準決勝で第3シードのコムロンショフ・ウストピリヨン(タジキスタン)を谷落「有効」で下し、ガクも準決勝で第4シードのシラリ・ジュラエフ(ウズベキスタン)に残り19秒で一本勝ちを収め順当に決勝進出。

直近の2人の対決は1勝1敗。昨年12月のグランドスラム東京決勝では、テーピングを外し、座り込み、柔道衣をはだけてとあらゆる手段を使って西山を焦らしたガクが突如本気の背負投一撃「有効」を奪って勝利し、今年2月のグランプリ・デュッセルドルフの3位決定戦では西山が「一本」級の右袖釣込腰一発で投げつけ「技有」優勢で勝利している。そしてこの2試合に共通していたのは、投げの威力抜群の西山に対してガクがなんとか粘ってチャンスを見つけ、勝ちを拾おうという構図。星取り上の拮抗はともかく西山の方が格上と規定される様相が続いていたわけだが、今大会の決勝は意外な形で決着。「指導1」を取り合った残り6秒でガクが得意の背負投を決め「一本」。有無を言わせぬ結果で西山を沈め、昨年のアジア大会に続いて2度目の「アジア王者」の座を手中にした。

試合の様相どうあろうと、「一本」という結果を出されてしまっては文句のつけようがない。2013年グランドスラム東京における西山の勝利まで入れて、これで西山対ガクの通算成績は2勝2敗。投げの鋭さを武器にしっかり組んで勝負する西山と、絞り、切り、相手の良いところを消すことに全力を注いだうえで、対話を拒否した一方通行の担ぎ技で勝負する韓国系粘着ファイターの権化のようなガク。対照的なスタイルのトップファイター2人による因縁の対決はまだまだ続く。

【日本代表選手勝ち上がり】

西山大希(新日鐵住金)
成績:2位

[2回戦]
西山大希○内股(1:22)△ナエミ(カタール)
[3回戦]
西山大希○優勢[指導2]△ジャマリ(イラン)
[準決勝]
西山大希○優勢[有効・谷落]△ウツォピリヨン(タジキスタン)
[決勝]
西山大希△背負投(4:54)○ガク ドンハン(韓国)

■ 100kg級・高木海帆突如爆発、サイドフとラコフを立て続けに破って優勝
【入賞者】 エントリー16名
1.TAKAGI, Kaihan (JPN)
2.RAKOV, Maxim (KAZ)
3.SAIDOV, Saidzhalol (TJK)
3.SHAH, Hussain Shah (PAK)
5.SAYIDOV, Ramziddin (UZB)
5.TOKTOGONOV, Bolot (KGZ)
7.MAHJOUB, Javad (IRI)
7.SAHI, Jaswinder Singh (IND)

地元の一番手として出場したグランドスラム東京では2敗して7位、ヨーロッパオープン・ローマでは予選ラウンドで敗退、続くグランプリ・デュッセルドルフではついに初戦敗退と国際大会で大苦戦が続いていた高木海帆が突如大爆発、大内刈に内股と投技を決めまくって一気にアジアの頂点へと駆け上がった。しかも準決勝でラムズディン・サイドフ(ウズベキスタン)、そして決勝ではなんとマキシム・ラコフ(カザフスタン)を投げての堂々たる王座奪取劇である。

サイドフはアジア選手権の100kg級で2度優勝、ロンドン五輪では5位、2013年リオ世界選手権でも7位に入賞している33歳のベテラン。いまだワールドツアーの常連でもあり、出場試合数を増やした2014年以降は門番的な中堅選手として成績以上の存在感を発揮している。

そしてラコフは2009年ロッテルダム世界選手権優勝、2011年パリ世界選手権でも2位に入賞し、2013年ワールドマスターズも制した歴戦の強者。出場試合は絞りつつあるが昨年のアジア大会では2位、2014年のワールドツアーでは3大会に参加してグランプリ・デュッセルドルフ2位、グランドスラム・バクー1位、グランプリ・アスタナ1位と全て決勝に進出しており、全ての対戦選手が「格上」として規定して試合を組み立てる強豪である。アジア大会決勝ではラコフと投げ合うことを嫌ったツブシンバヤル・ナイダンが「押し出し」に徹して勝ちを拾いに掛かるという挙に出ざるを得なかった階級屈指の業師でもある。

いずれも現状の高木であれば苦戦必至のはず、特にほとんど「飛ぶ」場面のないラコフを投げるというのはちょっと考え難いほど難易度の高いミッションだが、高木はサイドフを谷落「有効」、そしてラコフを内股「技有」と立て続けに投げて優勝決定。満点以上の点を与えて良い出来であった。これがキャリアの分岐点となって上昇機運に乗るか、それとも1日だけの大爆発で終わってしまうのか。以後の高木の活躍に注目したい。


【日本代表選手勝ち上がり】

高木海帆(日本中央競馬会)
成績:優勝

[1回戦]
高木海帆○大内刈(3:20)△ナフワ(カタール)
[2回戦]
高木海帆○内股(2:54)△サヒ(インド)
[準決勝]
高木海帆○優勢[有効・谷落]△サイドフ(ウズベキスタン)
[決勝]
高木海帆○優勢[技有・内股]△ラコフ(カザフスタン)

■ 100kg超級・34歳タングリエフが通算6度目のアジア選手権制覇、西潟健太は3位に留まる
【入賞者】 エントリー14名
1.TANGRIEV, Abdullo (UZB)
2.KRAKOVETSKII, Iurii( KGZ)
3.NISHIGATA, Kenta (JPN)
3.SHYNKEYEV, Yerzhan (KAZ)
5.ABDURAKHMONOV, Mukhamadmurod (TJK)
5.BATTULGA, Temuulen (MGL)
7.KANG, Jinsu (KOR)
7.YEA ON, Kunathip (THA)

今春の全日本選抜体重別王者を制した西潟健太が、昨年11月のグランプリ青島大会(3位)に続いてシニア国際大会に2度目の挑戦。27歳にして初のアジア王座に挑む大一番。

トーナメントを見る限り危険な香りのする選手は第3シードの34歳、アブドロ・タングリエフ(ウズベキスタン)のみという情勢であったが、西潟は2回戦で早くもこの選手とマッチアップ。GS延長戦の末、タングリエフ得意の一本背負投に捕まり「有効」を奪われて星を落とした。西潟は敗者復活戦でカン・ジンス(韓国)を大外刈「一本」、3位決定戦でムハメドムラド・アブドゥラクモノフ(タジキスタン)をGS延長戦の隅落「技有」で破って表彰台は確保。一方のタングリエフは準決勝でもと日本大のバトトルガ・テムーレン(モンゴル)を「指導2」対「指導1」の優勢、決勝では第1シードのユーリ・クラコベツキ(キルギスタン)を「指導2」で破って優勝決定。これで通算6度目(無差別1回を含む)のアジア選手権制覇を成し遂げた。

ロンドン五輪以降国際大会から姿を消していたタングリエフは昨年のチェリャビンスク世界選手権で突如復帰。青息吐息の「死んだふり」から突如繰り出す担ぎ技の一撃と際の強さを生かしてバルナ・ボール(ルーマニア)、ダニエル・ナテア(ルーマニア)と強豪2人に連勝している。この際敗れた相手が今回決勝を戦ったクラコベツキで、この対決を指標にする限りは34歳となったタングリエフの復帰ロードは「上昇機運」と評せざるを得ない。昨年9月のアジア大会は3位、12月のグランドスラム東京は7位、そして3月のグランプリ・トビリシは5位となかなかこれぞという成績が残せなかったが、ついに客観的に「復活」と評して良いだけのビッグタイトルを得たことになる。今夏のアスタナ世界選手権でも、同じく復帰の途上にある30歳のツブシンバヤル・ナイダン(モンゴル)とともに「おっさん柔道」の妙味を見せてくれるに違いない。今後も楽しみに見守りたい好役者。

敗れた西潟。現状の力関係に関係なく一発自分の形を作るタングリエフとの早い段階でのマッチアップは決して組み合わせに恵まれたとは言えないし、この試合はむしろパワー抜群の西潟相手に5分戦い続けたタングリエフ(なにしろ昨年の世界選手権3試合はいずれも中途で開始線に戻れないほどの疲労を見せていた)に拍手を送りたいくらいのものであるが、現役全日本選抜体重別王者の成績としては残念。率直に言って、勝たねばならない試合だった。

「西潟の膂力が海外選手相手に通用するか」という一大テーマについては、今回は結論が出なかったと評するしかない。敗れた相手のタングリエフは普通のモノサシで測ってはいけない「飛び道具」的存在であり、26歳のカン・ジンスは国際大会の出場がこれまで2度しかなく客観的には今回の代表選出のバックグランドが見えにくい選手、そしてアブドゥラクモノフは13年、14年と世界選手権出場の実績があるがいずれも初戦敗退していてワールドツアーでは3大会連続初戦敗退中の選手である。少なくともワールドツアー常連の中堅選手とマッチアップすることが可能な場での、再度のテスト実施に期待したい。

【日本代表選手勝ち上がり】

西潟健太(旭化成)
成績:3位

[1回戦]
西潟健太○支釣込足(0:45)△ジャヤワルデナ(スリランカ)
[2回戦]
西潟健太△GS有効・一本背負投(GS3:13)○タングリエフ(ウズベキスタン)
[敗者復活戦]
西潟健太○大外刈(1:13)△カン ジンス(韓国)
[3位決定戦]
西潟健太○GS技有・隅落(GS0:29)△アブドラハモノフ(タジキスタン)

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