PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

グランドスラム・バクー男子各階級ひとこと展望

(2015年5月8日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版5月8日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード
男子各階級ひとこと展望
グランドスラム・バクー
4週で3つのIJF主催大会(グランプリ以上)が開催されるという年間屈指の「試合期」である5月。翌週にワールドマスターズというビッグイベントを控えて特に中量級、軽重量級のスター達は戦略的な「中休み」を選択したという印象で、各階級ともそのラインナップは比較的大人しめ。

その中にあってモンゴル勢がエース格を大量投入して来たことと、この時期のハイレベル大会として異例なことに東アジアから強国日本が参戦していることが今大会男子の大きなトピックだ。

モンゴル勢は60kg級のラインナップを先週から入れ替え、2014年チェリャビンスク世界選手権王者ガンバット・ボルドバータルと2013年リオ世界選手権銀メダリストのダシュダバー・アマーツブシンの2トップを敢えて同じ大会に投入。60kg級最強国のモンゴルのリオ五輪代表が誰になるかは世界的な関心事で、ワールドマスターズと世界選手権を控えたこの時期に直接対決あるとなればこれは見逃せない一番。モンゴルは73kg級にも前週のグランプリ・ザグレブ大会において出色のパフォーマンスで準優勝を果たしたハッシュバータル・ツァガンバータルとサインジャルガル・ニャムオチル(モンゴル)のダブルエースを同時投入しており、これを受けた73kg級は今大会の最激戦区。前週素晴らしい内容で優勝したばかりのラシャ・シャフダトゥアシビリとヌグザリ・タタラシビリがともに出場するジョージア勢、そして今季ツアー初出場のバン・ギーマン(韓国)らとの対決は大会全体を通じた大きな注目ポイントと言える。

日本勢からは81kg級の丸山剛毅、90kg級のベイカー茉秋、100kg級の羽賀龍之介の3人が参加。それぞれにテーマのある大会だが、今回世界が最も注目するのはなんと言っても羽賀だろう。2月のヨーロッパオープン・ローマとグランプリ・デュセルドルフで連続優勝、11戦11勝10一本勝ちという圧倒的な成績を収めた羽賀は今季の世界選手権を展望する上で最大の不確定要素。ノーマークから勝ち抜いたヨーロッパシリーズと異なり徹底マークを受けるはずの今大会を勝ち抜けるかどうかは世界選手権、そして五輪の成績を占うこの上ない試金石となるはずだ。

最後にもう1つ、注目選手として100kg超級で2週連続優勝を狙うイアキフ・カモー(ウクライナ)の存在を挙げておきたい。今大会はアダム・オクリアシビリ(ジョージア)にレヴァニ・マティアシビリ(ジョージア)と前週よりも一段上の指標となる選手が参加しており、ここで勝ち抜けるかどうかはなかなかに面白い見どころ。

グランドスラム・バクー組み合わせ
http://www.ippon.org/gs_aze2015.php

■ 60kg級
-ガンバット・ボルドバータルとダシュダバー・アマーツブシンが競演-

チェリャビンスク世界選手権1位のガンバット・ボルドバータルとリオ世界選手権2位のダシュダバー・アマーツブシンのモンゴル勢2人が同時エントリー。ガンバットは第1シードでダシュダバーは第4シード、中途に歯ごたえのある選手はダシュダバーの3回戦にイルガー・ムシュキエフ(アゼルバイジャン)が立ちはだかるくらいで、準決勝での直接対決は実現の可能性大。

対抗勢力は第2シードのアミラン・パピナシビリ(ジョージア)と第3シードのオルハン・サファロフ(アゼルバイジャン)、そしてサファロフの山に配されたフランシスコ・ガリーゴス(スペイン)。世界ジュニア王者のガリーゴスは前週のザグレブ大会で3位に入っており好調。サファロフとパピナシビリという重囲を突破して、一つステージを上げることが出来るか。注目して見守りたい。

■ 66kg級
-オーツ、ポラックら皆勤選手とベテランの対決構図-

第1シードはコリン・オーツ(イギリス)、第2シードはゴラン・ポラック(イスラエル)だが、オーツはワールドツアーの優勝は1回(2014年グランドスラム・バクー)のみ、ポラックも実は優勝経験なしでどちらも大会に皆勤することでランキングを上げて来た型の代表格。優勝候補に挙げるべきはむしろ第3シードのダビド・ラローズ(フランス)、ロンドン五輪で韓国代表を務めた(7位)チョ・ガンヘン、第4シードのロイック・コーバル(フランス)、スゴイ・ウリアルテ(スペイン)らの実力派と考えるべきだろう。とはいえ出来不出来が極端にはっきりしているウリアルテや今季ワールドツアーの参加が初めてのチョがどこまでやるかは未知数で、その意味では試合に出続けて力を磨いている今が旬の選手たちと、最高到達点は高いが調整期にあるベテランの対決、という見立てを持って楽しめる階級とも言える。

■ 73kg級
-人材揃った最激戦階級、シャフダトゥアシビリの2週連続優勝なるか-

強豪選手がズラリと並んだ今大会の最注目階級。第1シードがルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)、続いてシード順にサインジャルガル・ニャムオチル(モンゴル)、ヌグザリ・タタラシビリ(ジョージア)、ハッシュバータル・ツァガンバータル(モンゴル)とこれだけでも十分過ぎる陣容だが、ここに韓国のツートップの一角として北京-ロンドン期に大活躍したバン・ギーマン、そしてロンドン五輪66kg級金メダリストのラシャ・シャフダトゥアシビリ(ジョージア)が加わった。

それぞれバックグランドに抱えるものの大きい選手たちだが、敢えて1人だけ注目選手を挙げるとすれば2週連続優勝を狙うシャフダトゥアシビリだろう。73kg級転向以降苦戦の続いていたこの選手は前週のグランプリ・ザグレブ大会でついにワールドツアー初優勝。五輪時の隅返一辺倒の戦いぶりから、2014年に見せた隅返を意識させながら大内刈で勝ち抜く新スタイル、そして今年は隅返ファイターであった過去を感じさせないほどに、いかにもジョージア(旧グルジア)らしいパワフルで、かつ全方位的な柔道を見せておりその成長は明らかだ。この階級最強を誇る日本勢に迫るところまでその力が届く可能性があるのか、まずは「続けて勝つ」という難題に挑戦するこの大会に注目だ。

■ 81kg級
-主役級の影薄いトーナメント、丸山剛毅に大チャンス到来-

前週のザグレブ大会で第2シードに入り、そして初戦で敗退したトラヴィス・スティーブンスが第1シードに配されるという、グランドスラム大会としては少々寂しい陣容のトーナメント。Aシード選手に上位常連の姿はなく、ノーシードの実力者たちも復帰以降不振にあえぐレアンドロ・ギヘイロ(ブラジル)、小外掛一発ファイターのイワン・ヴォロビエフ(ロシア)に、大技だけで攻めまくる意外性が売りのナシフ・エリアス(レバノン)と、寝業師スティーブンス同様、味のある脇役というステージにある「曲者」ばかりで、これぞ優勝候補という王道タイプの選手が参加していない。

これは、日本の丸山剛毅に大チャンスが訪れたと解釈して良いところだろう。これぞ王道という投げ一撃が売りの丸山は国際経験こそ少ないが、一気に頂点に上り詰める爆発力のある選手だ。グランプリ以上の大会の表彰台に上がったことはないが、2月のヨーロッパオープンローマではアントワーヌ・ブァロアフォルティエ(ドイツ)にスヴェン・マレシュ(ドイツ)らツアーの主役級に勝利して優勝を飾ってもいる。リオ五輪代表争いにおいて永瀬貴規が独走するという状況の中、丸山が「グランドスラム」というハイポイント大会、それもおそらく強豪が参加を控えるはずのタイミングと場所で行われるこのバクー大会に派遣された影には、「複数同時強化」の大方針を叶えるべくここで高いポイントを獲得して欲しいという強化陣の意図があるはず。その意味では表彰台(3位以上)獲得は今大会の義務だ。抱えるバックグランド、そして恵まれた組み合わせという追い風。健闘に期待したい。

ほか、注目すべき選手は21歳、ザグレブ大会で3位入賞を果たしたばかりのカサン・カルモルゼフ(ロシア)。配置は第4シード、山場はおそらくアレクサンドル・ヴィークツェルツァク(ドイツ)と対戦する準々決勝だ。

■ 90kg級
-ベイカー茉秋は優勝候補筆頭、決勝はチョリエフとの対戦濃厚-

第1シードがノエル・ファンテンド(オランダ)、第2シードが33歳のギョーム・エルモント(オランダ)で、以降も併せてAシード選手4人の陣容は脆弱。Aシードから漏れたベイカー茉秋と、ノーシード扱いのディルショド・チョリエフ(ウズベキスタン)の2人が優勝候補と考えて良いかと思われる。

プールDに配されたベイカーは3戦目(準々決勝)で第3シードのアレクサンダー・クコル(セルビア)かマルク・オーデンタール(ドイツ)、そして準決勝はエルモント。もっとも面倒なチョリエフとは山が分かれた好組み合わせだ。

なぜこの時期、世界選手権を控えたベイカーが今大会に派遣されたかは、この薄い陣容にあってもベイカーが四つ角シードを逃すというランキングの低さに端的。人材多き90kg級で世界選手権を勝ち抜き、五輪に必要なランキングポイントを獲得するためには是が非でもシード権が欲しいはず。今大会優勝すれば、現時点でBシード(ベスト8シード)を得られる位置まで一気にポイントが貯まる。ここは是が非でも勝ち、以降の戦いに繋げたいところだ。

■ 100kg級
-最注目対決は準々決勝、羽賀vsグロルの再戦-

四つ角シードは順にエルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)、ヘンク・グロル(オランダ)、エルハン・ママドフ(アゼルバイジャン)、ラマダン・ダーウィッシュ(エジプト)とおなじみの強豪選手が占め、8シードにも世界選手権3位のイワン・レマレンコ(UAE)、欧州シリーズを圧勝で駆け抜けた羽賀龍之介、ノーシード位置にも前週力強い柔道で3位に入賞しているホルヘ・フォンセカ(ポルトガル)が配された。29名と決して参加選手は多くはないが、なかなかの陣容のトーナメントと言える。

冒頭書いた通り、最も注目すべきは間違いなく羽賀。プールCに配された羽賀は準々決勝でグロルと対戦するが、これがこの日のトーナメントの行く末を分ける大一番になりそうだ。グロルは昨年のグランプリ・ブダペスト決勝では羽賀を谷落「一本」に仕留めて世界選手権銀メダリストの貫録を見せつけたが、今年2月のグランプリ・デュセルドルフでは内股「一本」で羽賀が快勝している。百戦錬磨のグロルがいかなる戦略を以て羽賀に対峙するのか、羽賀がそれをどう突破するのか、非常に楽しみな一番。

羽賀は欧州シリーズの11勝のうち10試合が一本勝ち、そしてそのうち8試合が得意の内股による「一本」だ。羽賀の内股が今大会徹底マークに晒されるのは間違いなく、しかし羽賀が勝ち上がるのであればそれは内股を軸に勝ち抜くしかない。つまりは今大会は羽賀の内股が「警戒されてなお掛かる」域に達しているかどうかを測る指標になるはずで、それはとりもなおさず8月の世界選手権の成績に直結していると考えざるを得ない。単なるポイント獲得、あるいは修行の場という意味には到底収まらない重要度の高い大会だ。健闘に期待。

■ 100kg超級

-2週連続優勝を狙うカモーにオクルアシビリらジョージア勢が立ちはだかる-

前週のグランプリ・ザグレブで同世代の世界ジュニア王者ウルジバヤル・デューレンバヤルを倒してワールドツアー初優勝を飾ったイアキフ・カモー(ウクライナ)が2週連続のエントリー。前週中堅グループを倒して表彰台の真ん中まで辿り着いたこの選手が、第1シードのアダム・オクルアシビリ(グルジア)と第2シードのレヴァニ・マテアシビリ(ジョージア)ら「一線級」の選手にどこまでやれるかというのが今大会の大きな見どころだ。

周囲を固める選手たちは、バルナ・ボール(ハンガリー)やロイ・メイヤー(オランダ)、ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)、ダニエル・ナテア(ルーマニア)に前週2位入賞のヴラダト・シミオネスク(ルーマニア)などザグレブ大会とほぼ相似。これにイスラム・エルシャハビ(エジプト)とアスラン・カンビエフ(ロシア)を加えた中堅選手たちが表彰台を争う。

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版5月8日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.