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木戸慎二が初優勝、高藤直寿は初戦で青木大に一本負け・全日本選抜柔道体重別選手権60kg級レポート

(2015年4月26日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版4月26日掲載記事より転載・編集しています。
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木戸慎二が初優勝、高藤直寿は初戦で青木大に一本負け
全日本選抜柔道体重別選手権60kg級レポート
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1回戦、青木大は長い腕を背中に回し「ケンカ四つクロス」の変則組み手から一発を狙う

1回戦で13年リオ世界選手権王者高藤直寿(東海大4年)が脱落。長身、ケンカ四つで懐の深い青木大(日体大3年)は長い右腕を高藤の背中に回し、「ケンカ四つクロス」の形で高藤の袖を抱き込んで隅返を狙う。高藤は片襟の左背負投を放ちながらその技をいなし続け、青木には16秒に引き込みの「指導」、1分27秒には消極の「指導2」、3分38秒には変則組み手の咎で「指導3」と次々に反則が与えられる。高藤が余裕で勝ち抜けるかと思われるスコア推移だが、高藤は3分半を過ぎたあたりから明らかに疲労、残り56秒では青木の隅返を食い掛けて腹這いに畳に落ちる場面も現出し少々様子がおかしい。スコア差に似合わぬ波乱含みの空気の中、残り32秒で青木の左内股に高藤は一回転。乗り込んだ青木が回り過ぎないよう身を制さねばならぬほどの勢いで決まった一撃は文句なしの「一本」、この瞬間第1シード選手高藤の一回戦敗退が決まった。

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まさかの一本負けを喫した高藤は呆然

高藤はあまりに青木に持たせ過ぎた。釣り手で横から背中を深く抱える変則組み手の青木には次々反則が与えられたが、もともと失うもののない立場の青木はどこかで一発決めればそれで良し。あと1つの「指導」で反則負けとなる状況だったが、自分の形で持って間合いを測り続けるその試合振りにはむしろ余裕すら感じられた。一方長身の青木に良い様に持たせてしまった高藤はその形の悪さ自体で自身が疲労、「指導3」奪取による圧倒的優位もバックグランドに抱える立場の差からむしろ「投げ切れない、仕留められない」というマイナス面、焦りのほうが色濃く感じられた。

つまりは王者として全ての選手に狙われる中、失うもののない相手に希望を持たせ過ぎた、リスク管理を怠ったのがこのアップセットの因。少なくとも「この組み手だけでは戦えない」という絶望感を与えて、思い切り得意技を仕掛ける精神状態に至る芽だけは早い段階で摘んでおくべき試合であった。世界選手権でのタイトル奪取失敗に、同大会での規律違反によるペナルティ、そして再起を期したグランプリ・デュッセルドルフでの敗退と絶対に負けられないというバックグランドが過剰なプレッシャーを与えたという伏線はあったにしても、純粋に一試合を抜き出してみて「失うもののない相手の挑戦を受ける王者」というテーマの戦いとしては到底合格点を出せるものではなかった。世界大会代表に挑戦する権利のあるものと、その資格がなくテーマを「大物食い」に絞って戦う選手の同居。「持たざるもの」が持たざるゆえにアップセットを起こすという、ある意味選抜体重別の典型と言って良い一番だった。

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準決勝、木戸慎二が青木大を攻める

決勝に進んだのは木戸慎二(パーク24)と志々目徹(了徳寺学園職)。

木戸は藤阪泰恒(國學院大1年)との1回戦で、2つの「場外」による指導を失うビハインドを技一発で逆転。3分36秒の裏投「一本」でこの試合を勝ち抜けると、準決勝は前戦で高藤を破った青木を「指導3」対「指導2」の優勢で下し、決勝進出決定。青木の浮技から始まった寝技の攻防で抑え込まれるピンチもあったが、持ち前のしぶとさを発揮しての勝ち上がり。

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準決勝、志々目が変則の左内股で攻める

第2シードの志々目は1回戦で永山竜樹(東海大1年)と対戦、「指導2」対「指導1」のリードで迎えた3分28秒に小外掛「技有」を奪いこのポイントを以て優勢勝ち。大島優磨(国士舘大3年)とマッチアップした準決勝は1分6秒に得た「指導」ひとつを持ったまま試合終了まで戦い抜いて、この試合も優勢勝ちで決勝への勝ち上がりを決めた。

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決勝、志々目は巻き込みの左内股で組み手のピンチを脱出

決勝は木戸、志々目ともに左組みの相四つ。
40秒、木戸に消極的との咎で「指導1」。双方釣り手で片襟を差しての左大外刈で攻め合うが、この一方的に自分だけが持って掛けようとする展開に審判が反応、45秒に木戸の側に「取り組まない」判断による「指導2」が宣告される。スタートの1分で2つの「指導」を立て続けに失った木戸はピンチ。

しかし以降木戸は引き手で先に袖を得る形を度々作り出し、少しづつ流れを得始める。2分30秒に引き手で袖を絞った際には志々目が袖釣込腰の形に両手を挙げた左内股で打開、2分50秒に木戸が粘着して近い間合いで絡みついた際も脚だけを差し入れて挙げる左内股で相手を浮かせて展開をリセットする。3分12秒にも木戸の組み手優位に対して両手を離したままの左内股で対抗。

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木戸が小内巻込で攻める

スコア動かず、形の上では相変わらず志々目が「指導」2つぶんのリード。しかし組み手で優位を得て前に出る木戸に対し、投げることではなく掛けることで展開を保ち続ける志々目というこの構図に、当然ながら水面下で流れは木戸に傾く。この「水面下」の流れは、終盤に奔流となって志々目を襲うこととなる。木戸が片襟の左大外刈を2連発した直後の3分53秒に志々目に「指導」、手応えを得た木戸は引き手で袖を確保すると、釣り手で片襟を差して上下のあおりと左背負投、さらに左大外刈と具体的な技を連発。木戸のあおりに志々目が潰れた4分20秒、偽装攻撃の咎で志々目に2つ目の「指導」が宣告されることとなる。あっという間にスコアはタイ。

一度出来上がった流れは加速するしかない。以後は展開、ゲーム上のスコアの双方を得た木戸が完全に主導権を掌握する。4分40秒には引き手で襟を掴んでの左小内巻込を見せ、残り12秒で奥襟を叩くと志々目は背負投の形で反転してなんとか攻防を切るという一方的展開。

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木戸は攻め合いにも退かず、志々目の大外刈を自身の担ぎ技に変換

迎えたGS延長戦、序盤志々目は引き手を先に得るチャンスを得て先んじて攻めるが、木戸は揺るがず。片襟を差しての左背負投、左小内刈と反撃を開始する。このシークエンスの直後、木戸が左大外刈。志々目が大外返を試み、木戸が後ろ回り捌きに背負投で再度の切り返しを試みたところで「待て」が宣告されて審判団が協議。結果、志々目に3つ目の「指導」が与えられて試合は終了。GS延長戦51秒、「指導3」による優勢で木戸の勝利が決まった。

木戸は選抜体重別初優勝。インタビューで「泥臭くても勝とうと思った」と語った通り、接戦3試合を粘り強く制し、持ち味を十分に発揮しての優勝であった。

志々目は残念ながらミッション達成ならず。これまで度々攻めの遅さが課題として指摘され続けて来たが、決勝はその悪癖で試合を落とす典型的な一番。先に組まれてしまい、結果自身最大の武器である内股を投げることではなく展開をリセットするためにのみ使用。「投げる」という本質的行動に欠けたことで勝利の女神に見放された感ありだった。

大会終了後の強化委員会で、世界選手権代表は志々目に決定。今季欧州シリーズの最重要大会であったグランプリ・デュッセルドルフの優勝が決定打となった。同大会で予選ラウンド敗退、今大会でも初戦敗退の高藤はこの日選ばれた「1枠目」の代表選考では落選した。

入賞者と木戸、高藤のコメント、全試合の結果は下記。

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優勝の木戸慎二

【入賞者】

優 勝:木戸慎二(パーク24)
準優勝:志々目徹(了徳寺学園職)

木戸慎二選手のコメント
「一回戦からバタバタして、相変わらずの泥試合。ただ、その泥試合が自分の持ち味ですから。決勝は先輩の意地を見せようと頑張りました。(好調の)パーク24、今日こそは自分が引っ張っていくんだという気持ちで試合をしました。」

高藤直寿選手のコメント
「勝ちたかったんですが、残念です。(青木は)やりにくい相手でした。投げられないだろうと思っていましたが、日本人らしい柔道を意識し過ぎたかもしれません。まだオリンピックがなくなったわけじゃないので、自分を見つめ直して強くなった姿を見せたい。最近色々とうまくいっていない。何が悪かったのかを良く考えて、必ずオリンピックで金メダルを獲ります。世界選手権はなくなりましたが、イチからではなくゼロから出直したい」

【一回戦】

青木大(日体大3年)○内股(4:28)△高藤直寿(東海大4年)
木戸慎二(パーク24)○裏投(3:36)△藤阪泰恒(國學院大1年)
志々目徹(了徳寺学園職)○優勢[技有・小外掛]△永山竜樹(東海大1年)
大島優磨(国士舘大3年)○優勢[指導2]△山本浩史(ALSOK)

【準決勝】

志々目徹○優勢[指導1]△大島優磨
木戸慎二○優勢[指導3]△青木大

【決勝】

木戸慎二○GS指導3(GS0:51)△志々目徹

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