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本命嶺井美穂が優勝、決勝はライバル鍋倉那美との激戦制す・全国高等学校柔道選手権63kg級レポート

(2015年4月16日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版4月16日掲載記事より転載・編集しています。
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本命嶺井美穂が優勝、決勝はライバル鍋倉那美との激戦制す
全国高等学校柔道選手権63kg級レポート
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準決勝、嶺井美穂が田中志歩から谷落「有効」

決勝に勝ち上がったのは第1シードの嶺井美穂(神奈川・桐蔭学園高)と第2シードの鍋倉那美(愛知・大成高)という大本命2人。昨秋の世界ジュニア選手権決勝に続く、同学年のライバル対決が今回も実現した。ともにここまで4戦して3つの一本勝ち、1つの優勢勝ちという勝ち上がり。

講道館杯王者の強者・嶺井は2回戦で組まれた実力者山本七海(和歌山・紀央館高)との一番を大外刈「一本」(1:15)で快勝、3回戦は渡部亜美(長崎・長崎日大高)を開始早々の大内刈「一本」(0:13)、準々決勝は荒木帆乃佳(兵庫・夙川学院高)を「指導1」の優勢で振り切り、準決勝は3回戦で工藤七海(埼玉・埼玉栄高)を「有効」優勢で破って準々決勝ではシード選手三浦裕香理(岡山・創志学園高)に一本勝ちしている田中志歩(山口・聖光高)を横四方固「一本」(2:00)で下して決勝進出決定。

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2回戦、鍋倉那美が杉本梨々花を内股「一本」

昨年の高校選手権の覇者・鍋倉は2回戦で杉本梨々花(北海道・北海高)を試合が始まるなりの内股「一本」(0:15)、3回戦は松下夕紀(愛媛・新田高)を袈裟固「一本」(2:04)、準々決勝は佐々木ちえ(島根・平田高)を内股「一本」(0:53)で下し、準決勝はシード選手小柳穂乃果(福岡・敬愛高)を「指導2」の優勢で危なげなく退ける。連敗中のライバル嶺井と組まれたこの決勝で高校選手権2連覇に挑む。

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嶺井が袖を押し込むと鍋倉は右内股で一旦切り離す

決勝は嶺井、鍋倉ともに右組みの相四つ。

嶺井先んじて引き手で袖を確保、セオリー通り前に出て押し込みつつ二の矢での釣り手確保を狙うが、鍋倉は下がりながら右内股の形で反転して切り離し、場外際で危機脱出。いったん両者離れて中央に戻り、組み手争いはリセットとなる。経過時間は12秒。

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鍋倉が嶺井に先んじて右内股で攻める

鍋倉が引き手で袖、嶺井が襟を持ち合って釣り手を求める組み手争い。数合の「直し」の駆け引きを経て嶺井が釣り手で奥襟を得るが鍋倉はすかさず自身の釣り手をクロスに入れて右内股。さらに一旦戻って右内股巻込に打って出る。嶺井が寝技に持ち込み、ややあって「待て」。経過時間は39秒。

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嶺井が形を得て前技を狙う

組み手が出来上がる前に二度鍋倉に先に掛けられた嶺井は一旦手立てを変え、釣り手から持ち「ケンカ四つクロス」に近い形で右内股を放ってひとまず手数的な優位を押し返す。2分6秒、引き手を得た鍋倉は釣り手で奥襟に一瞬触り、次いで肩越しに背中に入れて右釣腰。しかし手が滑ってしまい、先に自分が畳に落ちる形で崩れ「待て」。

続く展開、鍋倉が先に引き手で嶺井の袖を得る。嫌った嶺井が右腕を後ろ、前と動かして切ろうと試みた、その動きに合わせて鍋倉は相手を引き寄せながら引き手一本の右大外刈。

刈り足が良い角度で真裏に入り、かつ相手の出足の着地に入った好タイミング。瞬間ポイントが想起される形に大成サイドからは思わず「よし!」との声が漏れる。が嶺井すかさず反転し、鍋倉が二の矢で放つはずの釣り手の拘束をかわす。釣り手で頭を捕まえれば「一本」というところだったが嶺井の早い反転により鍋倉は相手の体を固定出来ず、嶺井が伏せて「待て」。経過時間は1分26秒。

ここまでは嶺井が二本持つ形を求めて前に出、鍋倉がその完成前に技を仕掛けて攻勢を獲り掛けるという展開。

しかし次のシークエンスで流れが変わる。引き手で襟を持った嶺井がこれまでと変えて時計回りに回り込み、相手を引き寄せながら右大内刈。これは空振りとなったが、嶺井は引き手で襟を持ったまま釣り手を探る遠間の片手を継続。警戒した鍋倉が早く嶺井の釣り手を抑えようと態勢を低くしたところを狙い、ついに釣り手で奥襟を確保することに成功する。この試合初めてまともに二本持った嶺井は腰を切り返す前技攻撃を2連発、頭を下げたままこれを受けた鍋倉は膝を屈してしまい「待て」。

続く展開も嶺井は引き手で襟を持つなり時計回りの移動。鍋倉の右に回り込みながら奥襟を引っ掴み、組み際の大外刈に打って出る。これは潰れたが、2度攻勢のシークエンスが続いたことを評価した主審は鍋倉に「指導」を宣告する。経過時間は2分11秒、残り時間は49秒。

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嶺井が鍋倉の組むタイミングに合わせて右内股、鍋倉は押し込んで返す



怒気を発した鍋倉は突進、引き手は組み手争いの途上で相手の左袖を持つ変形ながら、釣り手を肩越しに背中に入れて思い切り右内股を放つ。嶺井はその戻りを押しつぶして寝技を選択、残り32秒で「待て」。

鍋倉は突進。一息に引き手で袖の深い位置、そしてほぼ同時に釣り手で奥襟を掴むが嶺井は相手の飛び込みを利用して瞬間反転、自身も奥襟を引っ掴みながら右内股に打って出る。相手の直進を回旋運動に変換した素晴らしい技だが、鍋倉素早く反応して相手の釣り手を押し込み、片足のまま嶺井は崩れて畳に落ち「待て」。残り時間は23秒。

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大接戦は嶺井の勝利に終着

嶺井、引き手でまず鍋倉の左袖をクロスに掴む巧みな一手目で相手を引き寄せ、手繰り合いで時間の消費を試みる。しかし鍋倉はその駆け引きから抜け出して引き手で嶺井の右袖を確保、相手の肘を押し込みながら釣り手で奥襟を掴む大チャンスを得る。この試合初めて完璧な形で鍋倉が持った瞬間だったが、しかし嶺井は肘の押し込みに逆らわらずに相手に背を向けて潰れる選択に打って出て、不利なままの組み合いを峻拒。「待て」が掛かった時には残り時間僅か7秒まで時計の針が進む。

最後の攻防。嶺井は鍋倉の奥襟を掴み、しっかり組むことで相手を封じに掛かる。ほとんどブロッキングに近いところまで圧を掛けたところでタイムアップのブザーが鳴り響く。試合は「指導1」の優勢を以て嶺井の勝利となった。

ジュニアカテゴリでは飛び抜けた力を持つ嶺井だが、やはり鍋倉との対戦だけは別。今回も勝利を得て連勝こそ続けたが、この試合も非常な接戦、好試合であった。

ほとんど差のない試合であり、序盤から中盤に至る鍋倉の攻勢は嶺井への「指導」宣告があってもおかしくないかと思われたが、嶺井が攻勢を2シークエンス続けたこと、それが主審が差をつけたくなる終盤に現出したこと、そしてひょっとすると嶺井の攻撃が「二本持っての有効打」であり鍋倉のそれが組み際の片手技であったと判断された可能性、など微妙な要素が重なって結果は明暗を分けることとなった。

嶺井は「二本持てば投げる」地力の高さが売りの選手であるが、この試合は組み手の技術と試合の中で繰り出す手立てを変える判断力の高さが光った。いの一番に繰り出した「引き手を得たら徹底して時計回りに回り込みながら釣り手を狙う」戦術は鍋倉の技に切られたためか以後鳴りを潜めたが、正面に立つことで自身の釣り手が先に鍋倉に捕まってしまうと判断した中盤に突如この手立てを復活。効くと見るやこれを続けることで優位を確保することに成功した。ただでさえ地力の高い嶺井にここまで冷静に状況を考えて手立てを変えられては、いかな業師鍋倉といえども厳しい。嶺井の手順が形成優位を終着点とするものではなく、巨弾と評すべき技の一撃を決めることに直線的なものであったことも、勝負どころの1シークエンスで鍋倉に後手を踏ませることとなった。

嶺井のライバル鍋倉に対する連勝は続く。嶺井、鍋倉いずれの選手の成長も感じさせる僅少差の接戦であった。

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優勝の嶺井美穂

【入賞者】

優 勝:嶺井美穂(神奈川・桐蔭学園高)
準優勝:鍋倉那美(愛知・大成高)
第三位:田中志歩(山口・聖光高)、小柳穂乃果(福岡・敬愛高)
敢闘賞:荒木穂乃佳(兵庫・夙川学院高)、三浦裕香理(岡山・創志学園高)、佐々木ちえ(島根・平田高)、佐藤みずほ(東京・藤村女子高)

嶺井美穂選手のコメント
「鍋倉さんとは世界ジュニア以来の対戦。去年早い段階で負けてしまって対戦できず悔しかったので、一番のライバルと決勝で戦えて良かった。鍋倉さんとやるときには作戦云々ではなく自分の力を全て出せるように心の準備をすること心がけています。今回は力を100パーセント出し切った結果だと思います。技術的には、これまで掛け急ぐというのがありました。相手の形がどうでも投げようという気持ちが出過ぎて相手に構えられてしまうことが多く、自分だけでなく相手の体勢を意識するようになりました。大外刈を『効く技』にするためにはそこが重要なんだと改めて考えています。選抜体重別を控えているので、回りからは『本当に出るのか?』と言われたこともありますが、先生と自分の中では出ないという選択はありませんでした。選抜に出る前に、今までやってきたことの発表会にしようと。世界に出れるように、今後も頑張ります」

【準々決勝】

嶺井美穂○優勢[指導1]△荒木穂乃佳
田中志歩○袈裟固(1:44)△三浦裕香理
鍋倉那美○内股(0:53)△佐々木ちえ
小柳穂乃果○優勢[指導2]△佐藤みずほ

【準決勝】

嶺井美穂○横四方固(2:00)△田中志歩
鍋倉那美○優勢[指導2]△小柳穂乃果

【決勝】

嶺井美穂○優勢[指導1]△鍋倉那美

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