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衝撃デビューのインパクト再び、谷川美歩がインターハイに続く優勝・全国高等学校柔道選手権57kg級レポート

(2015年4月15日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版4月15日掲載記事より転載・編集しています。
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衝撃デビューのインパクト再び、谷川美歩がインターハイに続く優勝
全国高等学校柔道選手権57kg級レポート
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準決勝を戦う谷川美歩(右)

四つ角シードにインターハイ王者谷川美歩(静岡・藤枝順心高)、13年全国中学大会王者舟久保遥香(山梨・富士学苑高)、52kg級アジアカデ選手権王者武田亮子(愛知・大成高)のスター候補3名に14年アジアカデ選手権王者で実績十分の村井惟衣(奈良・奈良育英高)が配置され、非常に役者が揃ったトーナメント。

激戦の中、決勝に進んだのは谷川と舟久保。

谷川は2回戦で西田芽唯(高知・岡豊高)を上四方固「一本」(0:54)と好調な滑り出し。勝負どころと目された3回戦の泉雅子(埼玉・埼玉栄高)戦を「指導1」の優勢で勝ち抜くと、準々決勝は宮嶋沙知(京都・立命館宇治高)を横四方固「一本」(2:23)、そして準決勝は実力者林美七海(大阪・東大阪大敬愛高)を鮮やかな内股透「一本」(2:13)とエンジン全開、調子を上げながらの決勝進出。インターハイに続く2大会連続の全国大会制覇を狙う。

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準決勝、舟久保遥香が栗田ひなのから肩固「有効」

一方の舟久保は2回戦で中川原知波(栃木・國學院栃木高)を「指導1」の優勢、3回戦で田山美紀(茨城・土浦日大高)を肩固「一本」(1:00)、準々決勝は枠谷菜々(和歌山・箕島高)を「指導3」優勢、準決勝では栗田ひなの(神奈川・横須賀学院高)を「有効」優勢で破っての決勝進出。高校入学以来初めての全国タイトルを目指して、王者・谷川との決戦に挑む。

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決勝、谷川は舟久保に釣り手を絞らせたまま右内股「有効」を奪う

決勝は谷川、舟久保ともに右組みの相四つ。谷川が引き手で袖を得ると、舟久保も即座に引き手で谷川の釣り手を絞り落とし、両者両袖のまま腕を回して釣り手を求め合う形となる。谷川は釣り手を斜めに上げ、次いで対角線に落として動かし、絞る舟久保の手をねじ切ろうとするが舟久保あくまで離さず。

舟久保の握りの強さを理解した谷川はすぐさま対応。自身の右腰近くに落とした釣り手を相手に絞らせたまま、再び斜めに挙げての右内股。離すまいとガッチリ袖に指を食いこませていた舟久保は逆にこの手に体が引きずられ、かつ自身が手を挙げて巻き返そうとしていたタイミングに相手の攻撃がかち合ってしまい回避不可能。谷川、前に崩れた相手の体を脚に載せて回すと舟久保はまず頭、次に体側から畳に落ちてこれは「有効」。ここまで経過時間は僅か16秒。

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谷川は投げの後も引き手の拘束を緩めず

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谷川は引き手を橋頭堡に腰を抱え、頭側からめくり返して抑え込みを狙う

袖を掴んだまま着地の瞬間まで相手の釣り手を絞っていた舟久保、慌ててこの手を離して畳に伏せるが、谷川の方は左引き手で掴んだ舟久保の右袖をあくまで離さず。右手で腰を抱えてフォロー、頭側に回って体重を掛けてめくり返すと、この袖の拘束が利いて寝技の得意な舟久保もさすがに抗えず半回転。谷川は「押す側」の右ではなく、舟久保が反転する方向の左に体を置いて待ち構え、相手の左側からの横四方に固める。主審はこれを見て「抑え込み」を宣告。

舟久保激しく抗い幾度も腹這いになり掛かるが、頭に掛けられた体重を剥がせず、またパニックを起こさずジリジリと小さい体重移動だけで押し込んで「直す」谷川の捌きの良さに抗えず、42秒「一本」が宣告される。

谷川、見事優勝決定。5戦して4つの一本勝ちという圧勝であった。

インターハイでは無印から爆発的な力を発揮して日本一を達成した谷川。天才性漂うその勝ち上がりの一方で、「狙われた」状況で勝ち抜くだけの戦術性の高さや圧倒的な地力があるかどうかが今回の課題とされていた。一回切りの突然変異ではなく継続してハイレベルで戦い続ける力があるかどうかが試される、いわば今回は日本代表へと続く「強者のグループ」への登竜門であった。

谷川はこの課題に満点で応えてみせたと評したい。誰もが谷川を強者と規定してその技を封じに掛かる、光を消しに来るというバックグラウンドの中でこれだけの勝ちぶりの良さは並々なものではない。

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決勝の内股「有効」(別角度)

決勝の右内股は、業師須貝等から続く「相手に絞らせたまま投げる」内股の系譜。例えばこの一撃は、右相四つで生命線の釣り手を持たせてくれない相手に対して投げに至る理路があるという具体的な証左であった。(その前段の相手の手を剥がそうと挙げた組み手の駆け引きの動きと、投げの釣り手の動作の軌道が相似であるという「作り」も見事であった)
その後の展開では、高校柔道界屈指の寝技ファイターである舟久保から、スタート態勢の有利を生かしてキッチリ取り切り寝技技術の確かさを見せてもいる。圧倒的な地力と天才性漂う投げに、「光を消しに来る」相手を投げる具体的技術、勝ち抜くための手堅い寝技。集まった報道陣を前に優勝旗の後に隠れてはにかんだインターハイ時とは打って変わった堂々たる大会後の受け答えも併せて、谷川は階級きっての強者として着実に成長していると評しておきたい。才能あるジュニア世代、大学生世代が凌ぎを削る激戦階級ではあるが、谷川はそこに割って入っていけるだけの器を持つ、スター候補だ。

敗れた舟久保は、粘り強い組み手という自身の長所を利用され、かつ最大の武器である寝技で抑え込まれるという完敗。とはいえ1年生のこの選手も高校入学後の1年間で明らかに力を増しており、以後の活躍には大いに期待したいところ。

四つ角シード選手の村井惟衣は3回戦で栗田ひなのにGS延長戦「有効」で敗退、武田亮子は3回戦で佐々木愛(福島・好間高)に片手絞「一本」(0:33)で敗れた。

入賞者と谷川のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

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優勝の谷川美歩

【入賞者】

優 勝:谷川美歩(静岡・藤枝順心高)
準優勝:舟久保遥香(山梨・富士学苑高)
第三位:林美七海(大阪・東大阪大敬愛高)、栗田ひなの(神奈川・横須賀学院高)
敢闘賞:宮嶋沙知(京都・立命館宇治高)、佐々木愛(福島・好間高)、中垣佑香(福岡・沖学園高)、枠谷菜々(和歌山・箕島高)

谷川美歩選手のコメント
「インターハイは勝ちましたが、今日は挑戦者の気持ちで戦いました。相手が対策をしてくる中で勝てたということで、インターハイよりもずっとうれしい優勝です。夏に比べて、冷静に、落ち着いて試合が出来るようになったと思います。とは言っても、前は試合展開を覚えていられないくらいだったので(笑)。寝技は得意ではなく、少し使えるくらいです。課題ですか?1つ1つの技の「入り」をもっと覚えて、増やしていきたいです。世界で戦える選手になりたいので、頑張ります」

【準々決勝】

谷川美歩○横四方固(2:23)△宮嶋沙知
林美七海○優勢[指導2]△佐々木愛
栗田ひなの○優勢[指導2]△中垣佑香
舟久保遥香○優勢[指導3]△枠谷菜々

【準決勝】

谷川美歩○内股透(2:13)△林美七海
舟久保遥香○優勢[有効]△栗田ひなの

【決勝】

谷川美歩○横四方固(0:42)△舟久保遥香

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版4月15日掲載記事より転載・編集しています。
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