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大本命太田彪雅が見事優勝、準優勝者石川竜多の健闘光る・全国高等学校柔道選手権男子無差別レポート

(2015年4月15日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版4月15日掲載記事より転載・編集しています。
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大本命太田彪雅が見事優勝、準優勝者石川竜多の健闘光る
全国高等学校柔道選手権男子無差別レポート
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1回戦、後藤昌毅が並里樹の技を捌く

100kg級と100kg超級の混合階級、かつこれが今代初めての全国大会。四つ角シードを占めたのは太田彪雅(栃木・白鴎大足利)、蓜島剛(埼玉・埼玉栄高)、伊藤好信(愛媛・新田高)らこれまで実績のある選手だが、やはり全国は広く、高校生の成長の早さは周囲の想像を超える。序盤戦はアップセットが続出した。

天理高のエース並里樹は1回戦で後藤昌毅(山形・山形工高)に「指導1」で敗戦。1回戦を順調に勝ち上がった竹村昂大(国士舘高)は川井康平(静岡・静岡学園高)を相手に失った小内刈「技有」を取り返せず2回戦敗退。早川佑斗(神奈川・東海大相模高)は初戦で上野翔平(石川・津幡高)にGS延長戦「有効」で競り負け、そして優勝候補の一角と目されていた石山潤平(兵庫・神戸国際大附高)は牧野祐也(福井・福井工大福井高)の払腰一発に捕まり衝撃的な一本負け(0:56)。

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3回戦、太田彪雅が後藤昌毅から内股「一本」

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準々決勝、太田彪雅が後藤龍真から小外刈「一本」

そんな中、準決勝に勝ち残ったのは太田彪雅、上野翔平、蓜島剛、石川竜多(茨城・水戸工高)の4名。

大本命の太田は素晴らしい勝ち上がり。2回戦で河野壮登(島根・開星高)を上四方固(2:26)、3回戦は初戦の並里樹撃破後に全国中学大会66kg級王者の木崎光輝を倒して来た後藤昌毅を僅か24秒の内股、準々決勝は後藤龍真(熊本・鎮西高)を同じく24秒の小外刈と3試合連続の一本勝ち。1人格が違うとでも言わんばかりの悠然たる試合ぶり。

上野は1回戦で佐野世純(三重・四日市中央工高)を「有効」優勢、2回戦では早川祐斗をGS延長戦「有効」、3回戦は前戦で竹村昂大を破った川合康平をGS「指導1」(GS1:00)、そして準々決勝は瀬川勇気(北海道・東海大四高)を「指導2」優勢で破って来た。腰の重さを生かした粘り強い柔道で殊勲のベスト4入り。

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2回戦、蓜島剛が牧野祐也を攻める

全国中学大会最重量級王者で14年アジアカデ選手権を制している1年生・蓜島はまず2回戦で、初戦で石山潤平を破った強敵牧野祐也を「指導1」の優勢で撃破。3回戦は東阪泰輔(大阪・関西大北陽高)をGS延長戦出足払「一本」(GS0:40)、準々決勝は東北勢の強者が3人詰め込まれた混戦ブロックを勝ち上がってきた生形晃基(岩手・盛岡中央高)を「指導2」の優勢で下してベスト4入り決定。

インターハイ100kg級3位の石川は強者2人に競り勝ってのベスト4入り。1回戦で河野剛(徳島・阿波高)を合技「一本」(1:14)で退けると、勝負どころの2回戦はシード選手伊藤好信(愛媛・新田高)に「指導1」の優勢で競り勝ち、続いて並木泰雅(愛知・大成高)との大一番もGS延長戦「指導1」で制する。準々決勝は那根将貴(沖縄・沖縄尚学高)を「技有」優勢で下し、評判通りの強さを見せての準決勝進出。

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準決勝、太田彪雅が上野翔平から払巻込「有効」

第1試合は太田、上野ともに右組みの相四つ。太田は右内股に支釣込足の蹴り崩しと激しく攻めるが上野の腰の重さと間合いの巧さを崩せず、なかなかポイントを奪えない。ならばと体の外側を固定に掛かった2分8秒、払巻込で上野を捕まえて「有効」奪取、このポイントを以て決勝進出を決めた。太田の投げに対するあくなき執念と、上野の地力の強さともに際立った一番だった。

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準決勝、石川竜多が蓜島剛から支釣込足「技有」

第2試合は蓜島が右、石川が左組みのケンカ四つ。蓜島が出足払に右の小外掛、石川は左内股で攻め合うがともに譲らず「指導1」を奪い合った状態で本戦3分が終了。試合はGS延長戦に縺れ込む。
そしてGS36秒、石川が体捌き良く支釣込足。引っ掛け、崩し、浴びせ、そして死に体の蓜島は激しく畳をバウンド。文句なしに決まったこの一撃は「技有」となり激戦に幕。石川、アジアカデ王者蓜島をも倒してついに決勝進出決定。

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決勝、石川が強気の組み手で太田を前に引きずり出す

決勝は身長179cm体重110kgの太田が右、183cm100kgの石川が左組みのケンカ四つ。

太田は釣り手を下から持って前進しつつ引き手を求める。石川釣り手を一旦突いて太田を押しとどめ、次いでその釣り手で背中を得て圧力、前にあおって太田を引きずり出す。太田畳を割って「待て」。経過時間は30秒。

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石川は場外まで突進、太田の右内股を抱き付き返す

再開直後、石川が組み際に左大外刈。捌いた太田は流れを掴むべく前進し、石川は場外に詰まる。腰を入れ合う形の横変形から太田が内股のフェイントを入れた右小外刈、しかし崩れかけた石川は踏み止まって左内股、太田が外へ逃れると畳を蹴って激しくこれを追う。太田は下がりながら右内股に迎え入れるが石川の突進が勝り、片足でバランスを崩した太田は石川の左小外掛に崩され背中から激しく畳に落ちる。しかしこれは「待て」の後でノーカウント。石川が小細工なしに繰り広げるスケールの大きな攻めを、太田がやや持て余しているという印象。経過時間は1分3秒。

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石川の左内股が「技有」

再開後、石川釣り手で横から背中を持つと太田の体を乗り越えて左大腰を2連発、さらに大内刈を一撃入れると再び腰を差し込んで左大腰。あくまで地力勝負を挑む石川に対し、太田ならばと内股フェイントを入れて鋭い右小外掛に打って出る。タイミング抜群、良く腹の出た「一本」が想起される一撃であったが石川は踏み止まり、後ろに重心を掛けた太田が反らした上体を戻そうとした瞬間に思い切り左内股。勝負どころはこことばかりに天井に向けて高く脚を上げ、縦回転に体を捨てたこの一撃に対し、自身の重心移動を利用された太田為す術なく一回転「技有」。世代最強選手と目される太田の思わぬ失点、それも投げられての「技有」という大きなポイントに場内異様などよめきに包まれる。経過時間は1分45秒、残り時間は僅かに1分15秒。石川、圧倒的優勢。

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太田は大外刈に内股と技を繋ぎ、ついに石川を捕まえ「有効」

太田は事態を呑みこみ即座に戦闘スタイルを切り替える。顔色を変えて前進に次ぐ前進、しかし石川も「出ればそれだけ下がる」ことで太田の技に重心を固定されることを避け、攻撃距離を与えない。石川が畳を割った1分54秒、石川に場外の「指導」。

太田はさらに前へ。石川釣り手を突き、さらにキッチリ引き手を持つことで太田を止めに掛かるが、太田はもはや石川の重心を捕まえるまで前進を辞めない構え。場外際まで石川を追い詰め、下がる石川に大外刈を2連発。下がりきれなくなった石川は左の巻き込み動作で展開を切ろうとするが太田の前進に負け、相手の体の外、右側で膝を着いてしまう。太田は大外刈で踏み込んだステップから流れを切らずに、内股。距離は遠かったが、ここで投げずば勝利なしとの太田の覚悟が勝り、脚だけに相手の体を載せる形で持ち上げて縦に体を捨てると石川の体は大きく前に崩れる。太田もう一段蹴り上げて遮二無二回し、これは「有効」。

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、必死で脚を抜いて抑え込みを狙う

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崩袈裟固から横四方固と繋いで太田が「一本」奪取

太田の投げは「技有」に届かず、残り時間は38秒。ここまで駒を詰め切って投げを決めた太田は見事だが、このまま試合が終われば石川の勝利が決まる状況は変わらない。双方が崩れた形から太田が腕挫十字固を狙う形で横倒しの石川の右腕を確保すると、石川は脚を絡んで耐える。太田はその腕を伸ばして仰向けの相手の上部に這い登りながら必死に脚を抜きに掛かる。抑えれば太田、耐えれば石川、まさしく勝負の分かれ目となったこの攻防を制したのは太田。歯を食いしばって必死の形相で脚を引き抜き、相手の右から崩袈裟固、次いで横四方固に連絡してガッチリ石川を抑え込む。石川必死の抵抗も、横四方固への連絡で相手との隙間がなくなり、ここで実質試合は終了。残り1秒で太田の「一本」が宣告されて熱戦決着、一本勝ちで太田が全国高校選手権無差別を制することとなった。

太田のメンタルの強さが光った一番。地力に自信があったと言ってしまえばそれまでだが、「一本」を獲るしかない状況で相手の逃げ場がなくなるまで詰めに詰め切った連続攻撃、そしてここを逃せば敗戦確実という後のないワンチャンスをあくまで活かしきった精神力はまさしく賞賛に値する。その競技力の高さの一方でムラ気という弱点が指摘され続けてきた太田だが、団体戦で頂点に絡むチームでエースとして戦い続けた1年間を経て精神的に一皮剥けた、と評してしかるべき内容と結果だった。

敗れた石川も素晴らしかった。「技有」奪取後の戦い方は戦術的に未熟な印象を残したが、まさに粗削りなまま、スケール感の大きさを保ったままでここまでの戦果を残したことがなにより見事。戦術性で背伸びをして無理やりに届いた2位ではなく、明らかに伸びしろが大きい「生」の柔道で強豪校で揉まれたエリートたちを投げ続け、決勝で太田まで放るに至ったその試合振りの良さ、素材の良さは、各大学のスカウトにとってはまさしく垂涎。今季の高校柔道界の主役として注目しておくべき一人だろう。

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優勝の太田彪雅

【入賞者】

優 勝:太田彪雅(栃木・白鴎大足利高)
準優勝:石川竜多(茨城・水戸工高)
第三位:上野翔平(石川・津幡高)、蓜島剛(埼玉・埼玉栄高)
敢闘賞:後藤龍真(熊本・鎮西高)、瀨川勇気(北海道・東海大四高)、生形晃基(岩手・盛岡中央高)、那根将貴(沖縄・沖縄尚学高)

太田彪雅選手のコメント
「(「技有失陥は」)フェイントの小外掛に、うまく合されてしまいました。正直やばいな、と思いましたし、余裕はなかったです。(抑え込んだ場面は)ここを逃したらもう負けだと必死でした。全体的には、全試合「一本」で勝つくらいの気持ちがあったので、満足できる内容ではないです。インターハイで実現したいと思います。とにかく、勝ててホッとしました。次の目標は、まず世界ジュニアで優勝することです」

【準々決勝】

太田彪雅○小外刈(0:24)△後藤龍真
上野翔平○優勢[指導2]△瀨川勇気
蓜島剛○優勢[指導2]△生形晃基
石川竜多○優勢[技有]△那根将貴

【準決勝】

太田彪雅○優勢[有効]△上野翔平
石川竜多○優勢[技有]△蓜島剛

【決勝】

太田彪雅○横四方固(2:59)△石川竜多

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