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第37回全国高等学校柔道選手権大会・女子団体戦マッチレポート②準決勝

(2015年4月7日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版4月7日掲載記事より転載・編集しています。
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女子団体戦マッチレポート②準決勝
第37回全国高等学校柔道選手権大会
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準決勝が開始される

大成高 - 桐蔭学園高
(先)黒木七都美 - 馬場彩子
(中)鍋倉那美 - 嶺井美穂
(大)鈴木伊織 - 川村真由

Aシード校同士による予想通りのベスト4対決。
エース鍋倉を中心に3ポジションの平均値が高い大成に対して、大駒嶺井1枚の抜群の得点力を前面に押し立てて勝利を得る桐蔭学園と、そのチームカラーは対照的。桐蔭学園はここまでと選手の配置を変えず、大成はこの試合から大将枠に決戦兵力である鈴木伊織を投入して準決勝の畳に臨む。

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第1試合、両軍通じた勝負の鍵は桐蔭学園・嶺井美穂の配置

予選とポジションを変えて中堅に座る桐蔭学園・嶺井の配置がこの試合を考える上での最大のポイント。高校生であれば体重差関係なく誰からでも勝利を狙える力量のある嶺井だが、中学時代からのライバル鍋倉とのマッチアップに限っては話が別。直接対決は嶺井が連勝中だが、ポイントの有無に関わらずその試合内容はいずれも非常な小差。団体戦本戦レギュレーションにおけるこの試合は、事前予測としては引き分けと考えておくのが妥当。

ということは、勝利するためのもっとも現実的なシナリオが代表戦(代表者1名によるGS対決)まで決着を持ち込んで再度の嶺井-鍋倉戦を実現することにある桐蔭学園に許される残り2試合の失点は「0」。攻撃力抜群の大成に対してこのミッションはどのチームにとっても相当な負荷であり、予選のレギュラー櫻井眞子を欠くチームがこの圧に耐えられるかどうか、これが桐蔭学園に課されたこの試合の大きな課題。

一方の大成は、この試合に限ってはエース鍋倉がまず「負けない」ことが肝要。その上で実力に勝る残り2ポジションのうち1試合を確実に取れば良い。とはいえ、嶺井の高校生のスケールを飛び越えた強さは脅威で、もし鍋倉が苦杯を喫するようなことがあれば盤面の石の黒白は一気にひっくり返ってしまう。出来得れば先鋒と大将で2点を挙げて、中堅戦の結果に影響されずに試合を決めてしまいたいところ。

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黒木七都美と馬場彩子の先鋒戦

そのバックグランドを両者十分に呑んだ上で開始された準決勝、先鋒戦の黒木七都美と馬場彩子の一番でミッションを達成したのは桐蔭学園・馬場。昨年のインターハイ覇者の黒木を相手に辛くも引き分けを獲得し、一段階自軍にシナリオを引き寄せる。

鍋倉-嶺井の注目対決はやはり実力拮抗、中盤鍋倉に「指導1」1つが与えられたが双方決定的なチャンスを作り出せず、与えず。この試合は競り合いのまま引き分け。

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鈴木伊織が開始早々の背負投で「有効」

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鈴木は攻撃の手を緩めず、袖釣込腰「一本」で試合を締める

0-0で迎えた大将戦は自身の仕事を良く弁えた大成・鈴木伊織がほとんど怒気を孕んで突進、開始早々に右背負投で「有効」、さらに21秒には右袖釣込腰で振り投げて「技有」奪取と川村真由を圧倒。最後は45秒に再び右袖釣込腰、外側に砕けてしまった前回の技を受けて今度は右脚で相手を止めて巻き込む形で投げ切り「一本」で勝負を決め、熱戦に幕。大成が1-0で桐蔭学園を下し、決勝への勝ち上がりを決めた。

大成高 1-0 桐蔭学園高
(先)黒木七都美×引分×馬場彩子
(中)鍋倉那美×引分×嶺井美穂
(大)鈴木伊織○袖釣込腰(0:45)△川村真由

先鋒戦の馬場の頑張りが試合を揺らしかけたが、大枠駒の配置通りに盤面が進行したという印象の試合。大成の快勝と評しておくべきだろう。ただし、ここまでの試合同様、大成は各々の駒が順当に力を発揮しているものの、いずれも「力以上」の活躍をまだ見せていないことが決勝に向けて気がかりな部分。

黄金世代と呼ばれて1年時から優勝候補に挙げられつつも未だ高校カテゴリの全国制覇がなく、ついに決勝に進んだ昨夏のインターハイでも敗れている(東大阪大敬愛に1-1の内容差)大成は、団体戦優勝というミッションに関して記憶の傷を抱える状況のはず。圧倒的と評される強さがあったからこそ、逆に団体戦全国大会を経るごとに心に細かく傷を負い、そのミッションの心的ハードルは一段、また一段と上がってきたという状況にある。まして前日は鍋倉、中江美裕、鈴木伊織という主戦3人が個人戦決勝で立て続けに敗れ、「決勝を勝つ」ことに関するハードルの自己設定は、おそらく客観的な競技力だけで測るよりも相当高いところにあるかと思われる。そんな中で、優勝に辿り着くために必要なのはチーム全体が波に乗ること。そのため必要とされるのは、例えば絶対に勝てると心の底から信じられるくらいに圧倒的な勝ちを積み重ねること、あるいは、誰かが力以上の好調さを発揮してチームを牽引すること。いずれも今日この日ここまでの大成には、まだ現出しているようには見えない。おそらくその役割を担うべく準決勝から投入された鈴木は目論み通り圧勝したが、力関係的に大きく勝る相手であったことがこの観点からすれば実は逆効果。順当に力を発揮して力関係通りの結果を残したというスケールにその活躍の凄さが矮小化されてしまった感がある。インターハイから5か月、ついに再び臨む決勝の畳に向けて選手のメンタルをどう持っていくのか、気持ちをどう盛り上げていくのかが問われるところ。

一方の桐蔭学園は、やはり櫻井の欠場が最後に響いた。前を凌いで無差別枠の嶺井勝負、最後は代表戦で決着というのが上位対戦でありうべき本来のシナリオではなかったかと思われるが、この形を狂わせたまま無念の敗戦。代わって入った川村真由、そして先鋒の馬場彩子らは奮闘してベスト4進出を十分支えたが、対大成戦というギリギリの状況になってついにチーム全体のキャパシティから水があふれ出てしまった印象。

ともあれ大成、手堅く試合をまとめて決勝進出決定。

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埼玉栄の先鋒常見海琴は得意の「逆の大腰」で一本勝ち

埼玉栄高 2-1 東大阪大敬愛高
(先)常見海琴○大腰(0:54)△出村花恋
(中)工藤七海○小外掛(2:56)△林美七海
(大)冨田若春△優勢[指導2]○斉藤芽生

第2試合は埼玉栄が東大阪大敬愛を圧倒。先鋒常見海琴が「有効」をリードされながらも得意の「逆の大腰」で出村花恋に一本勝ち、続いて畳に上がった工藤七海も大将冨田に勝負の決着を委ねることを峻拒、あくまで勝利に拘って試合終了4秒前の小外掛「一本」でチームの勝利を確定する。

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冨田若春と斉藤芽生の大将戦

埼玉栄の前衛2枚の頑張りの結果、冨田若春と斉藤芽衣の大駒対決は「消化試合」となる。負傷明けでコンディション不良の冨田であったが、試合を壊さず、あくまで畳に立ち続けこの試合は「指導2」失陥までで試合終了。東大阪大敬愛は斉藤の優勢勝ちで1点を返したものの時既に遅く、通算スコア2-1で埼玉栄が決勝への勝ち上がりを決めた。

勝たずば戻らず、といわんばかりの前衛2枚の覚悟に満ちた試合振りも素晴らしいものがあったが、大将冨田の大人の試合ぶりが印象的な一番だった。相手は難敵斉藤、自身はコンディション不良。万が一派手な一本負けでも喫するようなことがあれば決勝に向けてチームが勢いを失いかねない場面、もっと言ってしまえば「指導」失陥による優勢負けであっても焦りの表情や疲労の蓄積を見せてしまうだけでも次戦に悪い流れを残すであろう難しい試合であったはずだが、冨田は「全て織り込み済み」とばかりに表情を変えず、「待て」の際にはむしろ相手より早く開始線に戻る勢いで疲労を見せず、図太く畳に居残り続けた。負傷明けの大将冨田のコンディション不良は本来チームの最大の不安因子であるはずだが、その「被害」を最小限度に留めて、少しでも良い雰囲気で決勝を迎えようという冨田の試合態度に埼玉栄のチームプロデュースの上手さが見えた、興味深い一戦であった。

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Bシード評価から見事ベスト4まで勝ち残った東大阪大敬愛高

東大阪大敬愛は前で凌いで斉藤に繋ぐというミッションを達成仕切れず。しかし、当たり前のようにベスト4に残るその強さはひとつ印象的なものがあった。中学時代全国を席巻したスターチームである前代がなかなか勝てない中(前年度の高校選手権は優勝候補に挙げられながらベスト8で敗戦)、最後のインターハイで勝利。勝利の記憶が次代に残すものの大きさを感じさせる、自信に溢れたベスト4進出劇であった。

結果決まった決勝のカードは本命同士による注目の一番。

大成高 - 埼玉栄高


となった。

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