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第37回全国高等学校柔道選手権大会・男子団体戦マッチレポート⑤準決勝

(2015年3月30日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版3月30日掲載記事より転載・編集しています。
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男子団体戦マッチレポート⑤準決勝
第37回全国高等学校柔道選手権大会
■ 準決勝
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巨大戦力の国士舘高に挑戦する大牟田高

国士舘高 - 大牟田高
(先)磯村亮太 - 立野宏輔(先)
(次)河田闘志 - 坂本崇輔(次)
(中)飯田健太郎 - 西山瑠星(中)
(副)竹村昂大 - 西田将樹(副)
(大)山田伊織 - 浜野大生(大)

国士舘は前衛ブロック2枚、後衛の決戦兵力ブロック3枚という構成を動かさず。前衛は準々決勝からメンバー、順番とも変えず、後衛3枚は相手の戦力を考えて竹村を「前出し」した前戦から、尖兵飯田、後詰めの竹村、本丸の山田という本来の形に戻して布陣。

一方の大牟田は準々決勝と変わらぬオーダー順。西田、浜野という後衛二枚の直前に攻撃カードの西山を置いて、少しでも相手の兵力を減殺して最後に控えるエース浜野が戦う試合の盤面全体における意味づけを出来うる限り高め、そこで勝負を掛けんとする態勢。

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国士舘の先鋒磯村亮太が大牟田・立野宏輔から大内刈「一本」

そして開始された試合は国士舘が大牟田を圧倒。前戦で先鋒に起用されながら一試合のみで畳を降りている磯村は挽回のしどころはこことばかりにまず立野宏輔を右大外刈、右内股で立て続けに攻め立てる。いずれも単発の大技で得点の気配が濃いとは言えない攻めだったが、一発一発の砲力の大きさとその継続性に立野は徐々に陣地を失い、1分12秒に放たれたケンケンの右大内股には物理的にも精神的にもや下がるべき場所なし。追い掛けた磯村、最後は大内刈に連絡して決め切り「一本」、1分12秒。

磯村、第2試合はケンカ四つの坂本崇輔とマッチアップ。組み手技術を駆使して勝負どころの先送りを図る坂本に対して捕まえ、圧を掛け、そして掛け、としつこく攻撃を繰り返し、残り57秒で「指導1」奪取。直後手の詰まった坂本を右小外刈に捉え「有効」を獲得、このポイントを以て優勢勝ち決定。

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磯村が下からめくり返して縦四方固、西山瑠星を倒して3人抜き達成

前戦で2人を抜いて大牟田ベスト4入りの原動力となった西山瑠星と相対した第3試合も磯村の前進圧力と大技の鉈という愚直なまでの攻撃志向は止まず、ほぼ時間一杯攻め切った末に西山を縦四方固に抑え込み「一本」奪取に成功。磯村はこれで3人抜きを達成、4人目のポイントゲッター西田将樹戦ではさすがにスタミナが切れたか2つの「指導」を失って畳から降りたものの、全国大会準決勝での3人抜きという堂々たる成果を得て帰陣。粒ぞろいの国士舘の戦力の中にあって唯一波に乗れていない印象の磯村であったが、これで好調のチームの輪に入ってきた感あり。

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国士舘の次鋒河田闘志が西田将樹を払腰「一本」に仕留める

国士舘は続いて畳に上がった河田闘志が磯村以上の勤勉さで大技を撃ち込み続ける。支釣込足に右大外刈と攻め立てて西田の精神的なスタミナを削ると、53秒には覚悟を決めて真裏への右大外落で「有効」奪取。これで手応えを得たか、続く展開では思い切った右払腰に飛び込んで「一本」獲得。試合時間僅か1分33秒、これで大牟田は最後の砦である浜野大生が早くも畳に登場することとなる。

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河田と浜野大生による最終戦

河田はこの最終戦も勤勉愚直に「仕事」を展開。浜野を引き手争いに付き合わせて52秒に双方に「指導」、以後は右大外刈、右払腰に右内股、フェイントを入れての右小外刈と表情を変えずに鉈を振るい続ける。決して冴えのある技とは言い難いが、サイズをテコにその鉈を振るうこと自体が自分の役割とばかりに大技を仕掛け続ける河田の前に、浜野の攻撃意欲は減退。この試合はそのまま引き分けに終わり、三人残しの大差を以て国士舘が決勝進出を決めることとなった。

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スコア三人残し、国士舘は万全の態勢で決勝進出決定

国士舘高○三人残し△大牟田高
(先)磯村亮太○大内刈(1:12)△立野宏輔(先)
(先)磯村亮太○優勢[有効・小外刈]△坂本崇輔(次)
(先)磯村亮太○縦四方固(2:59)△西山瑠星(中)
(先)磯村亮太△優勢[指導2]○西田将樹(副)
(次)河田闘志○払腰(1:35)△西田将樹(副)
(次)河田闘志×引分×浜野大生(大)
(中)飯田健太郎
(副)竹村昂大
(大)山田伊織

国士舘は後衛の決戦兵力を畳に送り出すことなく、ローテーション制を敷く前衛の2枚だけで5人を賄うというベスト4戦としてはありえないほどの圧勝。過剰なほどの戦力を背景に万に一つの失敗を冒さぬよう万全の構えで頂点を狙う国士舘と、望外のシード権獲得に好組み合わせ、そして県内のライバル田中英二(東海大五高)の個人戦準優勝に発奮したエース浜野大生の爆発と全ての要素を揃えた爪先だちの結果ベスト4という高みにまで到達した大牟田。その戦力差と、「通過点」「最高到達点」という会戦地の位置づけの差が明確に表れた準決勝だった。レギュラー入りを争う立場である河田が西田、浜野というエース2人を1人で潰したことにその差はまさしく端的。唯一抗し得ると思われた業師浜野はあまりの大差に戦闘意欲を削がれてしまい、持ち味を発揮できぬまま試合を終えたという印象だった。

国士舘、万全の構えで決勝進出決定。ミッション達成までいよいよ残り試合はあと「一」。

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大成と日体荏原、四つ角シード同士の強豪による準決勝

大成高 - 日体荏原高
(先)渡辺神威 - 長井晃志(先)
- 東部雄大(次)
(次)友田皓太 - 東部雄大(次)
(中)神鳥剛 - 長井達也(中)
(副)並木泰雅 - 藤原崇太郎(副)
(大)古賀颯人 - 松井海斗(大)

こちらは国士舘への挑戦権を争う二強が順当に勝ち上がり、満を持してのベスト4対決。
大成は準々決勝のオーダー順をマイナーチェンジ。後衛の「三本の矢」のうち前戦で2試合を戦っている古賀を大将に下げ、前戦で大将に温存した神鳥を中堅に上げて布陣した。中盤を分厚く、スクランブル時には試合の融通の利く古賀で最悪でも相手を止め、万が一代表戦となっても休養を入れて神鳥、あるいは並木を畳に送り出すことが可能という二段構えの布陣。

一方の日体荏原も前戦から中堅と大将を入れ換えるという全く同じ策を採って対陣。3回戦で2試合を戦ったのみで休養十分の巨人・長井達也に中堅ポジションで抜き役を期待し、前戦の立役者でこの日もっとも計算できる駒である藤原を副将に継続起用。長井で抜き、出来得れば藤原で試合をまとめて、縺れる前に試合を終わらせてしまいたいところ。

前衛に目を移すと、先鋒には大成が技の切れ味抜群で気風の良い柔道をする渡辺神威、一方の日体荏原はどこからでも技が出て殴り合いも「仕事」も出来る長井晃志と、ともに斬り込み隊長役としてはうってつけの駒を投入。次鋒にはともに試合の上手さと一発を兼ね備えた友田皓太と東部雄大がマッチアップし、つまりは前衛の陣形もこれまた相似。ここでどちらがリードして三人目に繋ぐか、そして主力同士がぶつかる中盤戦でどちらの地力が勝るかが勝負を分ける大きなポイント。前線は長く、かつどの局面でも非常に力の拮抗した緊張感溢れる盤面。

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日体荏原・東部雄大が渡辺神威を袈裟固に仕留める

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東部が友田皓太の左一本背負投を真裏に返し「有効」

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大成の神鳥剛が東部雄大を鮮やかな左小内刈「一本」に斬って落とす

先鋒戦はケンカ四つの攻め合いから渡辺が抜け出し、1分37秒隅落「有効」奪取。そのまま試合を終えて大成が先制。

しかし日体荏原は続けて畳に上がった東部雄大が持ち味を発揮。左相四つの渡辺に来して体格差と組み手の巧さを利して攻め込み1分0秒に「指導1」を奪取、1分36秒には組み際の左払巻込を入れて「有効」を奪い、そのまま袈裟固に抑え込んで一本勝ちを果たす。さらに第3戦では友田皓太との技の仕掛け合いをじっくり見極め、2分7秒に友田の左一本背負投をめくり返して「有効」奪取、残り時間の友田の追撃を「取り組まない」判断による「指導」ひとつに抑えて2人抜き達成。日体荏原、前衛ブロックで一人差をリードすることに成功。

大成はここで「三本の矢」の一角神鳥剛が登場。左相四つの東部を左小内刈で転がしかけて感触を掴むと、続いて上下のあおりを呉れながら相手を動かし、引き出しの左小内刈で斬り落とし鮮やかな「一本」、1分12秒。3戦目で体力の落ちた東部にとっては前後に移動を強いられながらというもっとも苦しい作り、そして着地の際の足技という最も我慢の効きにくい質の掛け、それも足技の得意な自身のお株を奪われるというバックグランドまで三段揃えられてしまったという完璧な形。大成、神鳥の鮮やかな一撃でスコアをタイに戻す。

続く中堅同士の試合は神鳥に長井達也がマッチアップするポイントゲッター対決。日体荏原としてはどうしても抜きたい駒、そして状況だが、神鳥は長井のパワーを捌きあぐねながらも粘り強く攻め返して引き分けを獲得。勝負の行方は副将同士の対決となる第6戦以降に持ち込まれる。スコアはタイだが、日体荏原としては大駒役を担うべき長井が一人も抜けずに畳を降りることになり、試合の流れはここに至ってやや大成に傾く。

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大成の副将・並木泰雅が藤原崇太郎の左小外刈を捌き、被り落として「有効」獲得

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藤原は猛攻、必死でビハインドを追い掛け「指導3」まで迫る

そしてこの背中に受ける僅かな風向きの変化を大成の副将並木泰雅がしっかり自分の試合に生かす。前戦までで醸成された反抗気運が畳に残る序盤に日体荏原・藤原崇太郎のフェイントを入れた小外刈を切り返して被り、1分5秒「有効」獲得。早い時間帯での思わぬ失点に藤原は顔色を変えて左大内刈、左体落、左内股と激しく攻めるが状況を心得た並木は冷静。良くも悪くも藤原に付き合わず、一度出来上がった場の流れを煮えさせることなく試合を継続する。

しかしそれでも攻めを止めない藤原、「指導2」まで得た最終盤では体勢低く左内股、続けて膝を屈した並木を立たせて左払腰で思い切り放るポイント級の投げを見せるがこれは「待て」の後でノーカウント。しかし藤原のあくなき攻めが、この払腰一発によりついに試合の流れを変え得る危険水位にまで達した感あり。残り10秒を過ぎ、もはやどんな形でもゴールせねばと腹を括った並木は掛け潰れで試合を一旦切る。

この行為で並木に偽装攻撃による「指導3」が宣告される。あと「指導」1つで逆転というところまで迫った藤原は背負投を連発して並木の牙城に迫るが、ここで終了ブザーが鳴り響く。並木が「有効」による優勢で勝利を収め、大成は一人差のリードを得て日体荏原の大将松井海斗を引きずり出すことに成功。

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日体荏原の大将・松井海斗が並木の右払腰を返して「技有」獲得

どうやら大成の勝利に向けて大勢が落ち着いたと思われる戦況であったが、藤原の猛攻により試合の流れは水面下で微妙に変わっていた。第7試合は松井が左、並木が右組みのケンカ四つ。並木が鋭くフェイントの右小外刈を仕掛ける場面はあったものの、序盤は非常に静かな展開。

1分24秒、並木が場外際で思い切った右払腰。松井はこれを待っていましたとばかりに抱きかかえて思い切り返し、真裏に並木を叩きつける。「一本」相当と思われたこの技の主審の評価は意外にも「有効」、しかし両副審のアピールにより直後に「技有」に訂正される。

先ほどとは攻守立場を変えて、序盤の失点を必死に追い掛けるのは並木。フェイントの小外刈、ステップを切って一旦足を振り上げての支釣込足、そして右払腰と激しく攻め続け、残り46秒で「指導1」、残り17秒で「指導2」を得る。疲労した松井はもはや耐えるのが精いっぱい、残り2秒で3つ目の「指導」が宣告されるが直後にタイムアップのブザーが鳴り響く。この試合は松井の「技有」による勝利に終着。

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大将対決、松井の左内股を古賀颯人は右内股に変換する

大詰めの第8試合は畳に残った松井海斗と、大成・古賀颯人による大将同士の対決。
松井が左、古賀は右組みのケンカ四つ。古賀は機を見て強気に引き手から持ちに掛かるが、サイズに勝る松井は釣り手一本のまま内股で跳ね上げてリスク少なく攻勢権の確保を狙う。しかし29秒に放たれた松井の内股を高く自身の脚を上げて捌き切った古賀はこれをきっかけに両手を得、釣り手を激しく動かして形を作ると思い切った右内股。松井返しにかかるが、1分0秒松井に「指導1」。

奮起した松井は直後両襟を握って思い切った左内股を放つ。迫力十分のこの技を古賀はしかしあくまで自分の攻撃に変換、捌くなり回し込みの右内股に切り返してこちらも思い切り投げに掛かる。エネルギーを振り絞った技が逆にピンチを生んだこの攻防で精神的な糸が切れたか、直後松井は疲労を露わにし「待て」の声にもなかなか立ち上がれない。

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古賀が松井の左内股を透かして「技有」獲得

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古賀は横三角で残り時間を存分に使う

釣り手の巻き返し合い、内股の仕掛け合いの中で、2分過ぎに松井が釣り手を上から奥襟に深く入れ、古賀が釣り手を下から持って引き手を自身に引き寄せる体勢を作り上げる。見た目は松井優位だが釣り手と引き手のコントロール権は腕の曲げ伸ばしが効く古賀、しかし松井にはサイズがあり、そして間合いは互いの技の威力を伝えるに十分な近距離。そのまま時間が過ぎること1秒、また1秒。次に両者が打つ手を観衆息を呑んで見つめる中、先に動いたのは松井。もはや我慢出来ずとばかりに思い切った左内股に打って出るが、古賀は攻防一致の素晴らしいタイミングで内股透に切り返す。松井は釣り手を放して巻き込みの形で流したが、コントロールの材料を一つ放棄したこの判断が最後の命取り。古賀は瞬間強く引き手を引き、かつ釣り手を押し込むハンドル操作で松井を大きく崩し、その体を乗り越えるように浴びせて2分12秒決定的な「技有」奪取。投げられた松井は集中を切らずに、自らの体を乗り越えて落ちた古賀を横四方固に抑え込むものの、古賀必死で逃れ「待て」。

もはや攻めるしかない松井は横落の奇襲を試みるが、その選択は古賀の想定内。一歩下がって素早く潰すと横三角を仕掛けて松井の動きを封じ、寝技で十分時間を消費してタイムアップの声を聞く。この試合は古賀が「技有」による優勢で勝ちを得、結果大成は一人を残してこの激戦に勝利。見事決勝へと駒を進めることとなった。

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大成は打ち続く激戦をいずれも撃ち合いに応じて制し、ついに決勝進出決定

大成高○一人残し△日体荏原高
(先)渡辺神威○優勢[有効]△長井晃志(先)
(先)渡辺神威△袈裟固(2:13)○東部雄大(次)
(次)友田皓太△優勢[有効・谷落]○東部雄大(次)
(中)神鳥剛○小内刈(1:12)△東部雄大(次)
(中)神鳥剛×引分×長井達也(中)
(副)並木泰雅○優勢[有効・浮落]△藤原崇太郎(副)
(副)並木泰雅△優勢[技有・隅落]○松井海斗(大)
(大)古賀颯人○優勢[技有・内股透]△松井海斗(大)

幾度も勝負の流れが入れ替わった大激戦。星取りを見る限りもっとも大きな分水嶺は中盤戦において相手のエース格2枚を潰した中堅神鳥の活躍と考えて間違いないかと思われるが、その大きな流れに大枠沿った後半戦の戦況の変化も非常に興味深かった。勝敗に関係なく、むしろ敗れた側の「それでも攻め続けること」という行為が大いに全体の勝負の行方を左右したというゲームであった。

具体的には、序盤に失点したがその後ほぼフルタイムに渡って一方的に攻め続けた日体荏原・藤原の姿勢、そして同じく序盤に失点しながら残り2秒の「指導3」まで松井を追い詰めた大成・並木の猛攻だ。両者の攻めはそれぞれ次戦の松井の勝利、そして古賀の勝利に直結している。引き分ければチームの勝利を決められる並木が、自らが相手の間合いに入って行かない限り投げられるリスクのない力関係にあるはずの松井に対して、それも必要のない時間帯で崩し少なく片足技の払腰に打って出るというミスを犯したのはその判断を狂わされるほどに藤原の攻めを受け続けたダメージがあったからであり、次戦で松井が相手有利の場面で我慢できずに打開すること自体を目的とするような内股を放ち、結果相手の技が良く見える姿勢で待ち構えていた古賀の内股透を食ったのも、前戦で並木の攻めを受け続けて精神的にも肉体的にもスタミナが切れていたゆえと見る。

戦前、指揮官がともに「チームのための試合が出来ること」「抜き試合という状況を考えた、繋ぐ試合が出来ること」を課題として挙げていた両チーム。粗さも単純ミスも場当たり的な判断も少なからず見られた試合ではあったが、その指揮官の課題設定に後衛の選手達が自分たちなりに現時点のキャパシティーを使い切って、存分に応えてみせた試合であったと評したい。後半戦は相譲らぬ攻め合い、流れの取り合いであったが、神鳥の活躍で出来上がっていた大きな流れを変えるには至らなかった、大成が殴り合いに応じながらも退かず、その流れを変えさせなかったという一番だった。

大成は3回戦の埼玉栄戦、準々決勝の白鴎大足利戦、そしてこの日体荏原戦と撃ち合いの接戦を3試合連続で制して見事決勝進出決定。

敗れた日体荏原。今大会は松井の復活に藤原の円熟という上積みポイントがあったが、大駒長井が勝負どころで力を出し切れなかったこと、仕事師東部が防御力不安定で波に乗り切れなかったこと、そして何より冬季招待試合と東京予選で大暴れして中心選手なみの活躍を見せていたキーマン長井晃志が爆発仕切れなかったことでそのプラスは相殺されてしまった感あり。力通りの成績を残した大会ではあったが、その一方で順行運転の展開を超える爆発力、頂点に駆け上がるためにもう一段必要な勝負の波を捕まえることが出来なかった大会でもあった。日本一になるには実力に加え、勝負の綾を捕まえて波に乗ることが必要。そしてそもそもその勝負の綾を見つけ出すためには、為すべきことをきっちり成し遂げて場を研ぎ澄まし、勝負どころを検知する針の感度を上げておかねばならないはずだ。日体荏原の今大会の試合で、その感度の針が振れるような試合は僅少、敢えて挙げるとすれば準々決勝の天理戦のみ。今大会で見せた試合振りの延長線上に再度のベスト4は十分あり得るが、頂点を極めるシナリオが存在するかというとこれは非常に難しいのではないか。全国大会3位という実績、そして悔しい敗戦を経てどのようにチームを導くのか、何をテコに実力以上の力を発揮させようと企むのか。小久保監督の手腕と選手の頑張りに期待したい。

結果決まったカードは大本命と対抗一番手による注目対決。

国士舘高 - 大成高

となった。

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