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グランプリ・デュッセルドルフ第2日・各階級ひとこと展望

(2015年2月20日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版2月20日掲載記事より転載・編集しています。
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各階級ひとこと展望
グランプリ・デュッセルドルフ第2日
■ 73kg級・強者揃った激戦階級、大野将平、サインジャルガルらノーシードの実力者に注目集まる
エントリー59名
日本選手:大野将平(旭化成)、西山雄希(了徳寺学園職)

【概況・有力選手】

日本が3人の世界王者を抱えるこの階級、海外選手はダンゴ状態となってその後を追う状態。シード選手はランキング順に決まるため、セージ・ムキ(イスラエル)、ヴィクター・スクボトフ(UAE)、ロク・ドラクシック(スロベニア)とワールドツアー皆勤選手あるいは14年世界選手権で上位に入った選手と直近にポイントを獲得している選手が配されているが、実力者が多いこの階級はシード順ではなかなか力が測れない。

今大会もノーシード選手にサインジャルガル・ニャムオチル(モンゴル)、大野将平、西山雄希、ヌグザリ・タタラシビリ(グルジア)、ラシャ・シャフダトゥアシビリ(グルジア)と実力者がギッシリ。エントリー者も大会最大の59名で、どこを見ても地力のある強者が座った非常に厳しいトーナメントと言える。

チェリャビンスク世界選手権でまさかの早期敗退を喫したリオ世界選手権王者・大野将平がどこまであの圧倒的な強さを取り戻しているか、復活基調にある西山雄希がこの厳しいメンバーの中でどこまでやるのかが、日本のファンのみならず世界が注視するであろう最大の見どころ。

【組み合わせ(シード選手・有力選手)】 

[プールA]
Aシード選手:セージ・ムキ(イスラエル)
Bシード選手:アレックス・ウイリアム・ポンポ ダシウバ(ブラジル)
有力選手:アン・チャングリム(韓国)、キヨシ・ウエマツ(スペイン)

ムキの山だが、注目すべきはノーシード選手のアン。昨春筑波大を離れて龍仁大に移籍、昨秋の世界ジュニア選手権で見事優勝を果たしたばかりのまさしく今が旬の選手だ。明らかに日本時代より地力が一段あがったこの選手が、試合巧者のムキとどう戦うか。成長曲線止まらず今回表彰台に上がってくるようであれば世界選手権での活躍は現実的だ。伸び盛りのアンの、気風の良い柔道に今回も期待。

[プールB]
Aシード選手:ディルク・ファンティシェル(ベルギー)
Bシード選手:サインジャルガル・ニャムオチル(モンゴル)
有力選手:ラシャ・シャフダトゥアシビリ(グルジア)、大野将平

最激戦区。シード選手は百戦錬磨のベテランであるファンティシェルだが、自分の「下」に配された選手の陣容のすさまじさに青ざめているのではないだろうか。
上側の山にはファンティシェルと66kg級五輪王者シャフダトゥアシビリが配され、3回戦で激突。下側の山ではサインジャルガルと大野が3回戦で相まみえる。

五輪以降映えない試合が続いていたシャフダトゥアシビリは昨年からようやく上昇気流に乗りつつある。隅返を軸に大内刈、内股と繋ぐ変則柔道が試合巧者ファンティシェルに通じるか、そしてファンティシェルが苦手な「パワー派」として通用するだけのグルジア選手らしい体の力を73kg級で発揮出来るかどうか。

サインジャルガル-大野戦も非常に興味深い。チェリャビンスク世界選手権の対決では一発技に拘るサインジャルガルを後目に大野が組み手の優位と早い技出しで「指導」を積み上げるというクレバーな戦法で勝ち抜いたという経緯のある一戦。いわば大野が自身の「投げ一発」のイメージを晒して勝負よりも試合に拘ったという一番だったが、終盤これに気づくも届かず終了ブザーに畳を叩いて悔しがったサインジャルガルが今回戦術的に戦うのか、それともあくまで投げを狙うのか、そしてあの時持ち味を殺して勝ちを得たもののその罰を食うかのように次戦で無名の韓国選手の前に一本負けを喫した大野はどう出るのか。双方の「出方」に注目集まる一番。

[プールC]
Aシード選手:ヴィクター・スクボトフ(UAE)
Bシード選手:ヌグザリ・タタラシビリ(グルジア)
有力選手:西山雄希

「ワールドツアー皆勤者」というステージから脱皮して本番突如絞め技に開眼、チェリャビンスク世界選手権で3位に入賞したスクボトフがシードされた山。

しかしこのプールの地力ナンバーワンはタタラシビリと思われる。パワー抜群のタタラシビリに対して、線は細いが投技の切れる西山と、同じく線の細さを抱えながら試合力抜群のスクボトフが後を追うプールと規定しておきたい。

西山は1回戦からサーヒィ・ドレボット(ウクライナ)と油断のならない相手。勝てば3回戦でスクボトフ、準々決勝は正念場のタタラシビリ戦となる。全戦通じて、おそらくは西山の投げを怖れて十分組ませずに戦ってくる相手に、どう対応して技に繋げるかが唯一最大の勝負の鍵。


[プールD]
Aシード選手:ロク・ドラクシック(スロベニア)
Bシード選手:ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)

他ブロックの激戦が嘘のように、選手の密度の薄いブロック。シード選手2人に絡み得るのもガンバータル・オドバヤル(モンゴル)くらいで、少々興味の持ちがたいブロック。

■ 81kg級・役者揃ったハイレベル階級、永瀬貴規は両世界王者に再び挑戦
エントリー54名
日本選手:永瀬貴規(筑波大3年)、長島啓太(日本中央競馬会)

【概況・有力選手】

13年リオ世界選手権王者ロイック・ピエトリ(フランス)と14年チェリャビンスク世界選手権王者アヴタンディル・チリキシビリ(グルジア)、そして両者に勝利の経験を持つ永瀬貴規とここまでの3人の参戦だけでスーパーハイレベルトーナメントの実現は確定。これにワールドツアー皆勤者でチェリャビンスク世界選手権銀メダリストの試合巧者アントワーヌ・ヴァロワフォルティエ(カナダ)、ロンドン五輪から2年のブランクを経て昨秋から戦線復帰したレアンドロ・ギヘイロ(ブラジル)にもと73kg級世界王者で昨夏から階級を上げたワン・キチュン(韓国)と世界大会の表彰台クラスがズラリと並ぶ。60kg級、90kg級と並んで本大会の目玉階級と位置づけて間違いないだろう。

日本からは永瀬貴規と長島啓太の2人が参戦。

永瀬はピエトリと一騎打ちで他に敵が見当たらないDブロック、一方の長島は絶対の強者はいないが面倒な中堅選手がギッシリのBブロックと好対照の配置。グランドスラム東京で、イワン・ニフォントフ(ロシア)、キム・ジェブン(韓国)にチリキシビリと世界王者3人を投げつけて優勝した永瀬が今回も同等の力を発揮できるかどうかに注目。永瀬の最高到達点の高さは誰もが認めるところで、残る課題は本番に向けた駆け引きや試合力の整備ということになるはずだ。勝っても負けても確実に世界選手権に向けて布石が打たれる今大会、その駆け引きの起点として、ライバル達との試合の様相そのものを注視しておきたい。

【組み合わせ(シード選手・有力選手)】 

[プールA]
Aシード選手:アヴタンディル・チリキシビリ(グルジア)
Bシード選手:ロマン・モウストポロウス(ギリシャ)
有力選手:レアンドロ・ギヘイロ(ブラジル)、イワン・ヴォロビエフ(ロシア)

チリキシビリの山。Bシードのモウストポロウスはアウトサイダーと考えて良さそうだが、その直下に小外刈職人ヴォロビエフと復活を期すギヘイロの2人が配された。

ギヘイロはラスズロ・クソクナイ(ハンガリー)を突破すればヴォロビエフ、チリキシビリと連戦。チリキシビリの勝ち上がりの可能性がもっとも高く、ギヘイロが往時の力に近いパフォーマンスを見せたときのみ勝敗が揺れるというブロック。力さえ戻っていればギヘイロの担ぎはチリキシビリの「左右両組み」にも対応できる可能性がある。

[プールB]
Aシード選手:トラビス・スティーブンス(アメリカ)
Bシード選手:スヴェン・マレシュ(ドイツ)
有力選手:アラン・シュミット(フランス)、長島啓太、ワン・キチュン(韓国)

激戦区。長島は2試合目でマレシュと戦い、勝てばワン、続いてシュミット(スティーブンス)とマッチアップ予定というフルコースが待ち受ける厳しい配置。

[プールC]
Aシード選手:アントワーヌ・ヴァロワフォルティエ(カナダ)
Bシード選手:セルジュ・トマ(UAE)

ヴァロワフォルティエと「場外際の魔術師」トマという戦術派2人がシードを張り、他には強豪の影がないブロック。地力の強さと組み手の上手さに加えて最近投げの強さを獲得しつつあるヴァロワフォルティエが優位と見るが、ここ1年のUAE選手は大会に出てくるたびに新しい要素を盛って来ることが多く、油断がならない。良くも悪くも手堅い試合を志向するヴァロワフォルティエに対し、順行運転からいきなりトリッキーな展開に跳躍できるトマがどう試合をかき回せるかが勝敗の分かれ目。

[プールD]
Aシード選手:ロイック・ピエトリ(フランス)
Bシード選手:永瀬貴規

2強による準々決勝がこのブロック唯一の見どころで、何としても見逃せない一番。勝者がそのまま決勝で、おそらくはチリキシビリと雌雄を決すると予測しておいて良いかと思われる。

■ 63kg級・シュレシンジャー移籍してイギリスから参戦、第2グループの勢力図に変化起きるか
エントリー37名
日本選手:田代未来(コマツ)

【概況・有力選手】

この階級は世界選手権で2大会連続決勝を争ったヤーデン・ゲルビ(イスラエル)と、クラリス・アグベニュー(フランス)の2人が他を大きく引き離した感あり。

続く勢力は再編成のまっただ中だが、今大会はその第2グループの主役級であるティナ・トレステニャク(スロベニア)、マルチナ・トラジドス(ドイツ)、田代未来にアンロール・ベラル(フランス)らが揃って参戦。2強への挑戦権を掛けてのサバイバルマッチだ。

その激戦の中に、かつてイスラエルのエースとして活躍したアリス・シュレシンジャーが国籍をイギリスに変えて飛び込む。2009年ロッテルダム世界選手権3位、2010年東京世界選手権5位と北京-ロンドン期に全盛を誇ったこの選手は現在26歳。ロンドン以後はほとんど試合に出ずほぼ引退状態と思われていたが、全盛期に二番手だったゲルビの世界王者戴冠、そして国民的スターへの成長をよそに国を飛び出していた。2014年秋のイギリス選手権に優勝し、この冬季シーズンからはイギリス籍で国際大会に参戦、2月8日に行われたヨーロッパオープンソフィアでは2位に入賞している。この選手の力が上記の第2グループの勢力図再編の中で現在どこにあるのか、これを見極めるのが今大会の裏テーマと言えよう。

【組み合わせ(シード選手・有力選手)】 

[プールA]
Aシード選手:ティナ・トレステニャク(スロベニア)
Bシード選手:ハンナ・マーティン(アメリカ)
有力選手:アリス・シュレシンジャー(イギリス)

チェリャビンスク世界選手権で銅メダルを獲得して以降グランプリ・ザグレブ1位、グランドスラム・アブダビ1位、グランドスラム東京1位と連戦連勝、躍進著しいトレステニャクが第1シード。そして直下にシュレシンジャーが配されるという非常に面白い山。対決は3回戦、勝者がそのまま準決勝まで進むと見ておいて良いかと思われる。

[プールB]
Aシード選手:マルチナ・トラジドス(ドイツ)
Bシード選手:ジョン・ダウン(韓国)

世界選手権では2大会連続7位、中堅選手として確定しつつあるニッチから一段脱皮を試みる最中のトラジドスが第4シード。ここにアジア大会のド根性ファイトがファンの記憶にも新しいジョン・ダウン(韓国)が並べて配された。トラジドスにはまずアンナ・ベルンホルム(スウェーデン)、次いでツェンドアユシュ・ナランジャルガル(モンゴル)と少々歯ごたえのある選手が配されたが、勝ち上がり自体は動かないと見る。準々決勝はトラジドスとジョンの対戦と見ておいて良いだろう。

[プールC]
Aシード選手:エドウィッジ・グウェン(イタリア)
Bシード選手:ヤン・ジュインシュア(中国)

ランキング7位のエドウィッジ・グウェンが第2シード。下側の山にはアジア大会で阿部香奈と連戦、激戦を繰り広げたヤン・ジュインシュアが配された。他に強豪の影はなく、両者の激突が濃厚。ヤンの勝ち上がりを押す。

[プールD]
Aシード選手:アンロール・ベラル(フランス)
Bシード選手:田代未来

フランスの2番手として昨年大活躍した32歳のベテラン、アンロール・ベラルが第3シード。逆サイドに田代未来が座ったブロック。ここも両者以外にこれといった強豪の配置はなく、シード選手同士が準々決勝を争うことがほぼ確実。

田代は組み合わせ運が良く、トレステニャク、シュレシンジャー、トラジドスなどこれぞという敵はほとんどが逆サイド。阿部に粘着して完封して見せたヤンはうるさい相手ではあるが、しっかり決勝まで勝ち上がって力を見せておきたい大会だ。

■ 70kg級・ファルカスコッホ、ズパンシック、新井の3人が三つ巴の争い

エントリー32名
日本選手:新井千鶴(三井住友海上火災)、田知本遥(ALSOK)

※田知本は大会直前に棄権を表明

【概況・有力選手】

2週間前のグランプリ・ソフィアで2位入賞したマルゴ・ピノ(フランス)と3位入賞のジュリアン・ロブラ(スイス)がBシードにも入れず、ロブラに至っては第1シードのラウラ・ファルカスコッホ(ドイツ)との1回戦が組まれるという扱い。明らかに一段も二段もレベルの違う欧州シリーズ「本番」の大会である。

ところがその大事な大会を前にして、田知本遥(ALSOK)がチーム内規定に反して持参の風邪薬を服用し、ドーピングの怖れから大会を棄権せざるを得ないという考えられない大失態。トップレベル2人を突っ込んで競わせるという強化の意図は崩壊、日本は新井千鶴1枚で大会を戦うこととなった。

トーナメントを引っ張るのは第1シードのファルカスコッホと第2シードのケリタ・ズパンシック(カナダ)、そして新井の3人。

ツアー皆勤、体の強さとしつこい大内刈で常に上位に進出し続けるファルカスコッホには今大会初の地元優勝の期待が掛かる。対抗馬はやはり新井。国際舞台に強いと言われながら昨季はいまひとつ突き抜けられなかったが、2015年シーズンは今のところ好調、ヨーロッパオープンソフィアに続く2大会連続優勝を目指す。

【組み合わせ(シード選手・有力選手)】 

[プールA]
Aシード選手:ラウラ・ファルカスコッホ(ドイツ)
Bシード選手:アントニア・モレイラ(アンゴラ)
有力選手:ジュリアン・ロブラ(スイス)、ツェンドアユシュ・ナランジャルガル(モンゴル)

ファルカスコッホが悠々勝ち抜くと見る。力的にも相性的にも止め得る選手が見つからない。

[プールB]
Aシード選手:アスマ・ニアン(モロッコ)
Bシード選手:バーバラ・マティッツ(クロアチア)
有力選手:ファニーエステル・ポスヴィト(フランス)

ここは混戦ブロック。上記3人とも実力者であり、誰が勝ち上がってもおかしくない。不確定要素は受けは脆いが一撃に力のあるゾウ・チャオ(中国)。初戦でマティッツがマッチアップする。

[プールC]
Aシード選手:ケリタ・ズパンシック(カナダ)
Bシード選手:新井千鶴
有力選手:チェン・フェイ(中国)

ズパンシックと新井の一騎打ち。確認出来る限り両者の対戦は一勝一敗、直近の対戦は昨年7月のグランドスラム・チュメンで、この試合は互いに引かぬ大激戦の末に終盤の小内刈「技有」でズパンシックが勝利している。
どの大会でも常に上位に顔を出すズパンシックは非常にわかりやすい指標。新井はここで一つしっかり力を示しておきたい。

[プールD]
Aシード選手:サリー・コンウェイ(イギリス)
Bシード選手:イリアナ・マルツォク(ドイツ)
有力選手:マルゴ・ピノ(フランス)

いささか戦いぶりに不安定さがある選手ではあるが、コンウェイの勝ち上がりを考えておいて良いのではないかと思われる。ヨーロッパオープンソフィアの決勝進出で勢いに乗るピノはマルツォクとの2回戦を乗り越えてコンウェイに戦いを挑みたいところ。

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