PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

ヨーロッパオープンローマ・各階級詳細×評

(2015年2月18日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版2月18日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード
各階級詳細×評
ヨーロッパオープンローマ
既に速報で両大会における日本勢の大活躍を伝えさせて頂いたが、ファンの皆様はこの「ヨーロッパオープン」という滅多に報道の俎上に上ってこない大会の勝利をどう評価すべきか、多少なりとも悩んでおられるのではないだろうか。よってこの稿ではまず、今季の日本代表欧州遠征における「ヨーロッパオープン」の位置づけとその評価の仕方について書いておきたい。

「コンチネンタルオープン」(旧「ワールドカップ」)と呼ばれるこのカテゴリはグランドスラム、グランプリのさらに一段下の大会であり、主催はIJFではなく大陸連盟。優勝者の獲得出来るポイントも僅か100で、グランプリ大会の3位(120点)を下回る。

冬季欧州シリーズにおけるオープン大会は他地区、他時期のそれと比べて一定以上の盛り上がりはあるとはいえ、通常の時期ならば日本代表クラスの派遣対象となるようなカテゴリの大会ではない。しかし日本が代々この時期の欧州遠征を世界選手権代表選考の事実上の予選と位置付けていること、そして今季は最重要大会であるグランドスラム・パリがなくなった(10月に延期)ことの掛け算により、日本もグランプリ・デュッセルドルフと並べて一線級の選手を送り込むこととなったのだ。

では代表選手のこの大会での勝利、あるいは敗戦をどう評価すべきか。これは大会として一元的に考えるべきではなく、各階級ごとに精査していくしかない。より具体的には、放っておけばグランプリの入賞歴がないような選手だけで出場者が固められるはずのこのカテゴリの大会にあって、どんな大物がその階級に参加して、トーナメント全体のレベルがどこに着地したのか、日本選手がその大物選手と実際に対決したのかどうか、これを見極めてその実績を評価する必要がある。

とはいえ、昨年ヌンイラ華蓮が証明してみせた(国際大会実績がヨーロッパオープン・ローマ優勝のみ)ように、ヨーロッパオープンの優勝は世界選手権代表選考に必要な「当年の国際大会の実績」という一項を満たすものとして十分機能する。放っておけばイージーに勝てるレベルに堕するはずのこの大会で選手がどれだけの「実」を掴んだのか、その「実」は評価に値するものなのかどうか。この観点に沿って各階級評を試みたい。

■ 60kg級
-大島優磨優勝、唯二つの山場をともに「一本」で乗り切る-

【入賞者】
1.OSHIMA, Yuma(JPN)
2.PAPINASHVILI, Amiran(GEO)
3.GARRIGOS, Francisco(ESP)
3.TRBOVC, Matjaz(SLO)
5.AN, Jianqi(CHN)
5.LI, Hui(CHN)
7.ANDREOLI, Fabio(ITA)
7.DI LORETO, Carmine Maria(ITA)

大島優磨(国士舘大2年)が見事優勝。世界選手権の上位を争うクラスの参戦は第1シードのアミラン・パピナシビリ(グルジア)ただ1人のみ、ワールドツアーで上位を争うレベルの注目選手も14年世界ジュニア王者のフランシスコ・ガリーゴス(スペイン)のみという極端なトーナメントであったが大島は直接対決の末いずれにも勝利。ともに全試合一本勝ちで迎えた決勝のパピナビシビリ戦は、パピナシビリ「技有」、大島が「有効」を得、ともに「指導3」まで失うというギリギリの戦いだったが残り1分を切ったところで大島が肩固に捉えて一本勝ちを果たした。

優勝という結果、全試合一本勝ちというその内容、そして決勝で挙げたパピナシビリという「首級」は大いに買える。この3つを全て失うピンチに陥った決勝を勝ち切った精神力も評価されるべきで、大島にとっては参加の意義ありの大会だった。

トーナメント自体は大島、パピナシビリ、ガリーゴスの3人がそのまま表彰台に上がり、以下の入賞メンバーに顧みるべき名前なし。事前の予測通り大島対ガリーゴス、大島対パピナシビリという2戦のみが山場という大会だった。

【日本選手勝ち上がり詳細】

大島優磨(国士舘大2年)
成績:優勝

[2回戦]
大島優磨○合技(1:52)△DIAZ LOPEZ Raul(ESP)
[3回戦]
大島優磨○横四方固(1:23)△DI LORETO Carmine Maria(ITA)
[準決勝]
大島優磨○横四方固(5:00)△GARRIGOS Francisco(ESP)
[決勝]
大島優磨○肩固(4:38)△PAPINASHVILI Amiran(GEO))

木戸慎二(パーク24)
成績:欠場

■ 66kg級
-髙上はグルジア選手に敗れミッション失敗、フリッカーがコンチネンタルオープン初優勝-

【入賞者】
1.FLICKER, Tal(ISR)
2.TATARASHVILI, Tornike(GEO)
3.OTTAVIANI, Julien(FRA)
3.TAKAJO, Tomofumi(JPN)
5.OLEINIC, Sergiu(POR)
5.PEIKRISHVILI, Tristan(GEO)
7.BRUNO, Emanuele(ITA)
7.SHMAILOV, Baruch(ISR)

実績的に抜きんでている髙上智史(旭化成)が当然ながら第1シード。ランキング次点の選手が配される第2シードにはこれまでの最高戦績が2014年グランプリ・ザグレブ3位でこれが唯一のIJF主催大会表彰台というタル・フリッカー(イスラエル)が配されたが、この一事を以てトーナメントのレベルは推して知るべし。

ということで客観的には髙上の優勝以外考えられないという様相の階級であったが、残念ながらミッションは失敗。準決勝でトルニケ・タタラシビリ(グルジア)にGS延長戦で釣込腰「有効」を奪われて敗れ、3位に留まった。

タタラシビリ(73kg級の強者ヌグザリ・タタラシビリとは別人)はこれまでの最高成績が13年2月のヨーロッパオープン・トビリシ5位。昨年3月のグランプリ・サムスンではダビド・ラローズ(フランス)とコリン・オーツ(イギリス)に連敗して7位、続く7月のウランバートル大会ではマー・ドゥアンビン(中国)に初戦で敗れて入賞なし、以降は国際大会に出場の記録がない。強国グルジアの選手ということもあり急速に力を伸ばしたと解釈することも可能だが、この日の決勝ではフリッカーに「指導3」「技有」「一本」と立て続けに失って惨敗しており、到底髙上が敗れるような相手と考えることは出来ない。

髙上に関しては「(グランドスラムでも、グランプリでもなく、局所的に強者が集った特殊な大会でもない)コンチネンタルオープンで3位に終わった」と、額面通りの評価を下されても仕方がないかと思われる。非常に厳しい結果であった。

【日本選手勝ち上がり詳細】

髙上智史(旭化成)
成績:3位

[2回戦]
髙上智史○合技(0:59)△MARTIN Ruben(USA)
[3回戦]
髙上智史○合技(2:11)△BARTUSIK Michal(POL)
[4回戦]
髙上智史○合技(4:58)△PEIKRISHVILI Tristan(GEO)
[準決勝]
髙上智史△GS有効・釣込腰(GS1:40)○TATARASHVILI Tornike(GEO)
[3位決定戦]
髙上智史○優勢[有効・背負投]△OLEINIC Sergiu(POL)

■ 73kg級
-決勝はグルジア対決、66kg級五輪王者シャフダトゥアシビリがコンチネンタルオープン初優勝-

【入賞者】
1.SHAVDATUASHVILI, Lasha(GEO)
2.TATALASHVILI, Nugzari(GEO)
3.SUN, Shuai(CHN)
3.WANDTKE, Igor(GER)
5.MADDALONI, Marco(ITA)
5.SZWARNOWIECKI, Damian(POL)
7.GIGANI, Phridon(GEO)
7.MARGELIDON, Arthur(CAN)

第1シードがヌグザリ・タタラシビリ、第2シードがロンドン五輪66kg級王者ラシャ・シャフダトゥアシビリ。この両グルジア勢以外に強者の参加は見事というほどに全くなく、「誰が出るかだけが問題」というコンチネンタルオープン大会の様相を見事に体現した1強全弱の超極端なトーナメント。

予想通りタタラシビリとシャフダトゥアシビリが決勝進出。タタラシビリはワールドツアー常連のイゴール・ヴァンドケー(ドイツ)に「指導3」勝ちが一つ、柔道が変則で相性に左右されることの多いシャフダトゥアシビリはサン・シューアイ(中国)に「有効」優勢が一つあったもののほぼ問題なしの勝ち上がり。決勝はシャフダトゥアシビリが4つの「指導」を奪って優勝を決めた。

隅返一本槍でロンドン五輪を制したシャフダトゥアシビリは以後一発屋の称号を払拭出来ず、コンチネンタルオープンですらなかなか勝てずに73kg級に転向。隅返を餌に大内刈、内股を織り交ぜるスタイルに変更してついに結果を残すかに見えた2014年6月のグランプリ・ブダペストの決勝では負傷を負ってしまい棄権、以後は再び映えない戦いを続けることとなっていたが、ついに復活の息吹を感じさせる大会となった。シャフダトゥアシビリはグランドスラム、グランプリ、コンチネンタルオープンまで含めてワールドツアー大会はこれが初優勝。

日本選手の出場はなかった。

■ 81kg級
-丸山剛毅が優勝、「基準点」バロアフォルティエにも見事一本勝ち-

【入賞者】
1.MARUYAMA, Goki(JPN)
2.MARESCH, Sven(GER)
3.KALABEGASHVILI, Shalva(ESP)
3.KIM, Jae-Bum(KOR)
5.CONRAD, Hannes(GER)
5.RYABOV, Sergey(RUS)
7.ERI, Hemubatu(CHN)
7.MOUSTOPOULOS, Roman(GRE)

81kg級はコンチネンタルオープンとして扱うには豪華すぎるメンバーが集まったなかなかのハイレベル階級。第1シードは14年世界選手権銀メダリストでロンドン五輪3位のアントワーヌ・ヴァロワフォルティエ(カナダ)、第2シードは世界大会を3度制したベテランのキム・ジェブン(韓国)。第3シードにもスヴェン・マレシュ(ドイツ)が入ってその陣容は厚い。

そんな中、日本の丸山剛毅(天理大4年)が素晴らしい勝ち上がりで見事優勝を果たした。3回戦でこの日の主役と目されたヴァロアフォルティエを内股「一本」に屠り去るなど4連続一本勝ちという圧倒的なスコアで決勝に進出。勝負に勝ち、あとは結果を残すだけとなった決勝はマレシュを「指導2」対「指導3」の反則累積差で振り切り、見事シニア国際大会初優勝を決めた。

コンチネンタルオープン優勝という結果以上に評価すべきは、なんといってもヴァロアフォルティエを丸山最大の武器である投技「一本」で退けたこと。現在ランキング2位、ワールドツアーのあらゆる大会に顔を出すこの選手はしぶとい組み手に受けの強さという戦術性の高さに加えて、ここ半年は技の威力も盛り始めた、一言で言って非常に厄介な選手、誰とでも「つまらない試合」に引きずり込む独特の世界を持った曲者だ。アヴタンディル・チリキシビリ(グルジア)にキム・ジェブン、ロイック・ピエトリ(フランス)やイワン・ニフォントフ(ロシア)らの第1グループと戦うには絶対に乗り越えなければならない「門番」であり、丸山はこの勝利によって彼らへの挑戦権を得たと言って良いだろう。もともと技一撃の強さで国際大会への適性アリとみなされていたはずの丸山だが、ついに具体的な結果を以てそのパーソナリティを証明したと言える。

第2シードのキム・ジェブンは2試合を「指導2」で勝ち抜くというまことにこの人らしい戦い方で準々決勝まで進んだが伏兵のシャルワ・カラベガシビリ(グルジア)に「有効」で敗退。結果3位に終わっている。

【日本選手勝ち上がり詳細】

丸山剛毅(天理大4年)
成績:優勝

[2回戦]
丸山剛毅○内股(2:34)△CAROLLO Massimiliano(ITA)
[3回戦]
丸山剛毅○大内刈(3:31)△VALOIS-FORTIER Antoine(CAN)
[4回戦]
丸山剛毅○内股(3:47)△CONRAD Hannes(GER)
[準決勝]
丸山剛毅○大外刈(1:59)△RYABOV Sergey(RUS)
[決勝]
丸山剛毅○優勢[指導3]△MARESCH Sven(GER)

渡邉勇人(東海大4年):欠場

■ 90kg級
-ライバル陥落にも動揺なし、ベイカー茉秋が安定感発揮し優勝果たす-

【入賞者】
1.BAKER, Mashu(JPN)
2.BRISSON, Nicolas(FRA)
3.GVINIASHVILI, Beka(GEO)
3.ZGANK, Mihael(SLO)
5.CAROLLO, Giovanni(ITA)
5.GERASIMENKO, Dmitri(SRB)
7.GUCHAPSHEV, Samir(RUS)
7.LEE, Kyu-Won(KOR)

第1シードと第2シードに13年世界ジュニア王者ベカ・グビニアシビリ(グルジア)とベイカー茉秋(東海大2年)の若手2人が配され、2009年ロッテルダム世界選手権王者イ・ギュウオン(韓国)が第3シードに入るというなかなかのトーナメント。この3人が実績的には抜きんでているが、各ブロックにもグランプリ大会の出場常連が散見され、全体のレベルとしては「コンチネンタルオープン」の域を超えていると評して良い。

ところがグビニアシビリは準々決勝で33歳の大ベテラン、ニコラス・ブライソン(フランス)と「技有」を取りあった末に一本負け。イ・ギュウオンも準々決勝でBシード選手のデミトリ・ゲラシメンコ(セルビア)に「指導2」対「指導3」で競り負けてトーナメントから脱落。

このアップセット続きの中、日本代表のベイカーは流れに呑まれることなく安定した力を発揮して優勝。初戦からアクセル・クルジェ(フランス)と少々面倒な相手が配されていたが、終わってみればこれが最大の山場であった。小外刈「技有」でこの試合を突破すると以降は一本勝ちを連発、準決勝ではイを破ったゲラシメンコを大内刈「一本」、決勝もブライソンを大内刈「一本」とライバル達を下した選手2人をしっかり退けて表彰台の中央に立った。

ベイカーが勝つべき試合を取りこぼしなくしっかり勝ったという大会と解釈しておいて間違いないだろう。ベイカーは現状の階級内ニッチを壊すことなく、世界選手権代表への挑戦権を保ったまま選抜体重別に臨むこととなった。


【日本選手勝ち上がり詳細】

ベイカー茉秋(東海大2年)
成績:優勝

[2回戦]
ベイカー茉秋○優勢[技有・小外刈]△CLERGET Axel(FRA)
[3回戦]
ベイカー茉秋○合技(1:26)△ZGANK Mihael(SLO)
[準決勝]
ベイカー茉秋○大内刈(1:28)△GERASIMENKO Dmitri(SRB)
[決勝]
ベイカー茉秋○大内刈(4:19)△BRISSON Nicolas(FRA)

長澤憲大(東海大3年):欠場

■ 100kg級
-羽賀龍之介が全試合一本勝ち、壊滅状態の100kg級に一筋の光明-

【入賞者】
1.HAGA, Ryunosuke(JPN)
2.NIKIFOROV, Toma(BEL)
3.FONSECA, Jorge(POR)
3.KRONBERGER, Christoph(AUT)
5.GOTO, Ryutaro(JPN)
5.MSKHALADZE, Aleksandre(GEO)
7.HAGENEDER, Maximilian(AUT)
7.PALTCHIK, Peter(ISR)

高木海帆(日本中央競馬会)、羽賀龍之介(旭化成)、後藤隆太郎(慶應義塾大2年)、ウルフアロン(東海大1年)と、グランドスラム東京の代表4人をそっくりそのまま「コンチネンタルオープン」という下位カテゴリ大会に注ぎ込んだ日本はもはやなりふり構わぬ背水の陣。

その覚悟が通じたか、「四本の矢」の中から羽賀龍之介が勝ち残り、見事優勝を果たした。

正直今回のトーナメントのレベルは高くない。第1シードは13年世界ジュニア3位で昨年のグランプリ・ハバナ優勝が唯一のIJF主催大会タイトルであるトマ・ニキフォロフ(ベルギー)で、ワールドツアー参加常連と呼べる選手は第2シードのジョルジ・フォンセカ(イタリア)、第4シードのアレクサンドル・ムシュカラドゼ(グルジア)、Bシード選手のヘクター・カンポス(アルゼンチン)のみで、かついずれも世界選手権の入賞に絡むようなレベルの選手ではない。羽賀は昨年6月のグランプリ・ブダペストで準優勝した際に決勝のヘンク・グロル(オランダ)戦以外は悠々勝利しており、今回の勝利はその際に示した「入賞圏外の選手にはしっかり勝つだけの力がある」という事実を再確認出来たに過ぎないという考え方もあるかもしれない。

しかし、この結果には2つの光明が見える。

ひとつはもっか壊滅状態の100kg級で日本勢が久々の国際大会タイトルを獲得したという事実。冒頭に書いた通り、昨年のヌンイラ華蓮の抜擢により冬季ヨーロッパオープン大会の優勝は世界選手権代表選出に必要な「当年の海外大会での実績」を満たすものとして扱わ得るという「判例」がある。他選手に実績がない中、羽賀はこの時点で世界選手権代表への権利の一つを満たしたと言って良いのではないだろうか。たった一人ではあるがようやく「候補者」の顔が見える結果が出たということに関しては素直に喜んで良いはずだ。

そしてもうひとつは全試合内股「一本」というこれぞ羽賀の本領とでも言うべき勝ち上がり。もしかして羽賀は後のなくなったこの状況をバネにかつての光を取り戻しつつあるのではないか、あるいは高校時代に身長が5cm伸びたという肉体的に晩成の羽賀がようやくピークに向けて階段を昇り始めたのではないか、ともろもろポジティブな妄想を掻き立てられずにはいられない内容の良さだ。

全ての選手をファーストアタックの内股「一本」で下していたと言って良い高校生時代、あっという間に国内トップクラスまで駆け上がったジュニア期、そして本来立ちはだかるべき選手がいなくなったことで突如第一人者として期待を掛けられることになり、かつ負傷でパフォーマンスがままならないここ数年、となかなかシニアカテゴリで発揮できない羽賀だが、いよいよブレイクという段に至るのか。まずは次週のグランプリ・デュッセルドルフに大いに期待したい。

というわけで羽賀が素晴らしいパフォーマンスを見せたローマ大会だったが、本来一番手を務めるべき講道館杯王者高木海帆が2回戦敗退、ウルフアロンが初戦敗退といずれも振るわず。高木は第1シードのニキフォロフ、ウルフはムシュカラドゼといずれも難敵との対戦ではあったがどちらも前述の通り世界大会で表彰台を狙うランクの選手ではなく、率直に言って非常に厳しい結果となった。準決勝で羽賀に敗れるまでは韓国のウォン・ジョンホーン、ジョルジ・フォンセカに勝利してまずまずの出来と言えた後藤隆太郎も3位決定戦ではこれまで実績のほとんどないクリストフ・クロンベルガーに敗れて5位。国内の序列的には差がハッキリついた大会と言える。

【日本選手勝ち上がり詳細】

羽賀龍之介(旭化成)
成績:優勝

[1回戦]
羽賀龍之介○内股(4:53)△AWITIALCARAZ Philip(AUS)
[2回戦]
羽賀龍之介○内股(3:17)△AMISTVALOV Yakov(ISR)
[3回戦]
羽賀龍之介○内股(2:50)△HAGENEDER Maximilian(AUS)
[準決勝]
羽賀龍之介○内股(0:42)△後藤隆太郎
[決勝]
羽賀龍之介○内股(4:17)△NIKIFOROV Toma(BEL)

後藤隆太郎(慶應義塾大2年)
成績:5位

[1回戦]
後藤隆太郎○出足払(2:11)△TOMASETTI Pablo Luciano(ITA)
[2回戦]
後藤隆太郎○合技(1:20)△WON Jonghoon(KOR)
[3回戦]
後藤隆太郎○上四方固(4:41)△FONSECA Jorge(POR)
[準決勝]
後藤隆太郎△内股(0:42)○羽賀龍之介
[3位決定戦]
後藤隆太郎△優勢[指導2]○KRONBERGER Christoph(AUS)

高木海帆(日本中央競馬会)
成績:2回戦敗退

[1回戦]
高木海帆○体落(3:07)△HAJAS Matej(SVK)
[2回戦]
高木海帆△優勢[技有・背負投]○NIKIFOROV Toma(BEL)

ウルフアロン(東海大1年)
成績:1回戦敗退

[1回戦]
ウルフアロン△小外掛(0:53)○MSKHALADZE Aleksandre(GEO)

■ 100kg超級
-原沢久喜、キム・ソーワンとマティアシビリ倒して優勝-

【入賞者】
1.HARASAWA, Hisayoshi(JPN)
2.MATIASHVILI, Levani(GEO)
3.IWAO, Keita(JPN)
3.KIM, Soo-Whan(KOR)
5.SARKISYAN, Stepan(RUS)
5.SASSON, Or(ISR)
7.OKRUASHVILI, Adam(GEO)
7.PASKEVICIUS, Marius(LTU)

ベテランの強者に売り出し中の新鋭となかなかのメンバーが揃った好トーナメントを堂々勝ち上がり、原沢久喜(日本大4年)が見事優勝。2回戦では韓国でキム・スンミンと長年2トップを張ってきたキム・ソーワンを合技「一本」で破り、決勝では成長著しい21歳のレヴァニ・マティアシビリ(グルジア)と対戦。早い組み手と技出しで「指導」3つを得、優勢勝ちで優勝を決めた。

超級は打倒リネールを狙う「第2グループ」に入り続けておくことが非常に重要。パワーと左右分け隔てなく技を使いこなすスタイルを駆使して昨年国際大会で大活躍したマティアシビリはこの第2グループ入りにほぼ手が届きつつある旬の選手である。原沢がベテランのキム、そして上り坂にあって国際的評価の高いマティアシビリをしっかり倒したことには非常に大きい。原沢の実力からすれば優勝自体は妥当な結果だが、「コンチネンタルオープン優勝」という額面に少々上乗せして評価されて然るべき大会だった。

講道館杯優勝、グランドスラム東京でもラファエル・シウバ(ブラジル)を倒して存在感を発揮した岩尾敬太(京葉ガス)も3位入賞。こちらもマティアシビリには敗れたものの、敗者復活戦では実力者マリウス・パスケビシャス(ラトビア)を下して3位に食い込む健闘だった。

第1シードに配された13年ワールドマスターズ王者、「裏投げ達磨」ことアダム・オクルアシビリ(グルジア)は2回戦でロシア選手にあっさり一本負け。これを受けて岩尾の反対側のリペチャージブロックはオクルアシビリ、キム・ソーワン、さらにオール・サッソン(イスラエル)が居並ぶ大激戦区となり、結果オクリアシビリは敗者復活戦でキムに一本負け。昨年の不調で100kg超級「第2グループ」から零れ落ちそうになっているオクルアシビリだが、年を明けてもその凋落には歯止めがかかっていない模様。昇る原沢とマティアシビリ、沈みゆくオクルアシビリとキム・ソーワン、超級における中堅グループの現状がハッキリと出たトーナメントだった。

【日本選手勝ち上がり詳細】

原沢久喜(日本大4年)
成績:優勝

[1回戦]
原沢久喜○内股(0:16)△GRAZIANO Alessandro(ITA)
[2回戦]
原沢久喜○合技(2:02)△KIM Soo-Whan(KOR)
[準決勝]
原沢久喜○内股(2:42)△SARKISYAN Stepan(RUS)
[決勝]
原沢久喜○優勢[指導3]△MATIASHVILI Levani(GEO)

岩尾敬太(京葉ガス)
成績:3位

[1回戦]
岩尾敬太○腕緘(3:38)△MORENO Andres Felipe(ITA)
[2回戦]
岩尾敬太△優勢[技有・大内刈]○MATIASHVILI Levani(GEO)
[敗者復活戦]
岩尾敬太○優勢[有効・大内刈]△PASKEVICIUS Marius(LTU)
[3位決定戦]
岩尾敬太○大外刈△SARKISYAN Stepan(RUS)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版2月18日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.