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【ROAD TO 高校選手権】水田三喜男杯争奪選抜高等学校柔道大会男子マッチレポート②準決勝~決勝

(2015年1月7日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版1月7日掲載記事より転載・編集しています。
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②準決勝~決勝
【ROAD TO 高校選手権】水田三喜男杯争奪選抜高等学校柔道大会男子マッチレポート
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準決勝、大成・岩倉優輝が埼玉栄・長濱快飛から大内刈「技有」

■準決勝

大成高 5-0 埼玉栄高
(先)渡邊神威○優勢[技有・内股]△焼谷風太
(次)岩倉優輝○優勢[有効・大内刈]△長濱快飛
(中)神鳥剛○合技[袖釣込腰・上四方固](1:27)△今入晃也
(副)友田皓太○優勢[技有・一本背負投]△蓜島剛
(大)清水裕希○支釣込足△高橋拓己

大成が気合の入った試合振りで1年生チームの埼玉栄を圧倒。
先鋒の全日本カデ73kg級準優勝者渡邊神威の内股「技有」で先制すると、次鋒戦ではこの布陣ではバイプレイヤーのはずの岩倉優輝がポイントゲッター格の長濱快飛から2分11秒に奪った大内刈「有効」で見事に勝利。

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大成・神鳥剛が埼玉栄・今入晃也から右袖釣込腰「技有」

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大成・友田皓太が蓜島剛から左一本背負投「技有」

埼玉栄はここから今入晃也、昨年の全国中学校大会重量級王者で全日本カデ準優勝者の蓜島剛とエース格が続くが、大成はここに神鳥剛と友田皓太の強力2枚を当てて盤石の構え。中堅戦は神鳥が1分13秒に右袖釣込腰で「技有」を奪い、そのまま抑え込んで合技の一本勝ち。副将戦は友田が1分35秒に左一本背負投で「技有」を奪い、蓜島の反撃を1分52秒の小内刈「有効」に抑えて勝利。最後は大将清水裕希が高橋拓己を支釣込足「一本」に仕留め、なんと5-0の大差でこの注目対決を終えることとなった。

一年生に好選手を揃えて全国大会での上位進出を夢見る埼玉栄を、ここでしっかり思い知らせておくとばかりに優勝候補の一角大成が踏み潰したという体の圧勝劇であった。

とはいえ、埼玉栄がこの日見せた試合はやはり出色であった。相手の隙を突いて技を捻じ込んで一勝でも多く挙げようという泥臭いスタイルを峻拒し、あくまで持ち、掛け、投げるというスケール感の高さを保ったままチームを成長させようという指導陣の明確な意思を感じさせるものだった。蓜島や今入の作り、崩し、掛けにはストレートな「取り味の高さ」が感じられる。彼らの投げが決まる度に畳の周囲で起こったどよめきは、この手の大物を嗅ぎ分ける嗅覚に誰より秀でた「同業者」である他校の選手達がなによりそのスケールの大きさを感じていることの証左に他ならない。

田村高に対する意外なもたつきに完封負けを喫したこの大成戦と現時点で全国大会の優勝を争うには厳しいという結果を突き付けられた形となったが、間違いなく伸びしろは当代随一。素材の良さに、それを生かすべく練られた長期展望。おそらく来年度にフォーカスしているチームだが、今季の高校選手権でも上位進出の可能性十分と評しておきたい。

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修徳・増山香輔が石郷岡秀征を後袈裟固に捉える

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佐藤竜が赤川広大に巴投、赤川一旦止めるが佐藤粘って真裏に転がし「有効」

修徳高 3-1 桐蔭学園高
(先)今村至△内股(0:29)○渡部甲誠
(次)増山香輔○合技[小外刈・後袈裟固]△石郷岡秀征
(中)佐藤竜○優勢[有効・巴投]△赤川広大
(副)佐々木和也×引分×戸﨑碧海
(大)室和樹○大外刈(1:52)△稲山怜央

桐蔭学園にとっての狙い目は修徳の今村至と室和樹が配された先鋒戦と大将戦。逆に修徳が得点を狙いたいのは次鋒戦と中堅戦で、勝負ポジションは双方の得点役がかち合う副将戦。ポジションごとの位置づけが比較的わかりやすいカード。

そして先鋒戦では渡部甲誠が今村至を内股「一本」に仕留めて桐蔭学園が目論み通りに先制。次鋒戦では修徳・増山香輔が軽量級の好選手石郷岡秀征を小外刈と後袈裟固の合技「一本」に仕留め、中堅戦では佐藤竜が1分16秒にマークした巴投「有効」で勝利を決める。

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稲山怜央が室和樹の右大外刈を巻き込み返して「技有」

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3つポイントを失った室が逆転の「一本」

しかし佐藤を「有効」で抑えたことが以後の盤面に良く効き、状況は桐蔭学園に有利。副将戦の引き分けを経た大将戦では桐蔭学園の稲山怜央が連続してポイントを奪取することとなる。大型選手の室はベンチの「大外刈を仕掛けろ」の激を処理しきれず47秒に相手のクロス組み手に対して引き手を離したまま大外刈を仕掛けてしまい、稲山の大外返を食ってまず「技有」失陥。稲山は室との力関係を有利と解釈し、1分11秒には払巻込「有効」、1分42秒にはさらに大外刈「有効」と腰高の室に技を打ちこみ続けて次々加点。このまま試合が終われば桐蔭学園の内容差での勝利決定、そしてその状況下であまりに続いたポイントの連続に試合がダレ始めたその時、ついに意を決した室の右大外刈が豪快に決まり逆転の「一本」、1分52秒。

修徳、逆転で、それも重点育成対象者の1人である室の一撃というこの上ない良い形でこの準決勝を突破。見事決勝へとたどり着くこととなった。

桐蔭学園は無念の敗戦。とはいえ松尾杯同様、小粒ながらしぶとさと一撃の強さを二つながらに示した大会と総括して良い出来であった。神奈川県予選での東海大相模との決戦は非常に楽しみだ。

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決勝、大成の先鋒渡邊神威の足車が豪快に決まり「一本」

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■決勝


大成高 - 修徳高
(先)渡邊神威 - 佐々木和也
(次)岩倉優輝 - 今村至
(中)神鳥剛 - 佐藤竜
(副)友田皓太 - 増山香輔
(大)清水裕希 - 室和樹

戦線全域に渡って大成が有利。かつ、修徳のエース佐藤竜が配置された中堅ポジションには昨年からレギュラーとして活躍する神鳥が座って大成の失点の可能性は僅少だ。

修徳としては残るポイントゲッターの増山と佐々木でなんとか得点を狙いたいところだが、増山を配した副将ポジションにはこれも前代のインターハイ3位チームで度々起用された友田、佐々木の座る先鋒には73kg級のカデ準優勝者の渡邊がそれぞれマッチアップ。これぞという強者には大成もまた段重ねで強者を配して、修徳にとってはまことに厳しい陣形だ。

一方の大成としては順行運転であればまずまず勝利自体は堅いという一番。レギュラー争いに向けて各々がどうアピールするか、その内容が問われるという形の決勝だ。

先鋒戦は大成・渡邊神威が左、修徳・佐々木和也が右組みのケンカ四つ。佐々木は得意の右大内刈で挑むが、渡邊あっさり捌く。1分過ぎ、渡邊は佐々木に斜め前への移動を強いて引き出すと狙い済まして左足車。「相手が攻撃型ならむしろやり易い」と言わんばかりの自信溢れる、そして豪快な一撃は見事に決まって「一本」、1分12秒。大成、最高の形であっさり先制。

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神鳥剛が佐藤竜を出足払「有効」に捉え優勢勝ち、この1点で大成の勝利が決定

先鋒戦のインパクトが畳に残るまま行われた次鋒戦はバイプレイヤー同士の対決。大成・岩倉優輝が今村至から3つの「指導」を奪って完勝。スコアは早くも2-0となる。

そしてポイントゲッター同士の対決となった中堅戦は大成・神鳥剛が左、佐藤竜が右組みのケンカ四つ。神鳥は体格を利して位押しに相手を追いこみ、佐藤は右背負投に潜り込んで対抗。神鳥は佐藤の担ぎ技を左内股に吸収して様相はやや神鳥優位。

2分4秒、佐藤が足を振り上げて小外刈を晒そうとしたところに神鳥が鋭く、そして重く出足払を撃ち込む。佐藤が作ろうとした微妙なタイミング勝負を力で塗りつぶしたという形でこの技は「有効」。

以後、佐藤は右背負投に「韓国背負い」と担ぎ技を連発するが神鳥揺るがずそのまま試合は終了。スコアは3-0となり、この時点で大成の勝利が決まった。

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清水裕希が室和樹から大外刈「技有

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清水は攻撃の手を緩めず大内刈「有効」を追加

副将戦の引き分けを受けた大将戦も大成は攻撃の手を緩めず。清水裕希が相四つの室和樹と壮絶な大外刈の返し合いを演じ、かつこれにことごとく勝利。42秒に大外刈「技有」、2分14秒には大内刈「有効」と攻撃ポイントを連続奪取。2分50秒には清水の大外刈に室が試みた大外返を透かして落とし「有効」を追加、そのまま上四方固に抑え込み合技「一本」で勝利。通算スコア4-0、大成がこの決勝も圧勝で制して水田杯初出場、初優勝を決めた。

大成高 4-0 修徳高
(先)渡邊神威○足車(1:15)△佐々木和也
(次)岩倉優輝○優勢[僅差]△今村至
(中)神鳥剛○優勢[有効・出足払]△佐藤竜
(副)友田皓太×引分×増山香輔
(大)清水裕希○合技[大外刈・上四方固](3:07)△室和樹


大成の強さが際立った大会だった。古賀颯人、並木泰雅、前濱忠大らインターハイ3位入賞の主役たちを温存して、かつ全国大会の有力校と目される埼玉栄と修徳を大差で破った層の厚さは並大抵ではない。

新シーズンの高校柔道界は他を圧する戦力を持つ国士舘高(東京)が頭一つも二つも抜けた優勝候補と目されているが、これを追う一番手は大成と考えて良いのではないだろうか。駒の数は十分、本格派に業師、上位対戦でも仕事の出来る泥臭いタイプと選手のバラエティも取りそろえ、あとはエース対決で勝利し得る最高到達点の高い一枚を育てられるかどうか。世代切っての得点能力を見せた川田修平を育てたばかりの、その育成手腕に期待したい。

一方大差で敗れた修徳だがこちらもさほどのダメージはなし、というよりも収穫一杯の大会であったと観察出来る。

もともと修徳は育成型で、伝統的にこの時期の大会で凸凹を晒しながら課題を発見、修正してチームを作り上げてきた経緯がある。今代が前二代に比べて小粒の陣容であるのは織り込み済み、決勝で佐藤が失点した後に「担ぎ技の練習をしろ!」と激を飛ばして全国大会でのマッチアップが濃厚な神鳥に背負投を仕掛けさせ続けた絵でもわかる通り、今大会のテーマはなんといっても育成だ。そしておそらく今大会での重点強化選手は今村と室だが、今村は崇徳戦で決勝点となる貴重な一点を「一本」で挙げ、室は準決勝の劇的な逆転勝ちに加えて決勝では大外刈の返し合いに応じ続けるなど、結果、内容ともに課題のメンタルに好材料を見出すことが出来ている。育成対象のメンバーで桐蔭学園と対戦した夏は「本当に全員、1分持たずに負けていた」(大森淳司監督)というから、スタートラインから考えればその道のりの歩みは順調。決勝を争った二校にとってはともに手応え十分の大会であったはずだ。

高校選手権に向けた展望としては大成の戦力の充実ぶり、埼玉栄の現時点での力と伸びしろの高さ、育成型である修徳と崇徳の「進行状況」、桐蔭学園の戦闘力などが再確認出来た大会であったと総括したい。特に大成の層の厚さは特筆ものだ。

そして今季も松前旗、松尾杯、若潮杯いずれとも異なる出場校構成で行われた今大会。昨年大会でも準決勝で高校選手権決勝に先んじて白鴎大足利-修徳というビッグカードが実現しており、やはり見逃せない大会だ。冬季招待試合シリーズ、そして高校柔道界における水田杯の価値の高さが改めて確認出来た2014年大会でもあった。

入賞者と大成高・石田輝也監督のコメント、準々決勝以降のスコアは下記。

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優勝の大成高

【入賞者】
優 勝:大成高(愛知)
準優勝:修徳高(東京)
第三位:埼玉栄高(埼玉)、桐蔭学園高(神奈川)
優秀賞:田村高(福島)、國學院大栃木高(栃木)、白鴎大足利高(栃木)、崇徳高(広島)

最優秀選手賞:神鳥剛(大成高)
優秀選手賞:渡辺神威(大成高)、増山香輔(修徳高)、今入晃也(埼玉栄高)、渡部甲誠(桐蔭学園高)、谷優馬(田村高)、高橋隼人(國學院大栃木高)、小宮太一(崇徳高)、空辰乃輔(崇徳高)

大成高・石田輝也監督のコメント
「最初は硬かったですね。バタバタして、相手のペースに呑まれてしまっていました。これは今日1日は長いぞ、と覚悟したんですが(笑)、神鳥と友田が入って締まりましたね。周囲が安心して試合を出来るようになりました。やはり去年の経験は大きいです。古賀(颯人)も試合がやりたくて仕方がないという感じでしたが、我慢してもらいました。今大会のテーマは高校選手権に向けた対外戦闘能力の見極め。チーム内だと力関係が決まってくるところがありますが、今日はまさにその他のチームと戦った時にどうなるかという点で収穫がありました。(具体的には?)言えません(笑)。今日で愛知に帰って、休ませて、1月4日の寒稽古から再始動です。今年は2位や3位はもう要りません。日本一しか考えていません。頑張りますよ」


【準々決勝】

大成高 5-0 白鴎大足利高
埼玉栄高 2-0 田村高
桐蔭学園高 4-0 國學院大栃木高
修徳高 1-0 崇徳高


【準決勝】

大成高 5-0 埼玉栄高
修徳高 3-1 桐蔭学園高

【決勝】

大成高 4-0 修徳高

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