PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

世代交代の足音明らか、高校2年生嶺井美穂が堂々の優勝・講道館杯全日本柔道体重別選手権大会63kg級レポート

(2014年12月31日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月31日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード
世代交代の足音明らか、高校2年生嶺井美穂が堂々の優勝
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会63kg級レポート
eJudo Photo
準決勝、平井希が西川真帆を攻める

今季の選抜体重別王者で第1シード評価を受けたパワーファイター大住有加(JR東日本)が初戦であっさり敗退。能智亜衣美(筑波大1年)を相手に双方「指導1」失陥で迎えた残り26秒に大外刈「有効」を食って、一言で言って元気のない試合だった。国際大会では成績を残せず、国内で勝ち続けることで地位を保たねばならぬ立場にあった大住だがトップグループ生き残りを賭けた大事な今大会で我慢が利かず畳に立っていた時間は僅か4分。来年度の選抜体重別出場は絶望的な状況となった。

決勝に進出したのは57kg級から古巣の63kg級に階級を戻したベテラン平井希(自衛隊体育学校)と、昨年度大会2位入賞の高校2年生嶺井美穂(桐蔭学園高)。

平井はこの日好調。2回戦で志賀真実(仙台大4年)を開始7秒に打ち込んだ小内刈「有効」からの横四方固「一本」(0:33)で秒殺、3回戦は前戦で鍋倉那美(大成高2年)に勝利した名村友薫(金沢学院大3年)を袖釣込腰「一本」(2:23)、準々決勝は能智亜衣美(筑波大1年)を相手に「指導2」対「指導3」のつばぜり合いから抜け出し横四方固「一本」(3:25)、準決勝は西川真帆(龍谷大4年)を「指導1」で下して決勝進出決定。

eJudo Photo
準決勝、嶺井美穂が前年度王者片桐夏海から大外刈「一本」

一方の嶺井は尻上がりに調子を上げての決勝進出。2回戦は田山稔絵(高岡法科大3年)に「指導2」優勢、3回戦は田坂冴(福岡教育大2年)を上四方固「有効」、大外刈「技有」、後袈裟固「有効」と3つのポイントで下し、準々決勝は川岸真綾(帝京科学大4年)を「指導3」対「指導2」の反則累積差で凌ぐ。そしてこの日ここまでで最大の強敵、第2シード配置の昨年王者・片桐夏海(コマツ)との一番は双方「指導1」で迎えた最終盤、残り5秒で右大外刈を決めて見事な一本勝ち(3:55)、2年連続で決勝の畳に辿り着くに至った

eJudo Photo
嶺井は決勝、平井の組み手争いに付き合わず接近戦を志向

決勝は平井が左、嶺井が右組みのケンカ四つ。

嶺井釣り手で奥襟、背中と続けざまに叩くが平井あっさり回避して得意とする手先の組み手争いに嶺井を誘う。嶺井それでも片手の右払腰を放ち、双方崩れて最初のシークエンスはブレイク「待て」。

平井の手先の動きの早さを見た嶺井は組み手争いの詰め将棋を峻拒、首を抱えて接近戦を志向。平井は裏投で迎え撃ち、嶺井が被りかえして落とすと「国士舘返し」で寝技に誘う。1分4秒「待て」。

eJudo Photo
平井が低い左体落を仕掛け「指導1」奪取

以後は引き手争いが続き、1分28秒双方に片手の攻防を続けた咎で「指導」。

嶺井が釣り手を高く保ち、平井が下から突いての引き手争い。嶺井は右内股を放ち、平井が透かして「待て」。嶺井はさらに釣り手を下から巻き返しての右大内刈、さらに右大外刈と取り味のある大技を連発。平井はその大内刈を振り返して返すなど拮抗を演出するが、この時間帯は後手に回った印象。

嶺井にペースを奪われた平井は引き手を絞り落として嶺井の攻撃をいったん封殺、そして左体落に潰れる。ここまで攻勢権は嶺井、具体的に投げを狙った攻撃を繰り返していたのも嶺井だが主審はこのシークエンスの平井の優位を評価、2分34秒嶺井に「指導」を宣告する。

eJudo Photo
嶺井が平井を得意の右大外刈に捕まえ、真裏に刈り倒して「有効」

eJudo Photo

eJudo Photo

後手を踏んでも切り返しを積むことで拮抗を確保、そして自ら作り出した組み手の膠着から一方的に技を掛けて抜け出し「指導」奪取と試合巧者平井の面目躍如とも言うべき、勝負どころを把握しきった反則ポイント奪取であったが、しかし嶺井の攻撃力はその上を行く。アドバンテージを得て安心したか組み手の管理がやや甘くなった平井に対して2分52秒、両襟を得た嶺井が刈り足鋭く右大外刈。ガチンと音が聞こえてきそうな力強い一撃に膝を止められた平井方向を変えてしばし踏ん張るが、嶺井あくまで引かずに真裏に刈り落として「有効」。

嶺井はそのまま袈裟固、強烈な一撃を食って足を痛めたか平井は抗せず3分15秒「一本」宣告に至る。嶺井、高校2年生にして講道館杯制覇の偉業を達成することとなった。

eJudo Photo
高校2年生にして講道館杯制覇を決めた嶺井美穂

国内屈指の戦術派ファイター、どんな強者と戦っても泥沼の接戦に引きずり込む難剣使いの平井を投技で、それも真っ向からの大外刈という力技で叩き落とした嶺井の攻撃力と思い切りの良さは天晴れの一言。大会序盤の苦戦には「狙われた」感がクッキリ、高校生らしい若さも見え隠れしたがそれでも勝ち抜く地力の強さ、そして何より準決勝の片桐戦、決勝の平井戦と相手が強くなるほどにパフォーマンスを上げる勝負強さはスターの資質十分だ。

世界選手権ではジュニア世代の田代未来が日本代表を務め3位入賞、そしてこの講道館杯では高校2年生の嶺井が並み居るベテランを差し置いて見事優勝。世界的にもトップ2以外はまるごと世代交代のただ中にある63kg級だが、日本においても若手中心の序列再編成という流れがまた一つハッキリと印象づけられた講道館杯だった。

eJudo Photo
2回戦、塩瀬絢子が佐野賀世子を攻める

前述の通り、選抜王者の大住は初戦敗退。昨年王者の片桐は準決勝で嶺井に敗れ、3位決定戦も東京世界選手権銀メダリストのベテラン田中美衣に敗れ5位に終わった。

もとグランドスラム東京王者の津金恵(筑波大1年)は初戦で川岸真綾(帝京科学大4年)に「指導3」対「指導2」で敗退、大学入学以来いまだ津金らしい試合は1試合もなし。高校3年生で全日本ジュニアを制した佐野賀世子(山梨学院大3年)は初戦の塩瀬絢子(三井住友海上)戦を乗り越えられず「指導1」で敗退、大学入学以来の漸進的低調傾向に歯止めが掛からず強化選手に残ることが出来なかった。

eJudo Photo
米澤夏帆が塩瀬絢子を左一本背負投で大きく崩す1」

嶺井と同学年のライバル鍋倉那美(大成高2年)は前述の通り初戦で名村友薫に「指導2」対「指導1」の反則累積差で敗退。高校生では米澤夏帆(東大阪大敬愛高3年)が3回戦で塩瀬を「指導2」で破り、準々決勝でも片桐夏海から大腰「技有」でリードを奪うなど(背負投を返されて「有効」失陥、横四方固で敗退)健闘を見せて敗者復活戦まで勝ち残った。


グランドスラム東京には世界選手権代表の田代と、今大会で決勝を争った嶺井と平井、そして、選抜体重別の阿部香菜(三井住友海上)打倒に続き準々決勝で田中美衣を大腰「一本」で破る大物食いを演じてベスト4まで勝ち残った西川真帆(龍谷大4年)が選出された。

入賞者と嶺井のコメント、準々決勝以降の結果は下記。

eJudo Photo
63kg級入賞者。左から平井、嶺井、田中、川岸

【入賞者】
優 勝:嶺井美穂(桐蔭学園高2年)
準優勝:平井希(自衛隊体育学校)
第三位:田中美衣(了徳寺学園職)、川岸真綾(帝京科学大4年)

嶺井美穂選手のコメント
「去年は決勝に立てたことが嬉しかったのですが、今年は1年間の成果をハッキリさせよう、勝つ!と思ってやりました。自分の得意技が決まったのでうれしかったです。リードされていましたが、まだ時間はあったので投げに行こうと思いました。厳しい試合ばかりでしたが、気持ちで戦えました。年が若いからではなく、若いからこそ思い切りの良い柔道をして皆をワクワクさせたい。2年後に向けて、そのスタートが切れたのかなと思います。『私が(五輪に)出る』という気持ちを持って、しっかり戦っていきたい」

【準々決勝】

平井希(自衛隊体育学校)○横四方固(3:25)△能智亜衣美(筑波大1年)
西川真帆(龍谷大4年)○大腰(3:35)△田中美衣(了徳寺学園職)
片桐夏海(コマツ)○横四方固(1:25)△米澤夏帆(東大阪大敬愛高3年)
嶺井美穂(桐蔭学園高2年)○優勢[指導3]△川岸真綾(帝京科学大4年)

【敗者復活戦】

田中美衣(了徳寺学園職)○優勢[技有・大内刈]△能智亜衣美(筑波大1年)
川岸真綾(帝京科学大4年)○優勢[指導2]△米澤夏帆(東大阪大敬愛高3年)

【準決勝】

平井希(自衛隊体育学校)○優勢[指導1]△西川真帆(龍谷大4年)
嶺井美穂(桐蔭学園高2年)○大外刈(3:55)△片桐夏海(コマツ)

【3位決定戦】

田中美衣(了徳寺学園職)○優勢[有効・大外刈]△片桐夏海(コマツ)
川岸真綾(帝京科学大4年)○横四方固(4:19)△西川真帆(龍谷大4年)

【決勝】

嶺井美穂(桐蔭学園高2年)○袈裟固(3:15)△平井希(自衛隊体育学校)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月31日掲載記事より転載・編集しています。
ドコモ版QRコード
docomo版QRコード
KDDI版QRコード
au版QRコード

→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る




supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.