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【ROAD TO 高校選手権】第28回松尾三郎杯争奪全国選抜高等学校柔道大会マッチレポート①1回戦~準々決勝

(2014年12月28日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月28日掲載記事より転載・編集しています。
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①1回戦~準々決勝
第28回松尾三郎杯争奪全国選抜高等学校柔道大会マッチレポート
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選手宣誓は國學院大栃木高・大中志津

第28回國學院大學松尾三郎杯争奪全国選抜高等学校柔道大会(主催・國學院大學体育連合会柔道部、後援・毎日新聞社)は23日、國學院大學たまプラーザキャンパス体育館(横浜市)で61校が参加して行われた。

冬季高校柔道招待試合サーキットで最もハイレベルにあると評される今大会の優勝候補は、26年度インターハイ王者の国士舘高、そして中学柔道のスターをズラリと並べた日体荏原高の東京勢2校。これに今代小粒ながら例年このシリーズを通じて大きく成長する26年度全国2冠の修徳高(東京)、26年高校選手権2位で大駒太田彪雅を擁する白鴎大足利高(栃木)、崇徳高(広島)と作陽高(岡山)の中国勢2校、神奈川の強豪桐蔭学園高らが絡むというのが今大会の展望。

4ブロックにそれぞれ強豪が分散配置された前半戦を簡単に振り返ってみたい

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1回戦、佐藤竜は得意の「背負投が抜けたところからのめくり返し」で横四方固に繋ぐ

■Aブロック

Aシードチーム:修徳高(東京)
Bシードチーム:相洋高(神奈川)

準々決勝カード:修徳高(東京)- 東海大甲府高(山梨)

修徳高は主将で1年生からレギュラーとして全国大会を戦い抜いて来た佐藤竜を中心に、技の切れ味が売りの佐々木和也、1年生ながら得点能力抜群の増山香輔、福田宝までがこの日の固定メンバー。残り1枠に大型選手の室和樹と今村至をローテーション起用しながら順調にトーナメントを勝ち上がる。
2回戦は前橋商高(群馬)を5-0、3回戦は好チーム市立習志野高(千葉)を3-0で下し、無失点で準々決勝進出決定。

下側のブロックは前代に込山龍哉と二見省吾を擁して躍進した相洋高が水戸葵陵高(茨城)と千葉商大附高(千葉)をともに5-0で下して練度の高さを見せたが、3回戦は東海大甲府高(山梨)が2-0と完勝。準々決勝は修徳高と東海大甲府高の争いとなった。

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準々決勝、大将増山香輔の小外掛「一本」で修徳の勝ちぬけ決定

【準々決勝】

修徳高(東京) 3-2 東海大甲府高(山梨)
(先)佐々木和也○優勢[有効・小内刈]△熊野暢彦
(次)今村至△優勢[技有・小外刈]○南條伯彬
(中)佐藤竜○優勢[有効・小内巻込]△前田圭壱
(副)福田宝△優勢[僅差]○鈴木連次
(大)増山香輔○小外掛△山崎優介

激戦の末この試合は修徳高が競り勝ち。チーム内の役割的にも対戦のかみ合わせ的にも勝利必須の先鋒佐々木和也、中堅佐藤竜がてこずりながらもキッチリ得点して結果を残し、副将戦終了時点でのスコアは2-2、内容差リード。
大将戦は増山香輔が小外掛「一本」で勝利してつばぜり合いに決着。直前の松前旗争奪大会では2回戦で敗退を喫し小粒と評される今代だがこの日は修徳らしいしぶとい戦いを見せて最初の山場を乗り越え、ベスト4入り決定。

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3回戦、作陽高の星野太駆が東海大翔洋・塚本瑠羽から小外掛「一本」

■Bブロック

Aシードチーム:崇徳高(東京)
Bシードチーム:作陽高(岡山)

準々決勝カード:作陽高(岡山) - 崇徳高(広島)

崇徳は2回戦で八戸工高を5-0、3回戦は前戦で千葉県新人大会優勝の木更津総合高を1-0で下した足立学園高(東京)を2-1で凌いでベスト8入り決定。

一方の作陽は1回戦で桐生第一高(群馬)を5-0、2回戦は初芝橋本高(和歌山)をこれも5-0、3回戦は東海大翔洋高(静岡)を2-0で下して準々決勝進出。地元で度々顔を合わせる中国勢同士の強豪対決が関東で実現することとなった。

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準々決勝、作陽の先鋒安田夢飛が崇徳・山本康生から肩車「技有」

【準々決勝】

作陽高(岡山) 1-0 崇徳高(広島)
(先)安田夢飛○優勢[技有・肩車]△山本康生
(次)義見祐太×引分×空辰乃輔
(中)星野太駆×引分×森近唯
(副)田村淑真×引分×古屋翔
(大)岩崎恒紀×引分×中村優斗

今秋の中国新人大会では崇徳が勝利しているこのカード、今回は作陽が勝利。先鋒戦で安田夢飛が肩車「技有」で挙げた1点を時に攻めまくり、時に凌ぎながら守り切って1-0リードを保ったままフィニッシュ。
大会後、「(1回負けている崇徳に勝てたのは)生徒はうれしかったと思う。収穫ありです」と川野一道監督がまず最初に挙げたこの一番。育成型、特にメンタル面の成長を重視して戦う作陽としてはこの上ない成果であった。

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2回戦、白鴎大足利大将の太田彪雅が松本第一・木崎光輝を内股「一本」に仕留める

■Cブロック

Aシードチーム:白鴎大足利高(栃木)
Bシードチーム:桐蔭学園高(神奈川)

準々決勝カード:白鴎大足利高(栃木) - 日体荏原高(東京)

上側のブロックは昨年高校選手権2位の白鴎大足利高がスーパーエースの太田彪雅と、前代にターンオーバー要員として団体戦メンバーに名を連ねた佐俣楓と長島立弥を中心に順調に勝ち上がり準々決勝進出。勝ち上がりスコアは2回戦で常盤高(群馬)を4-0、3回戦で松本第一高(長野)を3-1。太田はこの試合で昨年の66kg級全国中学校大会王者木崎光輝を内股「一本」であっさり片付け貫禄を見せつけている。

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1回戦、日体荏原の東部雄大が浜松商・鈴木幹汰から内股「一本」

下側の山のシード校は桐蔭学園高だが、ここに優勝候補の日体荏原高が配されてこの山は大会最大の激戦ブロック。

桐蔭学園高は小粒ながら今年もしぶとい選手、取れる「際」の作り方を心得た選手を揃えた好チーム。1回戦で大原高(千葉)を5-0、2回戦は育英高(兵庫)を3-0で下して大一番の3回戦に挑む。

一方の日体荏原高は冒頭で書いた通り、中学時代のスター選手をズラリと並べた大型チーム。1回戦は浜松商高(静岡)にモンゴル出身のバンガル・オトバートルと増田響の補欠2人を起用し、先鋒増田が内股透「技有」で敗れるも大過なく得点を重ねて4-1の快勝。長井達也は「腕を半ば極めながらの支釣込足」から腕緘で勝負を決め、その体格と膂力を取り味に変換するための新しいチャンネルを得つつある感あり。

2回戦の高校選手権山形県代表山形工高戦は長井晃志、長井達也、東部雄大、松井海斗、藤原崇太郎とフルメンバーを投入して4-0と快勝。大物チームを「殺す」ことに長けた桐蔭学園高との大一番に臨む。

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桐蔭学園・稲山怜央(赤)が藤原崇太郎から開始早々に引込返「有効」を奪う

【3回戦】
日体荏原高 ①-1 桐蔭学園高
(先)長井晃志×引分×赤川広大
(次)長井達也○優勢[技有・体落]△戸崎碧海
(中)藤原崇太郎△優勢[有効・引込返]○稲山怜央
(副)松井海斗×引分×田中太基
(大)東部雄大×引分×渡部甲誠

日体荏原高が薄氷の勝利。
先鋒戦の引き分けを受けた次鋒戦では最大のポイントゲッターであるはずの長井達也がケンカ四つの戸崎碧海との攻め合いに嵌り、ともに「指導1」を抱えたまま残り時間がほとんどないところまで時計の針を進めてしまう。しかし残り5秒で長井の右体落が「技有」となり、日体荏原が1点先制。

続く中堅戦は「始め」の声が掛かるなり稲山怜央が藤原崇太郎の背中を思い切り上から叩く。藤原が戸惑う間に得意の引込返に飛び込み「有効」奪取、そのまま被って「抑え込み」が宣告される。
藤原なんとか逃れて、ここから猛追開始。しかし懐の深い稲山をなかなか捕まえきれずその追撃は「指導3」に留まりそのままタイムアップ。桐蔭学園が1点を返す。

日体荏原はここから松井海斗、東部雄大というエース格2枚が登場するが松井は攻めに攻め続けるも後半は得点の気配ないまま引き分け、東部は渡部甲誠の背負投連発に山場を作れないままこちらも引き分け。通算スコア1-1の内容差で日体荏原が準々決勝への勝ち抜けを決めた。

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必死に追いかけ続ける藤原。「指導」3つを奪取するところまで稲山を追い詰める

敗れたりとはいえ、叩き上げ軍団で中学時代のスターを揃えた日体荏原を追い詰めた桐蔭学園はやはり見事。大型選手の小型選手に対するスクランブル手段である「脇差し」「クロス」「反則狙いの両襟」「密着」などに共通の対抗手段があり、かつどの選手も格上から一発取ってくる武器をそれぞれ懐に呑んでいる。一言で言ってメソッドが染みており、日頃の教育意識の高さが透けて見える試合内容であった。小粒ではあるが前代から引き継ぐ曲者っぷりは健在、神奈川県予選は東海大相模が全国進出候補の一番手だが、力の絶対値はともかく対戦相性からして試合はどう転ぶかわからない。今年も神奈川は激戦必至だ。

対照的に日体荏原高は「生」の素材のまま、戦い方をチームとして定めぬままの乱取り状態を続けて苦戦を強いられたという印象。予想外に粘られ、これはという手持ちのスクランブル手段に打って出たところがことごとく先回りで対処され、しかも瞬時に技を打ち返されて却って危うい場面に陥り、これを繰り返すうちに強引に仕掛ける手段と気持ちを失っていくという試合が非常に多かった。あくまで追いかけ続けた藤原は手立ての豊富さを見せて個としての力を証明した印象だが、5戦通じてその戦い方には改善すべき点が多くあるように見受けられた。結果的に「リードを得たので必要以上のリスクを冒さず引き分けを得た」という形にはなったが、これはベンチが意思統一させたものには到底思えず、なおかつ、仮にそうであったとしてもこの豪華メンバーが、それも育成期間の招待試合で採るべき作戦としては少々志が低いのではないか。

失敗だらけだが地力と個々持ち前の戦闘力の高さで、勝ちという結果は拾ったという体の一番であった。

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準々決勝、日体荏原の松井海斗が白鴎大足利・薄井裕太から内股「有効」

【準々決勝】

日体荏原高(東京) 4-1 白鴎大足利高(栃木)
(先)藤原崇太郎○優勢[僅差]△長島立弥
(次)長井達也○優勢[有効・腰車]△佐俣楓
(中)松井海斗○横四方固△薄井裕太
(副)東部雄大△小外刈○太田彪雅
(大)長井晃志○足車△河村貴文

日体荏原、今度は白鴎大足利に快勝。
先鋒戦は藤原崇太郎が先鋒戦の同学年全中王者対決に「指導」累積で手堅く勝利し、最初の勝負どころと思われた次鋒戦では長井達也が佐俣楓とマッチアップ。序盤に佐俣の右一本背負投を潰して「腰絞め」で首を攻めながら抑え込む(6秒で「解けた」)など試合を優位に進め、残り1分30秒では佐俣の首を抱えた「首投げ」で膝を畳に着きながらも強引に投げ切り「有効」奪取、貴重な2点目を挙げる。

中堅松井海斗も薄井裕太に開始12秒の左内股「有効」から横四方固に繋いであっさり勝利して電車道の3連勝。この時点で準決勝への勝ち抜けを決めた。

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太田彪雅が東部雄大をあっと言う間の小外刈「一本」に仕留める

副将戦は大駒太田彪雅の小外刈「一本」(0:43)で落としたが、大将戦では1年生長井晃志が真っ向からの足車「一本」で河村貴文を秒殺。4-1の大差で試合を終えた。

敗れた白鴎大足利。前代レギュラーから残った太田はさすがの強さを発揮して会場の中でもひときわ光を放っていた。大会全体を見渡してもこの日「誰が相手でも一本勝ち」という、世代を代表する大駒としての力と完成度を見せたのは太田ただ1人のみ。前代では夏のインターハイに向けて徐々に元気を失った感のあった太田の出来は新シーズンの高校柔道界を占う大きな要素であったが、この日の試合を見る限り太田はやはり世代の主役と位置付けておいて間違いなさそうだ。

そしてレギュラー4人が抜けて戦闘力の激減が危惧された白鴎大足利チームであったが、予想より遥かに「戦える」陣容を揃えて来たと評しておきたい。長島、佐俣と前代で団体戦を経験して来た選手以上に、181cm120kgの河村、180cm96kgの薄井の大型2枚は粗削りゆえの伸びしろを感じさせる。まだまだどう転ぶかわからないチームではあるが、昨年頂点を狙う過程で育成ノウハウと「仕上げていく」意識を学んだはずのチーム、そして蓬田正郎監督の手腕に期待。

圧勝の日体荏原高は、練度と育成レベルの高い小型チームには苦戦し、粗削りながら地力の高さで戦おうとする地方の大型チームには圧勝してと、この2戦でチームの性格をハッキリ見せた感あり。

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1回戦、国士舘高の米山魁人が東京学館高・佐原慎一郎から内股「一本」

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1回戦、竹村昂大が諸岡翔馬から払腰「技有」、着地時には既に後袈裟固の形が半ば完成する

■Dブロック

Aシードチーム:国士舘高(東京)
Bシードチーム:近畿大附属福山高(広島)

準々決勝カード:国士舘高(東京) - 東海大仰星高(大阪)

今季の高校柔道界の主役と目される国士舘高の登録メンバーは竹村昂大、川脇翼、米山魁人、田嶋剛希、磯村亮太、河田闘志、本間壘の7名。

インターハイ制覇の立役者である山田伊織と飯田健太郎を外し、磯村亮太もこの日は出場の準備なし。山田はノロウイルス罹患で前日稽古に復帰したばかり、飯田は右足首の負傷に風邪、磯村は膝を負傷中とそれぞれ理由はあるものの、登録段階で2人を外しているところから考えると、世代の一番手を走るチームの立ち位置を踏まえた上で、本シリーズは周辺戦力の底上げに使うほうが有益と考えての措置と考えられる。

その国士舘は大会オープニングゲームの1回戦で東京学館高(茨城)に対し、米山、田嶋、本間、河田、竹村というオーダーで臨む。緊張で動きの硬い先鋒米山が回旋を入れながらの大外刈を狙われて大外返「有効」を失うという意外な場面があったが、米山が左内股「一本」、田嶋が右大外刈「一本」、本間が裏投「有効」からの崩上四方固、河田が右内股巻込「一本」、竹村が払腰と後袈裟固の合技「一本」と、一本勝ちを5つ並べて5-0と快勝。

2回戦も常葉学園橘高(静岡)を5-0、3回戦は小型の好チーム四日市中央工高(三重)に1点を失ったものの4-1と快勝して、準々決勝の東海大仰星高戦を迎える。

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準々決勝、本間壘は密着しての投げの打ち合いで膝を負傷、崩れ落ちて「一本」。

国士舘高(東京) 3-1 東海大仰星高(大阪)
(先)米山魁人×引分×内村光暉
(次)田嶋剛希○背負投△岡虎
(中)本間壘△小外掛○池上大貴
(副)河田闘志○払腰△深山将剛
(大)竹村昂大○横四方固△山内凌太

結果は次鋒田嶋、副将河田、大将竹村が一本勝ちしての3-1勝利。
本間は池上と腹を付け合っての密着攻防に応じ、池上との投げの打ち合いからあくまで降りずに裏投げを仕掛け続け、長い投げの打ち合いの末に頽れて小外掛「一本」で敗戦。最後まで決着をつけようとした根性は見事だったがこの粘りが災いして膝を負傷、担架で試合場から運び出される事態となった。国士舘高は以後、4人で戦うこととなる。


結果決まった準決勝カードは、

修徳高 - 作陽高
日体荏原高 - 国士舘高


となった。

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