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橋本優貴「出直し」志願の大会連覇、負傷抱えた西田優香は意地の2位・グランドスラム東京52kg級レポート

(2014年12月24日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月24日掲載記事より転載・編集しています。
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橋本優貴「出直し」志願の大会連覇、負傷抱えた西田優香は意地の2位
グランドスラム東京52kg級レポート
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2回戦、橋本優貴がパク・ダソルから腕挫十字固「一本」

橋本優貴、中村美里、志々目愛、西田優香の日本代表4名が全員ベスト4に進出。それぞれの勝ち上がりを簡単に振り返ってみたい。

プールAに配置された橋本は、1回戦でペトラ・ナレクス(スロベニア)に横四方固で一本勝ち(1:43)。さらに2回戦ではパク・ダソル(北朝鮮)を僅か26秒の腕挫十字固「一本」に仕留めるという抜群の立ち上がり。準々決勝は第1シードで今季の世界選手権銀メダリストのパワーファイター、アンドレア・キトゥ(ルーマニア)と対戦し、これも横四方固「一本」(3:37)で下す。世界選手権の不調が嘘のような逞しい戦いぶりでベスト4入り決定。

ワールドツアーに皆勤を続けるキトゥは2週前のグランプリ青島では絶好調の西田優香の肘を反則の脇固で破壊し(反則負け)、続く試合も落として5位。かと思えば翌週は圧倒的な勝ち振りでグランプリ・済州に優勝。そして今大会は橋本、そして敗者復活戦でヤネト・ベルモイアコスタ(キューバ)に敗れて5位。勝ちに出る大会とそれ以外の大会をハッキリ分けているかのようなムラ気ぶりと戦略的なツアー出場プランから、西田の肘を負傷させたのは故意ではないかとの観測も一部でささやかれていたが、今大会は表彰台に乗ることなく、つまりは日本の報道陣のインタビューも受けることなく、あっさりと大会を終えた。ここ一番の爆発力はもちろんのこと、年間10大会以上をこなして年間成績をトータルで組み立てるツアー皆勤者ゆえに試合をあっさり「捨ててくる」ことも多いキトゥ、以後の対戦はラフファイトにも十分注意が必要だ。

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1回戦、中村美里がカーニィから体落で「技有」獲得

プールBにノーシードで配された中村は初戦でリサ・カーニィ(アイルランド)から体落「技有」、小内刈「技有」と連取して合技の一本勝ち(2:45)。2回戦は第4シードのギリ・コーヘン(イスラエル)を小外刈「有効」からの浮固「一本」(1:26)で一蹴し、準々決勝は長年の仇敵ヤネト・ベルモイアコスタからまず両袖の左小外刈で「技有」獲得。さらにやや戦意を失ったベルモイに再び小外刈を撃ち込み、膝をついた相手を押し込んで2つ目の「技有」をもぎ取って合技「一本」(2:33)で快勝。3試合連続の一本勝ちで準決勝進出決定。

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準々決勝、強豪ミランダを相手に攻め込む志々目愛

中堅の強豪がギッシリ詰め込まれたプールCからは志々目愛がベスト4入り。1回戦はアガタ・ペレンツェ(ポーランド)を横四方固「一本」(1:54)、2回戦はモンゴルで国内1番手の地位を獲得しつつある様子のアディヤサンプ・ツォルモンを開始15秒の内股「一本」に仕留め、準々決勝では第2シード選手エリカ・ミランダ(ブラジル)と大接戦。ともに「指導2」を失って迎えた残り12秒にミランダに「取り組まない」咎の「指導」が与えられ、「指導2」対「指導3」の優勢勝ちで準決勝へと進むこととなった。

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山場の1回戦、西田優香がウラニーから左背負投「技有」

プールDに配された西田は前述の通りグランプリ・青島で肘を負傷し、出場自体が危ぶまれる状況の中での強行出動。しかも初戦の相手が今年度から突如復活した強豪アナベール・ウラニー(フランス)といういきなりの山場。

ウラニーが右、西田が左組みのケンカ四つ。釣り手の肘が使えない西田は、動きは極めて良いが深い技に入れないというもどかしい状態が続く。しかし「指導」1つを失ったまま終盤を迎えると、相手が左手で背中を深く持ってきたところで覚悟を決めたかのように左背負投に飛び込み3分5秒「技有」獲得。このポイントで見事勝ちぬけ決定。

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準々決勝、西田はババムラトワから小内刈で「技有」を奪い返す

大一番を超えた西田は2回戦でマリア・ブイオク(ウクライナ)に背負投と小内刈の合技で一本勝ち(1:37)、準々決勝はグルバダム・ババムラトワ(ウクライナ)に開始早々に背負投で「技有」を奪われ肘を押さえて顔をしかめる場面もあったが、1分31秒に小内刈で「技有」を奪い返すと、1分49秒に背負投「技有」でフィニッシュ。見事準決勝へと駒を進めることとなった。

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準決勝、橋本は送襟絞で中村を絞め落とす

橋本と中村による準決勝第1試合は僅か28秒で決着。

橋本が右内股で中村を崩し、相手が伏せるやすかさず寝技に食いつく。中村の首ごしに襟を掴みかけた左手をいったん離すと、中村危機が去ったと思ったか一瞬顔を上げてしまう。背中に回った橋本深々と今度は右手を突っ込んで襟を確保すると、左脚を中村の股中に引っ掛け、右脚で中村の畳に着いた右腕を掬い制しながら送襟絞。

全身の力を余すことなく襟に伝えるこの強烈な形に中村抗えず、耐えた姿勢のまま絞め落とされてしまい「一本」。

橋本は決勝進出決定。中村は9月のアジア大会に続いて畳上で「落ちる」という衝撃的な結末でトーナメントから脱落が決まった。

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西田と志々目による準決勝第2試合

準決勝第2試合は志々目、西田ともに左組みの相四つ。
左肘を負傷している西田は最大の得意技である左背負投を放つのが非常に厳しい状態。それでも右袖釣込腰と左背負投で試合を作り、53秒に「指導1」獲得。
さらに1分28秒、一瞬の左背負投のフェイントから鋭い左小内刈を撃ち込み、志々目を真裏に叩き落として「技有」獲得。このポイントを持ったまま試合を終えて優勢勝ち。

講道館杯決勝の対戦でも決めている技だが、負傷してなお左背負投を放とうという勇気、その覚悟が発散する恐怖感がもたらした見事な一撃であった。

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橋本は「ケンカ四つクロス」からの右内股で西田を崩して寝技への連絡を狙う

決勝は橋本が右、西田が左組みのケンカ四つ。負傷の西田は表彰台を確定したこの時点で棄権という選択もあり得たかと思われるが、当然のように畳に姿を現した。

橋本は右内股、西田が崩れるとその負傷した左腕を寝技で手繰り続けるという鬼気迫る覚悟の柔道を披露。
この攻防は「待て」となったが、以後も橋本は巴投に背中を持っての右小内刈と得意の寝技を晒しながら技を仕掛け続け、1分20秒西田に「指導1」。

橋本続く展開も攻撃の手を緩めず背中を握って西田を振り投げ崩すと、すかさず背中についてローリングを試みる。

展開で先行された西田は打開を期して左背負投を試みるが橋本は振り戻して潰し「国士舘返し」で攻め、2分40秒に西田が放った右への「韓国背負い」もすかさず裏投に切り返すなど集中を切らさず畳上を疾走。

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「指導」をリードした橋本は下から引きこんであくまで寝技勝負

西田得意の左小内刈と左背負投で逆転を狙うがいずれの技も距離が遠く、橋本は相手の技をきっかけに躊躇なく寝技を選択し続ける。そして下から引きこんでは関節技を狙い西田の左腕を執拗に手繰る。

残り7秒、西田が左小内刈を空振りすると橋本はすかさず寝技に引きこんでまたもや左腕を付け狙う。この試合の様相を端的に現るこの形のまま試合は終了となり、「指導1」の優勢で橋本の2年連続優勝が決まった。

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優勝の橋本優貴

優勝の橋本は2013年前半の絶好調時を彷彿とさせる素晴らしいパフォーマンスを披露。8月の世界選手権での不甲斐ない戦いぶりに中村と西田の世界王者2人の復帰がクロスしてこの先のキャリアは非常に厳しいものになると思われていたが、その中でトップ戦線復帰に強い意志を示した大会であったと言える。橋本自身は為すべきことを為し、あとは「本番」であったはずの世界選手権での不調を強化陣がアクシデントと捉えるか、学生時代からここ一番でメンタルを揺らすことの多かった橋本の本来性と捉えるかという評価の問題、そして欧州シリーズを通じて、この階級で一人勝ち状態の世界選手権連覇者マイリンダ・ケルメンディ(コソボ)と戦い得るのは誰かを見極めていくという段になる。

グランドスラム・パリがない今冬の欧州国際大会は中村と西田が花形大会のグランプリ・デュッセルドルフ、橋本はヨーロッパオープン・オーバーヴァルトに派遣される。三者ともケルメンディとの対戦の有無、そして成績がその後の評価に大きく影響することになりそうだ。


入賞者、西田と中村のコメント、成績上位者、日本選手の成績と勝ち上がり詳細は下記。

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52kg級入賞者。左から西田、橋本、志々目、中村

【入賞者】

1.HASHIMOTO, Yuki(JPN)
2.NISHIDA, Yuka(JPN)
3.NAKAMURA, Misato(JPN)
3.SHISHIME, Ai(JPN)
5.BERMOY ACOSTA, Yanet(CUB)
5.MIRANDA, Erika(BRA)
7.BABAMURATOVA, Gulbadam(TKM)
7.CHITU, Andreea(ROU)

西田優香選手のコメント
「出場を決めたのは試合の5日前。怪我の中でここまで出来たことについては良く頑張ったと自分に言いたい。正直ここまで出来るとは思ってはいなかったけど、全然うれしくはない。試合時間が4分になって投げの得意な選手が有利になる情勢の中で、前、後と技を組み合わせて取れるようになってきた。特に小内刈が良い武器になっていると思います。引退しなかったのはオリンピックに出たいから。これからもしっかりやっていきたい」

中村美里選手のコメント
「動き自体は悪くなかったですが、少しの差が大きな結果になって返ってきた。反省して次に生かしたいです。詰めの甘さが出ました。落ち癖?それはないです。(絞めに)入られるというのは、やはり隙があったと思います」

【成績上位者】

優 勝:橋本優貴
準優勝:西田優香
第三位:中村美里、志々目愛

【日本選手成績】

橋本優貴(コマツ) 優勝
西田優香(了徳寺学園職)2位
中村美里(三井住友海上) 3位
志々目愛(帝京大3年) 3位

【日本選手勝ち上がり】(~2回戦)

[1回戦]

橋本優貴○横四方固(2:45)△ペトラ・ナレクス(スロベニア)
中村美里○合技[体落・小内刈](2:45)△リサ・カーニィ(アイルランド)
志々目愛○横四方固△アガタ・ペレンツェ(ポーランド)
西田優香○優勢[技有・一本背負投]△アナベール・ウラニー(フランス)

[2回戦]

橋本優貴○腕挫十字固(0:26)△パク・ダソル(北朝鮮)
中村美里○浮固(1:26)△ギリ・コーヘン(イスラエル)
志々目愛○内股(0:15)△アディヤサンプ・ツォルモン(モンゴル)
西田優香○合技[背負投・小内刈](1:37)△マリア・ブイオク(ウクライナ)

【準々決勝】

橋本優貴○横四方固(3:37)△アンドレア・キトゥ(ルーマニア)
中村美里○合技[小外掛・小外掛](2:33)△ヤネト・ベルモイアコスタ(キューバ)
志々目愛○優勢[指導2]△エリカ・ミランダ(ブラジル)
西田優香○合技[小内刈・背負投]△グルバダム・ババムラトワ(トルクメニスタン)

【敗者復活戦】

ヤネト・ベルモイアコスタ○優勢[有効・縦四方固]△アンドレア・キトゥ
エリカ・ミランダ○優勢[指導3]△グルバダム・ババムラトワ

【準決勝】

橋本優貴○送襟絞(0:28)△中村美里
西田優香○優勢[技有・小内刈]△志々目愛

【3位決定戦】

志々目愛○優勢[有効・背負投]△ヤネト・ベルモイ(キューバ)
中村美里○合技[小外刈・横四方固](2:29)△エリカ・ミランダ(ブラジル)

【決勝】

橋本優貴○優勢[指導1]△西田優香

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