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世界王者獲得は勢いのみにあらず、近藤亜美が浅見八瑠奈倒して大会2連覇・グランドスラム東京48kg級レポート

(2014年12月24日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月24日掲載記事より転載・編集しています。
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世界王者獲得は勢いのみにあらず、近藤亜美が浅見八瑠奈倒して大会2連覇
グランドスラム東京48kg級レポート
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2回戦、メネゼスが渡名喜風南から隅返で1つ目の「有効」獲得

サラ・メネゼス(ブラジル)、浅見八瑠奈、そして近藤亜美と世界王者が3人顔を揃えた豪華トーナメント。

3人の中で唯一決勝ラウンドに辿り着けずに陥落したのはメネゼス。2回戦で渡名喜風南から出足払と隅返で2つの「有効」を奪って勝利したものの動きはいま一つ、続く準々決勝(3回戦)でアレッシャ・クズネトソワ(ロシア)得意の腕挫十字固を食って一本負け(2:27)を喫した。クズネトソワは前戦でシャーリーン・ファンスニック(ベルギー)をGS指導1(GS1:21)で倒しておりこの日は大活躍。

失意のメネゼスは3位決定戦でもジョン・ボキョン(韓国)に「指導1」で敗退して最終結果は5位。2年近くに渡って続く不調から抜け出せないまま2014年シーズンを終えた。

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2回戦、浅見八瑠奈がガルバドラフ・オトコンセトセグから体落で「技有」

そして決勝進出を果たしたのは浅見と近藤の2名。日本のファンが期待する世界王者対決が実現することとなった。

ノーシードからスタートした浅見は1回戦でクリスティーナ・ブルシック(スロベニア)を背負投と横四方固の合技(1:27)で下す快調な滑り出し。2回戦は第4シード選手のガルバドラフ・オトコンセトセグ(モンゴル)を体落「技有」、大内刈「有効」、体落「一本」(3:07)と圧倒し、準々決勝ではマリヤナ・チェルニアク(ウクライナ)を背負投と横四方固の合技(1:06)で一蹴。迎えたクズネトソワとの準決勝も「指導1」リードで迎えた2分21秒に背負投で「技有」獲得、続いて横四方固に抑え込むと相手が「参った」を表明、4試合連続の一本勝ちで決勝へと勝ち上がることとなった。

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初戦に引き続き鮮やかな技を決める近藤。「振り上げる払腰」でウングレアヌを一蹴。

一方今季の世界選手権覇者、10月には世界ジュニア選手権も制したばかりの近藤亜美の勝ち上がりも抜群。2回戦はエヴァ・コニッチュニー(ルーマニア)を僅か41秒で得意の右払腰に沈めて一本勝ち、横スライドを強いながら一息で入った鮮やかな技にコニッチュニーは反応することすら出来ず。準々決勝もワールドツアー常連のモニカ・ウングレアヌ(ルーマニア)を同じく右払腰でグシャリと潰して「一本」(1:09)、準決勝は前戦で世界選手権2位のパウラ・パレト(アルゼンチン)を食ったジョン・ボキョン(韓国)を相手にせず、早々に相手の背負投を返して縦四方固。これは足を絡められて「解けた」となったが、1分20秒過ぎに今度は相手の小内刈を潰し、袖を確保したまま相手の体を乗り越えて制し横四方固。最後は上四方固に移行して2分18秒「一本」獲得。こちらも全試合一本勝ちで迎える決勝の畳。

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決勝、始まるなり突進した近藤がぶつかった勢いそのままに巴投、「有効」獲得。

地元・東京の畳でついに相まみえる新旧世界王者。観衆のボルテージはいやがうえにも増す。

決勝は浅見、近藤ともに右組みの相四つ。
「始め」の声が掛かるなり近藤は弓から矢が放たれたがごとく、あるいは磁石が吸い寄せられるようにマトである浅見に走り寄る。
スピードを緩めることなく突進、接近、そして激突。双方の体に受け止め、受け止められた余韻がまだ残るうちに近藤は両袖の巴投に飛び込む。衝突後の揉み合いの中で腰が浮いていた浅見、こらえ切れずに両足が畳から離れ、近藤は横に落として0分9秒「有効」奪取。

相手の体勢が整う前に浴びせたこの鮮やかな一太刀で、試合の大勢は決した感あり。

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残り30秒、浅見の右体落

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最終盤に至っても近藤は自身の技でシークエンスを締め続ける

浅見は片袖の右大内刈に左袖釣込腰、さらに得意の右小外刈を入れて追撃を図るが、近藤は右内股に左一本背負投、さらに相手の技を潰しての横三角と間断なく技を打ち返して全く展開を譲らず。

浅見は破綻なく技を積み重ねるがビハインドを負った側にとっては新ルールの4分間はまことに短く、1つの「指導」も得られないまま試合は最終盤。
浅見、残り30秒を切ったところで右小内刈で相手の足を開き、次いでタイミングドンピシャリの右体落に打って出る。近藤大きく宙に跳ねて膝から畳に落ちるがすかさず立ち上がって袖を確保、さらに間を置かずに自身の右外巻込でシークエンスを終え、浅見に攻勢点すら許さず。全く隙を見せることがない。

残り18秒、逆転に賭ける浅見は左一本背負投。しかし近藤は先回りで動いてこの技を捌き、潰し落として横三角。続いて裾を取って腹を包み、さらに帯を確保してと動きを止めずに寝技を続ける中でタイムアップのブザーが鳴り響く。

19歳の近藤、「有効」優勢で勝利して見事優勝決定。グランドスラム東京大会2連覇を決めた。

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優勝の近藤亜美

浅見との決勝は思い切りの良さが売りの近藤の真骨頂。試合運びの上手さが持ち味の浅見とジックリ戦ってしまう愚を避け、試合の様相が定まる前にまず一太刀浴びせた積極性が何よりの勝利の因。自身の長所と喧嘩の仕方を良く弁えた、これしかないという勝ち方だった。南條充寿女子代表監督の「大会ベストバウトの一つ」との評もうなずける、圧巻の試合であった。

昨年この大会に参加する時点では世界選手権優勝どころか代表選出すら覚束ない位置にいた近藤。あまりに早い出世に「勢いだけで取った」とその実力の絶対値を疑問視する声も聞かれたが、世界王者として全ての選手にターゲットとされる立場で迎えた今大会の優勝でその力が本物であることを、見事に証明してみせた。この日を以て日本の最軽量級は近藤、浅見という「二枚看板」を名実ともに獲得したと規定して良いだろう。昨年、浅見一枚が欠けただけでここまで戦力が落ちてしまうのかとその層の薄さが危惧された48kg級だが、いまや浅見と福見友子を中心に階級を席巻した北京-ロンドン期以来の「日本の時代」の足音が聞こえてきた感すらあり。リオ五輪に向けてこの2人がどんなドラマを紡いでくれるのか、まことに楽しみになってきた。

入賞者、優勝者のコメント、成績上位者、日本選手の成績と勝ち上がり詳細は下記。

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48kg級入賞者。左から浅見、近藤、ジョン・ボキョン、パレト。

【入賞者】

1.KONDO, Ami(JPN)
2.ASAMI, Haruna(JPN)
3.JEONG, Bo Kyeong(KOR)
3.PARETO, Paula(ARG)
5.KUZNETSOVA, Alesya(RUS)
5.MENEZES, Sarah(BRA)
7.CHERNIAK, Maryna(UKR)
7.UNGUREANU, Monica(ROU)


近藤亜美選手のコメント
「今日は外国人選手から一本勝ちし、そして浅見さんからポイントを奪って勝つという目標がありました。その通りに出来たというところでは良い試合だったと思います。(浅見には)技、組み手の技術面では勝てないので、勝てるなら何かと考えました。気持ちを切らさずに戦うしかない、だから最初にガツンと行こう、釣り手を持ったら落とされるので持ったら迷わず技に行こうと。『有効』取った後もそれだけで終わるつもりはなかったので攻め続けました。昨年は世界に出れるなんて思っておらず、その中で世界選手権に勝つことが出来ました。来年は『狙って』金メダルを獲りたいです」

浅見八瑠奈選手のコメント
「ほとんど前に出てこられて圧倒されてしまった感じ。巴投は頭にあったのですが・・・。でもやれることはあると思った。今年復帰してからまだ3大会目、(最初の試合の)実業個人よりは大分良くなっている。久々の国際大会でどこまで行けるかなと思っていましたが、手ごたえは掴めたと思います」

【成績上位者】

優 勝:近藤亜美
準優勝:浅見八瑠奈
第三位:ジョン・ボキョン(韓国)、ポウラ・パレト(アルゼンチン)

【日本選手成績】

近藤亜美(三井住友海上) 優勝
浅見八瑠奈(コマツ) 2位
渡名喜風南(帝京大1年) 2回戦敗退
森﨑由理江(鹿屋体育大柔友会) 1回戦敗退

【日本選手勝ち上がり】(~2回戦)

[1回戦]

渡名喜風南○横四方固(1:40)△カン・ユジェオン(韓国)
浅見八瑠奈○合技[背負投・横四方固](1:27)△クリスティーナ・ブルシック(スロベニア)
森﨑由理江△優勢[指導2]○スカーレット・ガブリエリ(フランス)

[2回戦]

渡名喜風南△優勢[有効・隅返]○サラ・メネゼス(ブラジル)
浅見八瑠奈○体落(3:07)△ガルバトラフ・オトコンツェトセグ(モンゴル)
近藤亜美○払腰(0:41)△エヴァ・コニッチュニー(ルーマニア)

【準々決勝】

アレッシャ・クズネトソワ(ロシア)○腕挫十字固(2:27)△サラ・メネゼス(ブラジル)
浅見八瑠奈○合技[背負投・横四方固](1:06)△マリヤナ・チェルニアク(ウクライナ)
ジョン・ボキョン(韓国)○優勢[指導1]△ポウラ・パレト(アルゼンチン)
近藤亜美○払腰(1:09)△モニカ・ウングレアヌ(ルーマニア)

【敗者復活戦】

サラ・メネゼス○優勢[有効・大内返]△マリヤナ・チェルニアク(ウクライナ)
ポウラ・パレト○合技[背負投・背負投](1:30)△モニカ・ウングレアヌ(ルーマニア)

【準決勝】

浅見八瑠奈○合技[体落・横四方固](2:38)△アレシャ・クズネトソワ(ロシア)
近藤亜美○崩上四方固(2:16)△ジョン・ボキョン(韓国)

【3位決定戦】

ジョン・ボキョン(韓国)○優勢[指導1]△サラ・メネゼス(ブラジル)
ポウラ・パレト(アルゼンチン)○優勢[指導2]△アレシャ・クズネトソワ(ロシア)

【決勝】

近藤亜美○優勢[有効・巴投]△浅見八瑠奈

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