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グランドスラム東京最終日男子(90kg級、100kg級、100kg超級)直前展望

(2014年12月6日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月6日掲載記事より転載・編集しています。
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最終日男子(90kg級、100kg級、100kg超級)直前展望
グランドスラム東京
■ 90kg級・吉田直前で離脱もトーナメントは今季最強陣容、ベイカーは序盤から強豪と連戦
エントリー:36名
日本選手:ベイカー茉秋(東海大2年)、西山大希(新日鐵住金)、長澤憲大(東海大3年)

※吉田優也(旭化成)は6日夜に欠場表明

これは厳しい、と思わず仰け反ってしまう強力陣容。2月に行われたグランドスラムパリを超えて今季の90kg級ワールドツアーでもっとも役者の揃ったトーナメントだ。

今季も世界選手権を制した王者イリアス・イリアディス(ギリシャ)に、13年リオ世界選手権銀メダリストにして今季の銅メダリスト、実力ナンバーワンの呼び声も高いヴァーラム・リパルテルアニ(グルジア)がトーナメントの2トップ。これに8月の世界選手権で同じく3位入賞を果たしているキリル・ヴォプロソフ(ロシア)、アジアきっての強者ディルショド・チョリエフ(ウズベキスタン)、昨年の大会覇者ベイカー茉秋と13年世界ジュニア王者のベカ・グビニアシビリ(グルジア)の若手世代を代表する2人に2005年カイロ世界選手権王者の33歳ギョーム・エルモント(オランダ)まで加えてトーナメントの密度は非常に厚い。

日本勢は世界選手権の雪辱に燃えるベイカーを筆頭に、もと世界選手権銀メダリストでいよいよ復調しつつある西山大希、学生王者の長澤憲大というこれも充実の布陣で迎え撃つ。トーナメントの軸はイリアディスとリパルテリアニだが、序盤から各ブロックで見逃せない対戦が続く。

【プールA】

シード選手:ヴァーラム・リパルテリアニ(グルジア)
有力選手:ギョーム・エルモント(オランダ)
日本選手:長澤憲大

勝ち上がり候補は断然リパルテルアニ。2戦目(3回戦)で、先週のグランプリ済州で2位入賞を果たしたママダリ・メディヨフ(アゼルバイジャン)との対戦があるが、勝敗が揺れることはまずないと思われる。

下側の山のシード位置はエルモント。初戦は世界選手権でベイカーを一刀のもとに斬り伏せたセリオ・ディアス(ポルトガル)だが、ディアスは以降の大会でまことに情けない試合を続けており、5大会続けて早期敗退中。到底上位候補には推せない。

よって長澤の対戦順は初戦(2回戦)がイラク選手、3回戦がエルモントで、準々決勝がリパルテリアニということになる。リパルテリアニは東海大に長期滞在した経験があり、当然長澤も稽古で手を合わせているはず。今年も世界選手権で7位入賞の大ベテラン・エルモントを乗り越えてなんとかリパルテリアニとの対戦までこぎつけたい。

【プールB】

シード選手:キリル・ヴォプロソフ(ロシア)
有力選手:ディルショド・チョリエフ(ウズベキスタン)、ガク・ドンハン(韓国)
日本選手:ベイカー茉秋

ベイカーは今夏吉田優也と激戦(吉田の2勝1敗)を繰り広げたチョリエフと初戦で激突。勝利すれば3回戦でヴォプロソフ、準々決勝ではグランプリ済州で圧勝Vを果たしたばかりのガク・ドンハンと対戦濃厚という非常に厳しい組み合わせ。チョリエフは強敵だがもっとも警戒すべきは泥試合も出来、担ぎ技以外にも一発を持つガク。昨年の済州大会決勝のイリアディス戦ではGS延長戦で粘りに粘った挙句、内股「一本」で集中力の切れた相手を屠り去ったという履歴もある。組み手で粘って担ぎ技に潰れる「韓国戦法」をベースに面倒な試合を仕掛けてくることは間違いない。互いが疲弊した終盤の組み際は特に注意が必要だ。
強豪との連戦ではあるが、気を抜かずにまずこの3試合をしっかり戦い抜きたい。

【プールC】

シード選手:イリアス・イリアディス(ギリシャ)
有力選手:ベカ・グヴィニアシビリ(グルジア)、イディー・アレクサンドル(フランス)
日本選手:吉田優也 ※欠場

本来吉田がイリアディスと戦う2戦目がこのプールの山場。
選抜体重別で初優勝を果たしてついに今年代表戦線に復帰した吉田。チョリエフと大激戦を繰り広げたグランドスラム・チュメニ(優勝)、そして一人代表の責を受けたアジア大(優勝)と次々設けられたハードルをしっかりクリアしてきたが、今年最後の大会で、「最終試験」とでもいうべき高い山が用意されたというドラマティックな組み合わせだった。しかし無念の負傷で挑戦敵わず。

イリアディスと準々決勝を争うのは19歳のグヴィニアシビリか21歳のアレクサンドル・イディー。前者は今季中盤からシニアの序列内に収まってしまった感あり、昨年のような未知の恐怖感をまき散らすことが出来ていない。一方今年の欧州選手権で3位入賞のイディーのほうはチアーゴ・カミーロ(ブラジル)に敗れた世界選手権団体戦を見る限りまだ爆発的な力はなさそうに思われたが、今秋はグランプリ・タシケントでキリル・デニソフ(ロシア)を倒して優勝するなど躍進気配あり。順行運転であればイリアディスの勝ち上がり濃厚であるが、2人の若さに期待。


【プールD】

シード選手:ノエル・ファンテンド(オランダ)
日本選手:西山大希

上記3ブロックの高すぎる密度を受け、このブロックだけは選手の集中が甘い。
ハテム・アブドエルエーカー(エジプト)とミハエル・マーチタン(UAE)がいるくらいで、シード選手のファンテンドまでも含めて西山を止め得る選手は見当たらない。しっかりベスト4への勝ち上がりを決めたい。

■ 100kg級・8シード位置に強豪密集、未来志向の日本勢に試練のトーナメント
エントリー:28名
日本選手:高木海帆(日本中央競馬会)、羽賀龍之介(旭化成)、ウルフアロン(東海大1年)、後藤隆太郎(慶應義塾大2年)

第1シードがフランスのエース格シリル・マレ、第2シードがエルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)、第3シードが世界選手権で銀メダル3回の29歳ヘンク・グロル(オランダ)、第4シードがワールドツアーの3位決定戦常連者マーティン・パチェック(スウェーデン)。

ここまでを見ると面子は平均的なグランドスラムレベルだが、今大会は4つ角シード以外の役者が超強力。世界選手権で派手な担ぎ技「一本」を連発して銀メダルを獲得したホセ・アルメンテロス(キューバ)、同大会で強豪を根こそぎ「一本」で引っこ抜き3位に到達した「モルドバ傭兵部隊」の新星イワン・レマレンコ(UAE)。そして北京五輪金メダリストでロンドン五輪でも銀メダルを獲得、今年はアジア大会も制して精力的に試合に出始めている30歳のナイダン・ツブシンバヤル(モンゴル)、そのナイダンを倒してグランプリ済州大会を制したばかりのチョ・グハン(韓国)、今年再び力を発揮しつつあるラムズディン・サイドフ(ウズベキスタン)に昨年の世界ジュニア王者カヨル・レイズ(カナダ)。もと世界王者ルシアーノ・コヘア(ブラジル)の参戦が霞むほどの豪華陣容だ。

苦戦続く日本勢だが今大会は希望に満ちたメンバー。ついに復帰基調に乗って講道館杯に優勝、久々国際大会に挑む高木海帆に、同じく負傷から立ち直りつつある羽賀龍之介。そしてジュニア世代からは世界ジュニアで優勝を果たした後藤隆太郎と今季出色の試合を続けている大学1年生のウルフアロンが選抜された。世界選手権に選手の派遣を見送った日本だが、今回の海外勢を突破出来るようであれば十分世界と戦える。全試合が見逃せない。

【プールA】

シード選手:シリル・マレ(フランス)
有力選手:イワン・レマレンコ(UAE)、ルシアーノ・コヘア(ブラジル)
日本選手:羽賀龍之介

羽賀は非常に厳しい山に入った。今季世界選手権7位で先日のフランス選手権ではテディ・リネール相手に終盤まで粘戦を繰り広げたマレはもちろんのこと、なんといってもレマレンコが怖い。レイズカヨルやナイダンを投げまくったあの世界選手権ほどの爆発力は以後発揮できていないが、線の細さと受けの弱さを払拭できない羽賀にとってもっとも面倒なのはテクニシャンよりもこういう粗削りで形にこだわらないパワーヒッターのはず。

常にエース候補と期待されながら成績を残し切れない羽賀にとっては、今大会がキャリア上の正念場。「万年王子」とでも言うべきニッチからぜひここで抜け出してしまいたいところ。対戦順はミハエル・コサエフ(ロシア)-マレ-レマレンコ(コヘア)。

【プールB】

シード選手:マーティン・パチェック(スウェーデン)
有力選手:ツブシンバヤル・ナイダン(モンゴル)
日本選手:高木海帆

パチェックは一本背負投と巴投が得意技で、相手を自分より上と規定した上で勝ち上がるタイプ。ランキングの高さほどの地力はなく、今年はグロルやカールリヒャード・フレイ(ドイツ)を食う一方でスター選手達には連敗。羽賀龍之介にも内股「一本」で吹っ飛ばされて2連敗を喫している。

勝ち上がりの山場は下側、ナイダンと高木がぶつかる2回戦になるだろう。今季は「前進運動」でとりあえず相手の反則を積み上げるのが基本戦術のナイダンに対し、これもパワーが売りの高木がどう戦うか。済州大会ではチョ・グハンが「ナイダン以上に組み手にこだわる」作戦で逆に「指導」差で凌いで勝利を飾っているが、この戦術は正と取るかどうか。レマレンコの大外刈(ほとんど大外返に近いタイミングだったが)一発に吹っ飛んだ世界選手権で露呈した通り、もう体の柔らかさがなくなってきているナイダンは体を固めて飛んでしまう受けの脆さも同居している。現在のナイダンの基本戦術である前進を殺すことにフォーカスするか、時折見せる意外な受けも脆さを狙うか。ファンとしては高木の一撃に期待したい、

【プールC】

シード選手:エルマー・ガシモフ(アゼルバイジャン)
有力選手:カヨル・レイズ(カナダ)、チョ・グハン(韓国)、ラムジディン・サイドフ(ウズベキスタン)
日本選手:ウルフアロン

ウルフと日本大の新主将レイズが1回戦でカチ合うという日本のファンにとってはなんとも無情の組み合わせ。勝者には2回戦でガシモフ、準々決勝でチョグハンが待ち受けるという厳しいブロック。

レイズはグランプリ青島、グランプリ済州大会と連戦してこれが3週連続の国際大会出場。青島では見事優勝したが済州では疲労ゆえかパフォーマンスは低空飛行、4戦を戦って5位に終わっている。この流れを考えればウルフにも勝利の可能性は十分。

勝ち上がりの最右翼はチョだが、様相読み難いブロック。

【プールD】

シード選手:ヘンク・グロル(オランダ)
有力選手:ホセ・アルメンテロス(キューバ)
日本選手:後藤隆太郎

ベテランのグロル、今季の世界選手権は7位。若手有望選手の大量台頭によって苦戦続く中で戦術派に舵を切って畳に居残っているという印象だが、今年のグランプリ・ブタペストではレマレンコを浮落「技有」、ガシモフを小外刈「技有」、そして羽賀龍之介を鮮やかな変形の谷落「一本」で沈めて優勝するなどその最大の特徴である技の切れ味は健在。

後藤は2戦目でグロル、続く準々決勝で世界選手権銀メダリストのアルメンテロスという厳しい対戦順。後藤らしいふてぶてしいパフォーマンスに期待したい。

■ 100kg超級・七戸の出来、そして王子谷との対決が階級最大の焦点
エントリー:27名
日本選手:七戸龍(九州電力)、上川大樹(京葉ガス)、王子谷剛志(東海大4年)、岩尾敬太(京葉ガス)

世界選手権決勝で絶対王者テディ・リネール(フランス)と激戦を演じ、あわや「有効」奪取という場面まで作った七戸龍に世界の目が注がれる。
久々現れた「リネールのライバル」候補である七戸、次の課題はその地位を確定すること。以後のリネールとの対戦で畳に居続けることはもちろんだが、長年「リネール以外」でグループを形成して銀メダル争いをしてきたライバルたちにしっかり勝利し続け、彼らとは明確に違うポジションを得ておくことが何より大事だ。もし不覚を取るようなことであればあの善戦は「アクシデント」としてリネールのキャリアのノイズとして戦績に埋もれてしまいかねない。

というわけで、日本人の身びいきを超えて、七戸の出来がこの階級最大のトピック。

具体的にはラファエラ・シウバ(ブラジル)、キム・スンミン(韓国)といった長年Bグループで主役を張って来たメンバーにしっかり勝つことができるかどうかが最初の課題。

そしてもう一つ。全日本選手権覇者の王子谷との対決という一大トピックがある。七戸がまだ獲っていない最高峰大会の覇者であり、アジア大会という関門も金メダル獲得できちんとクリアしてきたこの大物を退けることが出来るかどうか。ともに得意技は大外刈。同大会決勝で肩を負傷した王子谷の状態は気になるところではあるが、対決あるとすれば決勝での「大外刈合戦」は大会最大のみどころの一つだ。

【プールA】

シード選手:ラファエラ・シウバ(ブラジル)
有力選手:レヴァニ・マテアシビリ(グルジア)
日本選手:岩尾敬太

勝ち上がり候補はもちろんシウバ。巨大さと圧力、時折見せる大外刈と一本背負投による優位確保という戦術はこうして書き起こしてしまうとまことに凡庸だが、ベースに据える地力がとてつもなく強い。インサイドワークにも長けた頭脳派選手だ。

岩尾は2回戦でシウバに挑戦。普通に考えればシウバの優位は動かないが、なにしろ岩尾は勝負師。シウバは強い一発があるタイプでないこともあり、試合のどこかに意外な爆弾を仕掛けることは不可能ではないと見る。面白い試合を期待したい。

【プールB】

シード選手:ダニエル・ナテア(ルーマニア)
有力選手:キム・ソーワン(韓国)、ロイ・メイヤー(オランダ)、バトトルガ・テムーレン(モンゴル)
日本選手:王子谷剛志

今季グランドスラム・アブダビに優勝するなど躍進著しい22歳のダニエル・ナテアがシード選手。これに韓国2トップの一角キム・ソーワンに世界選手権で5位に食い込んだ23歳のロイ・メイヤー(オランダ)、超級に転向して10月のグランプリタシケントでワールドツアー初優勝を飾ったバトトルガ・テムーレン(モンゴル)も入った密度の濃いブロック。

王子谷は初戦でキム・ソーワンとマッチアップするという難易度の高い配置。2戦目はナテア、準々決勝はメイヤーかテムーレンということになる。

ここを勝ちあがるのは王子谷のはず。、七戸と同じ畳に上がるところまでが今回のノルマであることを考えれば、むしろ山場である準決勝のシウバ戦をしっかり考えたい。前回対戦ではシウバの圧力をリスペクトし過ぎ、手数志向の袖釣込腰で流れを失うという対シウバにおける典型的な「嵌り」パターンで敗退した。むしろ効力があったのは後がなくなった終盤に仕掛けた得意技の大外刈であり、これが「効く」ことがわかった今回の対戦は最初から大外刈でゴリゴリ攻めにいけるはず。シウバを倒して「日本には七戸だけではない」という陣容を世界に示すことができるかどうか。楽しみすぎる一番。

【プールC】

シード選手:七戸龍
有力選手:キム・スンミン(韓国)、アブドロ・タングリエフ(ウズベキスタン)

七戸とキムスンミンが同居する過酷なブロック。
キムは先週の済州大会決勝でリネールと対戦、地元大会にも関わらず最初から負けを受け入れたがごとく無抵抗のままあっさり「指導4」を献上するという情けない試合を披露したばかり。七戸、実はこれまで2度負けている(2011年ワールドカップ済州、2013年グランドスラム東京)が、一皮むけて獲得した今の立ち位置からすれば、ここはしっかり退けねばならないはず。リネールに噛みついて冷や汗をかかせた七戸、腹を見せて策なく負けを受け入れたキム。ここは柔道家としての格の違いを見せてもらいたい。

【プールD】

シード選手:レナト・サイドフ(ウズベキスタン)
有力選手:ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)
日本選手:上川大樹

上記プールAからプールCまでの3つと比較すると、明らかに人員構成の一段落ちるブロック。
日本からは上川大樹が出動する。10年世界選手権無差別で優勝して以降これまで3度世界大会代表のチャンスを得ながらいずれもあっさり敗北、8月の世界選手権では技を掛けることすらなく畳を降りた上川にまだ出場権がある(=以後の国際大会に選抜され代表にチャレンジする権利がある)のは驚きという他はない。「五輪しか見ていない」と度々発言している上川だが、今大会の内容(結果ではなく)にそれを見出すことが出来るのか。上位進出なった場合はそこが問われる。

上川の初戦はアジア大会でキム・スンミンを破って王子谷剛志との決勝に進出、11月の世界ジュニア選手権では優勝を果たしているウルジバヤル・デューレンバヤル。

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