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グランドスラム東京第2日男子(73kg級、81kg級)直前展望

(2014年12月5日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版12月5日掲載記事より転載・編集しています。
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第2日男子(73kg級、81kg級)直前展望
グランドスラム東京
■ 73kg級・日本勢は綺麗にブロック分かれる、大野将平は序盤のエルモント戦が山場
エントリー:45名
日本選手:大野将平(旭化成)、秋本啓之(了徳寺学園職)、西山雄希(了徳寺学園職)、中村剛教(大阪府警)


もともとこの階級で「スター」と呼べる選手は日本勢のみ、今大会も覇権国である日本の陣容は強力。世界選手権で2度目の優勝を果たしたばかりの中矢力は負傷のため出場を見合わせたが13年世界選手権王者大野将平と10年世界選手権王者秋本啓之が揃って出場することとなった。国内に現役世界王者が控える中で、大野は圧倒的な強さで海外選手を怖れさせた昨年の輝きと存在感を取り戻せるかどうか、秋本はリオ五輪挑戦に向けて渡り続ける一本橋を次に繋ぐことが出来るか、とそれぞれ切実な課題を抱えての大会となる。日本勢はこれにかつてのスター候補で11月の講道館杯に優勝、ついに代表戦線に戻ってきた西山雄希を加えて充実の布陣で臨む。

海外勢ではサインジャルガル・ニャムオチルとハッシュバータル・ツァガンバータルというスーパーエース2枚を送り込んで来たモンゴル勢が強力。これに世界選手権で銀メダル2回、銅メダル1回獲得の30歳デックス・エルモント(オランダ)、UAEの「モルドバ傭兵部隊」のエース格で今季世界選手権で3位に食い込んだヴィクター・スクボトフ(UAE)、3人誰が出て来ても強いグルジアからは66kg級ロンドン五輪覇者で日々73kg級への対応力を上げつつあるラシャ・シャフダトゥアシビリとヌグザリ・タタラシビリ、フランスのウーゴ・ルグランと世界選手権表彰台クラスの名前が続く。

ひときわ注目しておくべきは、世界ジュニア選手権を圧勝で制し前週のグランプリ済州を制したアン・チャングリム(安昌林)。筑波大から韓国の龍仁大に編入してこの夏ブレイク、韓国代表の世代交代期に上手く噛み合った感もあり、以後73kg級の強豪として定着しそうな気配が出てきた旬の選手だ。

【プールA】

シード選手:デックス・エルモント(オランダ)
有力選手:ヌグザリ・タタラシビリ(グルジア)、アン・チャングリム(韓国)、ウーゴ・ルグラン(フランス)
日本選手:大野将平

大野は2回戦で早くもエルモントと激突。近年のエルモントに爆発的な強さはなくなっているが、世界選手権で優勝した際は準々決勝で対戦、「有効」を取り合った末に迎えたGS延長戦に右内股「一本」でなんとか勝利したという経緯のある「一番苦労した相手」(井上康生・男子監督)。ここでどんな試合をするかで、久々の試合となる大野の出来を測りたい。

下側の山はアン、タタラシビリ、ルグランにキヨシ・ウエマツ(スペイン)と強者がギッシリ詰まったトーナメント最激戦区。勝ち上がりは予想しがたいが、誰が来ても大野が本調子であれば問題なく準決勝進出を決めると見る

【プールB】

シード選手:ロク・ドラクシック(スロベニア)
有力選手:ハッシュバータル・ツァガンバータル(モンゴル)
日本選手:中村剛教

混戦ブロック。シード位置を占めるドラクシックとツァガンバータルが勝ち上がり候補。とはいえ、歩留まりは良いがいまや最高到達点はさほど高くないドラクシックと、コンディションによって激しくパフォーマンスが異なるツァガンバータルというこの2人構成であれば、中村にも勝ち上がりの可能性は皆無ではない。一頃の元気の良さを失いつつある中村だが、奮起に期待したい。

【プールC】

シード選手:ヴィクター・スクボトフ(UAE)
有力選手:ルスタン・オルジョフ(アゼルバイジャン)、ラシャ・シャフダトゥアシビリ(グルジア)
日本選手:西山雄希

スクボトフが第2シード。西山は2回戦でこの選手とマッチアップする。
スクボトフ、ワールドツアーで勝ち始めた昨年はさしたる特徴のないオーソドックスファイターだったが、世界選手権では絞技で3つの「一本」を獲得するなど柔道に尖った部分が出始めている。同僚のトマ同様場外際での駆け引きも上手く、正統派の西山は注意して戦いたいところ。

下側の山は、オルジョフとシャフダトゥアシビリのマッチレース。シャフダトゥアシビリは73kg級転向後苦戦が続いていたが、今年になって隅返一辺倒のスタイルから、相手にまず食いついて隅返を警戒させておき、相手の重心移動に応じてシナリオ分岐を図るというように戦い方を微調整。6月のグランプリ・ブダペストでは大内刈と隅返を使い分けながら決勝にまで進出した。この決勝で負傷棄権した影響で世界選手権では振るわなかったが、以後の再浮上あるか、この大会のパフォーマンスは気になるところ。

いずれ西山は戦術派に変則選手、パワー派(オルジョフ)とそれぞれ面倒な特性のある選手との連続対戦が濃厚。「正し過ぎる」柔道の線の細さを解消できるか、試金石となるトーナメント。

【プールD】

シード選手:セージ・ムキ(イスラエル)
有力選手:サインジャルガル・ニャムオチル(モンゴル)
日本選手:秋本啓之

ムキの高ランキングの所以は大会への皆勤。それも激戦を勝ち抜くというよりは選手層が薄い大会を逃さずしっかり上位に進むことを続けて成りあがった選手であり、今年後半になって地力も追いついてきた感はあるものの基本的にはランキングほどの力はない「家賃の高い」選手。

反対側の山に入った秋本にとって唯一最大の敵は3回戦でマッチアップするサインジャルガル・ニャムオチル。全世界にブームを巻き起こした「やぐら投げ」の発信源であるこの選手は世界選手権(大野将平に「指導」累積の優勢で敗退)以後も定期的に試合に顔を出しており、9月のグランプリアスタナで3位、10月のグランプリ・タシケント1位とある程度の結果を残している。試合を見る限り今秋のパフォーマンスは爆発的なものではまったくないが遮二無二距離を詰めてくるスタイルは、秋本にとって決してやりやすい相手ではない。どう捌いて、得意の背負投に繋ぐのか。正念場だ。


■ 81kg級・永瀬貴規に試練の組み合わせ、序盤にニフォントフ-キムジェブンと連戦
エントリー:45名
日本選手:永瀬貴規(筑波大3年)、渡邉勇人(東海大4年)、丸山剛毅(天理大4年)、長島啓太(日本中央競馬会)

今夏の世界選手権覇者であるアヴタンディル・チリキシビリ(グルジア)、世界選手権と五輪合わせて3度世界の頂点に立っているキム・ジェブン(韓国)と世界タイトルホルダーが2人来日。73kg級で2010年世界選手権を制しているワン・キチュン(韓国)も入れれば世界王者が3名同時出場するという豪華なトーナメント。

これにワールドツアー皆勤王で8月の世界選手権では銀メダル獲得の快挙を成し遂げたアントワーヌ・ヴァロアフオルティエ(カナダ)、13年ワールドマスターズ王者のイワン・ニフォントフ(ロシア)、業師ヴィクター・ペナウベル(ブラジル)に、久々来日の「場外際の魔術師」トマ・セルジュ(UAE)、ダークホースとして小外刈王イワン・ヴォロベフ(ロシア)と海外勢は強豪多数。

迎え撃つ日本は、昨年大会王者で世界選手権団体戦では王者チリキシビリに競り勝った永瀬貴規を筆頭に、アジア大会代表長島啓太、一発の威力では選手団随一の13年選抜体重別王者丸山剛毅、学生体重別2連覇で11月の講道館杯を制したニューフェイス渡邉勇人という布陣で挑む。山は綺麗に分かれたが永瀬と渡邉は早い段階から強豪との連戦が予想され、厳しい大会になることは間違いない。

【プールA】

シード選手:アヴタンディル・チリキシビリ(グルジア)
日本選手:丸山剛毅

優勝候補筆頭であるチリキシビリの山だが、逆側の山でシード位置を占めるのは今年ようやくワールドツアーの表彰台に登り始めた21歳のロマン・モウストポウロス(ギリシャ)であり、強豪の影が薄い。丸山は初戦でアッティラ・ウングバリ(ハンガリー)、2回戦でモウストポウロス、4試合目の準々決勝でチリキシビリという組み合わせ。まだ国際大会での活躍がない丸山だが、勝利を得た際に得るインパクトを考えればチリキシビリ戦は願ってもない場のはず。日本選手の誰もが怖れる一撃の威力を、世界に見せつけることが出来るか。

【プールB】

シード選手:イワン・ニフォントフ(ロシア)
有力選手:キム・ジェブン(韓国)
日本選手:永瀬貴規

主役級の3人がプール内に同居。永瀬は2回戦でニフォントフ、4試合目(準々決勝)でキムという非常に厳しい組み合わせ。

持ち技的には「オールラウンダー」と考えて良いニフォントフの柔道で特に警戒すべきは寝技。それも寝際、立ち際だ。相手がピンチと捉えていない間に腕挫十字固、腕挫手固に腕緘と関節技をビシビシ打ち込んでくる。総合力、それも組み手による優位確保ではなく具体的な「取る」手段を並べて勝ちに来る攻撃のオールラウンダーと捉えておいて良い。行くべき場面、守るべき場面をハッキリさせて的確に投げに行きたい。

キムは言わずと知れた超戦術派。ここぞという試合では投げるよりも手数、手数よりも組み手の優位確保と割り切って、有り余るパワーの全てを注ぎ込んで「指導」を取りに来る。持ち技も片襟技が多く、相手にチャンスを与えず得手勝手に自分だけが掛けて攻防を終わらせてしまおうという面倒な選手。「指導」を先行されるとまことに厄介、もう勝負してもらえるとは思えない。早い段階から技を積んで、追い掛けに来るところを一発投げたい。勝ち上がり候補はキムか、永瀬。「しょっぱい」試合でも勝ちさえすれば過剰なガッツポーズで観衆にアピールするのがキムのもう一つの特性。地元での「あれ」だけはなんとしても阻止してもらいたい。

【プールC】

シード選手:アントワーヌ・ヴァロワフォルティエ(カナダ)
有力選手:イワン・ヴォロベフ(ロシア)
日本選手:長島啓太

ヴァロワフォルティエとヴォロベフ、それにアレキサンダー・ヴィークツェルツァク(ドイツ)が同側の山で潰し合い、勝った選手を準々決勝で長島が待ち受けるという配置。

ヴァロワフォルティエは長い手足を利して「指導」を獲りまくる戦術派。対照的にヴォロビエフは抱き付き小外掛に二段小外刈、抜き上げの小外刈にケンケン小外刈と多くのバリエーションを持つ「小外王」。ただし日本勢を3人抜きして大きなインパクトを残した2012年グランドスラム東京以降はさしたる成績を残せずワールドツアーでは3位決定戦が指定席、今年の国際大会出場は10月のタシケント大会(5位)のみ。ヴァロワフォルティエの勝利を予想しておくのが順当。

長島は2試合目(3回戦)のヨアキム・ボットー(ドイツ)が多少歯ごたえがあるくらいで準々決勝までの勝ち上がりは間違いない。ヴァロワフォルティエの組み手の出し入れに嵌らず、捕まえて投げ技を撃ち込むことが出来るかどうかが焦点。

【プールD】

シード選手:ヴィクター・ペナウベル(ブラジル)
有力選手:ワン・キチュン(韓国)、トマ・セルジュ(UAE)
日本選手:渡邉勇人

渡邉は初戦(2回戦)でもっとも面倒なワン。3回戦でペナウベル、準々決勝ではトマかヤキョー・イマモフ(ウズベキスタン)とマッチアップするという非常に厳しい組み合わせ。力比べに応じてくれるはずのペナウベルとイマモフ、面倒な相手であるが地力で凌駕出来そうなトマはともかく、初戦がワンというのは渡邉にとっては非常に嫌なはず。
ワンが渡邉を格下とみなして得意の背負投と小内刈を撃ち込むべく組みに来るか、それとも警戒して組み際の仕掛けに割り切ってくるかどうかで様相は大きく異なるはず。転向後の日の浅さを考えれば後者、先週キムに組ませてもらえず「指導」差で負けたフラストレーションの反動を考えれば前者。渡邉は「どこからでも技が出る」特性を生かして、早い段階で大きな技を仕掛け、キムを追い詰めて行きたい。

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