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梅木真美が先輩緒方亜香里降して優勝、4戦3一本勝ちの好内容・講道館杯全日本柔道体重別選手権78kg級レポート

(2014年11月23日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月23日掲載記事より転載・編集しています。
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梅木真美が先輩緒方亜香里降して優勝、4戦3一本勝ちの好内容
講道館杯全日本柔道体重別選手権78kg級レポート
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2回戦で岡村智美を倒した鈴木伊織(右)
※写真は準々決勝の高山莉加戦

序盤戦で高校生が2つのアップセットを達成。

鈴木伊織(大成高2年)は2回戦で強化選手岡村智美(コマツ)打倒に成功。1分40秒に岡村に対して与えられた「取り組まない」判断の「指導」1つをテコに、岡村の攻撃をことごとく袖釣込腰に吸収して凌ぎ切り優勢勝ち。鈴木は試合巧者ぶりを如何なく発揮、一方の岡村は積年の課題であるインサイドワークの悪さをまたしても露呈することとなった試合だった。

インターハイ王者泉真生(木更津総合高3年)も強化選手日髙美沙希(大阪体育大4年)との2回戦を見事勝ち抜く。1分7秒に日髙の小外掛で「有効」を失ったが、直後大外刈で「有効」を獲り返し、2分58秒には再度大外刈を決めて一本勝ち。伸び盛りの泉は試合を重ねるごとに強さが増す印象、一方の日髙は下がることで展開を失ってリードを守れず、こちらも課題であるメンタル面の脆さを垣間見せた試合であった。

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全試合一本勝ちで決勝まで勝ち上がった梅木真美

決勝に進出したのは梅木真美(環太平洋大2年)と緒方亜香里(了徳寺学園職)。阿蘇中央高(旧阿蘇高)の先輩後輩による本命対決だ。

アジア大会で好パフォーマンスを披露、見事3位に入賞している梅木は全試合一本勝ちでの勝ち上がり。2回戦は女良いこま(帝京大1年)を崩上四方固(2:35)、準々決勝も堀歩未(鹿屋体育大1年)を崩上四方固(2:06)、迎えた準決勝は絶好調の実業王者濵田尚里(自衛隊体育学校)に内股「有効」を先行される苦しい展開だったがきっちり横四方固で抑え切って逆転勝利決定(3:08)。充実の内容での決勝進出。

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準々決勝、高橋ルイが「跳び関節」、緒方亜香里は食いつかせたまま左払腰に捉えて豪快な一本勝ち

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準決勝、緒方亜香里が高山莉加を左小外掛「一本」に仕留める

一方の緒方の勝ち上がりも圧倒的。2回戦は生田茜(ヤックス)を試合が始まるなりの内股「一本」(0:16)、階級を上げて来たばかりの高橋ルイ(和歌山県庁)との準々決勝は高橋が「跳び関節」を狙って飛びついた瞬間空中で体を捉えて振り回し投げ、満場の溜息を誘う豪快な左払腰「一本」(3:38)、準決勝は高山莉加(三井住友海上)から2つの「指導」を奪った後に小外掛に捉えて試合を決め(2:50)、全試合一本勝ちでの決勝進出決定。

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決勝、開始するなり緒方が奥襟を掴んだ圧力

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梅木が左大外刈、緒方を崩すと横三角を狙う

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梅木が左払腰、緒方は食いついたまま膝を屈する

決勝は梅木、緒方ともに左組みの相四つ。

緒方「始め」の声が掛かるなり釣り手を奥襟に叩き入れて梅木を前に引きずる。しかし梅木はジリジリと頭をこじあげて圧力を跳ね返し状況をリセット。30秒過ぎからは互いにガップリ持ってのあおり合いとなる。

ここで緒方が思い切った左大内刈。梅木立ったまま耐え切るが追い込まれた位置が悪く、42秒梅木に場外の咎で「指導」。

勢いを得た緒方は奥襟を掴んで相手を前にあおり出しながらその踏み出しに合わせた左小内刈で攻撃。梅木の柔道衣が脱げて頭に被さるところまであおり続け「待て」。

直後、梅木も釣り手で奥襟を確保し、ガップリ四つの体勢が現出。梅木ようやく持てたとばかりに左内股、さらに前進運動を止めず緒方を場外に送り出す。1分17秒緒方に場外の「指導」が宣告され、これで両者のスコアはタイ。

梅木回り込んで引き手の確保に成功するが、緒方はその腕を抱き込んで「ケンカ四つクロス」に近い形で崩し技の左内股を放って展開留保。

1分30秒過ぎからまたもやガップリ組み合う体勢となり、梅木が前に出ると緒方は左大内刈で対抗。梅木は圧力を掛けておいて思い切った左払腰、緒方が体勢を崩して畳に落ちると得意の横三角を試みる。しかしこれは早々に「待て」。経過時間は1分53秒。

続くシークエンスも梅木が奥襟を叩いて緒方の頭を下げさせ、攻勢権確保。あおりを呉れて間合いを測り、思い切った左大外刈を仕掛けると緒方意外なほどあっさり畳を割り、主審迷わず緒方に対して場外の「指導2」を宣告する。経過時間は2分13秒、残り時間は1分47秒。

緒方は奮起、梅木も引かず、続くシークエンスも奥襟を叩きあうガップリ四つの体勢。梅木が回り払腰で緒方を崩し、畳に伏せかけた相手の体を引き上げて横三角で攻め「待て」。

この後3分30秒までは奥の叩き合い、頭の上げ合い、絞り合い、横変形での膠着を挟みながら技を仕掛け合う動的膠着。3分9秒に放たれた緒方の左払腰は梅木が場外に突き出して止め、3分25秒の緒方による前へのあおりは梅木が体を入れ換えながら回り込みの左内股に吸収して展開的な差はつかず。

後のない緒方、思い切り奥襟を叩いて梅木の頭を下げるが柔道衣が脱げかかり、これはかえって緒方の攻勢とは認められず。残り20秒を切り、緒方は入射角を変えて「ケンカ四つクロス」の形で「指導」を狙うが、いったん離れた梅木相手を掴まえるなり左小外刈に左払腰と技を繋ぐ。この技に緒方が左大外刈で応じたところで終了のブザー。

緒方はその場で膝を屈してガックリ。「指導2」対「指導1」の反則累積差で梅木の講道館杯初優勝が決まった。

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梅木の払腰を緒方が大外刈で返そうとしたところで終了ブザー

梅木は4戦して3つの一本勝ちという好内容。3つの「一本」がいずれも寝技であるのはここ数年の梅木の特徴そのままのスタッツだが、アジア大会に引き続き、その寝技に至るまでの立ち技の攻防の良さが目を引いた。ありあまる地力という高校1年時の貯金に頼った結果としての寝技(具体的には横三角)による勝利、という体で成績を残すことが多かった梅木だが、今年は打って変わって丁寧な立ち技を展開。しっかり持って巻かずに掛け切るこのスタイルが寝技開始の体勢の良さ、そして結果にも繋がっている。
アジア大会で見せたこの新スタイルが緒方にどこまで通じるかが今大会最大のテーマだったが、世界のトップ選手とパワーで伍してきた緒方にまっすぐ畳を割らせ、かつその圧力を具体的な技に変換し続けたその試合ぶりを見る限り「合格」と評しても良いのではないだろうか。寝技に関しても得意の横三角の入り方、終着点ともに着実にバリエーションを上積みしている様子。決勝の戦いをインパクト不足と捉える向きもあるようだが、アジア大会、学生体重別と続いた過酷な連戦明けでのこの内容は十分評価に値する。環太平洋大での猛稽古と、練られた指導方針の程が垣間見える快進撃であった。

一方、今夏戦線復帰を果たしたばかりの緒方に関しては、まだまだ思い切って自分の技を仕掛けるところまで回復していないのではないかというのが率直な印象。組み手の手立てはかつてに比べると増えつつあるようだが、13年春の皇后盃で見せた、あの組み手の緻密さと技の破壊力をミックスした自身の最高到達点に至るにはまだまだ道のり遠し。そもそもあの素晴らしい柔道は種々の要素がたまたま合わさって出来上がったものだったのか、明確な方針のもとに練り上げた確信的スタイルであったのか、これを判断することにすらいましばらくの時間が必要だ。

グランドスラム東京で国際大会復帰も果たす緒方が以後、どのような道筋であの高い境地に辿り着くのか、楽しみにその過程を見守りたい。

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2回戦、濵田尚里は吉村静織の掛け潰れを見逃さず「後ろ手」を捉えて横四方固へと繋ぐ

3位には高山莉加(三井住友海上)と濵田尚里(自衛隊体育学校)が入賞。

濵田は2回戦で昨年の世界ジュニア王者吉村静織(三井住友海上)と「有効」を奪い合う大激戦の末、吉村の掛け潰れて残った腕を見逃さず捕まえ極めて横四方固「一本」(GS2:12)、3回戦では高校選手権王者佐藤杏香(東海大四高)を腕緘「一本」(1:22)で一蹴、準々決勝はインターハイ王者泉真生をあっという間の支釣込足「一本」(0:12)で下すなど、ジュニア世代の期待株を次々弾き返し、準決勝の梅木戦でも「有効」を先行するなど今大会は主役級の活躍。3位決定戦では高橋ルイを内股と横四方固の合技「一本」(1:01)で下し合計4つの一本勝ちをマークし、グランドスラム東京への抜擢もうなずける好内容での表彰台獲得劇だった。

入賞者と準々決勝以降の結果、優勝者のコメントは下記。

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78kg級入賞者。左から緒方、梅木、高山、濵田

【入賞者】
優 勝:梅木真美(環太平洋大2年)
準優勝:緒方亜香里(了徳寺学園職)
第三位:高山莉加(三井住友海上)、濵田尚里(自衛隊体育学校)

梅木真美選手のコメント
「これまでの最高成績は3位。優勝出来て本当にうれしい。高校の頃からずっと目標にして来た先輩と決勝で戦うことが出来て良かった。決勝は強気で前に出れた。もっともっと稽古して世界の舞台で優勝出来るように頑張っていきたい」

【準々決勝】

梅木真美(環太平洋大2年)○崩上四方固(2:06)△堀歩未(鹿屋体育大1年)
濵田尚里(自衛隊体育学校)○支釣込足(0:12)△泉真生(木更津総合高3年)
緒方亜香里(了徳寺学園職)○払腰(3:38)△高橋ルイ(和歌山県庁)
高山莉加(三井住友海上)○優勢[指導1]△鈴木伊織(大成高2年)

【敗者復活戦】

堀歩未(鹿屋体育大1年)○優勢[指導1]△泉真生(木更津総合高3年)
高橋ルイ(和歌山県庁)○優勢[有効・払腰]△鈴木伊織(大成高2年)

【準決勝】

梅木真美(環太平洋大2年)○横四方固(3:08)△濵田尚里(自衛隊体育学校)
緒方亜香里(了徳寺学園職)○小外掛(2:50)△高山莉加(三井住友海上)

【3位決定戦】

高山莉加(三井住友海上)○優勢[有効・内股]△堀歩未(鹿屋体育大1年)
濵田尚里(自衛隊体育学校)○合技[内股・横四方固](1:01)△高橋ルイ(和歌山県庁)

【決勝】

梅木真美(環太平洋大2年)○優勢[指導2]△緒方亜香里(了徳寺学園職)

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