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学生王者渡邊勇人、5戦4一本勝ちの好成績で初優勝飾る・講道館杯全日本柔道体重別選手権81kg級レポート

(2014年11月16日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月16日掲載記事より転載・編集しています。
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学生王者渡邊勇人、5戦4一本勝ちの好成績で初優勝飾る
講道館杯全日本柔道体重別選手権81kg級レポート
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準決勝を戦う長島啓太

アジア大会で銅メダルを獲得したばかりの長島啓太(日本中央競馬会)は決勝に辿り着けず。2回戦で武田茂之(新日鐵住金)に内股と崩上四方固の合技「一本」で快勝して以降は、3回戦のもと実業王者平尾譲一(パーク24)を「指導2」対「指導3」、準々決勝の中園史寛(東海大3年)戦も同じく「指導2」対「指導3」の優勢と辛勝続き。それでもきちんと勝ち上がるところはさすがと思わせるものがあったが、準決勝では丸山剛毅(天理大4年)を相手に「指導2」対「指導1」とリードを得た2分26秒に払腰を真裏に返されて「技有」失陥。直後内股巻込で「有効」を取り返したもののもう一手が出ず、トーナメント本戦から弾きだされることとなってしまった。

ロンドン五輪代表の中井貴裕(パーク24)は3回戦敗退で入賞にすら絡めず。初戦は武藤力也(神奈川県警)から「指導」3つを奪った末に浮落で一本勝ち(3:14)を果たしたが、3回戦で山邉勇己(自衛隊体育学校)の払腰を思い切り食って一本負け(0:47)。顔色悪く、動きは鈍く、衝動は重くコンディション調整の失敗は明らか。本来の出来とはかけ離れたパフォーマンスのままこの大事な大会を落とし、グランドスラム東京の代表からも漏れることとなってしまった。北京-ロンドン期に階級挙げて苦戦の続いた81kg級を孤軍奮闘で引っ張り五輪では5位に入賞した功労者中井、明らかにキャリアの分岐点。

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3回戦、丸山剛毅が送足払で女良魁斗を崩す

決勝に進出したのは丸山剛毅(天理大4年)と渡邉勇人(東海大4年)の2人。

13年全日本選抜体重別王者の丸山は2回戦で星光(國學院大3年)を内股「一本」(0:47)、3回戦は女良魁斗(東海大2年)を「指導2」対「指導3」の優勢で破り、準々決勝は小原拳哉(東海大2年)と対戦。拮抗続くも徐々に力の差が出始めた終盤に一気に加速、残り40秒で内股「技有」から袈裟固に固めて合技の一本勝ち(4:41)。準決勝は前述の通り長島啓太を払腰返「技有」で降して決勝進出決定。

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準決勝、渡邉勇人が安田知史を裏投「一本」に仕留める

学生選手権2連覇中の渡邉の勝ち上がりは圧倒的。2回戦は宮金翔吾(東海大学九州2年)から内股「技有」、大腰「一本」(2:29)と連取して快勝、3回戦では山本泰三(九州電力)を一本背負投「一本」(2:16)、準々決勝は大学の先輩である海老泰博(旭化成)を4分4秒鮮やかな大外刈で切り伏せてこれも「一本」、強敵安田知史(福岡県警)との準決勝は「指導2」対「指導1」でリードした3分44秒に安田の大外刈の戻りを腹上に抱え上げて豪快な裏投「一本」。強豪ひしめく81kg級を全試合「一本」という素晴らしい成績で決勝へと勝ち上がることとなった。

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決勝、渡邉が大外刈で先制攻撃

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渡邉は巴投から寝技を狙う

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丸山は鋭い送足払で対抗

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決勝、組み手で優位を確保する渡邉

決勝は丸山、渡邉ともに左組みの相四つ。10月の学生体重別団体では渡邉が「技有」優勢で勝利しているカード。

互いにガップリ組み合って試合をスタート。次いで丸山は釣り手を肩越しに入れるクロス組み手。すぐに攻めなければ「指導」が宣告される形だが、丸山はそのまま悠揚釣り手を振り立てて攻撃の間合いを測るという不可解な選択。疑問を差し挟む余地のない「クロ」の行動に主審迷わず丸山に「指導」を宣告、経過時間は25秒。

早い時間帯で「指導」のリードを得た渡邉は丁寧かつ慎重に試合を展開。釣り手をクロスに入れた左大外刈で丸山を外に押し出し、巴投からの「草刈り」で寝技への引込みを狙う。

続く展開、渡邉が奥襟を掴んで場外際まで進出すると、丸山首を抜いて対処。渡邉はここで丸山に攻めさせず右への払巻込に打って出、応じた丸山はハンドル操作で渡邉を崩し落とし「待て」。主審ここまで攻防を見極めた上で、「首を抜いた後にすぐ攻める」という免責行動を為さなかった丸山に対し当然ながら首抜きの咎による「指導2」を宣告する。丸山はいずれも自分のミスで2つの「指導」を失うという勿体なさ過ぎる事態。

それでも投げ一発に絶対の自信を持つ丸山は奥襟を握って前へ。渡邉は巴投で展開を切ると、指を痛めた様子でしばし中断を要求。この間合いで丸山の主導権奪回気運はやや減速。

直後再び奥襟を得た丸山は左内股、渡邉が場外方向への移動を志向すると鋭い送足払でガクリと渡邉の膝を崩し、そのまま体を滑らせて左内股。丸山らしい迫力満点の攻撃だが、ポイントには至らず「待て」。経過時間は2分28秒。

渡邉は引き手を抱き込んで丸山の釣り手を噛み殺しながら攻防継続。抱き込み、絞り、押し込みと組み手の形を変えながら動的膠着を演出し、巻き込まれた丸山は左背負投一発を放つのがやっとで攻めの形が作れない。3分23秒双方に消極の「指導」宣告、これで累積警告は丸山が「3」、渡邉が「1」。

丸山接近戦に持ち込むべく引き手で脇下を掴むが渡邉は回避、片襟を差した左体落で展開を切る。さらに引き手で脇を突き、丸山の支釣込足を左大外刈に吸収、応じた丸山大外返を試みるが渡邉いち早く脚を抜いて相手を落とし、背について「待て」。

残り時間52秒。見守る穴井隆将監督の「撃ち合いしろ!」との指示を受けて丸山突進するが、渡邉はこの掛け声で次の手を決めたとでも言わんばかりに引き手で袖を掴むなり腹側に流し込み、丸山に横を向かせながら出足払を放って相手をいなす。続く丸山の奥襟来襲もあっさり右一本背負投に切り返して丸山が作りたい「撃ち合い」の場に繋がる形、距離には一切入らず。残り7秒での丸山の突進は逆らわずにそのまま場外に出て2つ目の「指導」を受けるがこれは計算づく。丸山の外巻込に支釣込足で応じたところで終了ブザーが鳴り響き、「指導3」対「指導2」の反則累積差で渡邉の勝利が決まった。

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優勢で勝利決定の渡邉。これが講道館杯初優勝

戦後「監督から『指導1つでもいい、どんな勝ち方でも良いから勝ってこい』と言われました」と試合を振り返った渡邉。そのコメント通り、準決勝までの豪快な試合ぶりとは一転、決勝はどうしても結果を残さなければという使命感が溢れる戦いだった。渡邉は全日本学生体重別の2連覇者だが、10月に連覇を決めた際開口一番に語ったのは「昨年学んだのは、シニアで勝たなければ全く意味がないということ」という危機感一杯の台詞。昨年の挫折感、そして一年間舐めた辛酸の程が漂うコメントだが、その辛い経験が選択させた「絶対に負けない」戦術選択、そしてそれゆえの初優勝だった。

一方の丸山は対照的に投げ一発を狙い、そしてほとんどその刃を繰り出せないまま終わったという体での不完全燃焼だった。クロス組み手で攻めない、首を抜いて攻めないという、試合の流れを決定するに至った「指導」2つの失陥は明らかなミス、それも多くの競技者が「新ルールで引っかかりやすいミス」として注意喚起されているはずの重要ポイントでのエラーであり、その意味では決勝はもはや自滅の感すら漂う。投げ一発の威力明らかな丸山は、相手が勝負に来てこそその力を発揮する。であれば序盤にまず「指導」を得て相手が出てこざるを得ない状況を作ることが必勝パターンであるはずで、ケアレスミスによる「指導」失陥はもっとも良くないシナリオ。これは国際大会で強者がトータルファイタータイプに食われる試合の一典型でもあり、以後国際大会での活躍が期待され、そして海外選手にその投げの威力を警戒されること間違いない丸山としては早期に修正しておきたいポイントだ。


3位決定戦では長島が海老を、中園史寛が安田を下して表彰台を確保。
世界ジュニア代表の尾方寿應(東海大1年)は2回戦敗退。安田知史に一時は「指導」1つ差をリードしたが終盤に追いつかれ、残り10秒で安田得意の一本背負投に捕まり「技有」失陥で敗退。

同じく世界ジュニア代表の佐藤正大(国士舘大2年)は3回戦で海老泰博と大乱戦。海老に背負投「有効」をリードされたが、2分43秒に袖釣込腰で「技有」を奪い返し逆転、しかし残り1分22秒に海老が背負投で「技有」を得、結果「有効」1つの差で海老が勝ち上がることとなった。

小原拳哉は昨年3位の山下諒輔(静岡県警)に一本背負投で一本勝ちを果たしたが、前述の通り準々決勝で丸山に敗れ、この際負傷したか敗者復活戦を棄権して終戦。

リオ五輪代表レースへの参戦が期待された川上智弘(國學院大職)は既報の通りアキレス腱断絶という重大アクシデントに見舞われ、今大会への出場は叶わなかった。

入賞者と準々決勝以降の結果、優勝者のコメントは下記。

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81kg級入賞者。左から丸山、優勝の渡邉、中園、長島

【入賞者】
優 勝:渡邉勇人(東海大4年)
準優勝:丸山剛毅(天理大4年)
第三位:中園史寛(東海大3年)、長島啓太(日本中央競馬会)

渡邉勇人選手のコメント

「決勝は監督から『指導1でも良い、どんな勝ち方でもいいから勝ってこい』と送り出してもらいました。準決勝までは全試合一本勝ちでしたが、それまでも『一本』を狙うというよりは結果に拘って試合をして、結果がそうなったというだけ。調子が良いなとは思っていましたが、決勝は組んでみたらこれは勝手が違うなと思いました。勝ちたいという気持ちが、こちらのほうが強かっただけだと思います。粘り勝ちです。自分の長所ですか?相手が想像していないところから投げに行けるところだと思うので、このバリエーションを増やしていきたい。弱点は競った試合でのスタミナ。優勝は自信になりましたし、これで世界一に挑戦するスタートラインにようやく立てたのではないかと思います。これからも頑張ります」

【準々決勝】

長島啓太(日本中央競馬会)○優勢[指導3]△中園史寛(東海大3年)
丸山剛毅(天理大4年)○合技[内股・袈裟固](4:41)△小原拳哉(東海大2年)
安田知史(福岡県警)○浮落(4:43)△山邊雄己(自衛隊体育学校)
渡邉勇人(東海大4年)○大外刈(4:04)△海老泰博(旭化成)

【敗者復活戦】

海老泰博(旭化成)○背負投(0:18)△山邊雄己(自衛隊体育学校)
中園史寛(東海大3年)○不戦△小原拳哉(東海大2年)


【準決勝】

丸山剛毅(天理大4年)○優勢[技有・払腰返]△長島啓太(日本中央競馬会)
渡邉勇人(東海大4年)○裏投(3:44)△安田知史(福岡県警)

【3位決定戦】

中園史寛(東海大3年)○払腰(1:06)△安田知史(福岡県警)
長島啓太(日本中央競馬会)○優勢[指導2]△海老泰博

【決勝】

渡邉勇人(東海大4年)○優勢[指導3]△丸山剛毅(天理大4年)

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