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講道館杯全日本柔道体重別選手権大会・最終日男子各階級展望

(2014年11月6日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月6日掲載記事より転載・編集しています。
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最終日男子各階級展望
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
■ 90kg級・復活掛ける西山大希が第1シード、国際大会で見せた存在感発揮に期待
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復活が期待される西山大希

【階級概況・有力選手】

若手の旗手ベイカー茉秋(東海大2年)を投入した世界選手権では入賞ならず。階級全体として出直しを図る中で、アジア大会では選抜体重別王者の吉田優也(旭化成)が金メダルを獲得して存在感をアピールした、というのが90kg級の代表戦線の概況。

選抜体重別で決勝を争ったこの2人が既にグランドスラム東京の権利を手にしてはいるが、大枠この階級は勢力再編成の渦中にあると見るべきで、他選手にもまだまだチャンスあり。今大会はこの2人への挑戦権を掛けた戦いとなる。

期待の一番手は2010年、2011年世界選手権銀メダリストの西山大希(新日鐵住金)。長期に渡る負傷離脱から昨秋復帰、12月のグランドスラム東京3位、2月のグランプリ・デュッセルドルフ3位と続いた「慣らし運転」を経て、6月のグランプリ・ブダペストでは見事優勝。この際決勝では2か月後の世界選手権で銀メダルを獲得することとなる現在の階級最注目選手クリスチャン・トート(ハンガリー)を破っている。この大会では西山の投げの威力を怖れた相手が組んでいるだけで勝手に崩れ、そして最後は大外刈と足車で投げ切るという、日本の他の選手にはない「格」で相手を圧する抜群の強さを見せていた。ベイカーと吉田が居座る代表戦線への殴り込みの準備はどうやら十分。

対抗勢力は第2シードに配された講道館杯2連覇中の加藤博剛(千葉県警)と第3シード位置を与えられたロンドン五輪銅メダリスト西山将士(新日鐵住金)。正統派に試合巧者、上り調子の若手と役者揃った階級ではあるが、トーナメントの中心はこの4人と規定しておいて間違いない。

【組み合わせ】

[Aブロック]

西山大希の山。初戦は学生体重別準優勝者の五味江貴(日体大3年)、2戦目はジョーカー長尾翔太(兵庫県警)とジュニア世代の吶喊大外刈ファイター前田宗哉(東海大1年)の勝者と対戦。3人いずれと戦っても非常に面白い試合が期待される。それぞれ持ち味が全く異なるこの選手たちにどう序盤戦を戦うかまことに面白い。逆側の山は少々大人しめのメンバーが入り、その中では高校2冠の白川剛章(福井工大福井高3年)の爆発力に期待。

[Bブロック]

シード位置に入ったのは全日本実業個人を初制覇した菅原健志(パーク24)。2試合目(3回戦)の穴井航史(旭化成)との一番がそのままブロック勝ち上がりを決める可能性が高い。

[Cブロック]

加藤博剛の山。初戦が低い担ぎ技というアップセット要素を孕む大町隆雄(山梨学院大2年)、人材が比較的薄めの逆側の山には小林悠輔(筑波大3年)と具志堅一弘(天理大2年)という技の切れ味のある2人が配されたが、加藤の勝ち上がりという結果自体を揺らすことは難しそう。勝ち上がりは加藤と考えておくべき。

[Dブロック]

このブロックは激戦。シード選手は西山将士だが、初戦が引込返のスペシャリストというニッチから技術の幅を広げつつある北野裕一(パーク24)、2戦目が大辻康太(日本エースサポート)か中西努(神奈川県警)、逆側の山には池田賢生(日本中央競馬会)、学生体重別2連覇中の長澤憲大(東海大3年)、花本隆司(京葉ガス)と表彰台候補が3人名を連ねている。組み手ロジックに投げ一撃の強さとロンドン五輪出場直前の西山はパーフェクトな出来であったが、元気を失った感のある以後のキャリアにあって今回は表裏いずれの目が出るか。この試合が再浮上のターニングポイントになるのかどうか、まずこの序盤戦に注目したい。

■ 100kg級・「弱点」階級は個性派の役者揃う好組み合わせ、羽賀龍之介中心の大激戦
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大物羽賀龍之介はいよいよ正念場の大会

【階級概況・有力選手】

周知の通りこの階級は世界選手権に代表を送り込まず。アジア大会でも熊代佑輔(ALSOK)が未勝利のまま大会を終えるなど非常に厳しい状況にある。

しかし、というべきか、だから余計にというべきかこの講道館杯に出揃った役者はなかなかに豪華。第1シードの羽賀龍之介(旭化成)に、国内では無類の強さを発揮する増渕樹(旭化成)と今季国際大会未派遣の処遇を受けながら腐らず健在の小野卓志(了徳寺学園職)のベテラン2名、2010年東京世界選手権代表で復活に掛ける高木海帆(日本中央競馬会)、内股師小林大輔(ALSOK)、ジュニア世代からは大学入学後パフォーマンスが明らかに一段上がった全日本ジュニア王者ウルフアロン(東海大1年)、世界ジュニアを制す快挙を達成したばかりの後藤隆太郎(慶應義塾大2年)、インターハイを制しその攻撃の切れ味から伸びしろの豊かさが関係者の中でも話題の川田修平(大成高3年)など。

しかし名前を並べてみてわかる通り、この激戦様相はあくまで世界で表彰台を狙うのはこの人のはず、という決定打を欠く中での様相であり、国内という箱庭の中の好取組みとも言える状況。それでも五輪に向けた「締切り」は刻々迫る。才能ある若手世代の台頭に期待したいところ。

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全日本ジュニア王者のウルフアロン

【組み合わせ】

[Aブロック]

第1シードの羽賀龍之介(旭化成)がいきなり吉永慎也(新日鐵住金)という階級きっての試合巧者と激突。序盤に思い切り内股を仕掛けては投げ切れずやがて攻撃が減速、そこを相手に突かれるのが負けパターンとなりつつある羽賀としては捌きが上手く攻撃の出し入れの角度が多彩な吉永はまことにもって嫌な相手のはず。組み立てで殺すのか、業で仕留めるのか、その試合振りに注目。前政権時代に負った怪我を免罪符に、その緩やかな成績停滞にも関わらず周囲の期待を集め続けてきた逸材だが、もはやここで結果を出さずばあとのないギリギリの状況。ここで本来の力を見せることが出来るかどうか。大学1年にして講道館杯で優勝している羽賀、キャリアを「あるべきルート」に押し戻すような爆発的なパフォーマンスに期待したい。

直下には国際大会でも実績を残す長身選手下和田翔平(京葉ガス)と技の切れ味はジュニア世代でも出色の新添悠司(筑波大2年)。

逆側の山にはその特異な密着スタイルで合宿中テディ・リネールに渋面を作らせた昨年3位の乙津瑞希(東芝プラントシスタム)に小林大輔、一撃に威力のある石内裕貴(天理大3年)とここも面白い選手が密集。羽賀にとっては試練のブロックだ。

[Bブロック]

高橋良介(警視庁)の山。準々決勝までの勝ち上がりはまずまず堅い。

逆側にウルフアロン(東海大1年)が配され、この2人の対戦が実現するのであれば準々決勝がブロック最大のみどころ。ウルフは初戦で藤原浩司(長崎県警)、2戦目で飯田健吾(山梨学院大3年)、3戦目で小川竜昂(国士舘大3年)か今季の学生王者制野孝二郎(日本大3年)というまことに厳しい組み合わせ。高校時代の圧殺と際の処理の巧さという特質に加えて技の切れ味も盛った最近のウルフの柔道の内容は素晴らしい。この3戦を勝ち残ることが出来るようなら高橋戦も十分勝機ありだ。

[Cブロック]

増渕樹の山で、逆側のシード選手は齋藤俊(新日鐵住金)。

増渕の初戦は昨年のインターハイ覇者渡辺大樹(山梨学院大1年)。準々決勝までの勝ち上がりは堅い。
逆側の山は齋藤と浅沼拓海(国士舘大4年)が初戦で激突。この試合の勝者が増渕戦まで勝ち上がると考えて良いかと思われる。そして、勝ち上がり候補の第一は増渕。

[Dブロック]

小野卓志の山。初戦は寺島克興(京葉瓦斯)、そして2戦目では川田修平の挑戦を受ける可能性がある。組み手、パワー、そして決め技とそこに至る過程の多彩さと小野の強さは高校生には酷だが、川田が得意の大外刈で一太刀浴びせることが出来るかどうか。楽しみな一番。

逆側の山では高木海帆と後藤隆太郎が小野への挑戦権を争う。

■ 100kg超級・生き残り掛けて原沢久喜が出動、ジュニア世代の躍進に期待
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100kg超級の主役は原沢久喜

【階級概況・有力選手】

世界選手権では七戸龍(九州電力)がテディ・リネールに大善戦を繰り広げて銀メダルを獲得、これで階級一番手の座を確定させている。同じく世界選手権代表の上川大樹は惨敗で以後の代表リストから事実上滑り落ちてしまった感あり、そして全日本選手権を獲った王子谷剛志(東海大4年)が9月のアジア大会で金メダルを獲得して七戸に続く2番手の座を確保したというのがこの階級を巡る今年の様相。

七戸、王子谷が生き残り、残る国際級の大物は原沢久喜(日本大4年)しかいない。

というわけで第1シードに配された原沢の優勝なるか、そしていかに勝つかというのがこの階級最大のトピック。直前の全日本学生体重別団体ではその動きはまずまず。怪我と付きあいながら緩やかにアクセルを出し入れしてきた2年間を経て、リオを目指してそろそろスイッチを入れて来るはず。出世時に見せた大物感がよみがえっているかどうか、楽しみな大会だ。

立ちはだかるのは百瀬優(旭化成)と西潟健太(旭化成)、高橋和彦(新日鐵住金)というベテラン3名。若手では大学カテゴリの強者たちの頭を越して、佐藤和哉(日本大1年)、香川大吾(崇徳高3年)、小川雄勢(修徳高3年)のジュニア世代3名の戦いに注目しておきたい。

【組み合わせ】

[Aブロック]

原沢の山。準々決勝までの勝ち上がりは動かない。

逆側の山に高橋和彦。高橋は初戦で小川雄勢、2戦目は藤井靖剛(山梨学院大1年)との対戦が濃厚。
小川-高橋戦は面白い。体格を生かした組み手と圧力で試合を優位に運ぶのが高校カテゴリにおける小川の必勝戦術だが、高橋はまさしくこのやり口で世界と戦ってきた強者。年輪を経て浮技に横車といった奇襲技も盛り、一線からは一歩下がったが柔道家としてはむしろ円熟味を増している。高橋のベスト8勝ち上がりは堅いとして、小川がこの相手にどう戦うかは以後のキャリアを占う意味で興味深い。

原沢-高橋戦。高橋はリスクを避けたい原沢の嫌がる「やられても投げる」ケンカ四つの密着戦法を取ってくる可能性が濃厚。高橋が「指導」勝ちを志向するようであれば最後は原沢に捕まるのではないかと思われるが、ハイリスクを晒す密着であれば勝利の可能性は皆無ではない。興味深い一番。

[Bブロック]

シード選手は上杉亮太(旭化成)で、初戦で佐藤和哉(日本大1年)とマッチアップするという好取組み。佐藤は足技と後の先というストロングポイントが知れ渡り今季はまだ爆発的な強さを見せるに至っていないが、この講道館杯でどのような試合を見せるか。

逆側の山は岩尾敬太(京葉ガス)に黒岩貴信(筑波大3年)とスケール大きな選手が並んだ。誰が勝ち上がってもおかしくない混戦ブロック。

[Cブロック]

百瀬優の山。逆側のシード選手が今季の学生王者上田轄麻(明治大3年)、直下に配された香川大吾は初戦を勝ち抜けば上田と対戦する可能性がありこれは面白い一番。

とはいえ両者とも百瀬の圧力と組み手ロジックを崩すのは至難の業。勝ち上がり候補は百瀬。

[Dブロック]

西潟健太(旭化成)の山。実業のU-22カテゴリで活躍した小野勇輝(新日鐵住金)が初戦、2戦目がジュニアカテゴリの巨人尾原琢仁(筑波大2年)、そして準々決勝は藤井岳(パーク24)が対戦候補だが、実業カテゴリでは無敵の感さえ漂う西潟を崩すのは容易ではなく、実業個人決勝(西潟が藤井を大外刈「一本」)の結果からしてもここは西潟の勝ち上がりを推すべきだろう。

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