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講道館杯全日本柔道体重別選手権大会・第1日男子各階級展望

(2014年11月6日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版11月6日掲載記事より転載・編集しています。
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第1日男子各階級展望
講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
平成26年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会は11月8日から9日に、千葉ポートアリーナで行われる。

今年の講道館杯は、出場選手の柔道キャリアを大きく左右する一大イベント。来夏の世界選手権の第1次選考会であり、12月のグランドスラム東京および冬季欧州国際大会の派遣選手選抜試合であるという例年通りの位置づけは勿論のこと、さ来年に五輪を控えるという事情が今大会の重要性をいや増している。

五輪に向けて2名もしくは3名の候補を集中強化するという強化陣が掲げる大方針と、五輪出場に必要なIJFランキングポイントの獲得、そしてそもそもポイント獲得のために必要な国際大会出場権の獲得という種々の事情を考え併せると、今冬のグランドスラム東京に出場出来るかどうかは16年リオ五輪に向けた最初の足切りポイント。この大会の出場権を得られなかった選手には、おそらく五輪選出は「ない」。どんなに若くても、逆にベテランであってもこの時点で4枠に滑りこんでおかねば、いかに五輪開催年であるさ来年に選手として充実していようと五輪への出場はほぼ叶わないと考えるべきだ。年齢的なピークが五輪に噛み合うかどうかというこれまでの条件を超えて、2年以上に渡ってトップに有り続けなければ選考に絡むこと自体が叶わないというこの過酷な時代、その象徴的な大会がこの26年度講道館杯ということになる。復権を狙う選手、代表争いに踏みとどまろうとする選手、そしてこの大会で名乗りを挙げんとする若手とどの選手も気合の入りようは例年以上のはず。熱戦に期待したい。

■ 60kg級・五輪争い生き残りへ石川、志々目らのマッチレース
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実業個人4連覇の石川裕紀

【階級概況・有力選手】

2013年リオ世界選手権王者である高藤直寿の独走続くこの階級は、後続ランナーとなるべき志々目徹(了徳寺学園職)がアジア大会でタイトル奪取に失敗。実業個人4連覇で国内では抜群の存在感を示している石川裕紀(了徳寺学園職)も10月のグランプリ・アスタナで現在の国際大会上位戦線のわかりやすい水準点であるモンゴル勢2人に連敗して5位と、相変わらず高藤のライバルとなるべき選手が生まれ出る気配がない。

ジュニア世代のニューカマー達も、例えば平岡拓晃や高藤が駆け上って来たような勢いと爆発力には欠ける印象で、今回のトーナメントのテーマはこれまで国際大会の壁に弾き返されてきた選手達の「再挑戦権」を掛けた戦いと規定することが出来そうだ。

その主役は前述の志々目、石川に第2シード配置でグランドスラムパリ3位、グランドスラムチュメン1位の木戸慎二(パーク24)。さらにかつての輝きを取り戻すべく2013年選抜王者の川端龍(了徳寺学園職)とロンドン五輪候補から強化落ちを味わった山本浩史(ALSOK)らが虎視眈々と上位進出を狙う。

新人枠では昨年2位の大島優磨(国士舘大2年)がトップ獲りに再挑戦。再度の国際大会挑戦を狙う。

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アジア大会代表を務めた志々目徹

【組み合わせ】

[Aブロック]

志々目徹の山。直下は実業の強者矢野大地(パーク24)と高校選手権王者永山竜樹(大成高3年)というなかなかの組み合わせ。
ベスト8を争う逆側の山は田中崇晃(筑波大2年)と河野亮哉(日体大4年)という、ともに高藤直寿を食った経歴のある選手が初戦でマッチアップ。どちらも強者に対して強いタイプで、特に田中が勝ち上がった場合の志々目戦は見ものだ。

勝ち上がり一番手は志々目。

[Bブロック]

川端龍の山。準々決勝で山本浩史との一騎打ち実現と見てほぼ間違いない。
内股のキレで出世してきた山本はその強さの源泉であった「若さ」に代わるエンジンを未だ見つけていない印象。山本が技術、モチベーションともに新たな燃料を見つけているかどうか、勝負強さでのしあがって来た川端がその長所を発揮できるコンディションにあるかどうかが試合を分ける。

[Cブロック]

木戸慎二の山。逆側の山には全日本ジュニア王者の林浩平(国士舘大2年)と世界ジュニア55kg級王者の梅北亘(京都共栄学園高3年)がいるが、歩留まり良く攻撃力も兼ね備えた木戸の柔道の質からしてアップセットの可能性は僅少と思われる。勝ち上がりは木戸と考えるべき。

[Dブロック]

大島優磨の山。初戦が廣瀬裕一(センコー)、次戦は西尾享祐(自衛隊体育学校)と歯ごたえ十分の組み合わせ。
逆側の山には石川裕紀が配され、準々決勝で大島との対戦が濃厚。昨年優勝候補筆頭に挙げられていた石川は、準決勝で大島を相手にリードを奪いながら終盤の「指導」失陥をきっかけにあれよあれよと流れを失い、逆転負けを喫することとなったという経緯のある因縁の一番。力的には石川優位と思われるが、ここ一番でメンタルを揺らす石川の悪癖に、常にエンジンをふかし続ける大島が再度付けこむことが出来るか。

■ 66kg級・高上智史中心のサバイバルレース、裏テーマは阿部一二三の「天井」計測
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アジア大会代表も惜しくも金メダルはならなかった高上智史。今大会は第1シード。

【階級概況・有力選手】

世界選手権代表候補であった高上智史(旭化成)が第1シード。第2シードに13年世界選手権3位の福岡政章(ALSOK)、第3シード、第4シードには昨年度大会での入賞をきっかけに1年間国際大会代表を勤め上げた六郷雄平(了徳寺学園職)と宮崎廉(日本通運)が入った。四つ角シード以外にも2010年世界選手権王者森下純平(了徳寺学園職)、10月のグランプリ・アスタナでワールドツアー初優勝を飾って意気揚がる13年世界ジュニア王者橋口祐葵(明治大2年)に昨年度講道館杯王者丸山城志郎(天理大3年)、橋口の同年代のライバル竪山将(鹿屋体育大2年)に吉田惟人(神奈川県警)、復権を狙う前野将吾(旭化成)に小倉武蔵(了徳寺学園職)、ついに実業を制した八巻祐(松前柔道クラブ)とまさしく多士済々。日本のこの階級の充実ぶりを示すがごとく、全員が強豪と言って差し支えない陣容が集まっている。

しかし、この「海老沼匡追撃集団」のトップを走るべき高上智史が当面の敵ダバドルジ・ツムクフレグ(モンゴル)にアジア大会で連敗を喫し、結果集団全体が海老沼に大きく差をつけられてしまった感あり。特にこれまで国際大会起用経験のあるベテランに再度の爆発力を期待するのは少々難しい気配が漂ってきた。そんな中で誰が再度の国際大会挑戦権を勝ち取るのか、五輪出場を狙うならもはやただ一度のミスも許されない、まことに厳しいサバイバルレースだ。

そしてベテラン勢の国際大会における戦闘力が既にほぼ見極められた感のある今階級、トーナメントの裏テーマは日の出の勢いで勝ちまくる全日本ジュニア王者阿部一二三(神港学園神港高2年)の現在の力の最高到達点の見極めだ。全日本ジュニア決勝では「指導」差の接戦を演じ世界ジュニア決勝ではグルジア選手の「吊り落とし」に屈したばかりだが、国内での試合ぶりは全カテゴリ通じて今年の印象度ナンバーワン。「リオ五輪も狙いたい」という本人の言葉を実現するのであれば実は今大会はそのラストチャンス。少なくともグランドスラム東京の代表4枠に残らなければその目は潰える。シニアの強敵相手に、ここしかないというキャリアの分岐点でどんな試合を見せてくれるのか。興味は尽きない。

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ジュニア王者の阿部一二三は厳しい組み合わせ

【組み合わせ】

[Aブロック]

高上の山。2回戦で磯田範仁(国士舘大1年)-正治和也(静岡県警)の勝者と戦い、準々決勝は小倉武蔵-本間大地(ALSOK)の勝者が待ち受ける。
66kg級全体に言えることだが、高上らトップ選手と後続集団の差は僅かで、勝敗はどちらに転ぶかわからない。高上がともにうるさい小倉、本間をどう突破するかが見もの。同じ担ぎ系で山場を作るのが上手い小倉相手に序盤ペースを失うようだと試合が縺れる可能性は十分。

[Bブロック]

宮崎の山。準々決勝で橋口との対戦が濃厚。ともにアスタナ大会に出場し優勝と5位と明暗分かれた2人の対決は見もの。奇襲技の多彩さも含めて一種典型的な軽量級選手宮崎に対し、従来の一発の威力に技術的な幅を盛った橋口が展開を失わずきちんとその力を発揮できるかどうかに注目。

[Cブロック]

福岡の山。その直下に阿部一二三が配された。阿部の立場から見れば2戦目で福岡、勝ち抜いたとしても3戦目の準々決勝で森下純平、竪山将、前野将吾のいずれかと戦わねばならないという厳し過ぎる組み合わせ。福岡、森下は阿部のようなグルジアスタイルのパワーファイターとは数えきれないほど戦って来ているはず。質か、パワーか、これらの海外選手を超えるものを阿部が備えているのかが問われる戦い。ある意味、阿部スタイルの「本家」であるグルジアスタイルと直接対峙した世界カデ、世界ジュニア以上に阿部の可能性が垣間見える試合になるのではないだろうか。

[Dブロック]

六郷の山。初戦で望月健次(センコー)、2回戦で青木勇介(パーク24)と序盤から実業の強豪とマッチアップ。

逆側の山には丸山城志郎が配された。昨年優勝を飾りながら負傷で以後のチャンスを逃した丸山としては譲れない戦い。六郷とはタイプは違うが、「投げる」志向の選手という一点でスタイルは噛み合う。準々決勝の六郷-丸山は好試合必至。

■ 73kg級・本命なき混戦、西山雄希の復活なるかに注目


【階級概況・有力選手】

2011年、2014年の世界選手権覇者中矢力(ALSOK)と2013年王者大野将平(旭化成)という大看板2枚に加え、2010年世界選手権王者のベテラン秋本啓之(了徳寺学園職)がアジア大会でしっかり金メダルを獲得し復活をアピール。ここまでが現状リオ五輪の候補と考えておいて間違いない。

階級内に3枚もの「主役」が存在し、そのいずれもが出場せず。率直に言って今大会の陣容は小粒の感を免れない。世界王者3人が出場必至のグランドスラム東京の出場枠の残りは僅か「1」。この厳しい戦いは混戦必至だ。

四つ角シードは中村剛教(大阪府警)、太田慶一(了徳寺学園職)、西山雄希(了徳寺学園職)と2010年東京世界選手権銅メダリスト粟野靖浩(了徳寺学園職)。これに実業個人を制して久々上り調子の橋本壮市(パーク24)、齋藤涼(旭化成)らの実業の強豪、学生の土井健史(天理大4年)、ジュニア世代から山本悠司(天理大1年)らが挑む。

わけても注目は北京―ロンドン期に将来の日本代表間違いなしと将来を嘱望された西山雄希。かつての長所であった二本持って仕掛ける技の抜群の切れ味は、「襟+袖(襟)を持たないと仕掛けられない」という戦術的な線の細さとして昇華されてしまった感ありだが、潜在能力と爆発力では参加者中もっとも「三強」に食い込む可能性が高いものと思われる。10月のグランプリ・アスタナではいまだ改善見られなかったこの「食いの細さ」だが、組み手と足技を組み合わせたバイタリティある試合の作りを垣間見せるなどトータル的には上向き。今大会で生き残り、代表戦線をかき回すような活躍を期待したいところだ。

【組み合わせ】

[Aブロック]

中村剛教の山。2戦目で山本悠司とのマッチアップが予想される。強気を以て流れを引き込む山本が、これも強気で骨太の柔道が身上の中村相手にどこまでやれるかに注目。ブロックの構成メンバーを見る限りでは中村の準決勝進出自体は堅いと見る。

[Bブロック]

粟野靖浩の山。初戦はインターハイ王者鳥羽潤(松本第一高3年)とマッチアップ。勝敗自体を動かすことは難しそうだが、鳥羽は力関係を無力化する質の捨身技を持っており、粟野に一太刀浴びせることが出来るかどうかに注目したい。

逆側の山のシード選手は齋藤涼、ここには橋本壮市に昨年のジュニア王者岩渕侑生もおりなかなかの密度。齋藤-橋本戦の勝者が準決勝進出の可能性高し、と見ておきたい。

[Cブロック]

太田慶一の山。このブロックは逆側に西岡和志(京葉ガス)がいるがいったいに人材の密度は薄い。太田-西岡の準々決勝と見ておくのが妥当。

[Dブロック]

西山雄希の山。
直下に豊田純(日体大4年)と佐藤慎太郎(桐蔭横浜大4年)のもと全日本ジュニア王者2人がおり、逆側の山には土井健史、今季学生王者三浦健寛(国士舘大4年)らが配されるなかなかの密度。シビアにその実力が試されることとなる。勝ち上がり候補は西山と土井。

■ 81kg級・長島啓太と丸山剛毅が準決勝で決戦、学生王者渡邊雄人は中井貴裕への挑戦狙う
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アジア大会で好パフォーマンスを見せた長島啓太

頭一つ抜けた存在となったはずの永瀬貴規(筑波大3年)が世界選手権でメダル奪取に失敗。現状永瀬の優位は変わらないが、五輪代表争いの最後の一勝負をする権利を掛けてベテランたちが激突するというのがこの階級の様相。

優勝候補はアジア大会代表の長島啓太(日本中央競馬会)、ロンドン五輪代表の中井貴裕(パーク24)、丸山剛毅(天理大4年)、川上智弘(國學院大職)の4人だが、川上は右アキレス腱断裂という柔道人生を左右しかねない大怪我を負い無念の欠場。トーナメントはこの3人に学生王者渡邊勇人(東海大4年)、海老泰博(旭化成)、安田知史(福岡県警)、小原拳哉(東海大2年)らが絡むという様相。

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丸山剛毅は準決勝で長島との対決が濃厚

【組み合わせ】

[Aブロック]

長島啓太の山。直下にもと実業王者で試合のうるささでは階級随一の平尾譲一(パーク24)がおり、この3回戦(2試合目)を消耗少なく勝ちぬけるかどうかが最初の山場。逆側の山は高校選手権覇者佐々木健志(平田高3年)に宇都宮光樹(筑波大4年)と学生以下のみで構成されており、長島-平尾戦がそのまま勝ち上がりを決める大一番となると見ておいて良いかと思われる。

[Bブロック]

シード位置には昨年3位入賞の小原拳哉。直下に昨年快進撃で5位入賞を果たした山下諒輔(静岡県警)とジュニアの強豪渕原槙一(日体大2年)、逆側の山に丸山剛毅(天理大4年)が配されるという激戦区。

順当であれば丸山の勝ち上がりが濃厚。小原とは力勝負になる可能性が高く、であれば投げ一撃に出色の威力を持つ丸山が正面突破で勝ち抜けると見ておくべき。

[Cブロック]

中井貴裕の山。
逆側では安田知史と世界ジュニア代表尾方寿應(東海大1年)が初戦で激突、勝者が準々決勝で中井と戦う可能性が高い。
近い間合いからでも左右に担ぎ技を仕掛けて高い打点で投げ切る安田の技の威力は抜群だが、日頃の錬磨が透けて見えるあの燃費の高い技を仕掛けるだけの環境と自身への圧力を大学卒業後も維持しているかどうか。尾方戦、中井戦ともに興味深い一番。準々決勝の中井にはかつて勝利した実績はあるが、ともに「平均点」の出来であれば中井の試合力が安田の一発を凌ぐと見る。

[Dブロック]

川上の山だが、前述の通り川上は負傷のため戦線離脱。直下に配された学生王者渡邊勇人と逆側の山の海老泰博のマッチレースになるかと思われる。持ち前の寝技に加えて左右への威力ある一撃と技術的な幅を獲得しつつある渡邊は勢い十分。海老は力関係においては上と思われるが、上り調子の渡邉を退けるだけのモチベーションとコンディションを身中に蓄えているかどうかが勝負の分かれ目。

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