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地元韓国が圧勝続きで金メダル獲得、日本退けたウズベキスタンはオーダーミスで3位に終わる・アジア大会男子団体戦レポート

(2014年9月30日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版9月30日掲載記事より転載・編集しています。
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地元韓国が圧勝続きで金メダル獲得、日本退けたウズベキスタンはオーダーミスで3位に終わる
アジア大会男子団体戦レポート
【準々決勝】

日本 2-3 ウス゛ヘ゛キスタン
[66kg級]高上智史△優勢[技有・隅落]○リショド・ソビロフ
[73kg級]秋本啓之○合技[背負投・崩上四方固](1:36)△ナブルズ・ジュラコビロフ
[81kg級]長島啓之○GS技有・内股(GS0:15)△ヤキョー・イマモフ
[90kg級]吉田優也△優勢[技有・内股]○ディルショド・チョリエフ
[90kg超級]熊代佑輔△優勢[指導2]○アブドロ・タングリエフ

日本が初戦で対峙するのはウズベキスタン。盤面配置は日本側から見た得点ポジションが66kg級、81kg級で、勝負ポジションが73kg級と90kg級、防衛ポジションが90kg超級。

しかし第1試合の66kg級枠が意外な結果に終わる。高上が今夏の世界選手権7位のリショド・ソビロフを相手に3分16秒、首を固められたまま強引に背負投に入ろうとしたところを返されて「技有」失陥で敗戦。もと60kg級の世界選手権連覇者であるソビロフは66kg級ではなかなか結果が出せずに苦しんでいる渦中だが、そのソビロフが繰り広げた60kg級時代を彷彿とさせるような強気の組み手と返し技に嵌ってしまった形。
73kg級枠の秋本は悪い流れを断ち切るにはこれしかないとばかりに早い勝負で一本勝ち、同世代のライバルの1人だったナブルズ・ジュラコビロフに柔道をさせずに1点を奪い返す。

81kg級枠の長島は個人戦の3位決定戦で秒殺「一本」を奪っているヤキョー・イマモフに粘られたが、GS延長戦15秒、二本持つなりの左内股「技有」で勝利。2-1、ついに日本がリードを得て勝負の襷は90kg枠以降へと繋がれる。

90kg枠は個人戦決勝の再現、吉田対ディルショド・チョリエフという好カード。個人戦の雪辱を狙うチョリエフが背中を叩く好戦的な組み手で試合を優位に運ぶが、釣り手を深く入れ過ぎ、2分24秒変則的な組み手の咎による「指導」が与えられて吉田がリード。しかし中盤、チョリエフが小手投げの形で釣り手をロック、吉田はこれを解かないまま試合を進めてしまい3分2秒のチョリエフの左内股に逆らえず「技有」失陥。この試合はチョリエフの優勢勝ちに終着した。

この時点でスコアは2-2。前日の王子谷剛志の負傷を受けて急遽超級枠に出場する熊代佑輔にとっては、33歳のベテランとはいえ体重差のあるアブドロ・タングリエフは少々厳しい相手。1分56秒に「指導1」失陥、スコアをタイに戻した後の3分35秒には相手の突進を止められず場外の「指導2」を貰ってしまう。そのまま試合は終了となり、「指導1」対「指導2」でこの試合はタングリエフが勝利。最終スコア2-3、個人戦で3階級を制している日本はなんと初戦でトーナメントから脱落することとなってしまった。

日本が勝利のシナリオを誤ったのは明らかに66kg級枠。個人戦銀メダリストの高上を屠ったソビロフの仕事ぶりは見事であった。66kg級では苦戦続きだが、このアジア大会では開会式でウズベキスタンの旗手を務め、個人戦には出場せずに団体戦に集中。国の英雄としての意地を見せつけた恰好。

日本は敗者復活戦に回ることとなったが、相手となるべきサウジアラビアが早々にリタイアを表明。メダル確保を掛けて3位決定戦を戦うこととなった。

【準決勝】

韓国 5-0 モンコ゛ル
[66kg級]チョ・ガンヘン○内股△ダバドルジ・ツムルクフレグ
[73kg級]バン・ギーマン○優勢[技有・背負投]△ガンバータル・オドバヤル
[81kg級]キム・ジェブン○腕挫十字固△ニャムスレン・ダワスレン
[90kg級]イ・ギュウオン○背負投△ルカグワスレン・オトゴンバータル
[90kg超級]キム・スンミン○払巻込△ウルジバヤル・デューレンバヤル

地元韓国が強豪モンゴルを相手に大爆発。個人戦では振るわなかったチョ・ガンヘンが金メダリストのダバドルジ・ツムルクフレグを内股「一本」に仕留めると後は電車道。90kg級枠では個人戦代表をガク・ドンハンに譲ったイ・ギュウオンが見事な背負投を披露し、90kg超級枠ではキム・スンミンが秒殺「一本」でフィニッシュ。5-0の圧勝で決勝進出を決めた。

カザフスタン 3-2 ウズベキスタン
[66kg級]アザマト・ムカノフ△優勢[有効]○リショド・ソビロフ
[73kg級]ダスタン・イキバエフ○優勢[有効]△サルヴァー・ショムロドフ
[81kg級]アジズ・カルカマヌリ△背負投○ヤキョー・イマモフ
[90kg級]ティムール・ボラート○優勢[指導2]△ディルショド・チョリエフ
[90kg超級]マキシム・ラコフ○優勢[指導1]△アブドロ・タングリエフ


総合戦力に勝ると思われたウズベキスタンがオーダーミスをきっかけに轟沈。不利と思われた66kg級枠でソビロフが13年世界選手権銀メダリストのアザマト・ムカノフに隅返「有効」で勝利して視界良好のはずだったが、73kg枠で強者ジュラコビロフを下げて敢えて投入したサルヴァー・ショムロドフがダスタン・イキバエフを相手に「有効」2つを奪われて敗戦。81kg級枠のイマモフは順当に勝利したが、90kg枠のチョリエフは吉田戦とは打って変わった物憂そうなパフォーマンスで「指導2」対「指導1」で中堅選手のティムール・ボラートに敗戦。
この時点でスコアは2-2のタイ。カザフスタンの90kg超枠には今大会随一の強者マキシム・ラコフが控えており、これは現在のタングリエフには少々荷が重い相手。タングリエフは体格差と前進圧力で山場を先送りし続けるが、ラコフは鋭い出足払と支釣込足、小内刈で相手を崩し続けて「指導1」で勝利。カザフスタンが3-2で決勝進出を決めた。

勝負を分けたのは73kg級枠。ウズベキスタンが切ったカードであるショムロドフは昨年の世界ジュニアで2位に入賞している期待の新鋭だが、ワールドツアー皆勤者のイキバエフは少々荷が重かった。「有効」1つを奪い返す健闘を見せながら自らも「有効」2つを失った試合ぶりには経験値の差が明らかで、ここはベテラン、かつイキバエフのやり口を良く知るジュラコビロフを使い続けるべきであった。秋本にあまりにもあっさり片付けられた前戦がこの交代劇の伏線にあるのは間違いなく、この点「吉田に勝ったからもう良い」とばかりに別人のように元気がなくなったチョリエフのパフォーマンスとともに、日本戦の内容と結果が色濃く影響した一番であった。

【3位決定戦】

日本 3-2 モンコ゛ル
[66kg級]高上智史△背負投(2:30)○ダバドルジ・ツムルクフレグ
[73kg級]秋本啓之○巴投(0:15)△ブベイバータル・キシグバヤル
[81kg級]長島啓之○合技[裏投・体落](3:16)△ニャムスレン・ダワスレン
[90kg級]吉田優也○体落(2:19)△クータグ・ツォグトゲレル
[90kg超級]熊代佑輔△優勢[指導2]○ナイダン・ツブシンバヤル

個人戦決勝の再現となった66kg級枠は「指導1」を奪い合った後の2分30秒、ダバドルジの右背負投「一本」で決着。高上の体がまさしく畳に埋まる、豪快な一撃であった。

またしてもビハインドで出動した秋本は、そしてまたもや秒殺「一本」で流れを引き戻す。秋本の巴投をブベイバータルが回避したかに思われたが、ブリッジで逃れたその行為にルール通り「一本」が宣告された。秋本は個人戦の優勝に引き続き団体戦でも2連勝、それも不利な流れを変える早い段階の「一本」と今大会は存在感発揮。
81kg枠の長島、90kg枠の吉田は力関係通りにしっかり勝利。長島はケンカ四つのニャムスレンの右大腰を乗り越えて裏投に切り返し59秒「技有」獲得、さらに3分16秒には再び相手の右大腰を乗り越えて今度は左体落を合わせて2つ目の「技有」奪取で一本勝ち。吉田は相四つ横変形のクータグに粘られていたが2分過ぎからギアを一段上げ、ケンケンの大内刈で激しく追う山場を作った直後の2分19秒、釣り手を片襟に差し入れるや得意の右体落に斬って落とし、鮮やか過ぎる「一本」獲得。畳にバウンドしたクータグは一瞬茫然。
日本、この時点で3位を決めた。

日本男子の今大会最終戦となった90kg超枠の一番は熊代佑輔が自身の本職である100kg級を制したナイダン・ツブシンバヤルにチャレンジ。「指導2」を先行されたが、3分30秒過ぎに相手の外巻込を裏投に捉え返して「技有」奪取。3分59秒には今大会初めて得意の左大外刈を繰り出すなどようやく落ち着きを得たかに思われたが、直後ナイダンの横巴に引っ掛かり「技有」失陥。結果序盤の反則累積が残り、ナイダンが「指導2」の優勢で勝利した。最終スコアは3-2、日本男子は銅メダルでフィニッシュ。

3位決定戦もうひと試合は、ウズベキスタンがイランを圧倒して銅メダルを確保した。イラン唯一の得点ポイントと目された90kg超枠戦もソイブ・クルボノフがヤハド・マージョウブを「有効」2つを奪った末に左外巻込「技有」、崩上四方固「技有」と問題にせず、最終スコアは実に4-1。失点1はまたしても物憂そうな試合を披露したチョリエフの「指導」優勢負けで、吉田戦で受けたダメージがしのばれる試合であった。

【決勝】

韓国 4-1 カザフスタン
[66kg級]チョ・ガンヘン△優勢[技有・隅落]○アザマト・ムカノフ
[73kg級]バン・ギーマン○優勢[指導2]△ダスタン・イキバエフ
[81kg級]キム・ジェブン○反則△アジズ・カルカマヌリ
[90kg級]イ・ギュウオン○背負投△ティムール・ボラート
[90kg超級]キム・スンミン○払腰△ヤーザン・シンキエフ

地元の大歓声を背に、個人戦では振るわなかった韓国男子が金メダル獲りに挑む。
しかし初戦のチョ・ガンヘンは「指導1」を取り合った末の2分41秒、肘抜きの背負投をムカノフに思い切り返されて「技有」失陥。なんとか「指導」を積み重ねて逆転しようと追いすがるが4分7秒に2つ目の「指導」を奪ったところで明らかにガス欠。そのまま試合は終了し、まずカザフスタンが1点先制。

そして第2戦、バン・ギーマン対ダスタン・イキバエフ戦の1分6秒、バンの左小内刈をイキバエフが見事に透かすと、刈り込もうとした勢いでバンは自ら一回転。イキバエフはハンドル操作で見事にこれを決め主審は迷わず「一本」を宣告。

韓国2連敗。勝利には残り3人の3連勝しかないという崖っぷちの状況に会場は凍りつくが、主審はインカムの指示によりこの「一本」を「技有」に訂正。
命拾いしたバンだが、以後も試合はイキバエフ優位。バンの肩越し組み手を掬投と見紛うばかりの小外掛で切り返して感触をつかむと、2分44秒には帯を持ち、またもや掬投紛いの小外掛でバンを試合場の真ん中で畳に埋める。主審はこれまた迷わず「一本」を宣告。

しかしこれも主審はインカムの指示を受けて訂正。訂正結果は「技有」でも、「有効」ですらなくなんとノーポイント。露骨すぎる地元判定にさすがにウズベキスタンのコーチは両手を広げて「ありえない」とのゼスチャー。

3分36秒、これまで防戦一方のバンが突如ギアを上げて右袖釣込腰にイキバエフを捕まえ「技有」奪取。残り1分を過ぎると疲弊したイキバエフを徐々にバンが捕まえ始め、4分17秒に巻込技に逃げたイキバエフに偽装攻撃の「指導」、そして残り18秒にもイキバエフの巴投に偽装攻撃の「指導」。結果、バンが「指導2」の優勢で勝利することとなった。

81kg枠の試合は個人戦王者キム・ジェブンと本日好調のアジズ・カルカマヌリが対峙。キムは相変わらず片襟を握ってのあおりと右背負投、そして巴投という良くも悪くも自分勝手な柔道を披露、しかしカルカマヌリの抵抗にあって最初の「指導」を得たのはようやく3分45秒。
直後、腰の差しあいから場外でキムが内股を放った直後、カルカマヌリが転がり伏せながら足を触ったのではないかという疑いで審判団が合議。この間キムは「足を触った」とのアピールゼスチャー、さらに両手を上げて客席を煽るパフォーマンス。五輪金メダリストが体中で客席を煽って相手の反則をアピールするという、日本人的な美的感覚では到底理解できないみっともない行為であったが、客席は大盛り上がり。結果、カルカマヌリのダイレクト反則負けが宣告され、スコアは2-1。韓国がついに逆転を果たす。

勝利すればチームの優勝決定という第4戦、韓国はイ・ギュウオンが出動。開始10秒で左背負投「有効」、そして1分11秒には左背負投で相手の股中に飛び込み、場外まで走り切って見事な「一本」。
なぜ個人戦の代表から漏れたのか不可解な程のイの好パフォーマンスで韓国は3点目を奪取。この時点で金メダル獲得を決めた。

最終戦は個人戦で意外な敗退を喫したキム・スンミンが畳に上がる。ヤーザン・シンキエフを場外際に追い詰めると42秒豪快な左払腰一発。会場の大歓声の中シンキエフを畳に埋めて見事な「一本」フィニッシュ、同国の金メダル獲得に花を添えた。

アジア大会の審判は一貫して混乱。100kg級評で書かせて頂いた「場外」裁定の偏りはもちろん、パンチや噛みつきといったラフプレイに対する対処能力の無さは目を覆うものがあった。普段のIJF大会とは違う制服、違う顔ぶれがセンターテーブルに並ぶ中、頻発する暴力行為に適切な対処が出来なかったことで、ますます選手に「舐められた」感がある。
そんな中、戦前の予想に反していわゆる地元判定は少なかった。つまりは審判のジャッジミスは恣意的なものではなく一貫して技量の低さやポリシーの浸透率の悪さに起因するものであると判断できるものであったが、最終日にしてこの評価は一転。団体戦決勝73kg級枠の判定の偏りはあまりにもひどすぎた。それでも大喜びの観衆には「これで良いのか」と正面から問いたい。後半3試合の戦力差からすれば韓国勝利は妥当な結果ではあったが、なんとも後味の悪い決勝戦であった。

最終順位は下記。

【成績上位者】

優 勝:韓国
準優勝:カザフスタン
第三位:日本、ウズベキスタン

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