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山本杏優勝、大舞台に怖じぬ度胸と戦術選択のクレバーさ際立つ・アジア大会柔道競技57kg級レポート

(2014年9月23日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版9月23日掲載記事より転載・編集しています。
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山本杏優勝、大舞台に怖じぬ度胸と戦術選択のクレバーさ際立つ
アジア大会柔道競技57kg級レポート
【成績上位者】エントリー13名
1.YAMAMOTO, Anzu(JPN)
2.KIM, Jan-Di(KOR)
3.DORJSUREN, Sumiya(MGL)
3.RI, Hyo Sun(PRK)
5.LIEN, Chen-Ling(TPE)
5.MADRAIMOVA, Zuhra(TKM)
7.PONGCHALIEW, Om(THA)
7.ZHOU, Ying(CHN)

日本の山本杏がキッチリ優勝。初戦はトルクメニタン選手を最初のシークエンスで縦四方固に抑え込んで僅か41秒で一本勝ち、準決勝はコマツの連珍玲(台湾)を袖釣込腰のフェイントからの左小内刈で転がし「有効」奪取の優勢勝ち。

決勝は前戦で第1位シードのドルジスレン・スミヤ(モンゴル)に勝利してきたキム・ジャンディ(韓国)とマッチアップ。詰めかけた大観衆が地元勢初の金メダルを求めて会場が揺れるほどの大声援を送る中、山本はあくまで冷静。飄々と畳に上がると、パワーファイトを挑みたいキムの出足を鋭い足技で止め、縺れ際が生まれると一切迷いなく寝技を選択。
その選択の早さ自体に後手を踏まされたキムの懐に深く入り込むと「国士舘返し」で回し、足を絡ませ、そして抜き、と手順を進行。最後は縦四方固に抑え込み自国の勝利を願う会場が失望に静まり返る中、2分16秒「一本」が宣告され山本の勝利が決定した。

決勝、力の強い相手に対してアクシデントが多い接近戦を挑むのではなく、そして地元の大声援の中で恣意的な判定が行われる可能性もある立ち勝負ではなく、ハナから「寝技勝負」と決めて掛かった山本のクレバーさは見事。余計なことかもしれないが、山本は率直に言って数年スパンの低空飛行の渦中にあり、スピードと切れ味で相手を引き離して一発投げることで線の細さを克服する、というかつての戦いを前提条件として試合を組み立てることが難しい状況にある。そして、もしこの戦い方が可能な状態にあったとしても、4分という短い時間の中で、パワーのある相手が圧力に徹して試合中の優位時間を増やす策に打って出た場合はチャンス自体が激減する。サッカーで言えば、押し込まれている時間が長ければシュートを打つ回数自体が減り、ひいてはゴールのチャンスも減り、しかもこれは試合時間が僅少で「押し込んでいるだけで」勝ててしまう(残念ながら新ルールのアジア大会における解釈はそうなっていると評せざるを得ない)柔道競技。得意の寝技という判断はまことに妥当であったし、4分という短い試合時間で寝技をやるなら早い段階の勝負、この試合はこれで勝つ、という選択の潔さは鳥肌ものであった。あっさり懐に入り込めた初動で勝負が決まった感があるが、これは山本の迷いのなさ自体が生んだものである。

山本は中学3年生という早い段階で世に出、以降、確実に結果を残すために柔道を変質させ、実績を得るほどに実はその内容は少しずつスケールダウンしてきた感がある。今回の決勝の戦術選択は山本が現時点の自分の戦力をリアルに見つめて、羽化し直した瞬間であるかもしれない。

試合終了後、山本は涙を見せた。国内に2人の世界王者がいる状況と山本の潜在能力
そして狙うべき位置の高さを考えれば「少々早すぎるのでは」と思わないでもないが、そこにもこの2年の山本の苦闘と煩悶が忍ばれる。後年、あのアジア大会がキャリアの分岐点であったと振りかえられるような輝かしい活躍を期待したい。

3位決定戦と決勝の結果、山本の勝ち上がり詳細と経過は下記。

【3位決定戦】

RI, Hyo Sun(PRK)○袖釣込腰(0:05)△LIEN, Chen-Ling(TPE)
DORJSUREN, Sumiya(MGL)○横四方固(0:44)△MADRAIMOVA, Zuhra(TKM)

【決勝】

山本杏○崩袈裟固(1:43)△KIM, Jan-Di(KOR)

■日本選手勝ち上がり

山本杏(国士舘大2年)
成績:優勝

【準々決勝】

山本杏○縦四方固(0:41)△MADRAIMOVA, Zuhra (TKM)

山本落ち着いた表情で登場。左小内刈から左背負投と繋いで相手を崩すと「国士舘返し」から縦四方固。ファーストコンタクトで勝負を決める。

【準決勝】

山本杏○優勢[有効・小内刈]△LIEN, Chen-Ling(TPE)

山本、連珍玲ともに左組みの相四つ。互いのリスク管理の結果両袖を絞り合う形が増える。山本が放った右袖釣込腰の直後の2分21秒、連に対して「指導1」。直後山本両袖の袖釣込腰のフェイントを入れながら左小内刈、「有効」。残り17秒で山本に「取り組まない」判断の「指導」が与えられるがそのままタイムアップ・

【決勝】

山本杏○崩袈裟固(2:16)KIM, Jan-Di (KOR)

左相四つ。本日絶好調のキム・ジャンディが強気に釣り手で奥襟を叩いてくるが山本ことごとく間を置かずに体をずらして回避。29秒に袖釣込腰のフェイントから左小内刈を放つと、キムが崩れ伏せ「待て」。
山本の足技で出足を止められたキムの勢いはやや後退。山本、続く展開の縺れ際で迷いなく寝技を挑むと「国士舘返し」。めくり返されたキムは足を絡んで耐えるがこれは山本の術中、山本上体を固めて足を抜き、横四方固、崩袈裟固と繋いで一本勝ち。

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版9月23日掲載記事より転載・編集しています。
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