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鳥羽潤が全試合一本勝ち、人材揃う階級を圧勝で制す・インターハイ柔道競技73kg級レポート

(2014年9月12日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版9月12日掲載記事より転載・編集しています。
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鳥羽潤が全試合一本勝ち、人材揃う階級を圧勝で制す
インターハイ柔道競技73kg級レポート
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2回戦、込山龍哉が吉田優平を片襟の右背負投「一本」で下す

人材揃った階級、特に強豪が密集した左側(A、Bブロック)は序盤から好カードが連続した。

昨年2位で今大会は優勝候補筆頭格の吉田優平(大垣日大高3年)と全日本カデ選手権66kg級2位の込山龍哉(相洋高3年)が激突した2回戦は込山が逆転勝利。「指導2」ずつを取り合った残り37秒で吉田が袖釣込腰「技有」を奪ったが、込山は残り13秒で右一本背負投を決め「技有」奪取で追いつく。この際吉田はおそらく右肩を負傷し、以後は集中力が明らかに切れる。直後迎えたGS延長戦15秒、込山が戦意喪失気味の吉田に対して片襟を握った右背負投を見事に決めて一本勝ち。相手の負傷こそあったが、これは相手に警戒されても得意技を撃ち込み続けた込山の粘り勝ちと評せられるべき試合であった。

吉田は形上では不運な負傷が原因で試合を落とした形になったが、負傷自体よりはこの事故で集中が切れたことを相手に悟らせてしまう直前直後の立ち振る舞い、その気持ちのありようが相手の追撃、そして敗戦、そしてそもそもの負傷をすら呼び込んだ感あり。鍔迫り合いから明らかに「降りた」ことがわかる以後の戦いぶりは、天才的な技の切れ味と同居するムラ気と防御力の弱さという、昨年来から度々見せる不安定な試合ぶりの同一延長上にあるものであった。潜在能力の高さは折り紙つきの吉田、今後の再浮上に期待。

浅野大輔(白鴎大足利高3年)と北信越王者伊藤悦輝(藤島高3年)がぶつかった2回戦は、浅野が袖釣込腰「一本」(1:08)で勝ち抜け。高校選手権2位の古賀颯人(大成高2年)と立川新(新田高2年)が戦った3回戦は古賀が「指導1」の優勢で勝利を収めた。

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準決勝、古賀颯人は込山の組み手を封殺して一方的な試合を志向

垂涎対決が揃った準々決勝以降、わけても注目を集めたのは込山と古賀が激突した準決勝。
両者相四つのこの試合は古賀が徹底的に組み手を管理して、込山に一手目の引き手、二手目の釣り手、どころか一手目の片襟をも握る機会を与えず、込山は二本持つことも、飛び込みながらの担ぎを狙える形での片手すら作ることが出来ない。主審はこの構図を膠着と見て44秒双方に「取り組まない」判断で「指導」、1分15秒にも同じ判断で双方に「指導」を宣告。組み手を封じ、奥襟の圧殺と離脱、支釣込足の崩しを繰り返す古賀の前に込山は背負投を仕掛ける機会をほとんどまったく得ることが出来ず、時折繰り出す右袖釣込腰は組手不十分で決まらず。残り28秒で込山に「取り組まない」判断で3つ目の「指導」。奮起した込山右大内刈に打って出るが古賀は場外まで下がって回避、続けて放たれた込山の右袖釣込腰もほとんど畳に体ごと降りて体勢を低くし、必死で食い止めてタイムアップ。結果、古賀が「指導3」対「指導2」の反則累積差で勝ち抜け決定。

古賀は相手に柔道をさせず、また自身もリスクを負った深い技はなし。あくまでスコアゲームに徹してクラシックスタイルの込山を凌ぎ、決勝進出を決めた。小学時代からここまで全てのカテゴリに優勝し、勝利にこだわり続けた古賀の経験値が生きた一番だった。

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3回戦、古賀がライバル立川新に「指導1」で競り勝ち

決勝カードは、古賀と鳥羽潤(松本第一高3年)。

古賀は、1回戦で天間康介(三本木農高3年)を内股「一本」(0:57)、2回戦で上迫治希(鹿児島情報高3年)を同じく内股「一本」(1:52)、3回戦は立川新(新田高2年)を「指導1」の優勢、準々決勝は浅野大輔(白鴎大足利高3年)を内股返「有効」による優勢、準決勝は込山龍哉を「指導3」優勢で降しての決勝進出。

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鳥羽潤は全試合一本勝で決勝に臨む

鳥羽はここまで4試合連続の一本勝ち。2回戦は武藤亘輝(羽黒高3年)を巴投(1:24)、3回戦は阿部将一郎(国東高3年)を横四方固(0:40)、準々決勝は笠原大雅(天理高1年)を合技(2:35)、準決勝は田島優人(東海大浦安高3年)を崩袈裟固(1:14)で下し、この決勝に初の全国タイトルと全試合一本勝ちの快挙達成を掛ける。

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開始早々鳥羽が横落

決勝は古賀、鳥羽ともに右組みの相四つ。鳥羽いきなり左への横落に打って出るが、古賀は反応良く潰してノーポイント。古賀は両袖、奥襟と形を変えながら内股で攻め、鳥羽は古賀の前進に下がりながらの支釣込足で対抗。

1分30秒には鳥羽が組みつきながらの巴投を放ち古賀は尻もち、2分7秒には古賀が相手を引き寄せながらの右大外刈を放って鳥羽が転がり伏せ、と双方1度ずつ有効打を放つ。古賀の大外刈の直後鳥羽に「指導1」、さらに2分26秒には首抜きの咎で鳥羽に2つ目の「指導」が与えられる。

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鳥羽の隅返に主審は「有効」、次いで「技有」への昇格を宣告

直後、引き手の手繰り合いに古賀を誘い込んだ鳥羽はこの手順に混ぜ込んで巴投風の隅返。古賀回避出来ずに引き込まれて横方向に転がりこの技は「技有」。

鳥羽はそのまま動き良く横四方固に抑え込み、2分57秒合技の「一本」宣告に至る。鳥羽、見事全試合一本勝ちという素晴らしい内容でインターハイ制覇を決めた。

鳥羽は「最初に捨身技を仕掛けて反応を見たところ、単純な技では投げれる相手ではないとわかった。だから、組み手を絞る手順を利用して引き込む捨身技で勝負を掛けた」とコメント。持てる知恵と手持ちのリソースを「投げる」ことに注ぎ込んだ積極性が引き寄せた優勝だった。

一方の古賀は一歩及ばず、高校選手権に続いてまたしても2位。こちらは準決勝で見せた「スコアゲーム」志向ではまだタイトルは獲れないぞとばかりに、あくまで投げを狙った鳥羽に弾き返された恰好となった。準決勝、投げ一発の強さを押し立てる込山に対して、この試合の古賀は巧さの一方で「自分の技が相手に通じるか」「自分と相手とどちらが強いのか」というこの競技にあるべき勝負の本質的衝動が欠落しているように感じられた。技を良く知られている後輩渡邊神威に対してあくまで「一本」を狙い続けて優勝を果たし満場を唸らせた今春の全日本カデ決勝とは対照的な試合。まだ2年生の古賀がこの試合を糧にどのような選手に成長するか、来年度を楽しみに待ちたいところ。

入賞者、優勝者コメント、準々決勝以降の結果は下記。

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優勝の鳥羽潤

【入賞者】

優 勝:鳥羽潤(松本第一高3年)
準優勝:古賀颯人(大成高2年)
第三位:込山龍哉(相洋高3年)、田島優人(東海大浦安高3年)
敢闘賞:橋本涼太(近江高2年)、浅野大輔(白鴎大足利高3年)、佐藤晃輔(安田学園高2年)、笠原大雅(天理高1年)

鳥羽潤選手のコメント
「1年生からずっとインターハイに出て、いつも2回戦負け。今日こそはなんとか結果を残してやろうと思っていました。小学6年生の時に亡くなった父との日本一になるという約束を、今、やっと果たせました。中学校(丘中)の稽古は逃げ出したいくらいきつかったけど、約束を果たすんだと思って踏ん張れました。決勝は当たって砕けろ、『有効』を取られても『技有』を取られても絶対に最後は勝つんだという気持ちで戦いました。最初に捨身技を仕掛けて相手の反応を見るのが自分のやり方なのですが、相手の反応が良いので単純な技では掛からないなと、相手が絞るのを利用して引き込みながら投げる技にしました。手順自体を利用して投げる技なのでなかなか逃げられないと思います。将来は井上康生さんのように、これだという技で『一本』取れる選手を目指します」


【準々決勝】

込山龍哉(相洋高3年)○内股透(2:04)△橋本涼太(近江高2年)
古賀颯人(大成高2年)○優勢[有効]△浅野大輔(白鴎大足利高3年)
田島優人(東海大浦安高3年)○優勢[技有]△佐藤晃輔(安田学園高2年)
鳥羽潤(松本第一高3年)○合技(2:35)笠原大雅(天理高1年)

【準決勝】

古賀颯人○優勢[指導3]△込山龍哉
鳥羽潤○崩袈裟固(1:14)△田島優人

【決勝】

鳥羽潤○合技(2:57)△古賀颯人

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