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絶対王者リネールが6連覇達成、決勝は七戸龍に粘られ笑顔なし・チェリャビンスク世界柔道選手権100kg超級レポート

(2014年8月31日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月31日掲載記事より転載・編集しています。
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絶対王者リネールが6連覇達成、決勝は七戸龍に粘られ笑顔なし
チェリャビンスク世界柔道選手権100kg超級レポート
【成績上位者】 エントリー37名
1.RINER, Teddy(FRA)
2.SHICHINOHE, Ryu(JPN)
3.SAIDOV, Renat(RUS)
3.SILVA, Rafael(BRA)
5.MEYER, Roy(NED)
5.MOURA, David(BRA)
7.KRAKOVETSKII, Iurii(KGZ)
7.PASKEVICIUS, Marius(LTU)

絶対王者テディ・リネール(フランス)が6連覇達成。ただし今回はそこにあるべき「圧勝」の文字がない。言うまでもなく決勝でマッチアップした七戸龍(九州電力)の大善戦があったからだ。

決勝までのリネールの勝ちぶりは圧倒的。

リネールは2回戦のオール・サッソン(イスラエル)戦から登場。相手が右大外刈に入ろうとしたところを呼び込んで右大外刈で刈り返す。ボールを投げるように釣り手を振ると勢いのついたサッソンは吹っ飛び、体まるごと一つ分遠くに背中から着地。場内呆れ返る豪快な「一本」(0:49)。
3回戦はミハエル・ホラック(チェコ)を相手に組み、頭を下げさせ、釣り手側に引き寄せ、と淀みなくシナリオ進行、機が熟したと見るや間を置かずに右内股。引き手が良く利き、入り過ぎるほど深く入った一撃を空中で角度調整、自身の体が降りるタイミングをずらして綺麗に相手に背中を着かせ「一本」(0:35)、準々決勝は前戦で上川大樹を破ったレナト・サイドフ(ロシア)を得意の浮技で転がして「技有」、そのまま縦四方固に抑え込んで一本勝ち(1:22)、最大の敵と目されたラファエラ・シウバ(ブラジル)との準決勝は相手の右一本背負投の掛け潰れを逃さずあっという間に絞め上げて片手絞「一本」、この試合も僅か50秒で勝利。4試合連続の一本勝ち、平均試合時間51秒と今大会もモンスターぶりを存分に見せつけて、決勝の七戸龍戦に臨む。

両者右組みの相四つ。リネール引き手で襟を掴んで丁寧に試合に入ろうとするが、七戸思い切り組み際の右大内刈に入って会場を沸かせ、まずはリネールの出鼻を挫く。

リネールは七戸の右片襟を引き寄せて引き手で袖を狙う、きちんと両手を使った丁寧な組み手。七戸再度思い切った右大内刈を放つと、40秒には右大外刈。釣り手だけを持ってまず刈り足を引っ掛けると、膝を殺されたリネール大きく揺らいでたたらを踏む。引き手が拾えず投げには至らなかったが、リネールのここ数年ついぞ見せたことのない大崩れを目の当たりにして会場はどよめく。

リネール、片襟から引き手を確保して右大外巻込を放つ。投げ切れずに潰れたがこの攻勢を受けて1分34秒七戸に「指導」。
続く展開、引き手を得たリネールが七戸の頭を下げさせて右内股、凌いだ七戸が釣り手で奥襟を叩くとリネールは切り、奥襟を叩き返し、引き落とし、場外へと突きころばし、踏みとどまった七戸を引込返で一回転させる。これは「待て」の後でノーポイント。

これで取り損ねたリネールは完全に反則狙いに作戦をシフト。七戸が奥襟を叩くとすぐに切っては逆に奥襟を取り返し、「仕掛ければ却って苦しい」力関係を七戸に教え込むかのような圧殺攻撃。七戸右体落で必死に展開を保つが、3分33秒には七戸に3つ目の「指導」が宣告されるに至る。試合はもはや半ば以上終わったものと思われた。

ところが最大の山場はここから。3分41秒の組み際に七戸が片襟に釣り手を入れつつ鋭、い右大内刈。王者の長い体は一瞬真裏に崩れ、次いで着地の体勢を探して捻られる。

すわ王者陥落か、と会場の大歓声のなかリネールは時計まわりに畳を見る形で横倒し。横から倒れ、次いで伏せた二段アクションは「有効」の可能性十分と思われたがポイント宣告はなし。審判団は長い協議の末、この技のノーポイント評価を正式に決定。

七戸激しく前に出るがこのままスコア動かず試合終了。試合は「指導3」による優勢でリネールの勝利となった。

七戸はまさしく大善戦。戦後のリネールの浮かない表情が試合内容を如実に物語っていた。

七戸は太くなった体幹というフィジカル面の上積みのほか、度々挑んだ寝技の上達、初戦でもとメダリストオスカー・ブライソンから「技有」を奪った引き手側への支釣込足などで見せた技術的な幅の広がり、と今大会は競技者とて一段明らかな成長を見せた大会。長年苦しんだ日本の重量級に一気に展望が開けた一日となった。

上川大樹は予選ラウンド敗退だった。

準決勝以降の結果と日本選手の勝ち上がり詳細は下記。

【準決勝】

テディ・リネール○片手絞(0:50)△ラファエラ・シウバ(ブラジル)
七戸龍○合技[大内刈・大内刈](4:35)△ダビド・モウラ(ブラジル)

【3位決定戦】

レナト・サイドフ(ロシア)○上四方固(4:24)△ダビド・モウラ(ブラジル)
ラファエラ・シウバ(ブラジル)○優勢[指導1]△ロイ・メイヤー(オランダ)

【決勝】

テディ・リネール○優勢[指導3]△七戸龍

■日本選手勝ち上がり

七戸龍(九州電力)
成績:2位

[2回戦]

七戸龍○優勢[技有・支釣込足]△オスカー・ブライソン(キューバ)

ブライソンは右組みから左右の内股を仕掛けるが七戸落ち着いて対処。右大内刈、右内股で攻め、組み勝っては上下にあおって前に引きずり出しと優位を積み重ね終盤までに「指導」2つを奪う。
残り7秒、七戸珍しい自身の左側への支釣込足。崩れた相手を左引き手を利かせて浮き落とし「技有」。

[3回戦]

七戸龍○浮落(1:37)△マチェイ・サルナツキ(ポーランド)

ケンカ四つ。
相手が押し込みながら左小外掛に打って出たところを、またいで浮落「一本」。

[準々決勝]

七戸龍○腕挫十字固(2:04)△ユーリ・クラコベツキ(キルギスタン)

ケンカ四つ。1分7秒七戸のみにやや不可解な「指導」。
2分、引き手で袖を確保した七戸が釣り手で相手の右肩を押しながら右大内刈。クラコベツキが体を開こうとした動作にピタリとあったこの技は「技有」。
七戸確保した引き手を離さず腕挫十字固「一本」。決勝ラウンド進出決定。

[準決勝]

七戸龍○合技[大内刈・大内刈](4:35)△ダビド・モウラ(ブラジル)

ケンカ四つ。序盤に右一本背負投の奇襲で「技有」失うも右大内刈「技有」で追いつき、最後は不利を感じたモウラの左小外掛を右大内刈に捉えて「技有」。合技の一本勝で試合終了。

[決勝]

七戸龍△優勢[指導3]○テディ・リネール

右相四つ。七戸が右大内刈と右大外刈で王者をグラつかせ、場内は大歓声。
投げ切れないとみたリネールは「指導」狙いに作戦変更、目論み通り3分33秒までに3つの「指導」を獲得。
残り1分を過ぎて七戸が片襟の右大内刈。リネール転がりあるいは「有効」かと思われたが合議の末ノーポイント。そのままリネールの勝利決定。七戸は絶対王者を相手に大善戦。



上川大樹(京葉ガス)
成績:3回戦敗退

[2回戦]

上川大樹○合技[燕返・横四方固](3:25)△ダニエル・アレストルフェル(オーストリア)

じっくり相手を見て支釣込足で優位確保。「指導2」を得る。
中盤、相手の左出足払を燕返で切り返し「技有」そのまま抑え込んで勝利。

[3回戦]

上川大樹△優勢[技有・支釣込足]○レナト・サイドフ(ロシア)


右相四つ。序盤は互いに釣り手を高い位置で持ちあうが、ほとんど技を掛けず46秒双方に「指導1」。
直後上川、足だけを先に引っ掛けて足車気味の右大外刈。しかし単発、崩しのない技では長身のサイドフ全く崩れず。以後上川の仕掛けはさらに減速。

1分31秒サイドフが巴投から関節技を狙った引き込み。上川一瞬で腰が砕け、意外なほど大きく崩れて前のめりに倒れる。腕挫膝固、次いで腕挫十字固を狙われるが「待て」。
以後60秒に渡り、お互いがガップリ組み、そして技をほとんど全く掛けない展開。結果長身のサイドフの組み手が優位と判断され、2分31秒上川に「指導2」。

直後上川、またしても単発、崩さず足だけを差し入れる右大外刈。サイドフ透かして支釣込足「技有」。

リードしたサイドフ当然ながら組み方を変え、引き手で上川の袖を絞って持たせず自分だけが優位を作り続ける。上川これを受け入れて全く攻めずに時間を過ごしてしまい、3分54秒上川に「指導3」。

残り1分6秒、もう行くしかない上川だが、釣り手の低さを気にしてかこの時点から残り16秒のサイドフの偽装攻撃「指導」にに至るまでお見合いを続け、仕掛けた技はゼロ。

再開後、上川はここに至って組み手の組み立てを変える。一手目はまず釣り手で前襟を握り、次いで相手の引き手を叩いて払う丁寧な組み手。スクランブルを掛けるべき状況でのこの不可解な選択にサイドフうまく付き合い、上川は技を掛けないまま終戦。

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