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チリキシビリとピエトリの二強が軸、割って入るのは初出場の永瀬貴規・世界柔道選手権81kg級展望

(2014年8月28日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月28日掲載記事より転載・編集しています。
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チリキシビリとピエトリの二強が軸、割って入るのは初出場の永瀬貴規
チェリャビンスク世界柔道選手権81kg級展望
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日本代表は初出場の永瀬貴規

■日本代表選手

永瀬貴規(筑波大3年) 20歳
おもな戦績:2013年11月グランドスラム東京1位、2014年2月グランドスラムパリ3位

■有力選手×階級概況

中堅グループに有力選手がぎっしりひしめく混戦階級ではあるが、優勝候補は昨年2位のアヴタンディル・チリキシビリ(グルジア)、対抗は昨年王者のロイック・ピエトリ(フランス)と考えておいてほぼ間違いない。この2人、特にチリキシビリの地力の高さは他を一段引き離している。

チリキシビリはグルジア選手らしいパワーファイター。内股、払巻込に裏投と持ち技はオーソドックスだが、この選手の厄介なところは左右が効くこと。それも技の左右、構えの左右だけでなく、組み手と技自体をスイッチしてくることだ。左右の奥襟とクロスグリップを使いこなして、技の威力も左右遜色がない。組んでしまえば強いチリキシビリに対するに当たり、左右どちらを絞っても必ず奥襟が飛んできて固定されてしまうというこの状況は対戦相手にとって恐怖そのもの。世界選手権では決勝でピエトリに苦杯を喫したが今年2月のグランドスラム・パリではきっちりお返ししており、今大会は間違いなく優勝候補筆頭。

対するピエトリはチリキシビリのように相手に恐怖をまき散らすようなタイプではないが、右背負投、左袖釣込腰に左一本背負投と左右の担ぎ技を使い分ける、こちらは圧殺跳ね技系のチリキシビリとは対照的な、動き激しく試合を動かして隙を探す担ぎ技系ファイター。フランス選手らしい手堅い選手だが、動きを止めようと接近戦を挑むと躊躇なく裏投を打ってくる思い切りの良さも持っている。この人の担ぎ技は、先手攻撃による「指導」累積を受けての相手の前進に支えられているところがあり、先手で試合を作れるかどうかが勝利のカギ。

以降この階級のハイランカーは柔術系寝技ファイターのトラヴィス・スティーブンス(アメリカ)、手足の長さを利して相手の嫌がる行動を選択し続け「指導」を積み重ねるトータルファイターのアントワーヌ・ヴァロワフォルティエ(カナダ)、そして現時点のドイツの第一人者スヴェン・マレシュ(ドイツ)といずれも爆発力のあるタイプではなく、どちらかというとワールドツアーに数多く参加し、一定以上の成績を確実に残すことでランキング上位に留まり続けている選手たちで、例えばチリキシビリを一発投げつけて頂点に上り詰めるというようなアップセットが期待出来るタイプではない。

その文脈でいくと、これらBグループの中から頂点取りの可能性があるタイプは永瀬貴規とヴィクトル・ペナウベル(ブラジル)。
国際舞台にあっては「新顔」の永瀬の実績はまだ実質2大会のみだが、デビュー戦となった昨冬のグランドスラム東京でなんとピエトリとチリキシビリを破って優勝、続くグランドスラムパリではチリキシビリに敗退して3位だったが、調整期とはいえ世界選手権ファイナリスト2人を破った東京大会のインパクトがよほど強かったのか、パリ大会ではチリキシビリの永瀬に対するアプローチは東京大会とは全く違った。そして永瀬は以後の国際大会に出場していない。最高到達点は金メダリストを凌ぎ、かつデータの少ない永瀬は他国にとってまことに不気味な存在となっているはずだ。4月に体重無差別の全日本選手権で3位入賞した際は、その投技の威力以上に、相手がもはや深く捕まえたと思って体を捨てたその瞬間になお切り返して投げ返す懐の深さと身体能力の高さが際立った。警戒されてなお、研究されてなお世界で勝ち抜くには、投げ一撃以上にこの部分が生きて来るのではないかと思われる。

ペナウベルはブラジル選手らしく、足技から左の背負投に繋ぐ日本的なスタイルの綺麗な柔道。左右の大外刈も効き、接近戦、スクランブル体勢で繰り出す技もそれぞれしっかり持っている。
ほか、ロシア勢はランキング40位以内に7人を送り込んでおり、だれが出場するかわからない状態。アラン・クベトソフと13年ワールドマスターズ王者イワン・ニフォントフの出場が有力だが、昨シーズンから突如ツアーに起用され続けている若手のマゴメド・マゴメドフ、パターンの異なる小外掛の一撃で大物食いタイプと分類できるイワン・ヴォロビエフまで含め、いったい誰が出るのか注目しておくべきだろう。

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実力ナンバーワンはチリキシビリ

■組み合わせ

ランキング通り、チリキシビリ、ピエトリ、ペナウベルの3人の山が分かれた。
不確定要素はBシード選手扱いの永瀬の行く末であったが、非常に厳しい結果。

そしてロシアが送り込むカードはリオ世界選手権以来大会出場がなかった13年ワールドマスターズ王者イワン・ニフォントフ(ロシア)。地元大会に合わせてしっかり調整してきたと考えるのが妥当で、この人の存在は事前評を大きく揺るがす可能性がある。

【Aブロック】

Aシード選手:アヴタンディル・チリキシビリ(グルジア)
Bシード選手:永瀬貴規


永瀬としてはここ以外のブロックであればベスト4入り確実、チリキシビリとしても嫌な選手が自分のブロックに入ってきたなとお互いが顔をしかめるであろう、激戦パート。

チリキシビリの直下にヤロミール・ムシル(チェコ)、ヨアキム・ボットー(ベルギー)が配されてはいるが、チリキシビリと永瀬に対抗できるような選手は見当たらない。

チリキシビリ-永瀬戦は様相読み難い。左右組みのチリキシビリは近い方から永瀬の奥襟を叩いて固定、永瀬の姿勢に応じて左右いずれかに構えを入れ変えるという戦い方をしてくるのではないか。永瀬としては自身が右の釣り手を高い位置で確保して、攻めを晒すことで相手を押しとどめていきたいところ。

【Bブロック】

Aシード選手:スヴェン・マレシュ(ドイツ)
Bシード選手:トラヴィス・スティーブンス(アメリカ)

第4シード選手マレシュの山。Bシード選手の寝技ファイタースティーブンスと実力レベルはさして変わらず、準々決勝がこの2人の対戦であれば勝敗以外の興味はなかなか抱きにくい。場外際を存分に使って寝技を展開するスティーブンスの試合力に注目、というくらい。

しかしマレシュの直下には昨年の銅メダリストであるフランス第2代表アラン・シュミットが配された。全員が正当に実力を出し合うという仮定であれば勝ち上がりはシュミットであろう。いずれ1回戦第1試合、マレシュ-シュミット戦は前半の山場。見逃せない一番。

【Cブロック】

Aシード選手:ロイック・ピエトリ(フランス)
Bシード選手:サボールチュ・クリージャン(ハンガリー)

ピエトリの山。初戦に今回どの階級でも番狂わせタイプの曲者を仕込んできている韓国のイ・センス、3回戦にロビン・パチェック(スウェーデン)がいるが、準々決勝までの勝ち上がりは堅い。

そして逆側、クリージャンの山にはニフォントフが配された。ピエトリとの準々決勝は見逃せないが、2回戦で対戦するクリージャンはニフォントフの現在位置を測るには恰好の相手。Bブロックのマレシュvsシュミット戦に劣らない序盤戦の山場だ。

【Dブロック】

Aシード選手:ヴィクトル・ペナウベル(ブラジル)
Bシード選手:アントワーヌ・ヴァロワフォルティエ(カナダ)

前述の通り、柔道が強いのは明らかにペナウベルだが、長い手足を利して組み手と「指導」累積、そして返し技でどんな大会でも「そこそこ」勝ち抜くヴァロワフォルティエの試合力の高さは全階級通じても屈指のものがある。今大会不調のブラジル勢、それも柔道が素直なペナウベルがどんな戦いをするか。両者の対決は準々決勝、このブロックも面白い。

【準決勝-決勝】

チリキシビリ(永瀬) - シュミット
ピエトリ(ニフォントフ) - ペナウベル(バロアフォルティエ)

ここまでの潰し合いも含めて大混戦、有力3選手は直近の対戦歴がないか、勝ったり負けたりの力関係で今回に持ち込むべき材料を探すのは難しい。誰が勝ってもおかしくない混戦ということで試合を楽しむべき。純事前評としては、投げるべき手立てと形がもっとも多く、パワーもあるチリキシビリを推しておきたい。

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