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ハイランカーはダンゴ状態、爆発力ある松本薫と宇高菜絵の一騎打ちに期待・チェリャビンスク世界柔道選手権57kg級展望

(2014年8月26日)

※ eJudo携帯版「e柔道」およびeJudoメルマガ版8月26日掲載記事より転載・編集しています。
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ハイランカーはダンゴ状態、爆発力ある松本薫と宇高菜絵の一騎打ちに期待
チェリャビンスク世界柔道選手権57kg級展望
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ロンドン五輪金メダリストの松本薫

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宇高菜絵は2010年東京大会以来の世界選手権出場

■日本代表選手

松本薫
26歳 ワールドランキング21位
主な戦績:2012年ロンドン五輪1位、2010年東京世界選手権1位、2011年パリ世界選手権3位
最近の成績:2013年11月講道館杯1位、2014年2月グランプリ・デュッセルドルフ1位、2014年6月グランプリ・ブダペスト1位

宇高菜絵
29歳 ワールドランキング13位
主な戦績:2010年東京世界選手権出場、2010年ワールドマスターズ2位
最近の成績:2013年11月グランドスラム東京1位、2014年2月グランドスラムパリ2位、4月全日本選抜体重別1位

■有力選手×階級概況

当然と言えば当然だが、この階級のハイランカーは1位のミリアム・ローパー(ドイツ)、2位のラファエラ・シウバ(ブラジル)を始めとしてワールドツアーに皆勤し、ある程度以上の成績を残し続けることでその地位を保っているものが多い。続けて勝つ選手はなかなか現れず、ハイランクは大会出場の多さゆえ。率直に言ってワールドランキングの順位(=シード順)がそのまま力を表すという構図にはなっていないと考えたほうがいい。

純実力で考えればロンドン五輪王者の松本薫と宇高菜絵の日本勢二人の力が他より一段上ではないかと思われる。力、技、試合力の全てで他を圧する松本、組みさえすれば全ての選手を投げつける大外刈の一撃を持つ「技」の宇高とそれぞれ持ち味は違うが、組み合わせ抽選さえ噛み合えば決勝での日本人対決も十分あり得る。

2010年東京世界選手権優勝以降、12年のロンドン五輪まで最強選手として57kg級に君臨した松本薫はいよいよ復活。負傷明けに強行出場した2月のグランプリ・デュセルドルフではコンディション不良ながらあっさり優勝、調整試合として出場したグランプリ・ブダペストでもドルジスレン・スミヤ(モンゴル)、コリナ・カプリオリウ(ルーマニア)らの強者を降して優勝を飾っている。袖釣込腰で崩して寝技で獲り切るという戦い方は技術論的には地味だが、圧倒的な地力の強さとここだと見れば形を崩してでも殺しに掛かる過剰すぎるほどの勝負度胸ゆえ、その発想とタイミングは常に異次元。ポイントゲームを挑んでゲームのスコアで相手を上回ろうという選手が多くなった昨今稀な「相手を倒す」というこの競技の本質にまっすぐ立ち向かう選手でもある。IJFのアナウンサーが「アサシン」と表現するそのファイトスタイル自体に注目だ。もちろん優勝候補の一番手。

この2人を追う勢力はいずれもワールドツアーの常連。北京-ロンドン期に活躍したテルマ・モンテイロ(ポルトガル)やコリナ・カプリオリウ(ルーマニア)は後退、勢力図は一世代下り、現在表彰台を狙うグループを構成するのは前述のミリアム・ローパー、昨年地元リオ大会で突如ブレイクして金メダルを獲得したラファエラ・シウバ(ブラジル)、昨年前半に連勝街道を驀進したオトーヌ・パヴィア(フランス)、昨年準優勝のマーティ・マロイ(アメリカ)らロンドン以降に成績を残している新勢力。これにベテランながらツアーに皆勤して最前線に留まり続けるサブリナ・フィルツモザー(オーストリア)、昨年ワールドマスターズを制した体幹系パワーファイターのドルジスレン・スミヤ(モンゴル)のダークホース2人を加えたところまでが優勝争いに加わるメンバー。

互いに勝ったり負けたりで絶対的な強者が生まれにくいこのグループにあってもっとも安定感があるのはパヴィア。美人選手としても有名だが、柔道スタイルは長い手足を生かした「ケンカ四つクロス」の状態からの「投げることは出来ないが確実に崩せる」内股、さらに場外際までいったん下がっての巻込技で手数を稼いで「指導」を狙い、状況の不利に焦った相手を下がりながらの出足払で転がしに掛かる、というお世辞にも「きれい」とは言い難い超戦術派。どちらが強いか決着をつけにくるタイプではなくポイントゲームを仕掛けて勝ちを拾っていくタイプ。ただし出足払のみは試合を一撃で終わらせる力がある。ここには十分注意を払いたい。

昨年王者のシウバも戴冠以降明らかに一段強くなっており、混戦を抜け出す可能性は十分。左組みだが、相四つの相手には平然と右で組むなど、まず相手のやりにくい、凌ぎやすい形から技を仕掛けてくる。ケンカ四つの相手に対しては釣り手で相手の背中をガップリ持って腰の差しあいを誘い、相手の内股を股中で透かして返すのが必勝パターン。持ち技はオーソドックスそのものだが、こういう泥沼の戦術スタイルからは想像し難い切れ味の出足払一撃を懐に呑んでおり、これがシウバが単なる上位グループ選手に留まらない要因。世界選手権以降は徹底マークもあってかパフォーマンスは下降気味で、直前のグランドスラム・チュメンでも初戦で連珍羚(台湾)に敗れている。本番でこの重囲をどう突破するかに注目。

若手では昨年世界ジュニア2位、今年6月、7月のワールドツアーで2連勝を飾ったカトリン・ブーシェミンピナード(カナダ)に注目。潜在能力の高さを試合をこなすことで磨くというタイプで、ブレイクの要素が揃いつつある印象。

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ダンゴ状態の欧州勢の中、もっとも安定感があるのはパヴィア

■組み合わせ

【Aブロック】

第1シード者ローパーの山。ここに宇高が配され、ヤディニス・アマリス(コロンビア)との2回戦を経てローパーとの対決を迎えることになる。宇高とローパーは右相四つ。ローパーの相四つの選手に対する手立ては奥襟を叩いての左小外刈、両袖で絞っての隅返、内股を仕掛けさせておいての横車など。宇高としては二本しっかり持った上で、相手の釣り手の圧力をずらして得意の大外刈に持ち込みたい。持てば一発、今回の売りの宇高はどちらかというと「釣り手を持たせない」ことよりも「どう釣り手を得るか」が勝負のポイント。その手立てに注目。下側の山のシード選手はブーシェミンピナードだが、これは問題ないかと思われる。勝ち上がるのは宇高-ローパー戦の勝者。

【Bブロック】

パヴィアの山。3回戦でイリナ・ザブルディナ(オーストリア)、準々決勝はもう1人のシード選手サブリナ・フィルツモザー(オーストリア)と粒の揃ったブロック。激戦である。事前予想としてパヴィアを推すが、今季好調のフィルツモザー、ベテランながら成長著しいザブルディナいずれが勝ち上がってもおかしくない。

【Cブロック】
ラファエラ・シウバとドルジスレン・スミヤのシード選手による一騎打ち。普通に考えればドルジスレンの突進をシウバが足技で捌き、という構図が予想されるが、とにかく今大会のブラジル勢は出来が悪い。予想の難しいブロック。

【Dブロック】

大激戦区。シード選手マーティ・マロイの直下に松本、勝ち上がるとかつてのライバルであるモンテイロが待ち受け、下側の山にはシード選手ケトレン・クアドロス(ブラジル)、カプリオリウに連珍羚(台湾)までが詰め込まれた。北京-ロンドン期の決勝ラウンドを1ブロックで賄うかのような混戦ブロックだ。勝ち上がり候補は松本、最大の山場はマロイとの2回戦となるだろう。

【準決勝-決勝】

宇高 – パヴィア
ドルジスレン (シウバ) - 松本

と予想する。
日本勢にとっては逆の方が戦い易かったのではないかと思われるが、破綻なく力を出せば両者決勝の可能性は十分。ドルジスレンは左組み、ケンカ四つの時は片手状態からの技をどんどん出してくるので早く二本持って戦いたい。パヴィアは泥沼も腰の入れ合いを挑みながら内股、巻込みと仕掛けてくるが、結局投げる技は出足払しかない。一歩抜け出して、外側の足にアプローチする大外刈で勝負を掛けたい。

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